バカとテストと暗殺教室 作:生せんせー
これで全てが終わってしまうのですね。
「うっ...うう.......」
「皆さん。泣かないでください。先生は、皆さんと会えて沢山のことを学ばせてもらい、そして沢山の思い出をいただきました。人を思いやる気持ち。楽しい時間。そしてなにより生徒達の成長。これ以上ないくらい先生にとって最高の思いでです」
「殺せんせー.....」
「渚君。さあ、もうあまり時間はありません」
「う、ううう、うわぁあああ!!」
殺したくない相手を殺すときに持ってしまう負の感情。そんな感情を持ったまま殺しては駄目です。
にゅる、と小さい触手で渚君の首もとに触れて落ち着かせる。
「渚君。落ち着きなさい。そんな感情で殺してはいけない」
「殺、せんせ......。じゃあね」
うん。綺麗で最も素晴らしい感情の殺しです。最後に100点満点ですよ渚君。
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私は死んだのか。
ああ、楽しい日々だった。
願わくば生徒達の卒業式も見て成長を見守りたかった。
でも、それでも私の生きていた中で最高な時間だった。
---------ありがとう、あぐり。
貴女のお陰で私はこんなにも幸せだ。
「もう!先生何言ってるんですか?」
この声は......。そしてそのダサいTシャツは。
「あぐり.....」
「久し振りですね」
これは夢なのか。夢でも良い、あぐりに会えたのだから。
「すまない、これだけは言おうと思っていた」
「ふふ。何を言ってるんですか?殺せんせー」
「な、何故その名前を!?」
「ずっーと見てましたから。貴方のことも生徒のことも」
あぐりは此方に近付いてきて触手を握る。
「やっぱり、私の思った通り。素敵な触手でした」
「あぐり....私は......私はずっと貴女にもう一度叶うことなら会いたかった」
「うん、私もです。でも.....でもね、まだ早いの」
「あぐり?」
「もうひとクラス、貴方に見てもらいたいの。私が心配してる生徒達を」
「私は、もう.....」
生きていない。それだけは分かる。
「大丈夫。貴方はもう一度生を受ける。そのままの姿で....お願い、もう一度だけ私に時間をくれるなら......」
「あぐり。私はあぐりの為なら何でもします。だから泣かないでください。私に貴方の笑顔を見せてください」
「はい!殺せんせー。文月学園の2年Fクラスの皆をよろしくお願いします」
あぐりの笑顔を見たまま目の前が眩しくなっていく。
ああ、あぐり。私にもう一度教師をさせてくれるのか。
あぐりから貰った時間、大切に生徒達の為に使うことを約束しましょう。
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目を覚ますと地面の上だった。
空を見上げると、月は欠けておらず満月。
「ここは何処なのでしょうか」
元いた世界なら月がまだ欠けているはず。だが空を見上げても月は満月だ。
暫くは情報を集めましょうかね。
マッハ3ほどで移動して警察署に残像として忍び込み記録をハックしたり、マッハ20で世界中を飛び回り大体の事情を把握した。
この世界と元の世界での違いは殆んどない。
ただし、あぐりに最後に言われた言葉。
「文月学園の2年Fクラスの皆をよろしくお願いします」この文月学園は、他の学園とは違い試験召喚システムという制度を取っているといて点だ。
問題数無制限のテストを一時間で解き、その点数が各人の召喚獣の強さとなりその召喚獣を使った試験召喚戦争でクラス設備を賭けて成績によって分けられた各クラス同士が争う。
「ヌルフフフ。成る程。少しずつ分かってきましたね。さてどう動きますか....この世界の月も破壊する、というのは気が引けますし.....うーん。あっ!そうですね!あの手でいきましょうか!」
マッハ3の速さで飛び去り警視庁に向けて長危険生物は飛び去った。
コンコン、と扉を叩いて開ける。
部屋は広々としており高級感が漂っている。
その部屋の奥には一人男性が椅子に座っていた。
「ヌルフフフ。お邪魔します」
「な、なんだね!君は!?」
驚いて席を立ち上がり銃を構えてくる。
「ああ、落ち着いて下さい。別に何かしようと思って来たわけではありません。少し挨拶をと思いまして」
「挨拶だと?それになんだその触手は」
「ん?ヌルフフフ。これは私の手足ですから。何だと言われましても」
バァン!と銃声が部屋にこだまする。
「はぁはぁ....化け物め」
「ヌルフフフ。私に銃は効きません。話を聞いていただけますか?」
「.....分かった。話を聞こう」
「ありがとうございます。では、まず私の名前から。私の名前は殺せんせーと言います」
「殺せんせー、だと?」
「ええ。それでですね。今日から二年後。私は地球を滅ぼします」
ガタンっ!と椅子から立ち上がる。
「な、何を!貴様どういう意味だ!」
「まぁまぁ落ち着いて下さい。私には銃は聞かないのは分かったでしょう?そこで、ですね。二年間私を拘束しておきたいとは思いませんか?」
「.....ここから逃げられないようにするためならいくらでも方法はある」
「ヌルフフフ。私はマッハ20で移動できます。そんな私を捕まえられると?」
「マッハ20だと?馬鹿にしとるのか!?それになんだ、その緑のしましま模様の顔は」
「ヌルフフフ。では実際にお見せしましょう」
土煙だけが立ち上がりその場にいた筈の危険生物は姿を消した。
「どこに.....」
「こちらです」
「っ!?」
「分かっていただけましたでしょうか?」
「......お前の望みはなんだ?」
「良い判断です。私を殺させる為の教室を作ってもらいます」
「子供にお前を殺させろ、と?そんなこと任せられるはずがないだろう」
「ええ、そうでしょうとも。だが私は生徒達に手を出さないと約束しましょう。それに授業もちゃんと教えます」
「....だが銃も聞かない生物をどうやって倒せば」
「私も無敵ではない。対先生用の武器の製造に私自身も加わり速やかに作りましょう」
「自分を殺す武器を自分で作ると言うのか?」
「ええ、そうです」
「狂ってる...」
「超生物ですから。それにそうでもしないと面白くありません」
「....やはりだめだ。危険すぎる」
「ですが他に方法はありません。そうですね。私の存在事態国家機密になると思いますが、国から特別報酬を出してみてはどうでしょうか?それで生徒達の反応を見ます。やりたくなければそれでもいい」
「.....分かった」
「あ、そうでした」
「まだ何かあるのか?」
「あ、あのー実はですね。教師になれたら私に給料を出して貰えると、あ、あのですね。お金がなくてですねこのままでは雑草を食べて生きていかなければならないので、出来れば給料を」
「け、検討してみましょう.......」
必死に給料をせがんでくる超生物を見て呆れて安堵した。
「あ、ありがとうございます!それでは!」
超生物が一瞬にして消えたことを確認して国防大臣に電話を繋ぐと既に研究は始まっているようだった。
「マッハ20で飛び回る超生物、か」
その頃。文月学園では。
「雄二~聞いてくれよ!今日の朝御飯、カップ麺じゃなくて卵かけカップ麺だったんだ!」
「.....なぁ、明久。お前は朝から何が言いたいんだ?」
「何を言っているんだ、雄二!カップ麺から卵かけカップ麺に進化したんだよ!これがどんな凄いことなのか分かっていないのか!?普段の僕の1日分の摂取カロリーを朝御飯だけで済ましたんだよ!」
「お前な....もう少し節約すれば飯くらい食えるだろ?」
「何を言うんだ、雄二!僕は夢にとおししてるだけじゃないか!」
「はぁ、相変わらずじゃな。二人とも」
「あ!秀吉。今年も同じクラスになれて嬉しいよ!」
「...それは喜んで良いのか?Fクラスのまま進級したことを恥じるべきなのか?」
「僕は秀吉と一緒ならどのクラスでも良いよ!」
「な、何を言っておるのじゃ........全く、嬉しいから反応に困る......」
「おっはよー。アキ、また同じクラスになったわね」
「おはよう、美波。美波もまた一緒だね」
「おはようなのじゃ島田」
「秀吉もおはよう。何の話をしてたの?」
「あ、そうなんだよ!美波!今日の僕の朝御飯、卵かけカップ麺だったんだ!」
「......で?」
「で、じゃないよ!何で皆そんなに反応が寂しいの!?」
「いやいやアキ。皆こういう反応になるわよ」
「皆分かってないんだよ。僕からしたら卵なんて贅沢品なんだぞ.....残り30日、2892円で生活しなきゃいけないんだから」
「それって生活出来るの?」
「俺には無理だ」
「わしにも不可能じゃ」
「と、いうかだ。明久。お前は無駄遣いが多すぎるから食料費が無くなってるんだろうが」
「酷いよ!雄二!僕は夢を買ってるだけって言ってるじゃないか!」
明久が弁明していると忍び寄る影が一つ。
「明久...。例の物、買うか?」
「む、むむ、ムッツリーニ。そ、それは....秀吉の....」
「1800円.....」
「ぐっ.....買おう」
「まいど」
「残り1092円か....良い買い物したなぁ....」
「ちょ、ちょっと待つのじゃ!今の密約は何をしておったのじゃ!?明久、今の写真を見せるのじゃ!」
「秀吉....見ない方が良いと思うよ」
「余計に気になるのじゃ!!」
「それにしても皆同じクラスになるなんてね」
「わしはまだ納得しておらんからな.....」
「全くだ。たくっどいつもこいつも成長しねぇな」
「それはあんたもでしょうが」
「右に同じく」
「いやーでも良かったよ!秀吉がいなかったら男しかいなくてむさい教室になるところだったもんね!」
「ちょっとアキ。私も女なんだけど」
「美波も女の子ならもう少しむ、胸が変な方向にまが、曲がって!!」
美波にコブラツイストをされて胸が裂けるんじゃないかってくらいの痛みとほのかな柔らかさが背中に当たる。
「見え、見え...見え.....ぶはぁぁああ」
ムッツリーニは鼻血を出して倒れた、ここも相変わらずだ。
そんな普段と何も変わらない風景にガラッと扉が開かれて一人の女の子が入ってきた。
「あ、あの。私の名前は姫路瑞希って言います。よろしくお願いします」
「姫路、さん?.......あのくそババァ!!!」
明久は何を思ったのか全速力で教室を飛び出した。
「おーい!明久!どうしたんだ?」
「どうしたのじゃ、明久のやつは....」
「分からんが、姫路さんとやらが事情を知ってそうだな」
「アキの知り合い?」
「あの、はい。というか....テストの時に、その色々ありまして....」
閑話休題。
「と、言うことがあって」
「明久らしいな。それでばーさんに殴り込みか」
「アキらしいわね....」
「明久らしいの....」
「明久なら当たり前。それでどうする?」
「しょうがない。俺達も行ってやるか」
「どこに?」
「ばーさんの何処に決まってんだろ?あいつ一人じゃ言い負かされて終わりだ」
雄二達は校長室に向かおうとした時校内放送がかかった。
【2年Fクラス。2年Fクラスの坂本雄二。姫路 瑞希。島田美波。木下 秀吉。土屋 康太の以下5名は至急校長室に来るように】
「なんだ呼び出しか?」
「アキの奴、私達まで巻き沿いにしたわね...」
「じゃが、明久らしくないのう」
「ああ。明久の性格なら姫路は巻き込まないようにするはずだ」
「何か他の意図がある」
「土屋、お前はお前で探りをいれてくれ」
「了解。監視カメラと盗聴機を仕掛ける」
「それじゃ。行くか」