魔法科高校の守護鴉   作:ポテチ096

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旧版一話 書き直し中です


旧一話

入学式があった日の夜、美沙斗は依頼主へと連絡を入れた。

『約束の時間通りね。で、どうだった?』

「少々生徒会メンバーの一部から不興を買ったようでしたが、大した問題は起きていません。詳細なご報告をお望みですか?」

『必要ないわ』

「それでは報告を終わります。次回は何もなければ事前の取り決め通り週末にご連絡します」

『よろしく』

「それでは失礼いたします」

『ああ、待って』

仕事の報告が終わったので通話を終了しようとしたのだが、依頼主から予想外の待ったがかかった。

「なんでしょうか?」

『仕事の話は終わったのだから、敬語は必要ないわ』

「わかった。それで?」

『高校生として学校に行った感想が聞きたいと思って』

「黙秘する」

『いいじゃない、聞かせなさいよ』

「……恥ずかしかった」

思い出すだけで胃が痛くなるので考えたくもなかったが、残念ながらそうはさせてもらえなかった。

『ふふっ、大変だったみたいね』

「他人事だからって気楽に言ってくれる。どんな気持ちか知りたかったらあなたもやってみればいいよ」

『私も年齢よりは若く見られるほうだけど、流石に無理。せめてあと10年若ければ試してみてもよかったのだけれど』

「それでも本当の高校生の倍以上の年齢でしょうが」

『似合えばいいのよ、似合えば』

そうやって開き直れるならば楽だろうが、自分には到底無理だと思い美沙斗はため息をついた。

『あなたの制服姿はよく似合っていたから問題ないわ』

「ちょっと待て、どこで見た?」

美沙斗が制服を着たのは、服が届いた一週間前に試着した時と今日だけ。

試着は部屋でしたから隠しカメラでもなければ無理、そのようなものがあれば気付かないわけがないので、その時を除外すると今日どこかで見られたということになる。

『とある監視カメラの映像よ』

「まさか、からかうためだけに手を回したの?」

学園内のものにしろ街に設置してあるものにしろ、そう簡単に手に入れれるものではない。

『ええ。あなたの憔悴している姿なんてめったに見られないもの。多少の苦労は厭わないわ』

だがそれは一般人にとってのことで、この人物にはさして難しいことではなかった。

『あまりにも可愛らしかったから生で見たくなったんだけど、今度』

「明日に備えて寝たいから切るわ。おやすみ」

何やら不穏なことを言い出しそうな空気を感じた美沙斗は、話を強引に終わらせて通話を切った。

次回話す時に何か小言を言われそうではあるが、気にしても仕方ないと割りきって翌日の準備にとりかかるのだった。

 

入学式から二日目、早くも問題が発生した。

この学校の生徒は入試の成績によって一科生と二科生にわけられているのだが、成績優秀な者で構成される一科生はプライドが高く二科生を見下している者も多い。

そんな一科生たちに対して反抗的な態度をとる二科生が数人現れた。

自分より下に見ている者にそんなことをされればどうなるかは火を見るより明らかで、案の定その二科生に対して怒りを向ける一科生たち。

最初は口論をしていただけだったのだが、徐々にお互いの感情がヒートアップしていき、遂に武力衝突に至る。

本来は学生同士の喧嘩など美沙斗にとってはどうでもいい、だが今回はそうも言っていられなかった。

何故なら当事者のなかに司波達也がいるからである。

反射的に被害が出る前に止めに入ろうと思って懐の得物に手をかけた時、依頼主との会話が頭に浮かんだ。

 

『暴力をもって害をなそうとする者に関しては無視して問題ないわ。それは達也さん自身が処理します』

「では何のために私を雇ったのですか?」

『あなたには彼の情報を狙う人たちの対処をお願いしたいの。あの子は良くも悪くも目立つから、すぐに非凡なことが周りに知れわたってしまうでしょう。そうなればその大きすぎる力に疑問を持って詳しく調べ、結果私たち『四葉』にとって不利益になる情報にまで到達してしまう輩が出ないとも限らない。それを防ぐのがあなたの仕事よ』

 

いつもの護衛任務とは違いこれは美沙斗が介入する必要はない、それを思い出した美沙斗は得物から手を離して傍観することにした。

依頼主の言葉からして司波達也はかなりの実力者なのだろう、その力がどれほどのものか見ておくことは今後仕事を続けていくに当たっ有益だろうと判断したのだ。 

しかし残念ながら主として戦闘を行ったのが彼の友人たちだったため、彼自身の戦闘力を垣間見ることは叶わなかった。

だが、収穫が全くなかったわけではない。

戦闘の終盤に一科生が魔法を発動しようとしたのを彼が阻害したのだが、あまり魔法に詳しくない美沙斗が見ても高度な技術を必要とすることは理解できた。

氷山の一角とはいえその力の一端を見ることができたことに満足した美沙斗は、生徒会がその場を収めているのを横目に、辺りで不審な動きをしている者が居ないことを確認したのちその場を離れた。

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