進撃の巨人×GODZILLA   作::通りすがりのゴジラ厨

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思ったより早く終わったので投稿します。


1話 神様はもう少し主人公の待遇に配慮すべき

834年 ウォール・マリア シガンシナ区の市場

今ここでは一つの鬼ごっこが起こっている。その原因は

 

「おい!誰かそのガキ捕まえてくれ!あの野郎うちの店から品を盗みやがった!クソ、待ちやがれ!!」

 

「待たねーよバーカ。それに、オレはちゃんと『僕はお腹が空いて死にそうだから食べ物貰います』って断ったぜ?だから盗んではいないという事になる。」

 

「いやそんなの許してないし、その理屈はおかしいだろ!欲しけりゃ金を払え!この糞ガキ!!!」

 

「持ってないから無理です。」

 

窃盗である。

 

逃げているのはボロボロの服を着た黒髪の少年で、店主と思しき男がそれを追いかけている。それを見た周囲の人々は「またか」と口にした。

 

「ハァ、ハァ。ち、畜生……逃げられた……。」

 

男は結局少年を捕まえられず、疲れて立ち止まる。

 

「ハハハ、そっちも大変だねぇ。」

 

男に同情してか、近くにいた駐屯兵の男が哀れみの言葉を送る。

 

「全く冗談じゃない。最近開いたばかりだってのに品を盗まれてるんじゃ店が舐められちまう……。」

 

「いや、今回のはあまり気にしないほうがいいと思うぞ。あいつが相手じゃどうしようもないさ。」

 

「ん?あんたあのガキについて何か知ってるのか?」

 

「知ってるも何も、この辺りじゃ有名だぞ?…あ。そういえばさっき最近店を開いたばかりとか言ってたな。

もしかして最近ここに来たばかりか?」

 

「あぁ。前までは内地で商売してたんだが、競争で負けてたんでこっちに越してきたんだ。」

 

「こっちくんな。」

 

「ひでえな。で、結局あのガキは何なんだよ。対策したいから教えてくれ。」

 

駐屯兵の男は少し考え込み

 

「対策ねぇ。無駄だと思うが、まあいい、教えてやるよ。」

 

彼は話し始めた。

 

----------------------------------―――――

 

あれは確か一か月ほど前だったか。俺は偶には真面目に仕事でもしようかと思い町の見回りをしてたんだ。

そしたら急に雨が降ってきたんで俺は家に帰った。その途中で俺はあいつを見つけた。ボロボロの服を着た状態で道端で気を失っていた。

 

「!?」

 

「お、おい大丈夫か!?何やってんだそんなところで!!」

 

「……う」

 

「!?起きたか坊主。ほら、おじさんが家まで送ってやるから、どこなのか教え」

 

「帰るって、どこに……?」

 

「え…いや何処ってそりゃお前の家に」

 

「ボクの家ってどこ?」

 

「ここはどこ?」

 

「おじさんは誰?」

 

「どうしてボクはここにいるの?」

 

この時、俺はとてつもなく嫌な予感がした。そしてその予感は当たった。

 

「あー、これからいくつか質問するけど、いいか。」

 

「……うん。」

 

「名前は?」

 

「セラフ。」

 

「姓は?」

 

「知らない。」

 

「」

 

「……お父さんとお母さんは?」

 

「知らない。」

 

「何歳?」

 

「7歳。」

 

「ここに来る前に何処にいたのかは?」

 

「知らない。」

 

「駐屯兵団は知ってるか?」

 

「知らない。」

 

「調査兵団は?」

 

「知らない。」

 

「憲兵団は?」

 

「知らない。」

 

「巨人は?」

 

「知らない。」

 

「壁は?」

 

「壁?建物の壁のこと?」

 

「あぁ、うん……もう大丈夫……。」

 

もはや世間知らずや捨て子どころではない。ここで俺は一つの結論に至った。本当によく思いついたと思うよ。

 

「(こいつ……記憶喪失だ……)」orz

 

「坊主、とりあえず俺の家……に……あれ?」

 

気が付くとあいつはいなくなっていた。

 

「何処に行きやがったぁーーーーーっ!?あの小僧ォォォォォォォォォォ!!!」

 

----------------------------------―――――

 

「で、その後はこの辺りに住み着いて今日みたいに店の物盗んで生活してるってわけだよ。」

 

「最初に会ったのお前かよ。」

 

「YES。」

 

「みんなはどうしたんだ?」

 

「初めは町民総がかりしたらしいが返り討ちにあったっそうだ。今は罠仕掛けてるらしいがだいたい破られてる。駐屯兵団と憲兵団合同で拘束しようとしたが、見事返り討ちに合い逃げられた。全くお手上げだよ。誰か保護してくれねーかなー。」

 

「なにそいつ本当に人間かよ。ていうかそんなこと言うならお前が保護しろよ。面識あるんだし。」

 

「しようとしたら敵視されて逃げられました。泣きたい。」

 

「……なんというか、いつもさぼっているように見えてるが、実は色々苦労してるんだな。あんた達も。」

 

「はぁ。胃が痛くなるよ……」

 

「とりあえず、まあ、色々教えてくれてありがとな。色々大変らしいががんばれよ。」

 

「お前も達者でな。」

 

男は帰って行った。

 

「さて、俺も仕事に「ドサ」ん?」

 

突然路地裏のほうから物音がした。あいつだろうか?俺は気になって音がしたほうへ向かった。

 

 

 

「やっぱりお前かセラフ。」

 

相変わらずこいつは変なところに寝てるな。

 

「ん?お前なんで過呼吸してるんだ?顔も真っ赤だぞ!?」

 

ってまさかこいつ熱か!?いや、日ごろの行いのせいで忘れてたが、こいつまだ7歳だった!!

 

「チィ!おいガキ!今からイェーガー先生のところに連れて行くか抵抗せずにおとなしくしてくれよ!!」

 

俺はセラフを抱きかかえてイェーガー先生の家まで走った。




あと少しで受験なので次は遅くなります。主人公のセリフがやたらと少ないですが、今回は主人公の待遇の悪さと転生後どのように生活しているのかという話なので、今後はよくしゃべると思います。あと、次回は駐屯兵の男の名前も出そうと思います。

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