ガブラスと赤い外装のアーチャーの剣が互いに打ち付けられ、火花が散る。
アーチャーの剣はガブラスの剣に比べて脆いのかすぐに壊れるが、すぐにどこからか補充する。
それが何度も繰り返され、どちらも一歩も引かず、攻めきれないでいた。
「これが…サーヴァント同士の戦い…」
デミサーヴァントのマシュは今までのシャドウサーヴァントと違う、激しいサーヴァントの戦いに驚きと不安を抱いていた。はたして自分はあのような相手にどれだけ戦えるのだろうと。
「―――
「あ、アレは!?」
アーチャーはガブラスの一撃を後ろへ回避し、双剣をガブラスへ投擲する。
セイバーがそれを見て驚きの声を上げたということは、アーチャーが何をするのか気付いたのか、それとも知っているのか。
「―――
「気を付けてください、アヴェンジャー! その技はミスをすると避けられません!」
どうやらアーチャーの技を知っているようで、ガブラスにそう声をかける。
そうしているうちに投擲された双剣をガブラスが弾き、アーチャーは同じ双剣をもう一組作る。
「―――
アーチャー自らがガブラスに近づきながら、新たに出した双剣をまた投擲する。
「―――
さらにもう一組、アーチャーが双剣を取り出すと弾かれた二組の双剣がガブラスの元へ戻って来る。
「そうか…対となり、引き合う剣か!」
気付いた時には手遅れだった。もうすでに技は完成の一歩手前まで来ている。
「―――
最後に取出し、持っていた剣が巨大化し、引き合う剣と同時に攻撃される。
ほぼ全方向からの攻撃による回避不可能の一撃。
正直、俺はここで終わったと思っていた。
「癒せぬ苦痛を!」
「なにっ!?」
だが、ガブラスはそれを対処した。
全方向への衝撃波攻撃。
全方向からの攻撃に対し、ガブラスは全方向への攻撃で対処したのだ。
「制裁を下さん!」
衝撃波によって完全に隙が生まれたアーチャーへ一気に近づき、上へと切り上げる。
それを追いかけるようにガブラスも飛び上がり、剣をしまうと胸の前に現れた黒い瘴気のようなモノへ手をかざし、腕にまとわり付かせてそれをアーチャーへ波動のように解き放つ。
「同じ苦しみを味わえ!」
放たれた瘴気の波動はアーチャーを打ち抜く。
「燃え尽きるがいい!」
ガブラスがそう唱えると、アーチャーのほぼ真上に巨大な魔法陣が現れる。
「うそ!? あんなに大きな魔法陣見たことない! っていうか、こっちまで巻き込まれるんじゃないの!?」
そうだ、あれだけ大きければこちらまで被害が出る可能性がでかい。
「失意の荒野を彷徨うがいい!」
急いで止めようとしたが、間に合わず魔法が発動されてしまう。
「…あれ…なんともない?」
誰が言ったのかしらないが、誰かが言ったとおりこちらはなんともなかった。
だが、対象であったアーチャーは完全に消えていたことから、その魔法の威力がうかがえる。
「すごい…これが…エクストラクラスの力…」
ほぼ全員が言葉を失っていた。それほどまでにガブラスは強く、恐ろしかった。
「騒ぐほどのことではない」
ガブラスはそう言って歩きだす。
「何をしている。この異変を解決するのではなかったのか?」
少し歩いて、俺たちが歩かないことに気付いたガブラスは足をいったん止め、こちらを振り向いて問うてきた。
「え、ええ、そうよ。皆、行くわよ!」
いち早く意識を戻したオルガマリー所長が、先へと進む。
それを見て他のメンバーも急いで所長を追いかけていく。
正直、ガブラス一人でもよくね? って思ったのは俺だけではないはずだ。