この作品は響大好き成分50%シリアス成分50%で出来ています。
「全門、敵を穿て!!」
鋭い怒声と共に爆音が響く。
弾は氷塊さえ粉々にし、敵を貫く。
冷たい海と霧に混じって漂う火薬の匂い。
そう、ここは戦場だ。
「ふう。」
「今回も余裕だったわね、響!
ま、レディの私にかかればこんなものよ!」
と言い、胸を張る暁。
全く、調子が良いなぁ、暁は。
視認できる敵は全て沈黙…
まあ、こちらの戦力を考えれば、
そこまで手強い敵ではなかったのも
事実ではある。
「全艦、帰投する。私に続け!」
長門の号令と共に翔鶴、瑞鶴、川内、
そして私達が順次帰路へと向かう。
「響!今日間宮さんが帰ったら
とびきり美味しいパフェを作って
くれるんだって!」
「それは楽しみだ!早く帰ろう!」
間宮さんの作る甘味は大好きだ。
しかも今日はパフェだと思うと
とても心が踊った。
だからだろうか、また霧が濃かったのも
あってか私達はいつの間にか
艦隊からはぐれてしまっていたのだ。
「暁、暁!」
未だにパフェを想像して
よだれをたらしている暁を
現実に引き戻し、現状を確認する。
すると暁は、
「大丈夫よ、レディな私はちゃんと
通信機を持ってるんだから!
……あれ?どうして!?繋がらない、
繋がらないわ!?」
暁はオロオロしながら何度も通信機の
ボタンを押すが何も起こりはしなかった。
「まずいよ、何かがこちらに向かって
くる音がする。戦闘用意だ。」
「ふえぇ!? わ、わかったわ」
水が波打つ音に加えてかすかにガタガタと
金属がぶつかり合う音がした。
おかしい、深海棲艦があんな音をたてながら
来たことなど一度も見たことがない。
霧が濃いせいで見通しも悪く遠くからは視認できない。
そして私の疑問が晴れたのは音の主が眼前に
現れたときだった。
「ガガガ…コロ、コロス!」
「これって…さっき倒したやつらじゃない!!」
崩れかけの体を強引に動かし、こちらを
捉えようとまるで水の上を這うように
近づいてくる深海棲艦が現れた。
先ほど倒したはずだった。
光を失い、動く気配すらなかったのに、
今はギラギラと眼を輝かせ、
こちらから目を離さない。
片腕がないもの、顎がとれているもの、
更には体に風穴が空いているものもいた。
思わず唾をのんだ。目の前にいるのはもはや屍、
そこは地獄絵図と化していた。
「弾丸装填、響、攻勢に出る!
今は現状に困惑してる場合じゃない。
ここはもう戦場だ。」
「わかってるわ!レディ暁の活躍、
その目に焼き付けなさい!」
敵の数は五体、こちらは二人、冷静に考えれば
撤退しておくべきだったと思った時にはもう、
遅すぎた。
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