魔法科高校の守護鴉   作:ポテチ096

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序章

2095年1月、とあるマンションの一室。

 

そこへ帰ってきた女性、名を御神美沙斗というが、それを知る者は殆ど存在せず今は『鴉』という名で呼ばれている。

 

テロリストによって大切な者たちの命を奪われた過去を持つ彼女は、人生の大半をその復讐へ費やし、それを成し遂げた後も裏の世界で生き抜いてきた。

 

今日は彼女がこの部屋にやってきたのは、しばらくとりかかっていた仕事が片付いたので拠点として使っていた部屋を引き払うためだった。

 

冷蔵庫からペットボトルを取り出し軽く喉の渇きを潤した彼女が荷物の整理を始めようとした矢先、胸ポケットに入っている携帯端末が鳴り出す。

 

ディスプレイに表示されている番号を確認するとよく知った相手だったので、美沙斗は通話に応じることにした。

 

『お久しぶりです、鴉様』

 

「どうも。仕事の依頼ですか?」

 

『話が早くて助かります』

 

「内容は?」

 

『申し訳ありません、重要な案件なので端末越しではなく直接お話ししたいというのが我が主の要望なのです。ご足労をかけますが、こちらまで出向いていただけないでしょうか?』

 

「問題ありません。いつ伺えば?」

 

『今週金曜日の19時でお願いいたします』

 

「わかりました。では、その時に」

 

『お待ちしております』

 

美沙斗は通話が終了すると携帯端末をポケットに戻し、どんな依頼だろうかと想いを馳せながら荷物の整理を再開したのだった。

 

 

 

時は過ぎて、4月。

 

美沙斗は国立魔法大学付属第一高校の入学式に新入生として参加していた。

 

彼女は今年で18歳、本来であれば3年生として編入するべきなのだが、数少ない編入生として注目を浴びることを避けるため、また依頼内容からしても新入生として入学した方が遂行しやすいということもあり、依頼主に手を回してもらったのだ。

 

多少とはいえ歳を偽っていることで、見た目等から周りに不審がられるのではないかという不安はあったが、

 

『美沙斗は若く見えるから大丈夫』

 

という依頼主の言葉通り、他の生徒たちに違和感をおぼえたような様子は見られなかった。

 

美沙斗その事にほっとしつつも、目的の為に早速行動を起こす。

 

今回の依頼内容は、ある人物の周辺を監視すること。

 

その為には当然、対象がどこにいるのか把握しなければならない。

 

美沙斗は依頼主に見せられた写真の姿を思い浮かべ、生徒たちの顔を順番に確認していく。

 

幸い1分程で全体の後ろ1/3程度、中央付近に座っている対象を発見することができた。

 

(あれが『司波達也』か……)

 

これから三年間見続けることになる男の顔を、心にしっかりと刻み込んだ美沙斗であった。

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