「へ~、ネプテューヌも空から落ちてきたのか」
「リオも空から落ちて来るなんて奇遇だね」
リオとネプテューヌは互いの身の上話をしながら、洞窟を進んでいた。
その後ろではアイエフとコンパの二人もここまでの経緯について話し合っていた。
「それにしてもリオもそうだけど、アンタも随分とトラブルに巻き込まれるわね」
「「いやぁ~、それほどでも」」
「褒めてないから。てか、ハモるな」
そんなことを話しながら、モンスターを倒しつつ、洞窟の深部まで進む。
「あ、ねぇねぇリオ」
「どうした?」
「あそこの壁に何かあるんだけど、私じゃ届かないし、肩車して」
「おう、いいぞ」
リオはネプテューヌをひょいっと持ち上げると、そのまま肩に乗せる。
そして、壁に近づき、ネプテューヌはそれを回収する。
「これ、なんだろ?」
「CD?それともDVD?」
「もしかして、アレかな?思春期の男の子が親に見られないように隠しておいたとか」
「ここまで来て隠しにくるとか気合の入った奴だな」
「ネプ子、リオ、何してるのよ?」
「ネプ子?それって私の事?」
「ネプテューヌって呼びづらいのよ。あんたみたいに小さいのはネプ子が似合ってるわ。それで、何してたのよ?」
「ああ、こんなディスクを拾ったんだよ」
「そこの壁に飾られてたよ」
ネプテューヌは手に入れたディスクをアイエフに見せる。
「壁に?それって本当?」
「ねぷっ!?酷いよ、あいちゃん!私を疑うなんて!長年連れ添ってきた仲間なのに!」
「俺たち、あんなに一緒だったの……そんなの酷すぎるだろ!」
「あいちゃん、リオ君とねぷねぷを疑うなんて酷いです!」
「あのねぇ……アンタたちとはさっき出会ったばっかでしょ。てか、リオも言うほど長い付き合いじゃないし………」
リオとネプテューヌの悪ノリとコンパの天然ぷりについて行けず、アイエフは頭を悩ませながらツッコむ。
「分かったから、信じてあげるわよ」
「さっすがあいちゃん!あいちゃんの“あい”は“愛”だね!」
「じゃあ、これからは英語で“ラブちゃん”って呼ぶです」
「“ラブ”より“ラヴ”の方が字面的に可愛くないか?」
「そうだね!じゃあ、“あいちゃん”改め“ラヴちゃん”だね!」
「ちょっ!?や、やめてよね!」
アイエフは顔を真っ赤にして叫ぶ。
「やーい!ラヴちゃんのクセに、照れてやんのー!」
「ラヴちゃん、可愛いよー、ラヴちゃん!」
「アンタたちね………!」
拳を握り今にも殴り掛かりそうなアイエフ。
だが、次の瞬間、ネプテューヌの手にしたディスクが光り出す。
「ねぷっ!?ディスクが急に光り出した!?」
「ネプテューヌ、捨てろ!」
リオは何か危険を察知して、ネプテューヌにディスクを捨てる様に言う。
ネプテューヌはそれに従い、ディスクを放り投げる。
すると、そこから次々とモンスターが現れる。
「モンスター!?まさか、あのディスクから出て来たって言うの!?」
「考えるのは後だ!今は、倒すのが先だ!」
リオはそう言い、ナイフを抜いてモンスターに斬り掛かる。
「あいちゃん、コンパ!行くよ!」
それに続く様にネプテューヌも木刀を取り出し、モンスターに攻撃をする。
アイエフとコンパもそれぞれの武器を手にモンスターへと攻撃をする。
幸いにも、現れたモンスターはそこまで強いモノでもなかったので、特に苦戦もせず倒すことが出来た。
「び、びっくりしたぁ。この世界だと、モンスターはディスクから生まれるんだねー。そうならそうと早く言ってよー!」
「そんなわけ無いでしょ!だいたいモンスターの発生源なんて誰にも分からな……!!」
言いかけてアイエフがハッとした顔をする。
「つまり、このディスクがモンスターの発生源って訳か」
「これは大発見です!」
コンパがはしゃぎながらそう言う。
「ハーハッハッハッハッハ!!」
その時、何処からか時代遅れの様な笑い声が聞こえてくる。
「ガーディアンの反応が消滅したから何事かと思ってきてみたが…まさか此処で貴様と出会うとはな…ネプテューヌ!リオディール!」
そう言って、奇抜な服装のおばさんが現れた。
「誰!?この時代遅れの笑い声は!」
「時代遅れは余計だ!」
「そう言うってことは自分でも時代遅れだと思ってる訳だな。だったら、直せよ時代遅れBBA」
「BBAも余計だ!だが、人をおちょくる意地の悪さも相変わらずのようだな」
「もしかして、ねぷねぷとリオ君の知り合いです?」
「まっさかー…流石の私でもこんなケバいおばさんと知り合いなわけないってー」
「おばはんと知り合いになって俺に何のメリットがあるって言うんだよ。そんな訳ないない」
「それは良かったです。ちょっとだけねぷねぷとリオ君の人付き合いを疑ったです」
「それもそうね。ネプ子やリオとはいえ、あんな悪人面と知り合いだったら私でもドン引きだわ」
「そんなわけで、おばさん誰?」
「き、貴様等…私を好き勝手言いおって!いいだろう、4人纏めて葬ってやる!」
「あーあ。ねぷ子が余計なこと言うから怒らせちゃったじゃない…」
「私の所為なの!?」
「五月蝿いっ!纏めて消えろぉぉ!」
そう言っておばさんは魔法を放ってくる。
それを回避し、リオとネプテューヌは当時に攻撃をする。
だが、おばさんは全くの無傷だった。
確かにナイフと木刀はおばさんに当たった。
しかし、おばさんにはダメージにはならず、全くのノーダメージだった。
「どういう事!?この人、序盤のボスなのに強すぎるよ!?バランスブレイカーだよ!」
「ゲームなら負けイベントだけど、流石にリアルで負けイベントは無いよな………!」
「ふん、何を言おうと負け犬の遠吠えにすぎん。まとめて消えろ!」
おばさんはそう言うと、特大の魔法を放ち、リオ達をまとめて攻撃する。
「「「きゃあぁぁっ!!」」」
「ぐはぁっ!?」
魔法攻撃をまともに食らったリオ達は地面に転がるように倒れ、おばさんはリオたちを見下ろす。
「ふん、雑魚が……ん?ほぅ、やはりガーディアンを倒し、鍵の欠片を奪ったのは貴様だったか。だが、これは返してもらう…」
「どろぼー…それは…私とこんぱがっ…頑張って…手に入れたんだよっ…返せっ…!」
ネプテューヌが地面を這いずりながらおばさんに手を伸ばす。
「黙れっ!」
おばさんはネプテューヌの手を足で弾くと、そのまま腹部に蹴りを入れる。
「ぐはっ…!?」
「ねぷ子!?」
「ねぷねぷ!?」
「ネプテューヌ!?」
腹部を押さえ、苦しそうにするネプテューヌにリオたちは呼びかける。
「さて、漸く待ちに待った瞬間が来た。ネプテューヌ、貴様の力を貰うぞっ!」
おばさんはネプテューヌを掴み上げ、何かをしようとする。
「ねぷねぷ!危ないです!」
するとコンパがネプテューヌの前に飛び出し、何かをしようとしていたおばさんの邪魔をした。
おばさんの攻撃はネプテューヌではなく、コンパがまともに食らった。
「コンパ!?大丈夫!?」
ネプテューヌは慌ててコンパに声を掛ける。
「………あ、あれ?なんともないです………」
コンパは自分の手を開いたり閉じたりして確認するが、体のどこにも異常は無かった。
「くっ……!貴様、よくも邪魔をしてくれたなです!」
「……です?」
おばさんの語尾が変な事になってるのに気付き、アイエフが聞き返す。
「くそっ!もう一度、ネプテューヌの力を私の物にするです!」
「わわわわわっ!!」
もう一度、ネプテューヌに攻撃を仕掛けるが、ネプテューヌは右から左へと次々と攻撃を躱す。
「ええいです!ちょこまかと逃げ回りおってです!」
「まさか……あのおばさん、ネプテューヌの力をコピーしようとしてるんじゃないのか?」
「なるほど……だから、ネプテューヌの力を自分の物にするっとか言ってるのね!」
リオがおばさんの企みに気付き、アイエフも納得する。
「てことは、コンパの力をコピーした今、アイツは弱くなってるってことね!」
「なら、倒すのは今だ。ネプテューヌ!今なら、このおばさんを倒せる!一気に片を付けるぞ!」
リオはそう言い、素早く変身し銃を抜く。
「そう言うことなら!」
ネプテューヌも同様に変身し、剣を構える。
「このチャンス、逃しはしないわ!」
「ここで仕留める!」