居酒屋鳳翔にて。
「………えっ、お前ヤッたの?」
二人に報告すると、武蔵が頬に汗を流して聞いて来たので、私は顔を赤らめて頷いた。
「ま、マジでか……。大和が、とうとう大人の階段を……」
「まぁ、前々から大和さん。ヤりたいヤりたいって騒いでましたからね」
「さっ、騒いではいません!人を欲求不満みたいに言わないで下さい!」
「や、欲求不満だったろ実際」
「………まぁ、そうでしたけど」
提督は違ったみたいだけど、私はもうずっと我慢していた事は否めない。それにしても、こう……すごかった。あの熱い棒が私の中を出たり入ったり………。
「ふふっ♪」
「お、おいどうした大和?頭でも何処かにぶつけたか?」
「いや、すごかったなーって思って♪」
私もうエッチな子でも良いわ。そう思えるくらいにすごかった。
「でも、そうですか。これで、鎮守府内では大和さんが一番お姉さんですね」
「へっ?」
「だってそうでしょう?鎮守府の子達は基本的に男性と親密な関係になる事はありませんから。なっても提督くらいです。その中で、大和さんは一番に大人の階段を登ったじゃないですか」
そ、そう言われてみれば……。でも、あまり気にならなかった。だって、もう提督ともう……ふへへっ。
「大和、涎を拭け。このビッチが」
「び、ビッチとはなんですか!そういうんじゃありません!」
「いや、なんというか……すこぶる気持ち悪い顔をしていたから……」
え、そ、そんな顔してた………?
「なぁ?鳳翔」
「はい。提督に見せたら一発でドン引きされそうな顔をしてましたよ」
「そ、そうですか………」
二人にまでそんな風に言われるなんて。気を付けなきゃ……。とりあえず、布巾で涎を拭った。
すると、武蔵がビールを飲みながら聞いて来た。
「そ、それでっ、どうだったんだ?」
「? 何が?」
「そのっ……しっ………シた感想は…………」
「……………」
よく見ると、顔をすごく赤らめている。私はニマーッと意地悪い笑みを浮かべてしまった。
「何何、知りたいの?」
「っ」
「武蔵も男前な感じするけど乙女なのねー?もしくはエッチなだけ?セ○クスに興味あるんだ?」
「は、ハッキリ言うな!別に、興味があるわけではない。ただ、大和がすごい話したそうな感じだったから……」
「そんな感じ出してませーんっ。興味津々なのを隠さなくても結構でーす」
「う、ウザい………!」
「教えて欲しかったらー……そうねぇ。『私は姉のえっちに興味津々です、教えて下さい』って言いなさい?」
「なっ……だ、誰がそんな真似を………⁉︎」
「良いわよ?言わなくても。なら私も言わないだけだし。あ、熱燗下さい」
私は言いながらハイボールを飲み干しながら注文した。はー、えっちした後のお酒は美味いわ、1日経ってるけど。
すると、鳳翔さんがエビフライを私達の間に置いて言った。
「大和さん、少し飲み過ぎですよ?あまり良い酔い方ではありませんし、今日はこのくらいにしておいたらどうですか?」
「大丈夫ですよー。大体、武蔵の方から聞きたいって言って来たんですよ?」
「そういう事を言ってるんじゃないんです。提督がこんな姿を見たらどう思います?」
「それも問題ありましぇんっ。コミュ障バカのあの人はここに来る度胸さえありませんから〜」
直後、ピッと音がした。鳳翔さんが録音機を取り出した。
「………ふえっ?」
鳳翔さんは再生ボタンを押した。
『それも問題ありましぇんっ。コミュ障バカのあの人はここに来る度胸さえありませんから〜』
一発で酔いが覚めた。それどころか、酔っ払って赤くなった顔が青ざめていくのを感じた。
「なっ……⁉︎け、消してください!」
「ダメです。この発言は流石に」
うっ……た、確かにこれは酷い。私、酔うとこんな事を平気で言っちゃうんだ……じゃなくて!
「お、お願いします!何でもしますから!」
「ん?なんでも?」
「はい!何でも…………あっ」
今、一番言っちゃいけない事を……。
「では、武蔵さんに話してあげてください」
「うっ……は、話さなきゃだめ、ですか……?」
「良いですよ?話さなくても。そしたら私も消さないで提出するだけです」
うっ……い、意地悪な返しを……。でも、頷くしかない。
「………分かりました。話します」
「はい。それで良いです」
………酔いが覚めるとさっきまでのテンションが恥ずかしいわね。それどころか、これから話す事さえ恥ずかしい……。武蔵はさっきと違って「早よ話せ」みたいな顔してるし………むかつく。
でも、仕方ないのでとりあえず最後まで二人に説明した。終わった頃には、私の顔は真っ赤になっていた。
「………ま、まぁ、そういうわけですっ……」
「………つまり、成り行きだったわけか」
「は、はい………」
「で、でも、その……なんだ?割と普通だな」
「? どういう意味?」
「いや、提督のことだから、監獄学園的なノリの事をするんじゃないかと思ってな」
「いやいや、流石に最初のえっちでそれはないわよ」
「でもほら、あの提督はアレだろ?カマちょだろ?だからほら、大和が感じてるのを見て楽しんでそうだなーと思って」
「そんな事ないわよ。あの人、割と純情だから私をいじる余裕なんてなかったわよ?まぁ、そこが可愛かったんだけど……」
「………確かに、その姿も想像は出来るな」
武蔵はビールを飲みながら相槌をうった。いや、本当今思い出しても可愛い。私が性器を舐められてイカされて、提督のお顔に失禁したのに、向こうが顔を真っ赤にしてるんだもの。こっちの方が恥ずかしいのに……。
「でも、良かったわ。私の最初の相手が提督で」
「なんでだ?」
「提督、私の事を案じて今日から一週間、お休みをくれたのよ。それに、シてる最中も最後まで優しくして下さったし」
朝までシてたとはいえ。今日の仕事中、すごく眠そうだったし。
「あとね、私ってえっちな事すると性格が変わるみたいなの」
「ああ、想像つくな。さっきもすごいビッチウザかったし」
妹にそこまで言われるなんて……本当にこれから気を付けよう。それはそうと、ビッチウザいって単語は初めて聞いた。
「それで、えっちした後もすごくグイグイ言っちゃって……その時に、ハッキリ言ってくれたんです。『恥じらいのない女は嫌い』って」
「ふむ、あいつが?」
「はい。あそこでハッキリ言って下さらなかったら、私これからずっとあんな感じになっていたかもしれないから……」
「その割に、さっきは全然活かされてなかったがな」
「わ、分かってるわよ!こう見えて反省してるのよ?………本人がいないとはいえ、提督にあんな失礼な事を言ってしまったし」
「まぁ、反省しているのなら大丈夫だとは思うが」
武蔵はエビフライをかじりながら呟いた。気が付けば、飲み物も食べ物もなくなっていた。
「………よし、そろそろ行きましょうか」
「だな。大和、ここは払う」
「へっ?」
「何、お祝いだ。中学生みたいな奴ら二人が性交をしたんだ。払わせろ」
「うっ……じゃあお願い」
事実は事実なので何も言えなかった。私だって今にして思えばチキンだったし。
「鳳翔、お会計を………ん?」
鳳翔さんを見ると、顔を真っ赤にして固まっていた。なんか静かだと思ったら、意外と純情だったみたいだ。自分で聞きたがっていた癖に。
私達はお金だけ置いて店を出た。