咲-Saki-もし1年後に夢乃マホが飛び級して清澄高校に入学したら   作:神奈木直人

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第8話 開幕

清澄高校のメンバーは県予選会場に着いた。

「帰って来たじぇ。私達の伝説が始まったこの地に。今年も優勝するじょぉ!」

「頑張りましょうね。」

「あの、宮永先輩が見当たらないのですが・・・」

「えっ!?」

「また迷子ですかぁ?どうしましょう。」

「あ、じゃあマホに任せて下さい!マホが必ず宮永先輩を見つけてきます。」

マホは自信満々な顔でこちらを見ていた。

「ほいじゃあよろしくのぉ。」

「はい!」

(よし、マホ、頑張ります!えっと、来た道はこっちでしたよね。よし、こっちに行ってみましょう。)

マホが数分捜索しているとお目当ての人が見つかった。

「宮永先輩!」

「あ、マホちゃん、良かった、また迷子になるところだったよ。」

「・・・もう迷子ですよ。」

「あはは、じゃ、じゃあ皆のところに行こうか。」

「そうですね・・・ってあれ?ここ、どこだっけ?」

「・・・えっ?マホちゃんもしかして・・・」

「完全に迷っちゃいました。」

「えぇぇぇ!?どうするの?」

二人があたふたしてると後ろの方から声をかけられた。

「あの、間違っていたら申し訳ないのですが、もしかして道に迷われたのですか?」

咲が振り返ると、そこには見覚えのある制服を着た女の子が立っていた。

(この制服は確か・・・鶴賀学園?じゃあこの人は鶴賀の人なのかな。去年の合宿の時に5人しかいなかったから新入生なのかな?)

「実は迷っちゃって、あはは・・・」

「どちらに向かっているんですか?」

「会場の入口の方に向かいたいんだけど。」

「あ、でしたら私もそっちに行くつもりだったので良かったらご一緒しませんか?」

「あ、ありがとうございます。あの、良かったらお名前を。」

「私は、鶴賀学園高校1年の一ノ瀬一葉と申します。団体戦か個人戦で戦う事になったらよろしくお願いいたします。」

(あーあ、私、この会場に来るの2年目なのに1年生に送ってもらってるよ。情けないな・・・)

「うん。よろしくね、一葉ちゃん。あ、ちなみに私は咲って言うの。宮永咲、そしてこっちが夢乃マホちゃん。」

宮永咲という名前を聞いた瞬間、一葉の目の色が変わった。

「えっ?宮永さんなんですか?あの、去年の清澄高校の大将のあの宮永さんですか?」

「うん、そうだけど。」

「あ、変な事をお聞きしてしまいすみません。少し私が思っていた宮永さんのイメージと違っていたので。」

「えぇ、私ってどんなイメージだったの?」

「えっと、本人の前でこんな事言うのは失礼と存じますが、笑顔で相手をまくって勝っていたので、正直性格がお悪い方なのかなと思っていました。」

「あぁ、確かに、そう言われてもおかしくなかったかもしれないね・・・」

「あ、気分を害してしまいましたよね。申し訳ありません!」

「いや、いいよ・・・」

「本当に申し訳ありません!」

「大丈夫だよ、落ち込んでないから。」

「・・・お優しいのですね。」

「そうかな?私は、迷ってた顔も知らない私達を助けてくれた一葉ちゃんの方が優しいと思うけどな。」

「そ、そんな事ありません。困っている方を助けるのは当然の事です。」

「やっぱり優しいね。」

「そ、そんな事無いですよぉ。やめて下さい、宮永さん。」

(本当の事を言っただけなのにな・・・)

「ところで、どうして一葉ちゃんはあんな所にいたの?」

「あぁ、私は、真紀・・・友達が迷っちゃったらしくて探してたのですが、見つかったらしく戻ってこいと連絡が入ったところに丁度宮永さん達がいらした、と言った感じです。」

「ふーん、そうだったんだ。」

「はい。あっ、着きました。あちらに清澄高校の方々がいらっしゃいますよ。」

「本当だ!ありがとう一葉ちゃん!」

「ありがとうございましたです。」

「こちらこそ、宮永さんとお話が出来て嬉しかったです。では私も戻ります。お気を付けて。」

「本当にありがとうね、一葉ちゃん!」

「は、はい。」

(宮永さん・・・優しかったな。)

「おー!一葉~、こっちこっち!」

「あ!真紀ぃ!どこに行ってたんですか!探したんですよ!」

「いやー、柄にもなく緊張しちゃったから外の空気を吸いに行ったら喉乾いてさ、そんでもって飲み物買ったら今度はトイレに行きたくなってさ。それでトイレに行ってた。」

「自由人ですか!どれだけうろうろとしてるんですか、もぉ。」

「ま、まあまあ、そこまで言わなくても。」

佳織が一葉をなだめる。しかし一葉の怒りはそこでは収まらなかった。

「いいえ、駄目です!妹尾先輩。真紀にはちゃんと言ってあげないとまた同じような事をしてしまいます。」

「言いたい事は分かるけど怒るのは後にして、今からオーダー発表するから。」

「あ、部長、も、申し訳ありません。オーダーお願いいたします。」

「うむ、まず先鋒は私、次鋒は佳織、中堅は一ノ瀬さん、副将はモモ、」

「ちょっと待って下さいっす。」

睦月がオーダーを言っていると、モモが口を挟んだ。

「む?どうしたんだ?」

「えっと、勝手な事言うっすけど、私、清澄のおっぱいさんと相性が悪いみたいで、副将じゃないところがいいっす。」

「うむ、なら、一ノ瀬さんと変更にしよう。モモが中堅で一ノ瀬さんが副将、そして汐見さんが大将。このオーダーでいいだろうか?」

「はい。」

「オッケーっす。」

「大将、任されました!」

「うむ、ではまずは1回戦、頑張ろう。」

「「「「はいっ。」」」」

 

一葉に会場入口まで送ってもらっていた咲とマホが他の部員達と合流した。

「咲さん!2年目なのに迷子にならないで下さい。」

「あはは、ごめんごめん。」

「しっかりして下さい、1回戦が始まっちゃいますよ。」

「そうだね。あ、そういえば和ちゃんは1回戦の試合、風越女子を見に行くんだっけ?」

「はい。優希とムロさんと3人で風越を見てきます。」

「うん、じゃあまた後で。」

「はい。」

咲は、マホとまこの3人で、鶴賀学園を見ることにした。1回戦は、鶴賀が他校を圧倒的にリードして中堅にして1校を飛ばして見事に一位抜けを果たした。

「鶴賀の人、やっぱり去年よりも強くなってる。」

「そりゃあそうじゃろ。まぁ、でもここまで仕上がっとるとはのぉ。」

「そうですね。」

「さっ、戻るかの。」

「はい。」

「はいです。」

会場を歩いていると、他の学校の途中経過が映っていた。すると、風越女子の試合も終わっていた。

(凄い、風越女子も終わるの早いな。)

「おー!咲ちゃん達いたじぇ。」

咲達は優希達と合流し、昼食を取ることにした。

「優希ちゃん、風越はどうだった?」

「先鋒の冬室とか言う人が凄かったじょ。南場に入ってから高い手を5回も和了って2位を完全に引き離してたじぇ。そのあとの人は安い手で流して池田が最後にだめ押しの倍満ツモで勝ってたじょ。」

「そうだったんだ。こっちは津山さんと妹尾さんがどんどん他校を削って一番点が低かった高校を東横さんが3連続で狙い打ちして飛び終了だったよ。」

「飛び終了とか凄いじぇ。」

「東横さん、今年は中堅なんですね。」

「そうみたいだね。マホちゃん、あの人は強いけど頑張ってね。」

「はい。マホ、頑張ります!」

昼食を食べ終えるとほぼ同時にアナウンスが鳴った。

『長野県予選の二回戦を開始いたします。各校先鋒の選手は、対局室に移動して下さい。』

「ついに始まるじぇ。2年目のインターハイ!」

「頑張って、優希ちゃん!」

「頑張って下さい。」

「任せとけ!タコスも持ったし準備万端だじょ!」

優希が対局室に移動する。すると、もう既に対局者は揃っていた。場決め牌を引くと、東の文字が見えた。

(よし、今回も起家だじょ。幸先がいいじぇ。)

『A卓二回戦、開始です。』

『さあ、二回戦はシード校の清澄高校、片岡優希が起家で始まりました。解説の藤田プロ、よろしくお願いします。』

『よろしく。』

~3巡目~

「リーチだじぇ!」

『東一局、開幕3巡目に親リーチです。』

『やはり彼女、東場は速いな。』

『そうですね。片岡選手は東場での聴牌速度が速いですね。』

「一発ツモ!リーチ一発ツモ純チャン三色で8000オールだじぇ!」

「ロン!メンタンピン三色ドラ1で18300だじぇ!」

「ツモ!6200オールだじぇ!」

「ロン!12900だじょ!」

「ロン!25200だじぇ!」

~観戦室~

「うわぁ、優希ちゃん凄い・・・」

「こりゃ、本当に一人で終わらせるかも知れんのぉ。」

~東一局7本場~

「ツモ。8700オールだじぇ。」

『・・・な、何という事でしょう。片岡選手が東一局で連荘して、なんと今宮女子が飛んだ為、先鋒戦東一局にして、清澄高校の決勝戦進出が決まりました!』

「うわわっ、片岡先輩、凄すぎです。」

「まさか本当に東一局で終わらせるとはのぉ。」

「優希・・・」

「優希ちゃん凄い。」

優希の成績に驚いていると、後ろから元気な声がした。

「主役が帰ったじぇ。」

「優希ちゃん!」

「片岡先輩!凄かったです。」

「決勝もこのままぶっちぎりで行くじぇ!」

「頑張ろうね。」

「ちょっ、先輩方!見て下さい、龍門渕高校が!」

「どうしたの?ムロちゃん。」

「えっと、龍門渕高校も先鋒戦で他校を飛ばして終わってます。」

「ノッポか、今年は負けないじょ。」

「今の優希ちゃんの調子なら、大丈夫だよ。頑張ってね。」

「任せとけ!ぶっちぎりで染谷ブチョーに回すじょ。」

「おう、期待しとるよ。とりあえず今日はゆっくり休んで明日に備えろよ。」

「はい。じゃあ宿泊施設に移動しましょうか。」

「あ、そう言えば去年活躍したから近くに泊まれるんだったね。」

「先輩が頑張ってくれたお陰ですね。」

「咲さんが頑張ってくれましたからね。」

「そんな事無いよ。部長や皆が頑張ってくれたお陰だよ。」

「ほれほれ、疲れたけぇ早ぅ旅館行くぞ。」

「疲れたじぇ。早く行くじょ!」

「あ、待ってよ優希ちゃん。」

(明日は決勝。明日、必ず勝ってまた全国に行く!)




次からは遂に県予選の決勝です。投稿遅れて申し訳ありません。
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