ーーー今でも良く覚えている、小学三年生の時の授業。
『我、使命を受けし者なり』
将来の『夢』は何か?という内容だった。
『契約のもと、その力を解き放て』
周りの皆は思い思いに自分の『夢』を語っていた。
『風は空に、星は天に、そして不屈の魂はこの胸に。 』
すると、隣の席の林田君が微笑みながら私に「将来の夢はなに?」と聞いてきた
『この手に魔法を。』
………そういえば、あの時私はなんて言ったのだろうか?
『レイジングハート、セットアップ!!』
《stand by,ready 》
《set up!!》
ーーーその日の放課後私は『運命』を拾った
「………餃子って、美味しよな?」
「恭也、僕は悲しい。お前がこんな不良に育ってしまったのが……」
高町家の中庭に逆さ吊りされた高町恭也がいた、なぜこのような状況になっているのかというと、恭也が店の仕事をほっぽり投げ、あまつさえ最近できた『中部日本餃子CBC』で働きたいと言ってきたのだ。士郎は変わり果てた息子、高町恭也を見て幾度も溜息をはいた。
「………そんなに、餃子か良いの?恭也」
そこに現れた、漆黒のオーラを纏った高町桃子がその場の男達を震え上がらせる、高町桃子の据わった目が恭也を射続けた
「あぁ、そうだ!教えてやろう、餃子ってのはな一種の芸術になるんだぜ、あの皮をどれだけ綺麗に包み込みそして、ソフトな食感にするかが重要なポイントなんた!!それに中にある具も重要だ、安直なニラとひき肉のコンボか?はたまたおつまみにもなるチーズを入れたパリってくる新種か!そこには無限の可能性が広がっている!!しかし、あの店はその可能性を捨て、あえて庶民的なメーニュ、それでは飽きてしまうのではないかと俺は思ったが…………それ間違いだと俺は気づかされた、あの店は古典的、しかしそこにホンモノが実現されていた!ちゃんと客が満足するにんにくの量、そして食べやすい適度な温度!素晴らしい!!ーーーー」
その後、ナニガアッタノカ良く覚えていない………
俺はフェイトに協力することにした。
理由を適当にこじつけさせなんとか納得させた、ジュエルシードとやらを集めているフェイトの母さんの目的がなんとなく気になる、それにフェイトが心配だ。アイツどう見たって無理していることが分かる、絶対倒れるに決まっている。
「……ままならねぇ」
「ん?何か言った、きょーちゃん?」
「………別に」
高町家の道場でひたすら木刀を振る美由希を横目に溜息に付きながら俺も木刀を適当に振る、不良ってのはね身体を動かせば治るてっ!と高町桃子に脅すような視線で言われ、いやいやながらも木刀を振っていた、周りのガキ共が『今日の恭也さんキレがないな』『風邪とか?』『いや、ありえねぇ…あの戦闘民族タカマチ家だぞ。風邪なんかひいた日なんてSEKAI NO OWARIだわ』『ハハハ、無駄口が叩けるということはもっと頑張れるよね』『ア、ハイ』ーーー士郎に地獄へと連れて行った。
「ところで、きょーちゃん何か思い出すことある?」
「…………特に」
「……そっかー、前のきょーちゃんは鍛錬するのが好きだったからこうすれば何かおもいだせるかな〜と思ってさ」
ーーー『高町恭也』は剣道が好きだったのか、だから身体が鍛えられていたのか。動きやすいのは良いのだか………俺も真面目に木刀を振ることにしょう、考えても仕方ない俺は『高町恭也』のことを知らなければならないのだから。
「頼もー!リベンジしに来たぞ、高町恭也!!」
道場の扉を蹴飛ばし現れた少年は鋭い視線で恭也を睨みつけた。
大城浩介、全日本小学生ボクシング大会で三年連続一位を取っていた。彼は純粋に『強さ』を求めて戦う、己の弱さに打ち勝ち何者にも淘汰されぬ様に……そんな彼の二つ名は『弾丸』。ただひたすらに勝利と強さに向かって突っ走る姿から取られたものだ、彼自身そのあだ名を気に入っていた、だから競技の壁を超えとにかく強い人間と戦いまくった。しかし、ある古道場でとある青年に出会った……そう高町恭也だ。彼はいつも通り道場の誇りを賭けて戦えと挑発した、それを買った恭也と試合した、瞬間自身は床に倒れ伏せていた………何が起きたのか理解できなかった、どうして自分は地に伏せられている?そこで彼は初めての敗走に至った………。悔しかったただその屈辱が彼の心に深く刺さった、たがら彼は修行わした、あの男わ倒すために自分が最強だと納得する為に…………………しかし、届かない未だにあの速さを見切れていない、あれでは前と同じように瞬殺されてしまう、躓き転ぶ。その先に光が見えた気がした……ひたすら手を伸ばす、あの頃の弱っちい自分に戻りたくない、必死にただ必死に。その願いは『強さ』。そして、その青白い光を灯す石は彼に『力』を授けた………。
「さあ、もう一度戦え!高町恭也!」
なんか熱血系のガキが俺に対して戦うように促してくる、頭にリストバンドを付けたガキは口を三日月の様にして俺を睨む。
「………嫌だね、それ以前にお前誰だ?」
「ッ………!大城浩介だ、弱者の名前を覚える気がないというあてつけか!」
なんか、逆ギレし始めた。最近の子供ってのは皆危ないやつなのかよ
「…………どうだっていいけど、俺はやる気がないからそれにガキを虐める趣味を俺は持ってねぇ。さっさと帰れ」
「ーーーほぅ、怖いのか?師範代がこのなのだったらこの道場の底が知れる」
「どうとでも言えよ、とにかく俺はお前に構ってやれるほど暇じゃない、帰れ」
この後、図書館に行って調べものをするんだ………………店をサボって。
「………だったら、こいつらを痛みつけるか」
『ヒィッ!?』
浩介の殺気が篭った視線が門下生達を捉える、蛇に睨まれた蛙といったところだ。
「ーーー………仕方ねえ、やってやるよ」
「きょーちゃん!?」
「そうこなっちゃ!あの時のようにはいかんぞ!」
まったく、『高町恭也』は面倒事をおいて行きやがった。九条はそう思いながら心の中で『高町恭也』を批判した。
「………おい、高町恭也。」
「さんを付けろ、ガキが」
「……なぜちゃんと構えない、俺をおちょくってんのか!?」
今の俺は竹刀を右手で持ち、空にぶらつかせた状態である。剣道をする状態では無いと分かる、しかし今の『高町恭也』が出来る最強の型なのだ
「うっせぇーな、さっさと来やがれ」
「ッ!後悔するなよ!」
瞬間、床のきしむの音が聞こえた。
(早いッ!?でも!)
物凄いスピードて迫る浩介をブラつかせた竹刀で地面にはたき落とす
「喰らえっ!」
それを諸共せずに倒れた姿勢のまま、俺の右ばらに蹴りを叩き込もうとするが、それを竹刀でガード。
「グッ!!(これがガキのパワーか!?)」
しかし、衝撃の勢いを殺せずそのまま道場の端まで吹き飛ばされてしまう、ほんの少し背中に痛みが走ったがかまってられない、戦闘続行だ。パキッ…………………………………………………………………………………竹刀折れた!?
「折れたぁー!」
思わず声に出してしまった、しかしそんな事を他所に浩介は恭也に向かって突進してくる、あの目はダメだ。確実に殺り来てる目だ。次に恭也が取った行動は単純だった。
「ーーーシャアっ!」
折れた竹刀を地面に叩きつけて、ファイティングポーズをとり、両足を軽くスナップさせた………それと同時に向かってくる浩介に走り出した。
「クッ!」
「ソリャア!」
二人の拳が交差する。身体的に上を往く恭也に浩介の拳は届かず、恭也の拳が胸部に到達する。拳の勢いを捌ききれずに浩介は後退をしてしまう。すぐさま体勢を立て直し恭也を捉えようとする……その瞬間、地面と水平になった蹴りが浩介の顔面を捉えた、その勢いと衝撃は浩介の意識を刈り取るの容易かった………。
「………まあまあだな、お前」
衝撃と屈辱。浩介の薄れていく意識に深々と刺さった。
「…………図書館てのは、いつも好きになれないね」
小声で海鳴市立図書館を彷徨く青年、高町恭也はあまりにも不機嫌な様子だった……、あの試合の後恭也の蹴りによって気絶させてしまった大城浩介はすぐに覚醒した大城浩介は様子を見ていた恭也を鬼の形相で睨みつけ、そのまま無言で走り去っていった、その間道場内に微妙な空気が流れていた、その状況に耐えきれず高町恭也は道場を飛び出し、ここに逃げてきたのだ。
閑話休題。
彼が今日此処に来る訳があった、この世界の『仮面ライダー』の有無、そして怪しい噂または都市伝説の調査。つい最近、魔法少女なる者と遭遇し、この『世界』も異常性があると判断したからだ。
「………俺てっいう存在がイレギュラーだけどな」
『仮面ライダー』が存在する『世界』は必ず人類を脅かす『脅威』が現れる。一種の法則が彼の脳裏を過る、だから調べるしかない、自分という存在のせいでもうなにか起こっているかもしれない、だから知らなけてはいけないそれが『九条誠一』の罪なのだから………
「…………あの、すいませんが退いてくれませんか?」
不意に声をかけられた、声の主は車椅子に乗った少女だった、どうやら考え事をしていて気付かなかったらしく彼女の道を塞いでしまったらしい、俺は無言のまま道を譲る。
「……おおきに」
下手な大阪弁だ。
数冊の本を抱え、陽のあたる机に腰を掛けた。横を見ると先程の少女が静かに読書を満喫していた、自分も調べ物に取り掛かろえとした時、少女が読書をしていた本の題名に目が止まった。
「…………なあ、アンタ、その本」
少女が不意にかけられた俺の声に遅れて反応して、こちらを見てくる。
「………えーとっ、この『仮面ライダーの全て』ていう本がなんでしょう?」
「いや、その本をどこに置いてあったのかなてっ……」
「え、あぁ、この本ならいつも棚の隅っこに置いてあったやけど……」
《仮面ライダーの全て》
この本の事はよく知っている、俺の、『九条誠一』の世界にいた俺の唯一の親友が書いたものだ。この世界にあるはずもない物が此処にあるのに驚愕していた、でもそれ以上に嬉しいと感じた。いつの間にか涙が瞳に集まっていった。
「え、だ、大丈夫?お兄さん」
「いや、大丈夫だ。ありがとう、ちょっとな友人が書いた物がここにあったのがつい感極まってな…」
「へぇ〜、この本を書いたのがお兄さんの友達なんか……これはおもしろいなあ、こんなめぐり合わせがあるもんか」
「世界、なにが起きるか分からないしな。事実俺が今それを体験してるし」
こんな嬉しいことがあるか、世界てっのは大嫌いだがこんなのは悪くないと思えている。頭を過る友人との楽しい思い出の日々、忘れ去っていた思いがこんな場所で気付かされた。
「……なあなあ、お兄さん。この本の作者さんと友達なんやろ?だったら面白かったって伝えといてくれん?」
「…………あぁ、いいぜ。あいつも喜ぶしな」
「ありがとうなぁ、うち八神はやてって言うねん。お兄さんは?」
「俺か?……俺はな『高町恭也』っていうんだ、よろしくな。」
車椅子の八神はやてと握手を交わす、これが彼女との最初で最後の言葉の交わし合いだった……。
次回、強者。
運命は廻り始めた………