僕の小説の中でもトップクラスに優しい世界です
暗い森を走り回る影が2つ
一人は命を守るために必死に
もう一人は命を弄ぶように軽い足取りで進む
「やめてくれ!死にたくない!」
「…」
2つ目の影がニヤリと笑った
「止めないよ…だって君が怖がる顔が見たいから…」
一人目の影が転んだ
それを期に一気に距離を詰められる
一人目の影は腰が抜けて動けずにいた
「いやだ…やめてくれ!」
「何度、言えば分かるのかな…嫌だ」
一人目は2つ目に殴られる、初めは悲鳴をあげていたがそのうちに何も言わなくなってしまう
そして息も止まってしまった
「詰まらない…早くクウガを探さなければ…」
翌朝、博麗神社
霊夢は文々。新聞を読んでいた
昨晩あった人里の人間の惨殺事件が報道されていた
霊夢が静かに歯を噛み締める
そこに早苗が歩いてきた
「動きだしましたね」
「みたいね…」
霊夢が空を見上げた
「別のシステムは発見できた?」
早苗は首を横に振った
「賢者の石とアマダム以外は見つかりませんでした…」
「そう…やるしかないのね…私達二人で…」
早苗が霊夢を覗き混んだ
「不安…ですか?」
「不安は…不安よ…ただ笑顔は守らなくちゃいけないよ…だって私、クウガだもん」
霊夢は複雑な表情で空を見上げた
「空さんには…」
「秘密に決まってるわ…余計な心配はかけたくないもの、あんたも小傘には秘密なんでしょ?」
「はい…でもいずれは…」
霊夢の髪を風が揺らした
「…仕方ないわよ…隠しきれるものでもないでしょ…」
「そうですね…」
霊夢が立ち上がった
「となれば今すぐに行動するわよ」
「分かりました」
人里で小傘が歩いているとお空と出会った
「小傘ちゃん!、久しぶりー」
「お空ちゃん…」
お空は小傘の元気の無さに疑問を感じた
「どうしたの?元気なさそうだね?」
「…お空ちゃん、霊夢と会わなくなって何日経った?」
「うーん…3ヶ月くらいかな…」
「なら…どうして心配じゃないの?」
お空が首を傾げた
「うにゅ?」
「あちき…怖い…早苗が遠くにいくみたいでさ…お空ちゃんも霊夢と3ヶ月もあってないんでしょ?…どうして心配じゃないの?」
お空が空を見上げた
「…恋するに死するものにあらませばわが身は千遍死にかへらまし…」
小傘が目を見開きお空を見る
「え?」
「小傘の今の状況に似た句…万葉集だっけな…霊夢が教えてくれたんだ、いっぱい、いっぱい句を教えてくれた…何一つ、頭には入らなかったけど…この句だけは覚えてるんだ、この句を教えてくれた時の霊夢の顔、なんだか…嬉しそうだったんだ…」
お空が目を鋭くした
「あたしだって心配…霊夢、無理してる時は絶対、あたしから離れるんだ…優しいから…巻き込みたくないから…理解してる…それを嫌だ、とも思う…でもそれを否定したら…霊夢を…霊夢の優しさを否定するみたいで…そっちのほうがやだ」
お空が小傘に微笑んだ
「それにさ、二人ともびっくりするくらい優しいから笑って帰ってくるよ…その時、そっと抱き締めてあげるのがあたしたちの役目…大丈夫!雲の上は青空が広がってる!…霊夢の口癖…あたし達が曇ってるなら霊夢達はもっと曇ってる…霊夢にとっての青空にあたしはなりたい」
「どうして…そこまで割り切れるの…?あちきには…」
お空は満面の笑みを小傘にむけた
「笑った霊夢が好きだから」
小傘はハッとする
早苗を好きになった理由は笑顔だった
「…あちきも…早苗の青空になれるかな…」
「なれるよ…誰かは必ず、誰かの青空だもん」
2つ目の影は人里を彷徨いていた
全ては向こうの世界での敗北をなきものにするために
幻想郷の人間を殺せば、彼女たちが現れると踏んでの事だ
彼の名はズ・ゴウマ・グ
クウガの前に何度も何度も現れたグロンギだ
「ゴウマ!」
霊夢の声が響いた
ゴウマは目を向け指を鳴らす
「見つけた…クウガ」
「やっぱりね…私を誘きだす為に人を殺してたんだ…何人殺したの?」
「まだ三人だよ…誰も彼も詰まらない死にかただったよ」
霊夢はクウガに変身する
「ここがどこか知っての所業なの?」
「幻想郷なんだろ?…」
言い切る前にクウガはゴウマに殴りかかる
しかしゴウマは難なくそれを受け止める
「たとえクウガでも女じゃあね」
「…だけど一人じゃないよ」
アギトがゴウマの背面にライダーキックをかました
ジャラジは体制を崩す、すかさず、クウガはゴウマの鳩尾に膝蹴りを入れる
グロンギといえど人間と体の作りは同じ
クウガの強烈な膝蹴りにうめき声をあげる
「クウガが二人!?」
「…そうでしたね…私の事は知れないですよね…私の名はアギト…貴方達、グロンギが暴れた後、現れた仮面ライダーです!」
説明しながらアギトの拳がゴウマの顔面に突き刺さる
「ぐっ…フザベスバ!!」
ダメージに動揺したゴウマはグロンギ語を口にする
が、クウガは奥でスペルカードを唱えていた
「スペルカード…"霊符"夢想封印」
ジャラジは光に包まれ断末魔をあげながら消えていった
「…最後にスペルカードを使ったのは…正当化ですか?」
「無駄に殴りたくはないじゃない…たとえグロンギでも」
クウガとアギトは変身を解く
「!…霊夢さん…何故、泣いているんですか?」
霊夢の頬から涙が伝っていた
「…なんでだろう…」
「泣くほど嫌だったのですね…霊夢さんは無茶しないほうがいいですよ」
「あんたもね」
早苗は疑問を口にする
「何故、ゴウマは日本語を話していたのでしょう…ゴウマはグロンギ語しか話せない筈だけど…」
「…不穏ね…もうしばらく探ってみるしか無いわ…とその前にゴウマも倒せたし…久しぶりにお空に会いに行くよ」
霊夢は手をブラブラさせながら言った
だがその目にはグロンギであれど殴り殺してしまった罪悪感と後悔の溢れた目をしていた…
優しすぎる僕の小説(悪い人がいない)の中でも
本当にトップクラスに優しすぎますわ
自分で書いといてあれですけど
この小説のお空には惚れそう…可愛い…(*´ω`*)