比企谷八幡 in 黒子のバスケ   作:アカツキ8

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どうも、アカツキ8です。
これから本編投稿します。



第1話 転校と来訪

「転校ねぇ....」

 

一言呟いた声が夜の公園に響く。

 

事の始まりは今日の朝だ。

 

 

 

 

「あぁーー....マジ布団から出たくない」

 

今現在、エリートボッチこと比企谷八幡はミノムシの生態模倣をしながら、ぬくぬくと暖を取っていた。

いや、これは仕方がない。今は2月下旬、まだ朝は寒いのである。

 

誰でも一度は経験しているだろう。あの布団から出た後の尋常じゃない寒さを。

 

そういうわけで、俺は布団にくるまっているのである。ちなみに今日は土曜日、学校も休みだ。

昔は土曜日の午前中は学校があったらしいな。この時代に生まれてよかった。

 

なんて下らないことを布団のなかで考えていると、急に部屋の扉が開いた。

 

顔だけ布団から出して誰が来たのかを確認する。すると、いとしのマイシスター小町が居た。

 

「お兄ちゃん!早く起きて!」

 

「えぇー....まだ7時じゃねぇか」

 

そう言って再び布団に潜ると、小町が『うりゃ!』と言ってダイブしてきた。

 

「急に乗るな!重いだろうが!」

 

「なっ!?女の子に重いなんて言葉使っちゃダメだよ!小町的にすごいポイント低いよ!」

 

「いいからどいてくれ....ちゃんと起きるから」

 

全く、妹や彼女にダイブして起こしてもらうのをアニメでよく目にするが、実際に食らってみるととんでもなく痛い。そんなシチュはこっちから願い下げだ。

 

考えてもみろ。例え小町が軽かったとしてもだ。もうすぐ高校生になろうとしている女の子が腹の上にダイブしてきて痛くないわけがない。

実際痛かったし、一気に眠気が覚めたわ。

 

.....目覚まし時計としては、高性能だな。

絶対にそんな目覚まし要らないけど。

 

そんなこんなで、少々不機嫌な小町をなだめながらリビングに向かった。

 

 

 

「そう言えば、何でこんな朝早くに起こしに来たんだ?今日は土曜日で学校もないのに」

 

「お父さんとお母さんが話が有るらしいよ?何か、小町にも関係あることだから二人揃ったら話すって言われた」

 

「そうか」

 

そう返事をして、俺と小町は階段を降りる。

 

それにしても一体なんだ?皆目見当がつかない。

おれたち兄妹に関係することってことは、家に関する何かだろう。

 

まさか.....親父がリストラされた?

 

俺達にバイトでもしろと言うのか!?俺はまだ働きたくないぞ!!むしろ、働かずに俺は専業主夫に.....っとふざけてる場合じゃない。いや、真面目にその道も考えてるんだが、今それは後回しだ。

 

とにかく話を聞いてみないと....

 

もしかしたら取り越し苦労かもしれないしな。

 

 

そして、リビングに入ると親父と母さんが、神妙な面持ちで座っていた。

 

「来たわね。とりあえず座りなさい」

 

「う、うん」

 

いつもと違う親の様子に俺達は困惑する。母さんの言う通りに椅子に座って、俺は机に置いてあった水を飲んだ。

 

「で、話って何なんだ?」

 

「八幡、小町、今から言うことは冗談でも何でもない。落ち着いて聞いてくれ」

 

「....分かった」

 

俺と小町は同時に頷く。

ここまで前置きするとは....余程の事が有ったのか。

俺も働くことを考えないといけなさそうだな。覚悟を決めて、俺は親父がしゃべるのを待つ。

 

すると、親父が1度息をついて言った。

 

 

「実はな....来月から東京に住むことになった」

 

 

 

「「....は?」」

 

 

予想の斜め上をゆく爆弾が投下された。

 

 

 

 

「いや....え?....ど、どういうことだよ!?」

 

思考がフリーズしかけたが、椅子から立ち上がって俺は親父に向かって怒鳴る。

 

「それがな―――

 

 

そして、親父は俺達家族が東京に移り住むことになるまでの経緯を説明し始めた。

 

 

―――――と、言うわけで東京に住むことになった。なにか疑問はあるか?」

 

「いや、ちゃんと理解はできたが....」

 

 

ここで、先程の親父の話を要約しよう。

 

まず第一に、親父はリストラされた訳ではない。むしろ逆である。新しく東京に支店が出来るから、そこのトップ、つまり責任者として行って欲しいとのことだ。

一介の会社員だった親父にとっては大出世である。

なぜそんなことになったかと言うと、親父の仕事ぶりを上の人間がたまたま見たらしく、その有能さと手際の良さを買われて指名されたらしい。

 

そして、第二だ。

親父だけ東京に行くという選択肢もあったのだが、それは嫌らしい。

理由?そんなの簡単だ。

 

要は、親父は小町から離れたくないのである。

 

ついでに言うと、親父の会社が住む場所を斡旋してくれたらしく、もう東京に住むことは決定事項らしい。

 

 

ゆえに、俺達兄妹に拒否権は無かったのだ。

 

 

そこから話は進み、俺は東京にある高校に、小町はそのすぐ近くにある中学校に転校することになった。

 

 

 

 

 

そして、場面は変わって夜の公園。

そこで俺はバスケをしている。

 

この公園は家から近く、バスケットコートが1面あるため、よく俺はこの公園を利用している。

ちなみに、俺はバスケ部に所属しているわけではない。

 

入学式の朝に、車に轢かれかけた犬を庇って、全治半年という大ケガを負ってしまったのだ。医者に『丸一年はバスケはやめた方がいいね。出来なくもないけど、まだ高校で最後の一年って訳ではないでしょ?』と言われたので大人しく従った。

 

しかし、軽いシュートやドリブルは許可されたので、退院してギプスが取れてからは、たまに、このバスケットコートでボールをいじっている。二ヶ月ほど前、安静にしていた甲斐があってか、予定よりも早くバスケを全力でやって良いという許可が出てからは毎日ここに通っている。

 

え?友達と遊んだりしないのかって?

 

.....俺は孤高を貫くボッチ、特定の友人は作らん。

 

すみません。正直に言うと、俺が学校に来たときには既にグループが形成されていて、コミュ障の俺はその輪に入れなかっただけです。はい。

 

まぁ、結果として転校しても俺にデメリットなんて無くなったから良いんだけどね。むしろ歓迎すべき事だ。東京に行けば、本の町の神保町や、聖地秋葉原、その他諸々の場所へのアクセスが非常に楽になるからな。

 

 

「さてと、久しぶりに全力で体動かすか」

 

 

―――――――――――――

 

 

 

 

 

あれから一時間の間、ドリブルしてダンクしたり、スリーポイントやフック、その他諸々のことをしたんだが...

 

「マジかよ....たった一時間軽く運動しただけで、こんなに疲れるのかよ」

 

俺はコートの横にあるベンチに腰を下ろした。

 

ヤバい.....。全然体が動かねぇ。やっぱり半年以上も運動してないとキツいな。しかもストップシュートが全然入らない。いや、10本打って7本だから中々に確率は良いんだが、試合の時にはディフェンスのプレッシャーも有るから、そう上手くはいかない。

 

「くそ、現役の時の体が欲しい...」

 

あの頃だったら、ディフェンスが居てもほぼ100%入ってたのに...。

タオルを頭に被せてベンチに寝転がっていると、眠気が襲ってきた。

まずいな、こんな汗をかいた体で外で寝たら風邪を引いてしまう。

 

「帰るか....」

 

そう思って荷物をまとめて立ち上がると、何か長身の赤髪の人がコートに入ってきた。

 

え?マジでデカくね?何センチあるんだよこいつ...。

 

呆然としてその男を見ていると、俺の方を見て話しかけてきた。

 

「なぁ、お前が腐り目か?」

 

「....は?」

 

何だこいつ、いきなり人の顔をディスって来やがった。

俺があからさまに怪訝そうな顔をすると、慌ててその男が弁明する。

 

「あぁ、悪い。別に悪口を言ったわけじゃないんだ。ある人に、この公園には腐った目をした凄腕のバスケプレイヤーが居るって聞いてな。で、その人がこの辺りのバスケットやってる人だったら腐り目って言えば大体通じるって言うからよ。もしかして違ったか?」

 

「いや、そう呼ばれてるかは知らんが、多分それ俺の事だわ」

 

毎日このコートには来てるけど、俺以外に腐った目のやつは見たことがない。

てか、俺ってそんな通り名が付けられるほど有名になってたのかよ。

しかも腐り目って....出来ればその名前は止めて欲しかった。

 

俺が内心ナイーブになっていると、目の前の男がバスケットボールを取り出して言った。

 

「そうか、あんたが腐り目か」

 

そう言って、男はニヤッと笑う。

ん?何かめんどくさそうな予感が....。

 

 

 

「俺とバスケで勝負しようぜ」

 

 

 

はぁ、帰ろうとした矢先にこれかよ。




どうでしたかね?面白いと思ってくれたら幸いです。

最後の人物は、まぁわかると思います。あいつです。
やたら飛ぶ馬鹿です。

いやぁ、にしても東京はすごいですよね。何回か行ったことあるんですけど、いつ見ても地元との差に愕然とします。
あと、本編にもでてきた神保町。ここ、マジで本好きなら一度は行ってみた方が良いと思う。品揃えからして、まず違う。絶対に地元の本屋じゃ売ってない。古書の町かと思ってたら、最新のラノベ達もたくさん売っていて、ここは天国か!?と内心で思いましたね。そして、本屋の数が約180....ヤバい。

話が脱線しましたが、また近い内に続きは投稿したいですね。

では、また次の話で。

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