比企谷八幡 in 黒子のバスケ   作:アカツキ8

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どうも、アカツキ8です。
いきなりですが、ご報告させて頂きます。

お気に入り90件達成しました!!

あれ、おかしいな?
まだ本編は1話しか投稿してないのに(困惑)
この作品も出来る限り、早めに投稿しようと思います。

登録してくれた方、有難うございます!!

では、続きをどうぞ。


第2話 勝負の行方

《火神side》

 

 

 

 

「今日の練習試合、何か楽だったな」

 

「仕方ないですよ。この時期は他の学校のほとんどが新チームです。僕たちぐらいだと思いますよ?誰一人として主力が引退していないのは」

 

「....確かにそうだな」

 

 

今日は千葉にある高校と練習試合があった。何故わざわざ千葉にまで試合に来たかと言うと、監督である相田リコの友人がマネージャーをやっていて、頼まれてしまったらしい。

そして、試合が終わってから腹が減ったので、黒子と一緒に近くにあったマジバに食事に来た。因みに、先輩達は今日の試合の内容で監督に怒られている。俺と黒子は前半しか出てないから免れたんだが、監督が『あと一時間は掛かるから、どこかで時間潰してなさい』と言ったのでマジバに来たというわけだ。

 

先輩達.....生きてるかな.....

 

ハンバーガーを食いながら先輩達の身を案じていると、黒子が話しかけてきた。

 

「そう言えば火神君は聞きましたか?この近くの公園に凄腕のバスケプレイヤーが居るらしいですよ」

 

「凄腕のバスケプレイヤー?」

 

俺はハンバーガーを丸飲みしてから尋ねる。

あ、今のは勿体なかったか。今日は交通費が高いから余りたくさんは買ってないんだよな。

 

 

「はい。今日の練習試合の相手がしゃべっているのを聞きました。何でも“腐り目”ってこの辺では呼ばれてるらしいです。しかも、その人は全力でやっていないのに誰も勝てていないとか。あと、シュートが滅茶苦茶らしいです」

 

「盗み聞きは良くないぞ」

 

「するつもりは無かったです」

 

「あぁ....悪い」

 

 

そうか....また気づかれなかったんだな.....。

 

 

そんなことよりも、凄腕のバスケプレイヤーか....。

今日の練習試合の相手は決して弱かったわけではないし、そのチームの人間が凄腕と言ったプレイヤーだ。かなり強いのだろう。しかも全力じゃないときた。

 

.....よし。

 

「黒子、その公園どこか分かるか?」

 

「え?もしかして行くんですか?」

 

「あぁ、今日の試合、俺は途中で交代させられて不完全燃焼だからな。それに気になるじゃねぇか。通り名が付けられるほどのプレイヤーなんて、そうそう居るもんじゃないしな。ちゃんと帰りまでには駅に行くって監督に伝えといてくれ」

 

俺が席をたちながら言うと、少し考え込んでから言った。

 

「そうですか。.....じゃあ僕は監督の所に戻ってます」

 

「おう」

 

返事をして俺は店を出た。すると、誰かからのメールが来た。携帯を取り出して内容を確認する。

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

件名:言い忘れてました

 

さっき言った凄腕のバスケプレイヤーなんですが、腐り目と言えば、この周辺のバスケットやってる人は大体通じるらしいですよ。あと、店の人が話してたんですが今日も公園に居たそうです。

 

 

PS.勝負に熱中し過ぎて帰りの時間を忘れない様にして下さい。

―――――――――――――――――――――――――

 

 

「..........」

 

 

 

黒子って将来スパイとか向いてるんじゃねぇか?

この情報収集能力の高さに俺は思わずそう思った。

 

 

 

 

 

 

その後、少し道に迷ったが、無事にバスケットコートのある公園に辿り着くことが出来た。すると、目の腐った男が荷物を持って歩いているのが目に入る。

 

あいつが腐り目か?.....見た感じ強そうには見えないけどな.....けどなんだ?纏っている雰囲気が何となくあいつらに似ているような....。

 

 

「はっ....まさかな」

 

 

流石にあいつらほど強くはないだろう。もしそうだとしたら、インターハイやウインターカップとかで見かけているはずだ。あそこに居なかったということは、キセキの世代クラスではないと云うことだろう。

 

「ま、強いことに変わりはないだろうけどな」

 

あいつの手に持っているボール、かなり磨耗している。

相当使い込んでいるのだろう。

 

 

そして、俺は目の腐った男に話しかけた。

 

 

「なぁ、お前が腐り目か?」

 

「....は?」

 

 

 

あ、やべ。流石に初対面でこの挨拶はねぇよな。もしかしたら、腐り目は別の人かもしれないし。

 

「あぁ、悪い。別に悪口を言ったわけじゃないんだ。ある人に、この公園には腐った目をした凄腕のバスケプレイヤーが居るって聞いてな。で、その人がこの辺のバスケットやってる人だったら腐り目って言えば大体通じるって言うからよ。もしかして違ったか?」

 

 

俺がそう言うと、目の前の男はより一層目を腐らせながら黙りこむ。

まぁ......腐り目って通り名が嫌なのは分かるけど.....。

 

 

「いや、そう呼ばれてるかは知らんが、多分それ俺の事だわ」

 

それを聞いた俺は、気分が高揚するのを感じた。

 

 

『強いやつと戦える』

 

 

そう考えると、嫌でもテンションが上がってしまう。

 

「そうか。お前が腐り目か」

 

俺は笑みをこぼしながらケースに入れていたバスケットボールを取り出して言った。

 

「俺とバスケで勝負しようぜ」

 

 

 

《火神sideout》

 

 

 

《比企谷side》

 

 

「断る。俺は今から帰るところだ」

 

 

そう言って俺はそのまま帰ろうとする。

が、目の前の男の服に施された刺繍を見て足を止めた。

 

そこには、SEIRINと書いてあった。

 

せいりん、せいりんって......まさか、あの誠凛か!?

 

うちの学校のバスケ部の連中が、『1、2年だけで、ウインターカップ優勝した!!』って騒いでたが......。

 

 

まさか......

 

 

「なぁ、お前、去年のウインターカップで優勝した誠凛高校の選手か?」

 

「おう」

 

ビンゴだ...

 

「もしかしてスタメンか?」

 

「おう」

 

「.....マジで?」

 

「マジだ」

 

 

.....マジかよ。そんなやつが俺に勝負を挑んできてくれるとは.....良い機会だ。全国で優勝したチームのスタメンがどれ程のレベルか確かめてやる。今年度から俺も参戦するしな。

 

 

「よし。せっかく東京から来てくれたんだ。一回と言わずにもっとやろうぜ?」

 

俺は荷物を肩から下ろして言った。

 

 

 

さぁ、今の俺でどこまで付いていけるか....

 

 

 

 

 

 

「はぁ...はぁ...くそっ....やっぱり強ぇな」

 

「はぁ...はぁ...何言ってんだよ。俺のシュートを何本も止めてるくせに。...正直言って予想外だぜ」

 

それはこっちのセリフだわ、この野郎。

 

正直言って、ここまで強いとは思っていなかった。こいつ、間違いなくあいつらと同等の強さだ。

こんなやつがまだ他にも居たとはな.....。

しかも何なんだよ、こいつの異常なジャンプ力は?おまけに回数を重ねるごとに少しずつ高さが増してきやがる。マジでやりづらい。普通だったらブロック出来ないような位置からでも平然と止めてきやがる。十本やって二本しか決めれないとはな.....まぁ、体が昔みたいに動いてくれないってのもあるけど。

 

 

.....仕方ない。あのシュートを使うか。こいつのジャンプ力だと止められるかもしれんが、流石に初見で止められることはないだろう。

 

俺は一度息を整えて言った。

 

「そう言えば、お前の名前って何だっけ?俺は比企谷八幡だ」

 

「火神大我だ」

 

「そうか....おい火神。今から俺が打つシュートを止めれたらマックスコーヒーを奢ってやるよ」

 

「マックスコーヒーが何かは知らねぇけど、来るならこい!!絶対に止めてやる!!」

 

 

火神は俺を止めるために腰を低くして俺を待ち構える。

そして、俺はドリブルして加速すると同時に言った。

 

「マックスコーヒーはな.....千葉のソウルドリンクだ!!」

 

「知らねぇよ!!」

 

火神は叫びながらドリブルする俺にピッタリと付いてくる。

さぁ、やるか。

 

俺はジャンプする直前に、強い力で一度ドリブルをする。そして、ボールの勢いを殺さずにスリーポイントラインの手前で全力で飛ぶ。

 

「ここで飛ぶのかよ!?」

 

火神も俺が飛んだ直後にジャンプして俺のシュートを止めようとする。

 

すると、俺のシュートの姿勢を見て火神が呟く。

 

「は?お前まさか.....」

 

「そのまさかだよ」

 

そう言うと同時に俺はシュートを放つ。

 

 

 

ザシュンッ

 

 

 

俺の放ったボールは少々高い軌道で、そのままゴールに入った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まさかあそこでフックを打ってくるとは思わなかったぜ」

 

「そんな事、予知されたらたまったもんじゃないわ」

 

「予知しても止めれるか怪しいだろ....」

 

「.....そこは否定しない」

 

 

さっき俺が打ったのはフックシュートだ。自分の体を盾にして、さらに相手から遠い方の手で打つシュートだ。このシュートの性質上、相手が自分よりもでかかったとしても、ブロックされることは少ない。というか、手が届かないからブロック出来ないと言うほうが正しい。因みに、俺は更にブロックされる確率を減らすために強くドリブルをついて、その勢いをシュートに乗せて放つために、普通のフックよりもリリースが早いうえに軌道が高くなっている。

 

フックシュートを打つことは特に珍しいことではない。

 

3ポイントラインより後ろで打たなければ。

 

このシュートを狙って打つ人はそう居ないだろう。何かの漫画で見たことある人も居るかもしれないけどな。

 

 

「なぁ、比企谷。さっきのってまぐれか?」

 

「いや、ほぼ100%入るぞ?約一年の間、打ち続けたからな」

 

「.....マジかよ」

 

俺の言葉を聞いた火神は信じられないと言った顔をする。

ま、それが普通の反応だよな。普通のスリーでも100%入るやつは殆どいない。.....一人だけ心当たりがあるが。

 

 

「で、どうする?まだ続けるか?」

 

「当たり前だ!次は絶対に止める!」

 

「そう来なくちゃな」

 

 

そして、俺達は再び勝負を始めた。

 

 

 

 

 

 

「大丈夫か?」

 

「これが大丈夫に見えるのかよ.....」

 

 

あれから、もう何回やったかも分からないほど火神と勝負を繰り返した。途中から俺の体が限界に近づいていくと、

 

火神に決められる。

俺がフックを決める。

火神に決められる。

俺がフックを決める。

 

この流れを延々と繰り返した。そして、ついに俺の体力が尽きてしまい、ベンチで絶賛ぶっ倒れ中である。

 

 

「あぁー.....流石に無茶し過ぎた」

 

 

正直に言って、途中で足を吊らなかっただけラッキーである。

 

 

「まぁ、暫く休もうぜ。俺もちょっと疲れたし」

 

そう言って火神は俺の横のベンチに腰を下ろす。火神のそれほど疲れてない様子を見て俺は思わず呟いた。

 

 

「良いよなぁ、現役は。体力が有ってよ....」

 

「え?比企谷ってもう引退したのか?って事は3年?」

 

「違ぇよ。俺は今年から2年生だ。怪我で丸々一年休んでたんだよ。まぁ、シュートとかドリブルの練習はしてたけどな。パスも妹相手にしてたし」

 

「なるほど。だから体力とかはないくせに、あんなにもシュートとかドリブルが出来てたのか」

 

「そういうこと」

 

 

 

 

 

その後、暫くの間火神と話していると、何かすごい人数が俺達のいる場所にやって来た。

 

 

え?何か全員同じ服着てる......って火神と同じ服じゃねぇか。てことは、この人達は誠凛の人か。

 

どこぞのヤンキーとかじゃないと分かって安心していると、集団の先頭に居た女子が火神の姿を確認すると駆け出した。

 

もしかして、火神の彼女とかか?

 

 

「リア充が....爆発しやがれ」

 

「は?何急に....って監督?....あっ、しまった!!」

 

すると、火神は慌ててベンチから立ち上がって女子と反対方向に駆け出そうとする。

 

しかし、走り出そうとした瞬間に、『こんのバカガミがぁぁーーー!!』と叫びながら女子が火神の背中にドロップキックを.....ってドロップキック!?

 

なんて乱暴な!!

 

 

蹴られた火神は『ぐあっ!!』って叫んで、俺の目の前まで吹っ飛んできた。

 

 

えーっと.....とりあえず。

 

 

「大丈夫か?」

 

「これが大丈夫に見えるのかよ.....」

 

 

奇しくも先程と同じやり取りであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




やっぱり、これぐらいの長さの方がちょうど良いんですかね?

......3Pのフックって珍しいよね?

書いてて不安になってきた....。少なくとも作者は見たことないんですけど。というか、絶対に出来る気がしない(笑)
火神の口調とか、試合の描写とかが上手く書けてるかが不安でしょうがない.....。

次から、緑間と高尾が出てきます。

読んで下さってありがとうございました!!
では、また次の話で。

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