吸血鬼異変開始から数時間後。
尖兵として放たれていた下級妖怪は窮地に陥っていた。
「アアアアアッッッ!!!」
並みの者であれば回避も防御も不可能、下級にしては異常なほどの力と技術で繰り出された斧の一撃はしかし、その妖精には届かない。
「クソガッ!」
「ナゼダ!!」
「ナゼヨウセイナドニ!!!」
苛烈さを増す攻めにも構わず避け、いなす。
一種の演舞の様であったその戦闘も終わりはある。
「それじゃあ……そろそろ、あたいのターン!」
妖精―――チルノが動き始める。
そうは行くかと妖怪その1が手にしている直剣でチルノへと襲いかかる。しかしそれよりも早くチルノが彼の懐に進入、彼女の直剣によって胴を断ち斬られた。
妖怪その2と3が隙を突こうと飛びかかるも、予測済みであったのか悠々と回避。振り向き様に二人を薙ぐ。
あっという間に三人も同胞を殺られ、怒りではなく恐怖によって支配された彼らは逃走し始める。
「ニゲロ!」
「アンナノカテルカ!」
「『センセイ』ニレンラクシロ!」
逃げる彼らを眺めチルノはため息をつき、
「えぇーもう終わり?じゃあ最後に一発―――」
直剣を腰に溜める。
「あたいの、とっておき。」
直剣から冷気が止めどなく溢れる。
「見せてあげる」
全力の一撃が放たれる。
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「……チルノちゃん大丈夫かなぁ?」
場所は人里の寺子屋。ここには力の無い妖精の他、老人や子供たちが集められていた。
『彼女なら心配ないですよ大妖精どの』
大妖精の独り言に黒い箱から返答が来た。この箱は通信道具らしく、河童が高額で売ってきたと先生が言っていた。
「師匠さん……」
先程の声の主はチルノちゃんに剣を教えた人。とても強く、人里の自警団長をしています。
『大妖精どのはチルノを信じてないのでしょうか?』
「いえそんなことは」
『でしょう?それに、彼女には私の全てを叩き込みました。免許皆伝の身なのにこんなところで負けるのは許しません』
「あはは……」
少し気が楽になりました。師匠さんはこれから自警団を率いて警戒しなければならないのに緊張とかは無いのでしょうか。
なんて思ったのもつかの間。
『 ザザッ 隊長、各自配置に付きました』
『 ザザッ 了解、白上沢さんお願いします』
『 ザザッ 了解した』
先生の能力が発動、人里は外と隔離されました。夜が明けるか、事件が解決するまでこの状態です。
それまではここに居る人たちを護りましょう。私もやれることをやるのです。
@@@
自警団長に渡された無線機を切り、私、白上沢慧音は能力を行使した。私の能力は『歴史をたべる程度の能力』。里の歴史を食べることで外から来たという妖怪からの驚異を回避する。
さて、里への襲撃という最大の懸念事項は一先ず置いても問題あるまい。それよりも襲撃者たちの迎撃に向かったらしいチルノが気になるな。
チルノは妖精ではあるが、うちの生徒でもある。成績は良くないが真面目に授業も受けるし他の生徒とも仲良くしている。
大事な生徒の一人だ。様子を見に行きたいがここを離れる訳にもいかない。熟考の末、自警団長に様子を見に行ってもらうことにした。
再度無線機を起動する。しかし毎度の事ではあるが使い方が合っているか不安になるな。
「すまない、自警団長は居るか?」
少し間を置いて返事が返ってくる。
『ザザッ こちら団長、どうされた白上沢さん』
「ああ、チルノがどうしても気になってな。申し訳無いが見てきてはもらえないだろうか」
『ザザッ そうですね……ここまで来る妖怪もあまりいないようですし、見つけ次第連れてきます』
「本当に申し訳無い、恩に着る」
『ザザッ つーことで、ちょっとの間空ける。テメェら死ぬんじゃねーぞ!』
『ザザッ 了解!』
『ザザッ 了解!』
『ザザッ 了解!』
『ザザッ 了解!御気を付けて!』
それからは配置の変更など私の関われる範囲ではなかったので無線機から意識を外す。
チルノのことは彼に任せ、私は里にするとしよう。
帰ってきたら頭突きに宿題山盛りの刑だ。
文字数が……増えない!
投稿してみて分かる難しさ!
週一で投稿してる人とか本当に凄い!
失礼、吸血鬼異変改その二を読んでいただきありがとうございます。
大体の流れは考えているものの、上手く字に起こせない日々が続いています。
今回は妖精・人里陣営メインとなりました。ここから先は一話につき一陣営を書く予定です。
ここまで見てくださった皆様、ありがとうございました。次回も未定ですがこれからも精進していきたいと思います。
……ぶっちゃけ100人以上も見てもらえた事に驚いてます。