インフィニットサムライズ~Destroyer&Onishimazu~   作:三途リバー

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えー…遅くなり申し訳ありません。作者は導入部がすんごい苦手です。めちゃくちゃ設定やゴリ押し現パロ、素人感満載のクオリティマシマシでお送りします…正直すんません。

⚠3月26日、次回予告を改訂しました。申し訳ありません。


第2幕 サムライハート

「直ちゃんと仲良くしてあげて下さいね!」

 

菅野麻耶教諭が初っ端から爆弾を落とした後、教室は軽く喧騒の渦に巻き込まれた。

 

ちゃん付けがどうのとか身長低くねとか胸デケェな処すぞとか。最後のには突っ込んではいけない。いけないったらいけない。

 

「え、えと、皆さん静かにぃぃ…な、直ちゃん助けてぇ~」

 

「俺に振るんじゃねぇよ!?」

 

「あぁっ、直ちゃんが少し見ぬ間に冷たくなってる!?これが姉離れ…うぅっ、涙が…でもこれは直ちゃんの為に必要なこと。私が寂しがってどうするの!耐えるのよ麻耶!」

 

自分の世界に入り込んでしまった麻耶(ブラコン)を見て、豊久が一言。

 

「直、話しにゃ聞いとったじゃっどん、お前ぁの姉御はすごかのぅ…なんち言うか、そん…個性的だの。」

 

「るせぇっ!!何も言うんじゃねぇ!」

 

負けるな直少年。頑張れ直少年!

 

哀れんだような目で見る豊久と1人号哭する直を見て、ようやく千冬が動いた。

 

「ハァ、少しは静かにせんかお前等!!まだもう1人の副担任の紹介がおわっとらん!山田先生、弟さんのことは今は置いておいてください…」

 

鶴の一声でようやく静まり、やっとのことで話が進む。

 

「織田先生、お待たせしました。お願いします。」

 

「うむ」

 

教壇にたったのは異装の男。右眼を硬質の黒眼帯で隠し、服装は場所にそぐわぬ白の着流し。くすんだ赤の羽織をたらし、長髪を揺らめかせてその男は声を発した。

 

 

 

「俺は信長。織田前右府信長である。」

 

 

 

side豊久

 

何がぁ、()()男。声ば出した瞬間空気が歪みよった。尋常な人間にこげん馬鹿らしか瘴気は出せん。

見てくれは普通。声も芝居がかっちょるがそげんに恐ろしくはなか。じゃっどんこやつ…

 

「俺ぁ一般教科担当になる。当然ながらISは使えん。ま、このクラスには2人もイレギュラーがおるでな、退屈はせんだろう。よろしく頼むぞ、(わっぱ)ども。」

 

うつけか天魔か、分かったものではないわ。

 

 

sideout

 

信長の一言が、教室に静寂をもたらした。フザげているような台詞だがそこには形容しがたい『何か』があった。

言葉が実態をもって体にまとわりつく、そんな錯覚すら覚える。

 

「何だ、今頃の若いもんにはちと受けが悪かったか?んじゃ仕切り直しだ。………オッス、オラ第六天魔王!趣味は焼き討ちとか皆殺し!殺した相手の髑髏の盃でカンパーイ」

 

クラスの全員が思った。いや、肌で感じた。こいつ、この男は…

 

 

 

 

『関わっちゃいけないヤツだ…!!』

 

 

 

 

そんなこんなで、ようやく自己紹介に。1番の女子から、出身やら趣味やらを緊張しながらもつつがなく話していく。

 

「小野里美、茨城出身です!音楽が好きで吹奏楽をやってます。1年間よろしくお願いします!」

 

「はい、小野さんね!よろしくお願いしま~す。じゃあ、次の人…直ちゃん!!」

 

 

相変わらずの菅野教諭である。自分の弟に回った瞬間目を輝かせ、体も乗り出して1字1句聞き逃すまいと意識を集中している。こんな姉を持った直も大変である…

 

「ちゃん付けすんな!…あー…菅野直!宮城出身の趣味は読書!ヨロシクなコノヤロウ!!」

 

前言撤回。コイツはコイツで駄目なやつ。自己紹介でコノヤロウとはなかなかやりおる。

 

「え、菅野くん趣味が読書って…」

「どう考えても似合ってない…」

 

失礼な事を言う女子達だが、あの尖りっぷりを見ていればそうなるだろう。

 

「えぇっ!それだけなの、直ちゃん!もっとほら、あるでしょ話すこと!お姉ちゃんが大好きとか好きな食べ物はお姉ちゃんが作った料理とか好きな色はお姉ちゃんの髪の色とか中学生までお姉ちゃんと添いn「あぁぁぁぁぁァァァ!!!!!黙れぇぇぇぇぇっ!!」

 

ブレない女、菅野麻耶。ここまでくるともはや尊敬の念すら感じられる。

 

ちなみに、中学1年頃まで直は超絶お姉ちゃんっ子だった。先ほど麻耶が口走った添い寝のことも事実だし、麻耶がISの操縦生となって離れるまでは彼のお弁当は全て麻耶が作っていた。幼い頃には『お姉ちゃんの髪の色だから緑が好き。』と公言。

早い話が直もなかなかのシスコンである。

 

そして、自己紹介が続くこと暫く。

 

「次の人、お願いしまーす」

 

「おう」

 

「はいと答えんか馬鹿者」

 

豊久の声に淡々と訂正を入れる千冬は一見クールでいつも通りだが。内心は違う。

 

(政府と『十月機関』の奴らに拘束されていてしばらくぶりの再会だと言うのに、豊久と話す時間がない…だと?ふざけたことを言う。今ここに麻耶と信長がいなければすぐにでも姉弟の時間を過ごしてやるのだが…クソッ、今度嫌がらせで国会に夜討でも仕掛けてやるか)

 

 

……………もはや何も言うまい。麗しき姉弟愛かな。

 

ちなみに、『十月機関』とは数年前不正騒ぎのあった日本IS協会に代わり(とある年齢詐称おっぱい星人により)設立された、ISの管理、またそれに関する国際問題などに尽力するお役所だ。通称パイオツ機関。

 

さて、豊久である。この男、直が評したように少々コミュニケーション能力に欠ける。

別に、人見知りや対人恐怖症という訳では無い。必要以上の事を他人に教える、他人と積極的に関わるということに頓着しないのだ。相手を拒絶することは決してないのだが、自分から仲良くなろうなどとは考えも及ばない。

つまり、何が言いたいのかと言うと…

 

「スゥ………」

 

(((あ、これあかんヤツだ)))

 

「島津中務少輔豊久!よろしゅう頼みもす!」

 

マトモな自己紹介など、出来る筈もない。

 

 

「え、えと…何か言うことは…」

 

「なか!」

戸惑った様子の麻耶に、いい笑顔で返事をするとクラスの大半がずっこける。箒と千冬は頭をおさえ、直に至っては爆笑している。そう、これぞ豊久である。クラス全体が、拍子抜けしたような微妙な雰囲気に包まれた。

 

「ほう…」

 

 

 

ただ1人、邪な笑みを浮かべる男を除いては。

 

 

 

 

 

 

 

「おい、豊久。お主、なんか言うことないのか。出身とか、趣味とか。何でも良いから、ほら、喋れ。」

 

副担任信長の言葉を受け、む、と考え込む豊久。

 

「日向生まれ、薩摩育ち。剣道ばやっちょる。」

 

珍しく素直に応えた豊久の声を聞き、信長は魔王(笑)らしくニタリとすると、すぐさま全力で弄りにかかる。

 

「薩摩?どこ、どこ?おぉ!九州の?!端っこの?!ものすんごいド田舎の?!」

 

「殺ス!!」

 

大人気ない中年、織田信長。豊久と彼の間に決定的な亀裂が入った瞬間だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

時は移り、1限目後の休み時間。豊久は箒に呼ばれ、2人で廊下に出ていた。そして、取り残された直1人で女子の視線に耐えているという状況だ。

 

(ふざけんなよバカヤロウ、なんで俺だけ……)

 

心中ボヤくがどうにもならない。

致し方なく本でも読もうとした、その時。

 

 

「少しよろしくて?」

 

 

声を掛けたのは、金髪碧眼の淑女だった。

 

 

「あぁ…?……あァ!?」

 

その金髪淑女を視認した途端直の様子がおかしくなるが、相手は全く気づかない。直の顔色を伺うでもなく一方的に話を続ける。この時、金髪淑女は気づけば良かったのだ。直の肩が震え、怒りのあまり歯ぎしりが聞こえてくることに。

 

「まぁ!何ですのその返答は!極東の方は礼儀作法も「むぅ!外人!鬼畜米英だコノヤロウ!!」は、はいっ!?」

 

「あんだテメェやんのかコノヤロウ!俺に話しかけんじゃねぇ!!どこの出だコノヤロウ!アメリカだったらぶん殴る、イギリスだったら蹴っ飛ばす!!」

 

菅野直、15歳。

好きなもの、詩、読書。

嫌いなもの、外国人。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そいで、どげんしたど?2人で話したか事があっのか。」

 

一方こちらは直の爆発をつゆとも知らぬ豊久と箒である。

2人は今、廊下を抜けて階段の踊り場で向かい合っていた。

 

「う、うむ。その、だな…聞き辛いのたが…何故、改名を…?」

 

豊久と箒は幼なじみだが、それは豊久が『忠豊』を名乗っていた小学生の時の話。剣道の全国大会優勝で『豊久』という名は知っていたが、箒としては違和感しか感じない。そこはハッキリ聞いておきたいのだろう。まして、幼い頃からの想い人の事である。

 

「…お前ぁがいのうなったんは九つの時だったの。…あいから1年経たん内、親父っどが死んだ。」

 

「ッッ!!…家久さんが…」

 

島津中務大輔家久。()()の父にして、九州でその名を知らぬ者はいない武人である。元々は薩摩の田舎名家(と言うより半ばヤクザ)島津家の四男坊だったが、その胆力と卓越した戦略眼で瞬く間に名声を得、日向佐土原に分家を構える。それが現在豊久が後をついでいる佐土原中書家だ。今日、島津家がその武勇と繁栄を謳われているのは彼と兄の力だと言われるほど。戦に精通し、大太刀を奮って他家との縄張り争いを嬉嬉として行う姿は『鬼の佐土原中書』と呼ばれた生粋の薩摩隼人だった。

 

しかし長年の疲労が蓄積した結果、2人の子供と妻を残し若くして他界。結果、佐土原中書家は薩摩預かりの形となって現在に至る。

 

「亡くなる直前、俺の手ば握っちこう言われた。『中書の名を、久の字をお前ぁに託す。』…誉れじゃ。俺の生涯ん誉れじゃ。親父っどの名を継げるなぞ…。故に、俺は中務『少輔』豊久となった。こん名こそ、俺の武士(さぶらい)としての全てぞ。俺の誇りぞ。……すまん、重か話になった。」

 

話す豊久の顔に翳りはない。心の底から継いだ重圧を喜んでいるのだ。名を奪われた、面倒を押し付けられたという文句や不平など一切ない。父の誇りは我が誇り、『豊久』として生きる事に抵抗など一切ない。

 

「私こそすまないっ!無神経な事を…ほ、本当に…っ」

 

驚きと悲しみ、そして後悔が綯い交ぜになった顔で詫びる箒。豊久としては、幼なじみの改名の事情を気にならない訳がないと思っているのだが、同時に、そう言ったところでこの頑固な武士女の罪悪感が消えるとも思っていない。

 

「なぁんの、お前ぁが俺のこつ気にしちくった事ん方が嬉しか。7年も前ん男なぞ忘れられちゅうかと思うたぞ。あいがとの。」

 

勘違いされがちだが、豊久は人の気持ちや場の空気を読めない馬鹿ではない。むしろ鋭敏とすら言って良い。

 

取り敢えず、いつもの空気に戻したい。自分達にこんな湿っぽい空気は似合わない。そんな思いで再び口をひらいた。

 

「そ、そんな訳が無い!!私にとってお前は憧れであると同時に唯一無二の友だったんだ!!時が過ぎたくらいで忘れてたまるものか!!…し、しかも、その…」

 

「お、おう?しかもなんぞ?」

 

「何でもないっ!とにかく、すまなかったっ!」

 

切れた語尾が気になるものの、雰囲気は戻った。今はこれで良い、そう満足して豊久は笑う。

 

「おう、手打ちじゃな。…また、頼むど。」

 

「っ…////あぁ!」

 

こうして、()()と箒の時は動き出した。7年の時を埋め、ゆっくり、ゆっくりと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やんのか外人!!バカヤロォォォォ!!!」

 

 

「「「「菅野君おちついてぇぇぇぇっっっ!?!?」」」

 




はい、個人的にボロボロの第2幕です。え?次回予告と内容が合ってない?ドリフターズのアニメ予告もこんなモンだったろ!(ヤケクソ)


ちなみに、史実の菅野直は宮城ではなく中国だか朝鮮の生まれだった気がしますが、都合上宮城生まれとさせていただきました。史実好きの方、申し訳ありません。また、このssではさりげなく武士とか官位とかでてきますが、日本はちょんまげ文化と西洋文化が入り乱れた超次元って事で…

次回

代表

誇り

手柄首





『デュエル✩スタンバイ』



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