咲-Saki-もし1年後に夢乃マホが飛び級して清澄高校に入学したら   作:神奈木直人

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咲実写の映画が始まりましたね。私はまだ見ていないのですが、そのうち見たいですね。家の近くに咲が上映されている映画館が無かったので遠出して見てきたいと思います。


第49話《阿知賀編⑪》 次鋒後半戦

清澄高校の宿泊施設で、咲とマホとまこが次鋒前半戦を見ていた。

「白糸台の東条小夜さん、凄いね。三連続和了したよ。しかも全部満貫で。」

「いや、別にそれ自体は凄くないですよ?」

「えっ、どういう事?」

「えっと、東条小夜さんは自分が満貫に振り込んでから三連続で有珠山に満貫を直撃しているんですよ。」

「という事はもしかして、振り込んだら同じ役で仕返しできるって事?」

「そうですね。」

「なんだか、さっきの西園寺麻衣の劣化版みたいじゃな。」

「いや、ただ劣化版と切り捨てる訳にはいきません。それぞれにメリットがありますから。じゃあ比較してみましょう!まず、西園寺さんはツモ和了りで点数が減った時も回収が出来ますが、東条さんは出来ません。それに、西園寺さんは点が減ったらいつでも回収出来ますが、東条さんはすぐに回収しなくてはいけません。他にも色々とありますけど、まぁ、簡単に言うと西園寺さんの方が圧倒的に使い勝手が良い能力なんですよ。」

「やっぱり西園寺さんの劣化版なんじゃないんか?」

「ですが、東条さんは一回の直撃だけで何度でも直撃する事が出来ます。対局する相手が弱ければ飛ぶまで直撃し続けられるのでは無いでしょうか?」

「えっ、そんなに凄いの!?」

「はい、だから一概に西園寺さんの方が強いとは言い切れないと思うんです。まぁ、全体的に見て強いのはやっぱり西園寺さんだとは思いますけど、東条さんのは一回直撃するだけで全てを奪われてしまうかもしれない、そんな危険な可能性も孕んでいるという訳なのです。」

「常に出ている炎と爆弾だったらどっちが使いやすいかって感じだね。」

「おぉ!流石宮永先輩!その例え、とっても分かりやすいです!」

「そう?ありがとう。」

「それにしても、そんな危ない相手に決勝まで行ったら当たるんじゃな・・・」

「部長はこの人に直撃さえしなければ大丈夫です。」

「そう簡単に言うとるけど、わしはあんたら二人とは違うんじゃからな。過度な期待はせんでくれよ。」

「いやいや、部長はとっても経験豊富で凄いですよ!」

「経験豊富でも全然活躍出来とらんじゃろ。」

「そんな事無いですよ。それにマホ、部長の模倣は上手く出来ないですし。」

「えっ、そうなんか?」

「はい。使おうとしても、染め手になるくらいなんです。」

「でもどうして?」

「部長のは能力じゃなくて経験でやっている事だからなんじゃないでしょうか。」

「まぁでも、経験があってもどうしようもない世界じゃけどな、この世界は。」

「そんな事ありませんよ!例えば西園寺さんなんかがそうです。あの人はとっても強いですけど、もし素の実力が無かったら今の対局で有珠山の本内さんにめちゃくちゃにやられてたと思います。西園寺さんは、豊富な経験と知識と戦略と知恵と能力が相まって強さになってるんだと思います。」

「確かに、能力だけ使えても上手く使いこなせなかったら意味無いもんね。」

「はい、だから部長は凄いですよ。自信を持って下さい。」

「そうか。」

「あっ、続き始まりそうだよ。」

「本当ですね、楽しみです!」

 

 

その頃、東条小夜は白糸台の控え室に戻ろうとしていた。すると、前方から麻衣の姿が見えた。

「部長お疲れ様です。」

「麻衣じゃないか。どうしたんだ?」

「飲み物を持ってきました。」

「おぉ、ありがとう。」

「それで、準決勝の3人はどうでした?」

「阿知賀の部長以外は大した事無かったな。」

「阿知賀は大した事あるんですか?」

「あぁ、あの人は最初から私を警戒して、私の特徴を理解した途端にツモ和了りをしたからな。」

「そういえば収支も部長は+14000でしたけど阿知賀は+18000でしたしね。」

「そうだ。数字でも実力でも、彼女の方が1枚上手だったという事だな。」

「そうですか、でもまぁ、あのまま連荘してたら部長の方が強かったんじゃないんですか?」

「いや、連荘しなかったんじゃない。出来なかったんだ。あのまま続けたら阿知賀にやられる気がしたんだ。私のこの勘はいつも当たってしまう。だから阿知賀の部長の方がやっぱり1枚上手だ。」

「まぁでも、後半戦もありますし、たった4000点差くらい部長なら楽勝で逆転出来ますよね!」

「そうするつもりだが、なんだか、嫌な予感がするんだ・・・」

「また嫌な予感ですか?部長なら大丈夫ですって!心配せずに頑張って下さい。」

「うん、ありがとう。飲み物もありがとう。」

「どういたしまして。」

「じゃあ、行ってくる。」

「頑張って下さい。」

 

 

『さぁ、休憩も終わり、選手達が対局室に集まりました。次鋒後半戦開始です!』

 

~場決め結果~

藤宮愛佳:東

豊崎唯:南

鷺森灼:西

東条小夜:北

 

~東一局~ 親:藤宮愛佳

白糸台 232100

有珠山 83800

阿知賀 49200

姫松 34900

(親番になれたけど、白糸台が強すぎる。揺杏先輩には白糸台に直撃するなって言われたけど、こんなに点差があるのにどうして直撃しちゃいけないんだろう?あっ、聴牌した。)

「リーチ。」

(いきなり親リー、これ以上点数を減らす訳にはいかない。)

(親リーか、直撃されたら点数が1.5倍になるからこの後2回直撃しないと元を取れないな。)

『有珠山高校の藤宮愛佳選手が親リーだ!』

『これを白糸台に直撃するか否かでかなり変わってくると思います。』

~5巡目~

「ロン!リーチ平和純チャン三色ドラ1で24000です!」

『白糸台に親倍直撃だぁー!これは流石の白糸台も厳しいのではないか!』

『ここから白糸台がどう動くのか、白糸台をどう止められるかに注目ですね。』

~有珠山高校控え室~

「あのバカ!白糸台に直撃すんなって言っといたのに!」

「どうして白糸台に直撃したらダメなんですか?」

「ユキ、さっきの対局見てなかったのか?あいつがタンピン三色で白糸台に直撃してから3連続で白糸台からタンピン三色を直撃されてるんだよ!つまり東条小夜は直撃されたら直撃されたのと同じ役で仕返しされるんだよ!」

「凄いですね。」

「しかもよりによって倍満って、サクッと飛ばされちまうじゃねぇか。」

「でも、前半戦の最初らへんで止めてませんでした?」

「あぁ、あれは一発が付いてたからだよ。あの手は一発が付く事で完成する。だから一発消しをされた時点で和了れない事は確定していたんだよ。だから止められたんだ。」

「成る程、そういう事でしたか。」

「だからこのまま東条小夜にやられるかもしれないんだよ。」

「誰かに止めてもらいたいですね。」

~東一局一本場~ 親:藤宮愛佳

白糸台 208100

有珠山 107800

阿知賀 49200

姫松 34900

~3巡目~

「リーチ。」

(やっぱり、仕返しをする時、聴牌するの速すぎ・・・)

(これ、また有珠山がやられるんやろな。今回は一発が付いとらんから鳴いても意味無いもんな。)

~5巡目~

「ロン。リーチ平和純チャン三色ドラ1で16300。」

(ドラもちゃんと作る事出来るんだ。凄いな。)

(こりゃあ有珠山がヤバイかもしれんな・・・)

~東二局~ 親:豊崎唯

白糸台 224400

有珠山 91500

阿知賀 49200

姫松 34900

~4巡目~

(私は、弘世先輩に直撃のいろはを教わって、麻衣に才能を開花させて貰った。麻衣のお陰で今は弘世先輩よりも私の方が強いと声を高くして言える。何故なら、弘世先輩はアーチェリーだけど、私はマシンガン。何度でも直撃し続けられるから!)

「リーチ。」

(速い、けど!)

「ポン!」

(阿知賀に鳴かれた、けど今回は一発が無いから多分大丈夫なはず。)

「ポン!」

(また阿知賀が鳴いた!?)

(もしかしてこいつ、有珠山にあまり回さない事で和了ろうとしとるんか?)

~6巡目~

「ツモ!混一対々。2000・4000です!」

(阿知賀に止められてしまった!?)

~有珠山高校控え室~

「やった、阿知賀の人が止めてくれましたよ!」

「よしっ!阿知賀の人あざっす!これで希望は繋がったな!」

「はい、ひやひやしました。」

「愛佳は戻ってきたら説教だな!」

「あまり酷い事はしない方が・・・」

「でも、私の言う事聞かなかったし!あと、暴力とかはしないから安心しなって。」

「そうですか、なら良かったです。」

「私をなんだと思ってるんだよ・・・」

「日頃の行いのせいですよ。」

「ユキは相変わらず厳しいな。」

「それより続きを見ましょう。」

「はいはい。」

~東三局~ 親:鷺森灼

白糸台 222400

有珠山 89500

阿知賀 57200

姫松 30900

(白糸台を止められた、それに親番。この親番は大切にしなくちゃ。)

~6巡目~

「リーチ。」

(ツモも良い、このまま連荘して、せめて2位には浮上する!)

(阿知賀にリーチを掛けられた。なら・・・)

「チー。」

(こちらも一発を消して連荘を止める!)

~8巡目~

「ポン。」

(ツモ番を飛ばされた。これは・・・でも、それでも私は負けない!)

~10巡目~

「ツモ!リーチツモ平和一通。4000オール!」

(やられた!)

(阿知賀、やっぱ凄いわ。流石去年のベスト4やな・・・)

『阿知賀女子の鷺森選手、連荘です!』

『彼女、去年と比べてかなりパワーアップしていますね。』

『このまま2位に浮上するか!?』

~東三局一本場~ 親:鷺森灼

白糸台 218400

有珠山 85500

阿知賀 69200

姫松 26900

(このままだとうちが飛んで終わってまうやないか!それだけは防がんと!部長に何とか繋げんと!)

「ポン!」

(また鳴かれた。でも、この手もそろそろ完成しそう。)

~7巡目~

「リーチ。」

「それや!ロン。混一対々。8300。」

(やられた。でも、姫松が飛んで終わる可能性が減ったって考えたらそこまで悪い結果ではなかったかな。)

『姫松高校豊崎選手が阿知賀の連荘を止めた!』

『今の阿知賀の手、一発だったら倍満でしたからね。』

『阿知賀としてはかなり悔しいかと思います。』

~東四局~ 親:東条小夜

白糸台 218400

有珠山 85500

阿知賀 60900

姫松 35200

(この親番は何とか和了りたいな。直撃は今は使えないから私の実力でやるしかないな。)

(ここは白糸台を親被りさせたい。だからここは攻める!)

~7巡目~

「ツモ!混一一通。3000・6000。」

(また阿知賀に和了られてしまった・・・)

(これ、阿知賀に追い越されちゃうかも・・・)

(阿知賀、強すぎやろ!)

『阿知賀女子の鷺森選手強い!強すぎる!』

『見事に親被りで白糸台との点差を縮めていますね。』

『それに有珠山との点差はもう1万弱だー!』

『これは面白い事になりそうですね。』

~南一局~ 親:藤宮愛佳

白糸台 212400

有珠山 82500

阿知賀 72900

姫松 32200

(そろそろ姫松が危ない。姫松に和了って貰いたいけど、ここで先手を打たないと白糸台に先を越されそう。なら、姫松を上手くサポートしなくては。)

「ポン!」

(有珠山が白を鳴いた。役牌のみ?でもあの元気の良さはもっと良い手が入ってる気がする。もしかして大三元?)

「チー!」

(姫松も威勢良くチーした。チーで手が高いのなんて、清一?なら、姫松を和了らせる為に危ない橋に渡ってみる。)

~3巡目~

「ポン!」

(發も鳴かれた。やっぱり大三元かな。)

「チー!」

(姫松も鳴いた。索子の染め手かな?それにこれなら一通も付きそう。)

灼はツモってきた中をツモ切りした。

「ポン!!!」

(なっ、大三元が完成した!?これ、振り込んだらうちが飛んでまうやん!阿知賀、何しとんねん!でもここまで来たらこっちも和了りたい。)

(阿知賀、どういうつもりだ・・・?)

『だ、大三元だぁぁ!!!鷺森選手、どうしてしまったんだ?』

『まだ3向聴なのにあそこで中を出してしまうなんて、本当にどうしてしまったんでしょうか?』

『これが決まってしまえば一気に有珠山が優位に立ちます。それに、これを姫松が喰らってしまったらトビ終了になってしまいます!どうなってしまうのか!』

~阿知賀女子控え室~

「ちょっ、灼さん何しちゃってんの!?」

「このままじゃ、大三元和了られちゃうよ!」

「ヤバいよ!うちが負けちゃうよ!」

「いや、まだ分かりません。もしかしたら部長さんは、姫松に和了らせる為にあんな事をしているのでは無いでしょうか?」

「どういう事?」

「部長さんが何もしなければ白糸台に和了られてしまう。だから白糸台のツモ番を飛ばす必要がある。だから有珠山の大三元を利用して姫松のツモ番を増やして姫松が和了る事に賭けたのでは無いでしょうか。」

「そんな、決まらなかった時の代償がデカ過ぎるよ!」

「でも、なってしまった事なので、姫松を信じるしかないです。幸い、姫松も今のツモで聴牌しましたし。」

「うん。姫松頑張れ!」

「姫松~頑張れ~!」

~9巡目~

「ツモ!」

和了したのは・・・姫松だった。

「清一一通で3000・6000です!」

(なっ!?大三元が!私の大三元がぁぁぁ!!!!)

(ふぅ、何とか上手く行った。)

(何だ今のは!姫松を和了らせる為に大三元を餌にしていたのか!?そんなリスキーな事をこの人は平然としたのか!?やっぱり、何もかもが上手だ。この人は私よりも断然強い!)

『なんと、大三元を止めたぁぁ!!!』

『もしかしたら鷺森選手は姫松が和了る事に賭けていたのかもしれませんね。』

『何にせよ素晴らしい一局でした!』

~南二局~ 親:豊崎唯

白糸台 209400

有珠山 76500

阿知賀 69900

姫松 44200

(これで姫松が飛ぶ心配は無くなった。ここは攻める!)

~6巡目~

「リーチ。」

(阿知賀がリーチしてきた!)

(これはやられてしまう・・・)

「ツモ。リーチ一発ツモ一通。2000・4000。」

(また阿知賀に和了られてしまった。この対局、完全に阿知賀が支配しているじゃないか!)

(この阿知賀の人、凄すぎやろ!異常やわ・・・)

『鷺森選手が有珠山を上回って2位に浮上した!』

『完全に鷺森選手の思い通りに動いてますね。』

『そして次は鷺森選手の親番です!』

~南三局~ 親:鷺森灼

白糸台 207400

阿知賀 77900

有珠山 74500

姫松 40200

~7巡目~

(何とか有珠山を捲る事ができた。それにこの手牌、リーチして一発でツモったら高い。でも、ここでリーチすれば誰かに振り込んでしまうかも・・・いや、ここは勝負する!)

「リーチ!」

(阿知賀がリーチ!?筒子を出さなければ大丈夫そうだけど、これは・・・)

(こっちも聴牌した、これが通ればいける!)

「追っかけリーチです!」

「・・・」

『おおっと!?鷺森選手、今の有珠山の和了り牌をスルーだ!』

『あくまで一発ツモを狙っているのでしょう。』

~対局室~

(来いっ!)

「ツモっ!リーチ一発ツモ清一一通。12000オール!」

(なっ!?有珠山の和了り牌をスルーして親の三倍満ツモ!?)

(この人、もうめちゃくちゃ過ぎるよ・・・)

~南三局一本場~ 親:鷺森灼

白糸台 195400

阿知賀 113900

有珠山 62500

姫松 28200

(私の嫌な予感はこれだったのか・・・でも、この連荘を止めなくては!私が直撃だけではない事を見せる!)

~7巡目~

「ツモ。タンピン三色。2100・4100。」

(先に和了られた・・・)

(白糸台と阿知賀が異様過ぎる!)

『東条選手が鷺森選手の連荘を止めました!』

『鷺森選手、かなり調子が良かったですからここで止められたのは凄いと思います。』

『それに、次は東条選手の親番です!』

『点差としてはまだまだ余裕がありますが少し稼いでいた方が良さそうですね。』

『そんな東条選手が親番のオーラスです!』

~南四局~ 親:東条小夜

白糸台 203700

阿知賀 109800

有珠山 60400

姫松 26100

(このまま連荘する。)

(これは・・・行けそう。)

~7巡目~

(よし、聴牌した。これを和了って連荘しよう!)

「リーチ!」

「それは通りません、ロン。」

(阿知賀!?嘘だろ!?)

「清一一通で16000です。」

(これ、オーラスだから仕返しが出来ない・・・)

(これって・・・)

『次鋒後半戦、終了ぉぉぉぉ!!!!!阿知賀女子の鷺森選手が圧巻の攻めを見せて見事2位に浮上!更に白糸台との点差もかなり狭めました。』

「お疲れ様でした。」

「お疲れ様。」

「ありがとうございました。」

「お疲れ様です・・・」

 

~次鋒後半戦結果~

白糸台 187700

阿知賀 125800

有珠山 60400

姫松 26100

 

 

次鋒後半戦が終わり、姫松高校の豊崎唯が控え室に戻った。

「ただいま帰りました・・・」

「おう、おつかれ。」

「・・・怒らんのですか?」

「いや、あれには勝てんわ。しゃーない。飛ばなかっただけ良かったわ。」

「次は部長ですね。」

「あぁ、あいつと戦うまで負ける訳にはいかんからな。」

「あぁ、あの双子の姉のですか?」

「そや、あいつと直接対決するまでは負けてられん!」

「そうか、点差ヤバいけど頑張ってな。」

「ほんまにすんません!」

「ええって、まぁでも、次の中堅戦は気張らなあかんな。」

「頑張って下さい!」

「頑張ってや!」

「あぁ!ほんじゃ、二階堂有紗(にかいどうありさ)行って参ります!」

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