「な、何なんだソレは!!」
眩い紅い光りから現れたファイズに氷村は驚きを隠せないでいた。彼は月村家の当主の座を狙っていた……『夜の一族』と呼ばれるそれらは吸血鬼の末裔であった、生まれながら特別な力または、身体能力を持っていた。人間には程遠いモノを持ち合わせていた………だから氷村は自分の一族に誇りを持っていた、自分達以外の生物は全てゴミクズだと思っていた、だからこそ、自分こそが一族の当主にこそふさわしいと………しかし、それは叶わないものになった、従姉妹である月村忍が次期頭首になった。
(巫山戯るな!あの女なごときに頭首が務まるか!!)
だから、彼は行動に起こした
忍の妹であるすずかを攫った、オマケにアリサとか言うガキも。忍を脅して自分のモノにするために用意周到に作戦を進めていた。そんな時とある男が現れた、ソイツは持っていた瓶の液体を飲ましてきた
そこで俺は到達した、生物の頂点に!!
湧き上がる万能感、迸る力!
俺が全ての頂点!!
そして、男は『高町恭也を殺せ』と言ってきた
丁度良い、やってやろうと俺は了承した………
全ては上手く行く、そう思っていた
なのに、コイツは一体何になったんだ!!!
ファイズが右手を軽くスナップ、それを合図にファイズは氷村目掛けて突進する。
「ぐっ、なんだこの力は!?」
ファイズは氷村と共に廃墟のコンクリートの壁を破り、下の駐車スペースに落下する
落下したファイズはすぐ様立ち上がり、男を見据える
「……貴様、その力どこで手に入れた?」
氷村の問いに対してファイズはなんの反応を示さない、その態度に氷村の琴線に触れた
「もう、良い!!下僕共アイツを八つ裂きにしろ!!」
氷村の背後の闇から黒服の男達が現れた、数十人の男達はファイズへと襲いかかる。
「クソ!」
ファイズは文句をたらす、今相手にコイツ等はもう死んでいる、アイツに操られている肉人形になっている。
ファイズの怒りは爆発する
ファイズは〈ファイズアクセル〉のミッションメモリを〈ファイズフォン〉に挿入する
『Complete!』
「十秒間だけ、付き合ってやる」
低く呟く。胸のフルメタルラングが左右に展開し、瞳が黄から赤へと変色した。
『Start up』
瞬間、ファイズの世界から音を置き去りにした
赤のフォトンストリームが銀のシルバーストリームに変わり、超高速戦闘形態へと起動が切り替わった。
地に付いた右足。力を溜め、蹴って溜め、蹴って溜めた。視界の全てが粒状に撹拌。身をかがめ渾身の力で飛翔。跳躍して見下ろした世界が置き去りにされた。デバイスに搭載されたアクセルフォーム。十秒間のみ通常の千倍の速度で動くことが許された、魔法の時間。時を支配したこの空間で、ファイズを遮るものは、何ひとつない。右足に意思が込められた。フォトンブラッドが唸りを上げて白光する。
――『Exceed Charge』
電子音が断罪の庭に降り立つ。叫びが万感の思いを込め、雷鳴のように轟いた。ポインタが眼下の敵を一斉に捉え、神速の蹴りが音域を引きちぎり片っ端から撃破した。
――『3』
ファイズ必殺のクリムゾンスマッシュ。
――『2』
つるべ打ちに射落とされた男達は、ギリシャ文字Φの紋章と共に青白い炎を吹き上げ、その身を原子レベルの灰に変え、大地より残らず消え去った。
『1――Time out』
カウントがうやうやしく魔法の時間を刻み終え、『Reformation』の音と共に、フルメタルラングが静かに閉じられる。
「………なっ、何なんだ………コレは………?」
氷村はファイズの力との差に失禁していた、コイツはヤバイ!!本能的にそれを察知していた。ふと、青い炎の咲く大地に立っていたファイズの黄色の瞳と合う
「ひっ、ヒイイイイイイイイッッッッッッ!!」
恐怖がピークに達した氷村は黒い羽を必死に動かして、上空へと逃げた、しかし、彼は馬鹿ではない。
本来の目的、月村忍を自身のモノとする。それを思い出した
(忍を攫って、オレ好みの雌豚に調教してやる!!)
氷村のファイズに対しての小さな抵抗だった、しかしファイズはすかさずー
『AUTO VAJIN Come Closer!!』
電子音と共に無人のバイクが轟音と共に現れた、そしてすかさず5826のコードがファイズフォンに装填された。
――『AUTO VAJIN Battle Mode!』
ブレインズコンバータの出力はフル稼働し、内在されたソルグリセリンがピストンも折れよとばかりにシリンダ内を爆発的に叩く。
可変型ビークルは車体を瞬時に変形させ、戦闘態勢へと移行した。
オートバジンは内蔵されているジェットエンジンを噴射させ、氷村の元へと先回りする
「な、ロボット!?」
氷村の反応をつかの間、オートバジンのタイヤホイール型のマシンガンが火を吹く。
それを直撃した氷村は落下していく、その下には紅い閃光宿したファイズエッジを持ったファイズが待ち受けていた……。
「ウアァァァァァァァァァァァッッ!!!!」
心からの絶叫、それを劈くようにファイズエッジが紅い閃光を描くように切りつけた
次の瞬間、氷村の身体から青い炎が発生し、∅の紋章を浮かばせ、分子レベルの灰へと化した………。
ファイズフォンをベルトから取り外し、変身を解いた瞬間、地面に倒れ伏せる。
そのまま、意識を、闇へと、沈ませた……………………
微睡んだ意識の中、九条誠一は穏やかに留まっていた
そんな感じの中で唇に生暖かい感触。それを切っ掛けに誠一はゆっくりと瞼を開ける
すると、目の前には瞳を閉じた紫髪の女性が誠一の唇と唇を重ねていた…………。
おい、なんだこんな状況?冷静沈着な性格の持ち主の誠一でもこの状況に動けずにいた
「ーんッ、……お、起きたのね恭也!」
俺が起きたことに気づき女性は何事も無かった様な態度を慌てて取り繕った。
「お腹大丈夫なの!?というかあれ何なの、あの〜『変身』?てのは!?」
ギャアギャアと喚く女性に鬱陶しさを感じ、思わず。
「うっせぇ!黙ってろ」
瞬間、自分の発言を後悔する。
女性は瞳をウルウルさせながら、こちらを見ていた
「なんだ!恭也が起きたのか!?」
「大丈夫なの、恭也!?」
すると、俺の怒声を聞きつけて二人の若い男女が病室に入ってきた
「て、ちょっと!忍ちゃんが泣いてるじゃないの、何をしたのよ、恭也!?」
若い女性がそう言いながら俺の服を掴み、グラグラと揺らしてくる、首が段々と傷んでくる
パシッと乾いた音が病室に響く、俺が女性の手を払った音だ
「………恭也?」
「たく、何すんだよ。痛えじゃねぇか………」
「………恭也、お前何か、変だそ?」
「変なのはアンタらだろ、人の事をいきなりキスしたり、首を揺すったりして……てか、アンタら誰だよ」
「何言ってるの、恭也。私よ貴男の母の高町桃子よ!」
「私は、お前の父の高町士郎だ、覚えはないのか…!?」
「月村忍、貴方の恋人なのよ!」
「……すまない、アンタら勘違いしてるよ、少なくとも俺はあんたらを知らないし、高町恭也という奴でもない」
三人の表情は悲愴に染まっていく、悪い事をしてるみたいで気分が悪くなる。誠一はベットから身体を出す
「ちょっと、恭也。どこに行くつもりなの!?」
「だから!俺は恭也じゃねぇてっ言ってるだろ!!」
紫髪の女性に大声で怒鳴る、次の瞬間、オレは頬に激しい衝撃を受け、床に倒れ伏す。さすがの誠一も黙ってはいられなかった
「いきなり、何すんだ!!」
男だ、高町士郎とか言う奴が倒れた誠一に掴みかかる
「………恭也、冗談だって言っていいことと悪いことがある!!」
「ちょっと、アナタやめて!!ねぇ、恭也。本当に私達のこと分からない?」
「………だから、さっきから言ってるだろ……俺はアンタらの事は知らないし、恭也でもないって……」
しばし、痛い沈黙が流れる。
数十秒ぐらい経ったあと高町桃子が無言のまま、手鏡を渡してきた
「………これで貴方が何者なのか、確認してみて」
誠一は言われるまま手鏡を見る、そこには見慣れない青年の顔があった。驚いた誠一は確かめる様に自身の顔を触る、皮肉にも鏡の向こう側の人物も同じことをしていた
「………ウソだ。ウソダドンドコドン!!」
九条誠一は『高町恭也』になった………………。
昨日に続き、連続して書きました
次回、表面上。運命は廻り始めた………