あ、今回の作中に出てくるお店の元ネタ分かった人は餃子好きです。ハイ。
16∶00。いいくらいに日が傾いて、少し過ごしやすい時間。そんな快適空間に眼前の男、そいつは一応私、月村忍の恋人である、とある事件に巻き込んでしまったせいで、記憶喪失になってしまったのだ。それからと言うもの…………
「そんで、なんの用?どうでもいい事なのなら、もう帰っていいか?」
不機嫌そうな表情で問としてくるこいつ、高町恭也。
「………いいや、コレの事よ」
私は侍らせていたノエルから銀色のスーツケースを受け取り『例のベルト』を取り出す。瞬間、恭也の表情は真剣なものになる。
「………やっぱり、お前が持ってたか」
「……………ゴメンさないね、ワタシ的には『これ』が何なのか知りたかったし、それ以上に…………」
「なんだ?言ってみろよ」
「………何でもないわ、続けましょう」
私はこう聞きたかった………『アナタはだれなのか?』
理解してるのだ、最初から。これは高町恭也ではないと別の何かであると………。でも何故かそれは聞けなかった。
「?………まぁ、いいけど」
「それで恭也が変身したのはなんな「ファイズだ」
…………ファイズ?」
あっさりと教えてくれた、もっとこう『危険なモノだから教えられない』とか言って、はぐらかすと思っていたが何だか拍子抜けだ。
「俺にもよく原理はわからん、でもコレは『戦う』為の力だってのは分かる」
前言撤回、こいつなんもわかっていない。
「ん〜?『戦う』為?それは『何と』かな、恭也くん?」
叔母の綺堂さくらは恭也の言葉の穴にすぐ様に気づき、それを指摘する。それでも恭也は平然としていた……
「…………さぁ、な。俺に聞くな」
「はぁー!恭也が使っていたなら、分かってる筈でしょ」
「その『高町恭也』が今ここにいるのか?」
しまった。今の恭也は記憶喪失、だから何も知らない。それを突き通せる。
「それで話は終わったのか?ならこれは返させてもらう」
恭也がベルトに手を伸ばす、私はそれを遮る
「………どういうつもりだ」
「恭也の言い分はわかった………でも此方の話も通してほしい」
「話ならもうしたろ、なにすん「【変身】して」…………はぁ〜!」
さくらさんは恭也の【変身】を見ていない、ちょっとした好奇心で言ってるのだろう。
バンッ!と机を強く叩く音が部屋に静寂を齎す。恭也だ…
「………巫山戯んな、力ってのはな、『見せる』物じゃねぇんだよ。いざって時に自分が立ち上がるときに自分に『見せつけて』、自分の信じた『道』を再び貫き通す為にあるんだ、それを好奇心紛いのモノで見せてやるか!喧嘩売ってのか!!」
その表情にはハッキリとした『意志』があった。確かにそこにある………真っ直ぐとした『証明』だった……
「話は終わりだ。帰らせてもらう」
そういうと恭也は銀色のベルトを抱え、部屋を後にする。呆気に取られていた私達は少しの間動けないでいた、以前の恭也は簡単に怒鳴ったりはしなかった。それにあんなキザな言葉は言ったりしなかった、益々アイツが誰なのか知りたくなってきた………でも。
「………結構、良かったかも「オイ、忍」ひゃ、ヒャイ!!」
さっき出ていった彼が戻ってきたなんの用だろう?
すると、彼はドアの隙間から二つの物体を私に放り投げてきた。
「………これは?」
「『ファイズアクセル』と『ファイズブラスター』だ。お前に預けとく」
『ファイズ』というからには何かしらの強化ツールだと思うが
「……これを、どうして?」
すると恭也はバツが悪そうに頭を掻く
「………俺、重い物あんまり持ちたくねぇんだよ……そんじゃあな」
そういうと恭也は本当に出ていった、証拠に外からバイクの駆動音が遠くから消えていった………
「…………良いの、忍ちゃん?」
「良いんです、恭也は今はアレで。それに…………こうして『信用』はしてるみたいですし……」
………恭也はやっぱり『恭也』なのだ
「『仮面ライダーファイズ』ねぇ?」
林田光輝は自室で頭を捻らせていた、高町恭也が変身した『ファイズ』。それは自分にとってとても予想外のモノだった、それ故、『ファイズ』について調べなくてはいけなかった。
「平成仮面ライダーの四代目、モチーフはギリシャ文字のΦ、【ファイズフォン】という携帯型変身ツールに変身コードである【555】を打ち込む事で変身できる」
用紙に書かれていたのはファイズの情報、天照神楽から強引に聞き出したのをまとめたものだった。
「強化形態は二種類、十秒間だけ通常の1000倍のスピードで行動できる【アクセルフォーム】、そして超殲滅型の【ブラスターフォーム】。…………一回殺してどうしてこんな力を手に入れた?」
殺した。そう、その表現は正しいモノだった……
月村氷村を目覚めさせたの自分、林田光輝なのだから。最初の動機としては『高町恭也』が邪魔に思えてきたからだ、僕がなのはを愛しく優しく観察しているとナニカと彼は僕を睨んできた。あぁ分かります、嫉妬してるんですね……『僕のなのは』が可愛すぎるからね、皆から愛させれてもしょうがないよね……………けどね、恭也さんアナタ、未来の義弟にその目はなんだい?僕を危険物みたいなモノ様に見たりして………ソンナノ……………
ボクノセカイニハイラナイ。
そう思ったら、僕の心の中で『高町恭也』を消すが事が決まった
自分が直接、手を出す訳にはいかない……………
そんな時ふと、『あの事件』の事を思い出した。
そうだ、あの時ならば!
そう、月村すずか誘拐事件だ……確か、氷…村?という奴が月村忍を自分の物にしょうとして失敗するんだっけ?まぁどうでも良い、まずは氷村の『吸血鬼の血』わ完全に目覚めさせ、高町恭也を殺した時点で僕が颯爽と現れて、氷村を殺す………そして、僕は月村家から無類の信頼を手にすることができる。邪魔な奴も消せて、信頼も得る。一石二鳥だ!
しかし、それは思い通りにはならなかった………
僕は見た。覚醒した氷村が高町恭也の腹の中を掻き回す音も聞いた。
なのに、なのに、何故アイツは力を手に入れ、帰ってきた!!
『仮面ライダー』なんて、特撮の中だけの存在だろ!
………もしかして、アイツは『高町恭也』ではなく僕と同じように『特典』を手に入れた『憑依者』なのかもしれない!?
そうだとしたら、なのはが危ない!!あの踏み台と同じように擦り寄ってくるに違いない!
……しかし、『高町恭也』は様々の人に慕われている、僕が『アイツは憑依者なんです!偽物なんです!!』と言っても鼻で笑われるだけ…………
ドウスレバ、ドウスレバ、ドウスレバ、ドウスレバ、ドウスレバ、ドウスレバ、ドウスレバ、ドウスレバ、ドウスレバ、ドウスレバ、ドウスレバ、ドウスレバ、ドウスレバ、ドウスレバ、ドウスレバ、ドウスレバ、ドウスレバ、ドウスレバ、ドウスレバ……………………。
ふと、手元の資料が目に止まる。
「………ふ、フフフフフフフハフフフフフフフフフフフフヒハヒヒハハハハハ……………大丈夫だよ、なのは。少しの間待っててくれ、そのバケモノからスクッテアゲルカラネ☆」
狂気は止まらない、見つけてしまったのだ林田光輝は。
『ファイズの装着者は誰でも成れるわけではない……その身に《オルフェノク》の因子がなければならない』
「………与えるということは、与えられるということ………そうだよね、母さん」
その目は何も映さない、ただ………その壁一面に飾られた『高町なのは』の写真以外は…………。
『海鳴臨海自然公園』
最近の高町恭也のお気に入りの昼寝ポイントである………『高町恭也』になる前からの唯一の趣味が『陽のあたる場所で気持ちよく昼寝をする』だからだ。
と、言っても。夜の21:00まで寝てしまうのはどうかと思う………
「やっちまった……」
眼前に広がる星空にため息をつく『高町恭也』がいた。
彼は月村忍からベルトを取り戻した後、街をバイクで一通り疾走した。街の地形を頭に入れておく必要があった……何故か?答えは一ついつでもバケモノの所にすっ飛んで行けれるようにだ。
また、氷村みたいな奴が現れないとは言い切れない……だからその時に備えて準備をしている。
我ながら馬鹿な話だ。と自嘲してしまった、なにも救えなかった俺がまた誰かをまた守ろうとしているのが………そんな思いが頭いっぱいに募る。
そんな時は昼寝に限る!そして何かに導かれるようにこよ公園へと足が運ばれ、日のあたりが良さそうな場所をすぐさま見つけ、息もつかない内に安息の世界へと旅立った………
「……帰るか………痛てッ」
立ち上がろうとしたとき、右手の掌になにか鋭い感覚が走る。なんだ、恭也は先程まで右手の置いてあった場所を探る。
「なんだ、これ?」
それは、なにかの卵のようなモノだった……青白い光を弱々しく出しながら手の平に転がす。細かい装飾が施されており、表面にはローマ数字のⅣが刻まれていた………まじまじと謎の物体ⅹを観察していると…………
「……そ、その……持っている石を……わ、渡してください」
背後から少女のような弱々しい声。ハッと後ろを振り返る
そこには、オオカミといっては過言ではないといえないほど大型犬を連れた金髪のツインテールの少女が立っていた
俺は驚愕していた。その女の子の美しさに?連れている犬の大きさに?違う、自分が彼女たちの気配を微塵も感じていなかったことだ………曲がりにも『仮面ライダー』、寝ていたとしても気配を感じることができる。それなのにコイツ等は音も無く現れた!警戒心のためか、ポケットの中にあるファイズフォンを強く握りしめる。
「あ、あの……聞こえてますか?その石を渡して欲しいのですが?……………どうしよう、無理矢理にでも奪わないといけないのかな」
「あ〜!もう、焦れたいね!!アンタ、早くそれを渡しな、カブっと首元に齧り付くよ!!」
次の瞬間、少女の連れている犬が女性に変化する
(……ここまで来たら、なんでもありだなオイ!)
恭也の内心は焦りまくっていた、しかし同時に確信を得ていた。コイツ等は間違無く何かしら知っているこの『異変』のことを、そしてこの石がアイツラにとって何かしらの意味を持っている。聞き出さなければ、それこそ戦うことになってでも………
触発一発の状況、海風が後ろから冷たく頬をなぞる。
緊張した状況で動き出したのは金髪の少女ーーー
……グウゥゥゥゥゥゥ
ーーーの腹の状況を告げるものだった………。
一瞬にして、緊張感が霧散する。金髪の少女は紅く頬を染めながら羞恥に悶えている
とりあえず、一言。
「…………色々と台無しだ」
私の名前はフェイト·テスタロッサ。
母さん。プレシア·テスタロッサに頼まれ、ロストロギアのジュエルシードの回収をしていた………それなのに、私は今お兄さんに連れられて、『中部日本餃子CBC』というお店に来ていた…………。
ちなみに、お兄さんの名前は高町恭也というらしい。ジュエルシードは昼寝して偶然見つけたらしい。
「おやっさん、茹で五、焼き五、にんにく増量!!」
「ハイよ!茹で五、焼き五、にんにく増量!!」
「ちょ、ちょっと待ってください!私達今、お金ないんですけど……」
「ん?いいよ、俺が払うよ」
「え?……でも!」
「とある奴のばあちゃんは言っていた………『子供は宝、傷つけることは許されない』って、ガキが腹を空かせるほど悲しい物は無いからな……」
恭也さんはそう言いながら、右手の人差し指で天を指していた。何か意味があることなのかな?
「……ところで、この石は何なんだ?」
テーブルの上にジュエルシードを置いて、恭也さんはこちらの様子を伺ってくる。
「……アンタには関係ないだろう」
「残念ながら、関係なくは無い。もしかしてコレの仕業で俺の内臓の殆どがはじけ飛んだかもしれないからな」
その言葉を聞いて、私は血の気がサァーと引いていった、私達がジュエルシードの反応を察知に遅れたからだだから恭也さんはそんな怪我をしてしまったのだ、だったら知りたいと思うのは当然だし、知る権利もある…………
「ーーー分かりました、話します………『ジュエルシード』について………」
「『ジュエルシード』?」
それから、私は知っていることを全て話した……
『ロストロギア』のことや。
『ジュエルシード』のことや。
『魔法』のことや。
私がジュエルシードを母さんの頼みで集めていること。
恭也さんは静かに私の話を聞いてくれた、そして最後に…………
「…………一ついいか?」
「なんですか?」
「すまんかった!もしかして、俺。その『ジュエルシード』とやらを壊したかもしれん。」
ーーー今この人はなんて言った?
『ジュエルシード』を破壊した?古代の遺物『ロストロギア』を破壊しただって!?
「……実は、変なバケモノになった奴がいて。俺の恋人?を傷つけようとしてたから俺がぶっ潰したのだが……多分その時そいつと一緒に灰になったかもしれんーーーーーホントに済まない、お母さんの為に集めていた物を壊しまったんだ、どうにかして詫たい」
恭也さんが低く頭を下げてくる、なんでこの人は謝っているのだ、むしろわたしが頭を下げるべきなのに……
「………なんで、謝るんですか?普通ならわたしが謝るべきだと思うんですけど」
「え?だって、フェイトは別に悪くないだろ、むしろ俺はお前の母さんが必死に探しているものを壊したんだぜ……人の物を壊したなら素直に謝るべきだと思うが………」
………なんだか、子供ぽい。さっきの雰囲気と打って違いなんか安心した。きっとこの人は『嘘』をつかない人だ……私が『高町恭也』に抱いた第一印象だった……
ちなみに恭也さんは何十個に及ぶ数の餃子を一人でペロッと平らげました。
次回、始動
運命は廻り始めた………