ハイスクールD×D 〜モンスターなハンターと過負荷の物語〜   作:深道兎心

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爆炎の裁定者と特異点の少女 ―― クライマックス・ジャンパー

ギャスパーは涙を拭い、渚の隣で力強く立ち上がった。その手には、渚から託されていた**『電王ライドウォッチ』**が握られている。

「渚先輩……僕も、みんなを守るために戦います!」

ギャスパーがウォッチを起動させると、時の列車の警笛が響き渡る。

『電王!!!』

実体化したデンオウベルトを腰に巻き、彼女は迷わず赤のボタンを押し、ライダーパスをかざした。

『SWORD FORM』

「行くぜ行くぜ行くぜぇー!」

ギャスパーの意識がモモタロスとリンクし、桃型の電仮面が割れて両目に。

「俺、参上!」

デンガッシャー・ソードモードを荒々しく振り回し、ギャスパー(モモタロス)は部屋を包囲していた魔術師たちを瞬く間に斬り伏せていく。

「行くぞ、ギャスパー。……いや、モモタロス!」

渚もマゼンタのディケイドドライバーを展開し、カードを装填した。

『KAMEN RIDE:DECADE!』

ライドブッカー・ソードモードを鋭く抜き放ち、二人の「時を超える戦士」は反撃の旋風となって校舎を駆け抜けた。

 

その頃、校庭ではテロリストの増援が魔法陣から次々と現れていた。

骸の足元に影が走り、一匹の小さなケルベロス、クロエが姿を現す。

「骸、あるじが吸血鬼を助けた。今は魔術師と交戦中だよ」

「……了解。ナギが動いたなら、僕も遊んでいられないね」

骸は不敵に微笑むと、渚から預かっていたシアンの銃**『ディエンドドライバー』**を抜いた。

「変身」

『KAMEN RIDE:DIEND!!!』

無数の残像と共に変身を完了した骸が、強化弾で敵軍をなぎ払う。その隣には、純白の鎧を纏ったヴァーリが降り立った。

『Vanishing Dragon Balance Breaker』

「……。フッ、骸。お前のその力、じっくり見せてもらうぞ!」

ヴァーリの放つ光翼の輝きと、ディエンドの銃撃が戦場を支配していく。

 

一方、取り残されたイッセーは己の無力さに歯を食いしばっていた。

「クソッ、俺だけ禁手(バランス・ブレイカー)も使えねぇのかよ……!」

焦燥の中、ポケットに手を入れたイッセーは、一つの金属的な感触に気づく。渚から「もし実力不足を感じたら使え」と渡されていた**『龍騎ライドウォッチ』**だ。

「……渚、使わせてもらうぜ!」

『龍騎!!!』

ウォッチを起動した瞬間、イッセーの手にカードデッキが出現する。本能のままに近くの窓ガラスを鏡として利用し、デッキを構えた。

「変身ッ!!!」

ベルトにデッキを差し込んだ瞬間、鏡の世界から契約龍ドラグレッダーの咆哮が響く。だが、現れた姿は通常の龍騎とは異なっていた。

イッセーの右腕に宿る**『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』の魔力と龍騎の力が強引に融合し、全身の装甲がより刺々しく、真紅の光を放つ『龍騎・ブーステッド』**とも呼ぶべき異形の姿へと変貌したのだ。

「これなら……戦える! 昇龍、炎神、爆ッ殺だぁぁぁ!」

左腕のドラグバイザーにカードを装填し、イッセーは炎の龍と共に戦場へ飛び込んでいく。

 

校庭は、魔法、科学、そして伝説の力が交錯する混沌とした戦場と化していた。しかし、その中心には圧倒的な威圧感を放つ四人の戦士が立っていた。

 

校庭の中央で、渚、骸、イッセー、そしてヴァーリが背中を合わせる。

「……数が多いな。だが、止まる理由にはならない」

ディケイド・渚がライドブッカーを構える。

「僕の銃弾から逃げられると思わないことだね」

ディエンド・骸が銃口を向ける。

「龍騎と赤龍帝の力……まとめて味合わせてやるぜ!」

龍騎(ブーステッド形態)・イッセーが拳を叩き合わせる。

「ふん、雑魚をいくら掃除しても退屈だが……この並びは悪くない」

白龍皇・ヴァーリが光翼を広げる。

四人が同時に地を蹴った。

ディケイドの次元を斬り裂く剣撃、ディエンドの追尾する光弾、龍騎の炎を纏った格闘、そして白龍皇の半減の一撃。

四大勢力の象徴とも言える彼らの連携に、テロリストの軍団はなす術もなく全滅していった。

 

敵軍が霧散した直後、空が不気味な紫色に染まり、巨大な魔法陣から一人の女が現れた。旧魔王派の残党、カテレア・レヴィアタンだ。

「……目障りな英雄たちね。魔王の名を継ぐこの私を前に、どこまで耐えられるかしら!」

彼女が放つ魔力は、これまでの雑兵とは一線を画す。しかし、渚は一歩も引かずに前へ出た。

「魔王の名を騙るか……。なら、俺も相応の姿で相手をしよう」

渚がカードを取り出す。それは、歴代のライダーたちの紋章が刻まれた輝くカード。ディケイドドライバーの上に「ケータッチ」を装着し、画面をタッチしていく。

『KUUGA! AGITO! RYUKI! FAIZ! BLADE! HIBIKI! KABUTO! DEN-O! KIVA!』

「変身!」

『FINAL KAMEN RIDE: DECADE!』

眩い光と共に、渚の右肩から左肩にライダーたちのカードが配置された装甲が纏われる。仮面ライダーディケイド・コンプリートフォーム。まさに「ライダーの頂点」の様な風格を纏ったその姿に、カテレアの顔が驚愕に染まった。

「な、何なのよその姿は……!? 偽物の王が!」

「偽物かどうか、その身で確かめてみるがいい」

渚の隣には、彼が召喚した「最強」の幻影たちが立ち並ぶ。

「行くぞ、カテレア。……これが、お前への裁定だ」

 

カテレア・レヴィアタンは、コンプリートフォームとなった渚の威圧感に、これまでにない恐怖を感じていた。

「認めない……人間風情が、魔王の末裔である私を凌駕するなど! **『蛇』**よ、私に全てを食い尽くす力を!」

彼女が懐から取り出した禍々しい「蛇」を自らの体に突き刺すと、その魔力は爆発的に膨れ上がった。肉体は異形へと歪み、周囲の空間を腐食させるほどの闇が吹き荒れる。無限の力の一部を取り込み、暴走を開始したのだ。

「アハハハッ! 壊れなさい! 全て無に帰してあげるわ!」

だが、渚はその狂気を冷徹な瞳で見据えたまま、ケータッチの画面を流れるような手つきで操作する。

「……無に帰るのは、お前の野望の方だ」

『SURVIVE!』『HYPER!』『LINER!』『EMPEROR!』

『KAMEN RIDE』

渚の周囲に、最強の幻影たちが次々と召喚される。龍騎サバイブ、カブト・ハイパーフォーム、電王・ライナーフォーム、キバ・エンペラーフォーム。いずれもが、一国家を数秒で壊滅させうる絶大な力を秘めた「ライダー」たちの姿。

「行くぞ……一斉掃射だ」

渚が合図を送ると同時に、歴代最強フォームのライダーたちが一斉に動き出した。

龍騎サバイブが炎の烈火を放ち、キバが魔皇力の斬撃を叩き込む。カブトがハイパークロックアップでカテレアの視界から消え、全方位から不可視の打撃を浴びせ、電王がデンライナーの軌道を描く一閃で逃げ道を断つ。

「な、何なの……この力は!? 魔法も、再生も追いつかない……っ!」

暴走したカテレアの魔力をもってしても、世界の枠組みを超えた「最強の記憶」たちの前では、紙細工も同然だった。渚自身もライドブッカー・ソードモードを構え、最前線へと踏み込む。

「これで終わりだ、カトレア。……お前の『時間』は、ここで止まる」

渚がファイナルアタックライドのカードを装填する。

『FINAL ATTACK RIDE: D-D-D-DECADE!』

最強フォームのライダーたちが黄金の光弾と化し、渚の放つ次元を貫くライダーキックと重なり合う。五位一体となった究極の衝撃が、蛇の力で肥大化したカテレアの核を正確に貫いた。

「……お、おのれ……伝説の、英、雄……ッ!!」

断末魔の叫びと共に、カテレアの肉体は眩い光の中に霧散した。蛇の呪縛から解き放たれ、その存在自体が「歴史の彼方」へと葬り去られた瞬間だった。

静寂が戻った校庭。変身を解除した渚の背後では、骸がディエンドライバーを回しながら歩み寄り、イッセーが「すげぇ……」と腰を抜かしている。

「……終わったね、ナギ」

「ああ。だが、本当の戦いはこれからだろうな」

渚は夕焼けに染まる空を見上げた。その視線の先には、今回の一件でより深い興味を抱いたであろうアザゼルやヴァーリ、そしてまだ見ぬ強敵たちの影があった。

 

カテレアが光の塵となって消え、戦いに終止符が打たれたかに見えたその時。

空を切り裂くような不気味な光弾が校庭に降り注いだ。

爆煙の中から現れたのは、三大勢力の面々も、悪魔たちも見たことがない奇妙な軍団だった。

無機質な戦闘員の声――「イーッ!」という独特の発声と共に、黒いスーツに髑髏を纏った集団が校庭を埋め尽くす。その後ろには、歴代ライダーたちが戦ってきた異形の怪人たち、そして禍々しいオーラを放つ幹部たちの姿があった。

「……嘘だろ。なんでお前たちがここにいる」

渚の顔から余裕が消え、骸もディエンドライバーを握る手に力を込める。それは彼らが転生する前、テレビ画面越しに見ていた「悪の組織ショッカー」そのものだった。

その時、空間に巨大なホログラムが映し出される。姿なき威圧感、ショッカー首領の声が響き渡った。

『……ほう。この世界にこれほどの力を持つ者が存在したとは。爆炎の裁定者、そして平等な人外と言ったか』

「……何者だ、お前たちは。禍の団(カオス・ブリゲード)とは違うようだが」

渚の問いに、首領は冷酷な笑いを含んだ沈黙のあと、自らの名を告げた。

『我らはショッカー。数多の世界を支配せし者。だが、この世界を効率的に掌握するため、禍の団と手を組むことにした。……今日より、我らは**「カオス・ショッカー」**として、この世界の理を書き換える』

初めて見る異世界の軍団に、アザゼルやサーゼクスも驚きを隠せない。

「次元の壁を越えて現れたというのか……? 厄介な連中が出てきたものだ」

渚と骸は、かつての世界の「知識」として知るその邪悪な組織が、現実として目の前に現れたことに深い嫌悪感を抱き、即座に戦闘態勢に入る。しかし、首領は彼らを嘲笑うかのように、次元の狭間へと軍団を後退させていく。

『英雄たちよ、今はまだ戦う時ではない。今日はあくまで、新たな支配者が現れたことを知らせに来た「視察」に過ぎん。……貴様らの力、いずれ我らの大首領への供物とさせてもらおう。さらばだ』

幹部や無数の戦闘員と共に、首領のホログラムは次元の狭間へと消え去った。

その後、サクヤが時の魔法と掃除能力を駆使し、壊滅した校庭を「初めから何もなかったかのように」完璧に修復した。

三大勢力は正式に和平を結んだが、その場の空気は「カオス・ショッカー」という未知の脅威への警戒で重く沈んでいた。

オカルト研究部の部室に戻った一同。

渚は、不安げな表情を浮かべるユー(優香)の頭を優しく撫でながら、窓の外の夜景を見つめる。

「お兄ちゃん……。また、大変なことが起きるの?」

「大丈夫だ。何が来ようと、俺と骸でぶっ潰してやる。……お前たちの日常は、俺が守る」

その言葉に、骸も静かに頷く。

「そうだね。彼らが何を持ってこようと、僕たちの前ではすべてが『嘘』になるだけさ」

伝説の英雄たちの戦いは、ここから未知の領域へと加速していくのだった。

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