Aqours☆HEROES   作:ルイボス茶

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夢と現実の狭間

 爆風と煙。

 

一帯が高温で包まれた。

 

しばらくして、4人の周りの煙が消える。

 

そこには、変身した4人のライダーの姿。

 

 

 

 

先に襲撃に気付いた梨子は千歌に合図を送っていた。

自分のデッキに防御系のカードが無いため、ガードベントを持つ千歌に変身を促したのである。

千歌が少しでもためらったならば、被害は甚大だっただろう。

戦いを通して信頼を手にした二人だからこその所業だった。

 

 

 

攻撃が止んだことを確認し、上げていた盾を下ろす。

「ありがとう、千歌ちゃん。」

「ううん、こちらこそ。早く知らせてくれてありがとう。それよりこの攻撃は・・・。」

 

辺りを見渡す。

 

火の玉が発射されたと思われる方向に、二つの影。

 

一つは、ミラーモンスター。

いままで千歌たちが戦ってきたものとは形が異なる。

それは、人の形をしていた。

 

もうひとつは、ライダー。

腰のベルトとデッキでそれは判断可能だった。

青い鎧の戦士。

サメやシャチを模した姿のそれは、こちらをじっと見ていた。

 

「梨子ちゃん、あの人もライダーだよね?」

 

梨子は答えない。

 

「梨子ちゃん?」

 

「わからない・・・。」

 

梨子の声が震える。

 

「わからないって?」

 

「わからないの・・・。あれが、どのライダーなのか・・・。」

 

「どういうこと?ずら丸、あんたなら何か知ってるんじゃないの?」

 

善子の問いかけに、花丸が首を振る。

「おらもわからない・・・。あのライダーも、となりのモンスターも、聞いたことがないずら・・・。」

 

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「ここは?」

 

ホワイトボードと会議机、段ボールがいくつか置かれた部屋。

鞠莉は、体育館の横に作られたその場所に曜を連れてきた。

 

「ここは、かつて部室として使われていた場所よ。私と、ダイヤと、果南の三人で活動していた部活のね。今はもう、こんな感じだけど。」

鞠莉がホワイトボードを指でなぞる。

目を凝らしてみれば、消えかかった文字がそこに書いてあることが分かる。

何が書いてあるのか、曜はうまく読み取れなかった。

「部活とか、やってたんですね。どんな部活だったんです?」

「うーん、それはネクストタイム、また今度ね。」

ホワイトボードから指を離す。

果南が部活をやっていたことを知らなかった曜は、少し、何をしていたのか気になった。

 

「さて、本題に入りましょう。」

 

部屋の隅から、アタッシュケースを運んでくるとそれを机の上に置いた。

 

曜に、開けるように合図を送る。

早まる心臓の音を感じながら、ゆっくりとそれを開く。

 

「え・・・?」

 

視界に入るそれを言葉にするには時間が必要だった。

例えようのない衝撃。それが何であるか、何度も確認する。

 

 

中にあるのは、3つのカードデッキ。

そのすべてが、ひびが入っていたり、二つに割れていたりして、機能を破壊されていた。

 

これが意味することはつまり、少なくとも3人のライダーが脱落している、という事実。

叶えたい願いを叶えられずして散った戦士がいる。

 

「誰がこれを・・・まさか!?」

「Oh…そんな怖い顔をしないで。私がやったわけじゃないわ。」

曜の厳しい視線を受けながら、デッキの一つに触れる。

「この戦いに参加するライダーについて、梨子あたりから話を聞いているでしょう?」

曜は何も言わず頷く。

「11人のライダーによる願いをかけたバトルロイヤル。でもね、何事にも予想外のことってあるでしょう?」

触れていたデッキを持ち上げる。

「そう、この戦いにはイレギュラー、12人目のライダーがいる。」

「イレギュラー・・・?」

 

鞠莉の言う通り、物事には何であれ予想外の出来事が付きまとう。

この戦い自体、非日常的な事象であるのだから、何があってもおかしくない。

 

「もしかして、これって・・・。」

「イエス。そのイレギュラーがやったことよ。わたしはそれをアビスと呼んでいるわ。」

 

そう。非日常に染まった今では何が起こっても、どんな真実だろうとあり得ないことではない。

 

「どんなライダーなんですか。」

「青を基調とした鎧に身を包んでいるわ。サメともシャチともとれるような姿をしている。」

 

それでも、時に真実は残酷だ。

 

「誰が、変身しているんですか。」

「その答えは、あなたが私に聞きたかったことと繋がると思うわ。」

 

知らないほうがよかった、そう思うことがこの世には溢れすぎている。

 

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青のライダーが千歌たちを指し示す。

 

隣にいる人型のミラーモンスターは、それを確認すると再び千歌たちに襲いかかってきた。

 

慌てて千歌が盾で食い止める。

 

しかし、盾は簡単にはじかれ、無防備の身体に蹴りが入る。

嗚咽を漏らし、龍騎の身体が宙を舞った。

 

「千歌ちゃん!!」

 

『スイングベント』

 

召喚した鞭で立ち向かうも、効いている様子はない。

 

「善子ちゃん、千歌さんを!おらは援護に回るずら!」

 

『シュートベント』

 

召喚されたのは自身よりも大きな大砲。

腰を落とし、梨子と戦っているそれに標準を合わせる。

「はあっ!!」

引き金を引くと、その衝撃でゾルダ自身の身体が後ろに引き下がる。

衝撃は大きく、狙い通りに攻撃は当たった。

 

巻き起こった爆風が引く。

 

仕留めた感触は十分にあった。

 

しかし、そこにあったのはまるで傷一つついていない敵と、それに首をつかまれたライアの姿。

 

気道がふさがれ、呼吸が出来ない。

やがてライアの意識は消え、投げ飛ばされた。

 

続けて、ゾルダの元へ。

尾羽を鞭のように使用し、ゾルダを襲う。

デッキ内の防御カードをベントする余裕などなく、ゾルダはそこに倒れた。

 

「ちょっと!千歌さん!しっかりしてよ!ねえってば!」

苦しむ千歌に声をかけ続ける。

 

状況を確認しようと振り返れば、横たわるライアとゾルダの姿。

 

「なにこれ・・・。そんな・・・。」

 

敵が近づいてくる。

千歌を守らなければという気持ちと逃げなければやられるという恐怖心が入り混じる。

 

「善子ちゃん・・・にげ・・・て・・・。」

 

かすれた声は梨子のものだった。

気道が確保されたことで、朦朧としながらも意識が回復していた。

 

「でも・・・でも・・・。」

 

デッキのカードに手を伸ばす。

ここで戦わなければ、いつ戦う?

ここで戦って、はたして勝てるだろうか?

 

考える間にも、敵は近づいてくる。

 

決めなきゃ、やらなきゃ、私が、やらなきゃ。

 

覚悟を決めた、その時。

 

「戻れ。」

 

声は、青のライダーから。

その令に従い、モンスターが離れる。

 

「ま・・・て・・・。」

 

梨子の声など届かず、青のライダーがその場から消える。

 

変身を解除した善子は、その場に膝から崩れ落ちた。




いつもありがとうございます。

まずは内容のお話から。
全滅。きつい。
ずっとつけてる「残酷な描写」タグはこういうところを指しています。
梨子編では、梨子にためらいがあったり千歌のライダーパンチは愛であふれていたり、とあまり殺気がなかったのに対して今回は敵がモンスターなのでもう殺気むんむんです。
一つ一つに容赦ありません。
次回以降も楽しみにしていてもらえると嬉しいです。

近況です。
パピコがとてもおいしい・・・。スタンダードなやつ・・・。

それではまた。
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