ラブライブ!魔法使いのIFルート   作:そらなり

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どうも、そらなりです。

一向にポケモンクロスを書いてませんが、穂乃果の誕生日ということでこの話を書かせていただきました。ハーメルンで上げた作品では3作品目となるえみつんの楽曲回。今回は『Dear everyday』という曲でお話を書かせていただきました。

今回のお話では現実世界とは異なる点があります。その辺はご了承ください。

それでは、何気ない毎日を過ごす彼女をご覧ください!


あったかもしれないただの平凡な日常

 ピッピッピッピッピッピッピ―――――

 

 私は自分のセットしたアラームによって強制的に起こされる。……まぶしい。どうやらカーテンの隙間からサンサンと輝く太陽の光が部屋の中に入っていることに気が付いた。

 

 少しだけぬくぬくするのがいつものことなんだけど、今日は自然とそんな気分にはならなかった。だからひとまず目を覚まそうと窓を開けて外の空気に触れる。大きく深呼吸して外の空気を体内に取り込む。

 冷たい空気が体内に入ってくるとすっきりした気分になり、次第に目は冷めていく。……結局眠いのは変わらないんだけどね。

 

 とりあえず私は朝食を食べるため1階のリビングに向かった。

 

「おはよ~」

 

「お姉ちゃん、おはよう」

 

「今日は少し早いわね。おはよう」

 

 もうリビングにある待っていたお母さんたちに私は挨拶をして2人は返してくれる中、お父さんだけが私に近づいて頭をポンポンと叩いて挨拶をしてくれた。

 

 目は覚めたといってもまだ完全に覚醒しているわけじゃない。いつも朝に飲むあたたかいカフェラテを作って一口飲んだ。

「ふぅ~……」

 そんな時間にほっとしながら今日の予定を思い出す。確か……いつも通り学校に行って、なんか今日は朝会があるみたい。けどそれ以外は授業をして、μ'sの練習をするくらいかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 朝食も食べ終わり準備をして家を出る。私の家はμ'sのみんなに比べると少し遠い。駅を何個もはさむ。いくら遠くても音ノ木坂に通いたかったから私は高校生活が始まった時からずっとこの生活をしていた。

 見た目は昨日とほとんど何も変わらないのかもしれないけど、今日という日はこの時だけしかない。だから、もうすでに始まっている特別な1日を楽しまないと損だよね! 何が起こるのかわからないんだし!

 

 あ、そうそう。私の名前は高坂穂乃果! 音ノ木坂学院に通う高校2年生! 家と学校の距離は少し遠いけどどうしても行きたい学校だから頑張っちゃった。最初は友達とかはいなかったんだけど1年生の時に同じクラスになった園田海未ちゃんと南ことりちゃんの3人で毎日楽しい学校生活を送っていたんだ。

 

 だけど、音ノ木坂が廃校になることを知った。生徒数の減少によるものだったみたい。あんな素敵な学校が無くなるなんて嫌だった……。

 

 だからね! スクールアイドルをして生徒数を増やそうとしたんだ! それが『μ's』。今はなんと! 9人もいるんだよ!

 そのおかげもあって入学希望者は増加、何とか音ノ木坂学院は存続することができたんだ。

 

 これはすごく大きな奇跡だったんだと思う。でも、見方次第で私たちは毎日奇跡に触れているんだ。無自覚のうちに、無意識のうちに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんなことを考えながら私は駅までの道を歩いていたんだけど……ってあれ? いつもこの信号で止まっちゃうのに今日は青だ。あっ! そうか、今日は家をいつもより5分だけ早く出たから少し違うんだね。

 

「なんかラッキー!」

 

 そんなこともあって少しだけ早くに駅に着いた。駅のホームの電光掲示板を見るともうすぐ快速の電車がくるみたい。

 

 この時間はみんなも通勤通学の時間。だからラッシュアワーになって電車っていつも混むんだよね。でも快速の電車だし少し早く学校につけるから我慢しないと!

 

 私はやってきた快速電車に乗り込んだ。幸いなことに背中を座席の壁に預けられる場所に自分の体を置いた。目の前には普段見慣れない制服を着た男子生徒がいる。黒髪で少しキリッとした目をして、身長は私より頭1個分以上ある。歳は同い年くらいかな? ……なんで私、この人のことこんなにじっくり見てるんだろう?

 

 まぁいいや! スマホを起動して毎日の日課であるネットの占いコーナーを見てみた。私の誕生日は8月3日だから……。うーん、8月の総合運は11位か。しかも恋愛運は最下位……。

 

 この結果に少し肩を落とす私だけどそれは一瞬の出来事だった。なぜなら……占いは占い、気になることはあるけど実際は何が起きるかわからないのが毎日なんだもん! 今日はどんなことがあるのか楽しみで楽しみで仕方ないよ! それに恋愛は……今日がダメでもいつかきっといい出会いがあるはずだもん。1日だけの悪い運勢を気にしていたって仕方ない。

 

 気分をリフレッシュするために私は駅のドアから外の風景を見渡してみた。……わぁ~!! すごくきれい……。少し時間が早いだけでこんなにも景色が変わって見れるんだね。目の前にあるのは人の作った建物とかが多くて自然入ってしまえば少ない。なのに、目の前の太陽の光と一緒になっているその風景はとても神秘的なものに思えた。

 

 私が外の風景を見ている時に前にいる男性が私の近くにいた男の人と何か話してる……。同い年くらいの彼の表情は少し怒って様子で、男の人は何やら困ったような表情を浮かべている。怒られているからなのかその男の人の額には冷や汗が流れていた。

 

「あんた、自分がやろうとしていたことが犯罪だってことに気が付かないのか?」

 

 彼が男の人に向かって話しかける。相手の右手首をつかんで。何があったんだろう? 犯罪って……?

 私の中に疑問がいっぱい出てくる……。その間も男の人は彼にごめんなさいとずっと言っている……。

 

「まだ、未遂だったからいいけどせめて気が付いたんだったら目の前にいる子にくらい謝ったらどうだ」

 

 目の前にいる子……? それって私のこと? 何もされていないのに謝られるのって少し戸惑っちゃうんだけど……。

 

「君……。今回は本当に申し訳なかった!」

 

 満員電車の中でわざわざ頭を下げてまで謝る男の人。何が何だか理解していないんだけど……。

 

「大丈夫ですよ。特に何かがあったわけでもないですし」

 

 とりあえずそう返して話を終わりにする。私の言葉を聞いた男の人はほっと一安心している様子だった。余程、心配していたらしい。

 

 彼も安心した様子で見届けていた。本当に何だったんだろう? そんな疑問を持った私は気が付くと降りる駅の秋葉原駅についていた。

 

 私はさっきの男の人に会釈をして電車を降りる。あ、彼も降りた。……少し気になるな~。聞いてみよう!

 

「あの、さっき何があったのか教えてくれてもいいですか?」

 

「え? 気が付いてなかったの? 君、痴漢されそうになっていたんだよ。女の子なんだから満員電車には気を付けてね」

 

 え……? えぇ~~~~!? 私痴漢されそうになってたの!? ってことはこの人がそれを止めてくれたってこと!?

 

「あ、ありがとうっていえばいいのかな? 防いでくれたんだよね? だからありがとう!」

 

「……どういたしまして。じゃあそろそろ俺は行くね。それじゃ!」

 

 私がお礼を言うと彼は去っていった。何か少し驚いている様子と急いでいる感じがしたけど何だったんだろう? 今日はいろいろといつもとは違うことが起きるな~なんて思っちゃう。とにかく、何も起こんなかったんだから良しとして学校に行こう!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 駅から学校までは10分くらいで着く。学校までの道では特に何もなく終わった。うん。これが普通なんだよね。さっきのは珍しすぎることだったんだよ。あ、海未ちゃんにことりちゃんだ! μ'sのみんなもいる!

 

「みんな! おはよう!」

 

 私はみんなに挨拶をして微笑みかける。なんだかんだで衝撃なことがあったけど学校はみんなと一緒に過ごせる素敵な場所で、この時間が大好き! 挨拶はそれが始まる秘密のキーワード。みんなが笑顔になる魔法の言葉。

 

「おはようございます。穂乃果」

 

「おはよう! 穂乃果ちゃん」

 

 私に向かっていち早く挨拶を返してくれる海未ちゃんにことりちゃん。何と2人は幼馴染なんだって! それと……

 

「穂乃果ちゃんおはよう」

 

「おはようにゃ!」

 

 ここにいる小泉花陽ちゃんと星空凛ちゃんも幼馴染なんだって。仲よさそうにしている所を見ているとなんか微笑ましくなっちゃうんだよね~。

 

「おはよう、穂乃果」

 

「穂乃果ちゃん、おはよう」

 

 そして生徒会長の絢瀬絵里ちゃんと副会長の東條希ちゃん。2人は1年生の時に出会って以来ずっと一緒にいるんだって!

 

「穂乃果、おはよう」

 

「おはよう、穂乃果」

 

 肩にかかった赤髪をくるくるといじりながら返してくれる西木野真姫ちゃんとそんな真姫ちゃんに抱き着いている矢澤にこちゃん。結構似た者同士で仲がいい。

 今日はここから学校生活が始まる。一体どんなことが起こるんだろう……。楽しい1日になるといいな。それが私の願い。

 

 学年が違うから花陽ちゃん、凛ちゃん、真姫ちゃんは1年生の教室に。絵里ちゃん、希ちゃん、にこちゃんは3年生の教室に向かった。

 

 朝礼があるというらしいから私たちは朝のHRが終わり次第体育館に向かった。……いったい何があるんだろう?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 全校生徒が集まっている状況で朝会が始まった。壇上には理事長が登壇していた。話の内容はこの学校に入学希望者が多くいたことで廃校が撤回されたという話だった。そして次に生徒会の世代交代があるということ。確かにもう2学期に入って文化祭が終わったころ。生徒会選挙が始まる時期。でも私にはあまり関係ないかな~。

 

 そんなことを考えていたんだけど、次の発表はとても衝撃的なものになった。

 

「そして、今日からこの学校に通うことになった転校生を紹介します。……みんなどんな人か気になるでしょ?」

 

 確かに転校生というのは気になる。他学年であってもわざわざ確認しに行くくらいだし、ここでどんな人なのか知れるのは学校内の混乱が少なくするためのものなのかもしれない。

 でも、私はそんなに気にしていなかった。その転校生の姿をこの目で見るまでは。

 

「今日からこの学校に通うことになりました、初音島の風見学園から転校してきた時坂空也です。今日ざっくりとこの学校を見てみましたが、生徒1人1人がとても楽しそうに生活している姿を見て自分もそのような学校生活がここで過ごせたらなと思います。これからよろしくお願いします! 特に2年生の人たちには」

 

 壇上にいたのは見慣れない……ううん、さっき少しだけ見た制服に身を包んだ私を痴漢から救ってくれた彼がいた。でも、初めて聞いたはずのその名前には妙に懐かしい不思議な感覚を覚えた。

 何だろう……? ずっと前から一緒にいたようなそんな気がする。そんなことを感じたからなのかわからないけど頭が高速で回転するような感じがしてひどい頭痛がし始めた。でもそれも数秒のこと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……そうか。もっと前から一緒にいたんだね。"空也君"今朝は本当にありがとう。そして、また会ったね。な~んだ、やっぱり占いも当てにならないね。ここでまた巡り合ったよ。私が恋して、大事に想って、一番支えたい人にこの場所でもう一度。

 思い出した瞬間から私の瞳にはうっすらと雫が溜まっていたことに気が付く。本当にあったよ。かけがえのない出会いが。私は決めた。絶対に空也君に話しかける! また同じ学校に、同じ学年で生活できるんだもん!

 

 心にそう誓う。だって空也君は私にとってただの恩人だけじゃない愛おしい人なのだから……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 空也君は壇上から降りてこの朝会はお開きとなった。今日の1時間目の授業はLHR。だから今日、朝会があったんだと思う。クラスに戻ってことりちゃんと海未ちゃんと話していると先生が教室に入ってきた。

 

「みんな~。喜べ~転校生はうちのクラスだぞー」

 

 私はこの言葉がどういう意味なのか瞬時に理解した。だってそう願いたかったんだもん。みんなはポカンとしている様子だけどそれも少しの間だけ徐々にみんなが意味を理解していき教室には黄色い歓声が広がっていった。

 

「まぁ、落ち着け。それじゃあ入ってきて」

 

 先生の言葉で教室は再び静まり返る。そしてガラッと教室のドアが開いた。だけど前の扉からは誰も入ってこないし扉さえ開いていない……。先生が前の扉を見ていたからなのかみんなは先生と同じところを見ていた。……でもなんかしっくりと来ないと思った私はなぜか後ろのほうを見ていた。

 

 すると、空也君が入ってきたのは後ろの扉からだった。

 

「お。つられなかったのは高坂だけだな」

 

「1人だけこっち見てましたね」

 

 空也君はそう言いながら黒板前まで歩いていく。少しだけ驚いた表情をしていたけどそれはすぐに戻り平常心のまま私たちのほうに振り返った。

 

「えっと、今日からこのクラスの一員になった時坂空也です。趣味はダンスと料理。特技は秘密です。よろしくお願いします」

 

「だそうだ~。今日はこの後時坂への質問タイムにするからあとは自由にやってくれー。後時坂の席は一番後ろの窓側な」

 

 ……それって私の後ろじゃん!? 前も同じだったよ! 空也君私の後ろの席だったよ!! でも、正直嬉しいな。いろいろと話すきっかけが作れるのは。話すんだったら何を話そう……さっきのお礼をもう一度言って、私が覚えていること言ってみようかな? そんなことを考えている間に1時間目の時間は終わった。

 

 空也君が自分の席に着く。

 

「ねぇ! 時坂君! さっきは本当にありがとう!」

 

「あっあぁ、君か。やっぱりここの生徒だったんだ」

 

「うん! 私の名前は高坂穂乃果! よろしくね」

 

「高坂……穂乃果。うん、覚えた。よろしくね高坂さん」

 

 他人行儀に苗字で呼ぶ空也君。仕方ないのはわかるんだけど少しだけ悲しいな。って私もやってたね。

 

「穂乃果のことは名前で呼んで! 呼び捨てでお願い」

 

「え……? 会ったばかりなのに?」

 

「うん! その代わり私も空也君って呼ぶから」

 

「っ!! あぁ、わかった。穂乃果」

 

 ……あれ? 少し変化があった気がするけど気のせいかな? でも、また私のことを名前で呼んでくれるようになったんだ。やっぱり空也君には名前で呼んでもらう方がしっくりくる!

 

「ありがと! ねぇ……私たちがずっと前、もしかしたら生まれる前に逢っていたって言ったら信じる?」

 

 ずっと気になっていたこと。もしかしたら空也君には私と違って記憶がないのかもしれない。そして、その答え次第で私自身が傷つくかもしれない。だけど聞いてみたい。これが今の私の願い。

 

「あぁ、信じるぞ。なんたって俺はカテゴリー5の魔法使いだからな」

 

 本物だ……。空也君は魔法のことを簡単には話さない。この空也君は私と一緒で前の記憶がある。私と海未ちゃんとことりちゃんの幼馴染でμ's専属の作詞家。そして最高ランクの魔法使い。

 

 分かった瞬間、朝会の時の比じゃないほどの涙があふれてくる。空也君は私と今まで一緒にいてくれた人だ。それだけで今の私には十分だった。文化祭で熱を出した時に私のことを考えてライブの構成を変更してくれたり本気で叱ってくれた。あの時の記憶が今でも残っている。

 

「って言っても思い出したのは、穂乃果に名前を呼ばれた時なんだけどな」

 

「え!? ついさっきじゃん!!」

 

 空也君のカミングアウトに涙止まっちゃったよ!! でもやっぱり空也君らしい。これからの学校生活がもっと楽しくなりそう!

 そんな予感に包まれながら午前中の授業を乗り切った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今はお昼休み。空也君と一緒の時間を過ごしたくてある誘いを入れてみる。

 

「ねぇ! 空也君! 屋上に行こ!」

 

「あぁ、いいぞ」

 

 空也君は二つ返事で答えてくれた。だって屋上は私と空也君の特別な場所だから。あそこにまた2人で行きたい。

 

 海未ちゃんとことりちゃんに断りを入れてから2人で屋上に向かった。2人だけでここに来ると少しだけ緊張しちゃう……。

 

「すぅ~」

 

 深く息を吸ってドアを開ける決意をする。この扉を開けるとそこから昨日までとは違う本当の意味で新しい今日が始まる。最愛の人との出会いによってこれからの毎日はとても特別でかけがえのないものになる。

 

 こうして時間を超えて空也君に出会えた奇跡。ささやかだけど特別な奇跡は毎日起きてるんだよ!

 

 だからこんな日常も捨てたもんじゃない! 空也君、この世界でもこれから、もっとよろしくね!

 

 




改めて……穂乃果、誕生日おめでとう! μ'sのみんなを大事に想って、ひたすらに自分のやりたいことに突き進んでいくあなたが大好きです。これからもよろしく!

ってことで今回読んでいただきありがとうございます!

それでは次こそポケモン回! ……って言いたいところなんですけど構想はできていても書く時間がないのでどうなるのかわからない状況です。

まぁ、気長に待っていてください。

それではまた次回もしかしたらの世界で会いましょう!
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