インフィニットサムライズ~Destroyer&Onishimazu~   作:三途リバー

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凄まじくお久しぶりです。三途リバーです。
とてつもなく長い間この小説を放置しておりましたが、作者の生活にも一段落が付いたのでリハビリがてら幕間の投稿です。勘を取り戻してから本格的な戦闘へと入っていきますので、未だ読んで下さる方がいらっしゃれば、今後ともよろしくお願いします源氏バンザイ。

…ドリフターズのova買ったけどまだ開封してねぇ…


幕間 戦場(いくさば)へ出かけよう

『これより菅野の専用機試乗実験を開始する。カウントが0になったら10分間自由に飛び回ってみろ、菅野。そのうちフォーマットとフィッティングが完了してファーストシフトに移行する筈だ。』

 

アリーナに千冬の声が響

だだっ広いフィールドの中央には、翡翠色のISを纏った直が1人で佇んでいた。

観客席には誰もおらず、空は吸い込まれるような漆黒。

そう、現在時刻は夜中の12時である。

 

「ふぁ…眠か…」

 

「文句言うなや。オメーだって間近で操縦見ときゃあちったァましだろうが。」

 

「そげん言ってん、こげな真夜中にやうこつなかじゃろが。放課後ではいかんかったのか?」

 

管制室にはボヤく豊久と、信長、麻耶、千冬。

 

普段夜10時には眠りにつくという超健康優良児豊久は欠伸を連発し、信長が窘める…というか突っ込む。タメ口な所を含め、この2人の関係性はほぼほぼ定着しつつあった。

 

「この学園には色々な国から生徒が来ていまして…その、なんと言うか…」

 

「あぁ。初陣前ん情報ば取られたくないのか。一応日本最新だったかのう、直のは。」

 

「日本どこじゃねぇ、現状アレが世界最新で世界最高だ。ま、前者はお前の機体完成をもってなくなるが。後者は分からん。…ん?あれ?豊久お前、おバカキャラじゃにゃーのか?」

 

「そん舌の根引っこ抜くど第六天魔王!ジジイになってん中二病のうつけに言われとうはないわ!」

 

「は、はぁ!?ジ、ジジイじゃねぇし!まだ49だし!」

 

「充分ジジイだ!五十路で眼帯着流しとかイカレか貴様!」

 

「そーゆーお前だって篠ノ之とお揃いで和服じゃねぇか!」

 

「剣道着ば着てなんが悪い!?」

 

「喧しい!!!」

 

鶴の一声ならぬ、鬼の一声で漸く場に静寂が訪れた。

ふんす、と不満げに鼻を鳴らして視線をディスプレイに向ける豊久に釣られて信長も同じく視線を戻す。

 

画面上では60を切ったカウントにソワソワしながら、直がその時を待っている。

 

珍しく、本当に珍しく心配が豊久の口をついて出た。

 

「無事で済むと良かが…」

 

「お前らって実は仲良い?」

 

「阿呆抜かせ、ISん話ぞ。二ヶ月一緒におってん、直が乗って壊れんかった機体は見たこつなか。」

 

「えぇっ!?直ちゃんが十月機関からデストロイヤーとか呼ばれてるのってホントなんですかっ!?」

 

乗った機体は必ず壊す、技術者泣かせの『デストロイヤー』。

既にその二つ名は十月機関の内部では不動のものになりつつある。

 

ちなみに豊久は、2ヶ月の間に軍用IS乗り達に植え付けた恐怖のせいで『妖怪首置いてけ』『鬼島津』なる称号が己の物となっているとは知らないらしい。

 

『ぎゃぁぁぁぁぁぁ!出たーッ!妖怪首置いてけだーッ!殺されるぅぅぅぅぅっっっ!!』

 

『首orナッシング!流石トヨくん!あたし達に出来ない事を平然とやってのけるッ!そこに痺れる憧れってちょっと待ってあたし大将首じゃないからロックオンしないで!!!』

 

千冬が十月機関局長と電話をしていた時、耳に入ってきた受話器越しの叫びは今も彼女の耳にこびり付いている。

あの悲鳴はガチだった。

 

「菅野デストロイヤー直ち言うんがあ奴ん通り名にごあす。」

 

「だ、大丈夫かな…直ちゃんがその事で心に傷を負って引きこもりみたいになっちゃったら…あぁっ、心配…!」

 

「そがいにヤワか弱卒(よっせんぼ)ではなかでっしゃろ、先生ん弟御は…」

 

弟への愛情を間違ったベクトルで爆発させる姉を前に、カウントは着々と刻まれていく。

 

5,4,3…

 

「さぁて、どうなるかねぇ。」

 

2,1…

 

「直ちゃん…」

 

楽しそうな信長、複雑な表情の麻耶。

仏頂面の千冬、眠そうな豊久。四者四様の視線の中…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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光が、尾を引いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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元・日本代表山田摩耶専用第二世代型IS『霹靂(へきれき)零式(ぜろしき)』。

 

かつてアジア最強を誇った日本屈指の名機、日本IS協会直属技術部門作成の『霹靂』シリーズ最後にして最強のナンバーである。

武装や防御機能を極限まで廃し、航続性と運動性能にステータスを全振りしたそのISはまさに玄人好み。

世界最強と言われた島津千冬を、唯一極限まで追い詰めた山田麻耶以外に扱うことができず、国産IS主役の座を『打鉄』に奪われて久しい。

 

だが、十月機関はその霹靂を呼び起こした。

 

尖り過ぎたイレギュラー(菅野直)、ただ1人のためだけに。

 

御役御免と相成り、スクラップになった零式のデータをありとあらゆる場所からかき集め、その設計を再現。

直の荒っぽい(では済まされない)操縦に耐えられるよう強度を多少追加、これまでの搭乗から分かった彼のクセを完璧にサポートするシステムを構築した。

 

『速さと手数で圧倒する』、そんな搭乗者の要望を叶えるべく出来上がったのは、まさにモンスターマシン。

零式を上回る機動性を持ちながら武装や強度も充実した、理想の菅野直専用機、それが…

 

「飛ぶぜコノヤロウ!『紫電(しでん)』!!」

 

第二・五世代IS、『霹靂・紫電』。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、翌々日。

 

 

 

 

「んが…ぐぉぉぉぉ…」

 

「強心臓だねぇ、ナオシー。国の代表候補とやり合う朝に熟睡かぁ。ムフフ、えいえい。」

 

「ん…あァ…?」

 

か細い指で頬をつつかれ、菅野『デストロイヤー』直は決闘当日の朝を迎えた。

 

 

 

 

 

 

 

「シィッ――!」

 

「グッ…!…よし、調子は良さそうだな豊久。佐土原侍の名を落とすなよ。客席で見ているからな。」

 

「ハッ、要らん心配じゃ。俺ん戦姿ばよう見とけ。…首、奪って来う。」

 

交錯させた木刀越しに、らしい激励を受けて『鬼島津』中務少輔豊久は目を覚ました。

 

 

 

 

 

 

 

「オルコットの名にかけ…終わらせて参ります。彼らの思い上がりを。世の巫山戯た気運を。」

 

ロケットの中の写真に伝え、『貴族』セシリア・オルコットは決意を新たにした。

 

 

 

 

 

 

 

そして……

 

 

 

「動くぞ。菅野直と島津豊久の専用機を鹵獲する。」

 

()()に伝え、怪しき女は行動を開始する。

 

 

誇りと信念、功名心と策謀。

彩られ、交わりあった戦場にて兵子らは相対す。

 

 

 

 

いざ、戦場へ出で候へ。

 

 

 




次から戦闘です。イヤホントホント、入りますって。

↓は飛ばしてくださっても構いませんが、一応官位やら島津家、日本の国家システムやらの設定です。







日本の政治形態

首都は京都。立法機関は国会で、民間から選ばれた議員が所属する「衆議院」と、家格を有する者が所属する「貴族院」の二院制を取っている。
行政機関は内閣だが、地方では各都道府県事に「府知事」「県令」がおり、公選ではなく古くからその地に勢力を持つ家の出自者が任につく。
国としては民主主義だが地方では半ば大家の裁量によって政治が行われ、海外からは因習的だと批判の的になっている。



島津家

鹿児島県、宮崎県に勢力を有する大家。30年ほど前は絶対的な勢力が存在しなかった九州において、ヤクザの如き武力闘争方針をもって勢力を拡張。鹿児島、宮崎両県の県令を兼ねるまでになった。現在の県令はニートさながらに鹿児島から出たがらず、その弟が貴族院に籍を置いて中央との関係を取り持とうとしているらしい…?(なおその息子は蹴鞠(サッカー)少年まっしぐらの模様)
豊久が当主となっている分家、佐土原中書家は宮崎県に本拠を置いており、ブリュンヒルデとISの男性操縦者を輩出した事で一躍有名になった。





朝廷

権力は何も持たないが、絶大な「権威」を誇る日本の伝統。行政、立法、司法の三権から完全に独立しており、国会の決定事項もここを通さなければ意味を成さない。
ぶっちゃけ本編には基本出てこない予定。




官位

家格を持つものや功績を挙げたものに朝廷から贈られる称号の様なもの。古代の日本での職制だが、現代では名だけとなっている。近年は女尊男卑の風潮が進んでいるため、官位持ちは圧倒的にIS関係者、特に女性が多い。



織田信長→■■■■■■■■の功績により右大臣(通称「右府」)を贈られる。現在は無冠。


島津千冬→ブリュンヒルデとなった功績により、左大臣(通称左府)を贈られるが本家に遠慮して辞退。


山田麻耶→島津千冬と共に第1回モンド・グロッソで活躍した功績により従三位権中納言を贈られる。


島津豊久→父、島津家久から中務大輔(通称中書)を譲り受けるが、亡父に敬意を払うため一段下の中務少輔を名乗る。









こんな感じです。すっげぇ適当ですが、イメージ的には日本の国家システムは明治の立憲政体かな?選挙権は満18歳以上の男女にありますが。

矛盾もポロポロあると思いますが、「ふーん、そんな感じね」程度に読み流して頂ければ幸いです。

次回から、次回から戦闘入るよ…。

感想やご意見、お待ちしております源氏バンザイ。
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