少年士官と緋弾のアリア   作:関東の酒飲

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遅れて申し訳ございません。(定期)

 家に帰り、『少しだけ寝よう』と思って仮眠したら翌日になっていたことが多々ありまして……

 次話は早く投稿できるように頑張ります。



Die Hard3 in Tokyo 後輩は自重しない……

 俺はあちこち傷つき、大量出血のせいでぶっ倒れる寸前だった。しかし、西住さんが折れた操縦桿を持ってきたせいで俺の意識は覚醒し、急いでコクピットに向かった。

 

「おい!!操縦桿が折れるってどういうことだよ!!」

 

俺は扉を蹴破り、コックピットに乗り込んだ。その際に衝撃が響き、激痛が体を突き抜けたのだが……俺は何とか耐えた。

 さて、コックピットの操縦席では……ジョニー・マクレー(おっさん)が足元に潜りこみ、何か作業をしている。そして副操縦席ではかなめがアワアワと慌てていた。

 

「い、イブキにぃ!!」

 

かなめは俺の存在に気が付くと、俺に飛びついた。

 

  ガシッ!!

 

「……ッ~~~~!!」

「あ、あのね!!操縦桿を握ったらポキッて折れちゃって!!」

 

かなめが強く抱き着くために傷口が広がり、体中から悲鳴の合唱が聞こえてくる。

 

「分かった!!わかったから!!」

 

俺はかなめを無理やり引きはがした。

 

 

 

 なんでも、副操縦席の操縦桿は最初から消し飛んでいたそうだ。そこで、かなめが操縦席に座って自動操縦(オートパイロット)を切り、操縦桿を握ったところ、ポッキリ折れてしまったらしい。

 そのため、西住さんは壊れた操縦桿を持って俺を呼びに向かい、かなめは慌てて自動操縦(オートパイロット)に戻したようだ。

 

 俺はその事を聞くと、思わずため息が出た。そして、コックピットを見渡した。

 

 ……な、何てひどい。

 

コックピットはあちこちに、弾丸の痕が多数残っていた。

 前話で、サイモン達は‘‘コックピットで’’大量の弾丸を放った。その時に弾が跳弾し、今のような状態を作ったのだろう。大量の弾丸を密室(コックピット)で放てば、操縦系統へ流れ弾が被弾する可能性も高くなる。

 

 ……それらが操縦桿に直撃。それを知らずにかなめが引っ張って、ポッキリ折れたと。

 

 

 

 操縦桿は操縦系統の中でも特に重要な部分であり、基本的に補助翼(主翼にある動く部分)と昇降舵(水平尾翼の動く部分)に直結している。しかし、方向舵(垂直尾翼の動く部分)には繋がっていない。

 なので方向舵(垂直尾翼の動く部分)と繋がっているラダーペダル(フットバー)さえ生きていれば、何とか旋回は可能‘‘では’’ある。(実際は機体が‘‘横滑り’’を起こすため、方向舵だけの旋回は困難を極める)

 

 

 

 ……ラダーペダル(フットバー)だけで旋回か。小型機なら‘‘一応’’可能だって教わったが……こんな大型機で出来るのか?

 

そんな時、操縦席の足元に潜り込んでいたジョニー・マクレー(おっさん)がモゾモゾと出てきて、何かを投げ捨てた。

 

「(英語)クソ!!コイツもいかれてやがった!!」

 

ジョニー・マクレー(おっさん)が投げだしたものは……銃弾か何かでボロボロになっているが、どう考えても『足を使って動かす道具』という事はすぐにわかる。

 

「(英語)おっさん……もしかして……」

 

俺は嫌な予感がした。噴き出た冷汗が傷口にしみて痛い。

 

「(英語)……ラダーペダルだ。」

「(英語)ウソだろ!?スロットルレバー(車で言う‘‘アクセル’’。エンジンに繋がっている)しか使えないのかよ!!」

 

俺は天を仰ぎ見た。見えたのは……被弾痕が生々しい鉄の天井だけだった。

 すると……俺の袖をクイクイッと引っ張られ、俺は下を向いた。引っ張っていたのは、とても気まずそうにしていた西住さんだった。

 

「あの……パラシュートがなk……」

「イブキにぃ、この輸送機……落下傘は一つもないみたい。」

 

西住さんが何かを伝えようとした時、かなめが無理やり割って俺に言った。

 

 ……かなめ、そこまでして己を主張したいのか?……と言うか、今なんて言いやがった!?

 

俺一人ならば落下傘なしでも大丈夫だ。しかし、ジョニー・マクレー(おっさん)に西住さん・かなめ(……かなめは先端化学兵器(ノイエ・エンジェ)で何とかなりそうな気がするが)、そしてのRoseliaのメンバー(人質だった彼女達)は落下傘無しの空挺などできるはずがない。

 そのために……たった今、この大型輸送機は『空中の監獄』となった。俺達は処刑(燃料切れ)までに、早くこの輸送機(監獄)から脱出しなければならない。

 

「(英語)……おっさん、なんか案はあるか!?」

 

俺は自分をシャキッとさせるため、ジョニー・マクレー(おっさん)に怒鳴るように尋ねた。

 

 ……いや、実際どうすればいい!?‘‘スロットルレバー’’だけでどうやって日本に戻るなんてほぼ不可能だ!?それに、操縦士と副操縦席の席に射出座席があるかもしれないが……脱出できるのは二人だけだぞ!?

 

「(英語)だからさっさと無線機を貸せ……!!」

 

ジョニー・マクレー(おっさん)はかなめからヘッドセットを奪うと、操縦桿もラダーペダル(フットバー)もない操縦席に座った。

 

「(英語)ハリウッドの『●ir Force One』でハ〇ソン・〇ォードはどうやって脱出した!?」

 

ジョニー・マクレー(おっさん)はそう言いながら大量のスイッチをいじりだした。

 

 ……『エアフォースワン』?米国大統領が搭乗した機体のコールサインで、映画の題名でもある。確か映画の奴では……あぁ!!

 

 

 

 『エアフォースワン』では、大統領専用機(エアフォースワン)と並走する輸送機にワイヤーをかけ、そのワイヤーを伝って脱出していたはずだ。

 

 

 

 という事は……ジョニー・マクレー(おっさん)は無線機で援軍(他の航空機)を呼ぼうとしているのだろう。

 

「(英語)……って、おっさん。無線機のスイッチは分かるのか?」

「(英語)大抵、スイッチはどんな奴も同じような場所にあるだろ?」

 

そう言ってジョニー・マクレー(おっさん)はスイッチに触れた。

 

 ウゥ~!!!ウゥ~!!!

 

いきなり機内に警報が響き渡り、ジョニー・マクレー(おっさん)は慌ててそのスイッチを元に戻した。

 

「「「「…………」」」」

 

俺達の間に不穏な空気が立ち込めた。

 

「(英語)この中で……中国語、読める人いる?」

 

俺は思わず全員に聞いた。

 ジョニー・マクレー(おっさん)は中国語など分かるはずがない。俺はせいぜい日常会話が理解できるレベルのため、こんな専門用語ばっかりの文字は分からない。

 

 ……もしかしたら、西住さんかかなめなら分かるか?

 

俺はそんな淡い期待を一瞬持ったが……二人は気まずそうに顔をそらした。

 

 ……だよなぁ。

 

俺は思わずため息をついた。

 もう、どうすればいいんだ…‥これ?

 

 

 

 

 

 

  バーン!!

 

 さて、俺達の間に重苦しい空気が居座っていた時、コックピットの扉が勢いよく開けられた。そして、その扉からRoselia全メンバー(元人質達)が入ってきた。

 

「村田さん!!今のサイレン音はなんですか!?」

 

この中で唯一の顔見知りである氷川紗夜さんが俺に詰め寄り、厳しい口調で……しかし、目には涙を浮かべながら聞いてきた。おそらく、彼女はこの非常事態に動揺しつつも、何とか己を保っているのだろう。

 

 ……しかし、どうする?彼女達に本当のことを伝えるか?

 

俺は返答に困った。

 『いやぁ~、操縦桿にラダーペダル(フットバー)が折れちゃって操縦不可能になっちゃった。ついでに、落下傘は一切ないし、無線のスイッチも分かんない。テヘッ!』なんて事を彼女達に伝えるべきだろうか。

 

 ……正直に言って、民間人と一緒の任務はあまり受けたことがないから……どうすればいいか分かんねぇ。

 

俺はジョニー・マクレー(おっさん)に目をやると……『勝手にしろ』と目でいい、あちこちのスイッチをいじり始めた。

 今度は西住さんと目を合わs……ダメだ、天井を向いて、何かをブツブツ呟いている。

 かなめに目をやr……こいつもダメだ。かなめは『グルル……』とRoselia全メンバー(元人質達)を威嚇している。

 

「はぁ……」

 

 ……もういいや、全部話しちまえ。‘‘後は野となれ山となれ’’だ。

 

思わずため息をついた。

 

 

 

 

 

 

 

 俺は猫を撫でる様にかなめを撫で回し、何とか彼女の怒りを(しず)めた。その間、俺は彼女達に全てのことを話す。

 

「「「「「……!!!」」」」」

 

Roselia全メンバー(彼女達)は伝えた事に衝撃を受けたのか、固まっていた。

 

「あ……!!あこ、そう言えばボンド持ってた!!」

「あ、あこちゃん!?なんでボンド!?」

 

Roseliaのメンバーの一人、紫の髪をツインテールにした年下の少女がポケットから、‘‘某有名な木工用ボンド’’を取り出した。

 

 ……いや、それ木工用だし。そもそも固まっても強度の問題があるのだが。

 

とはいえ……万が一、億が一、兆が一で操縦桿が直るかもしれないため、一応そのボンドを借りて操縦桿に塗った。結果は……

 

  ボロッ……

 

やはりと言うべきか……操縦桿はその重さに耐えきれず、ボンドを塗ってすぐにボロっと床に転がる。

 

 ……だよなぁ。

 

俺は思わずため息をついた。そしてRoseliaのメンバーの少女達は絶望の表情を浮かべる。

 

「ね、ねぇ!!私達って助かるんだよね!?」

 

茶髪のギャル風な少女が(すが)りついてきた。

 

「あぁ~……助かる……と思う。うん、助かるから安心しろ。」

「ちょっと待って!!今の間は何!?」

 

そのギャル少女が俺の上着をしっかり握り、揺すりながら俺を問いただす。そんな時だった。

 

「(英語)なんだ?こいつは?」

 

ジョニー・マクレー(おっさん)がそう言いながらレーダーの表示画面を指さした。

 俺達がその画面をのぞき込むと、機体の2時方向から6機ほどの航空機が高速で接近している事が分かった。

 

「(英語)……日本空軍(うち)か米軍の戦闘機部隊か?」

 

 

 

 (おおよ)そではあるが、調布飛行場を出て2~3時間は経過したはずだ。この軍用輸送機は時速550~600キロほどで航行しているため……1100~1800キロしか移動していない。

俺は頭の中から海図や航空図を取り出し、おおよその位置を測定した結果……東シナ海の 沖縄近くを飛んでいることが分かる。となれば、日本の領空ではなくても、防空識別圏にはいるはずだ。

 そうなると……沖縄に展開中の日本空軍や在日米軍の可能性が大きい……

 

 

 

 

俺はその考察の元、呟いた。その時だった。

 

『人和剑安全吗?』

 

中国語がいきなり機内に流れた。しかも、流暢で早口な中国語のために聞き取ることができない。

 

 ……なんだって機内に中国語が?

 

俺は嫌な予感がした。

 

「(英語)やっと無線のスイッチを見つけたぜ!!……こちらはジョニー・マクレー刑事、人質確保。しかし操縦不能。救援を求む!!高度は27000ft(フィート)、方位218度を時速360mile(マイル)で航行中!!」

 

やっとジョニー・マクレー(おっさん)が無線のスイッチを見つけたらしく、ヘッドセットのマイクに向かって状況を報告する。

 

你在说什么(何を言っている)同样(もう一度言う)、 人和剑安全吗?(人と刀は無事なりや?)

 

もう一度、その流暢で早口の中国語が機内に流れた。俺は意識して聞いたため、何を言ったのか分かった。

 

 ……おいちょっと待て。そもそも、なんで6機の航空機は2時方向(中国側)から来たんだ?哨戒だとしても、6機編成での哨戒なんて聞いたことがない。ってことは……

 

 

 

 

 

 

 

  ウゥ~!!ウゥ~!!ウゥ~!!

 

いきなりサイレン音が機内に流れ出し、操縦席の画面には『自动跟踪(ロックオン)』と表示された。

 

 ……クソ!!読めなくても、なんて書かれたか分かるぞ!?

 

「(英語)おい!!何か発射したぞ!?」

 

ジョニー・マクレー(おっさん)が叫んだ。レーダーの表示画面には1基につき2発、計12発の物体がこの機体に高速で接近していることが分かる。

 

「(英語)ロックオンされたんだ!!」

 

俺はサイモンを倒した‘‘あの’’日本刀を取り出し、天井に穴をあけた。そして座席を踏み台の代わりにし、その穴からヒョコッと上半身を出す。

 

「(英語)チクショウ!!なんだってこんな目に!!」

「ちょ、お前!!フレアはこっち!!」

 

操縦席でジョニー・マクレー(おっさん)とかなめの声が聞こえた後、機体後方からフレア(気休めの花火)が射出された。

 俺は25ミリ機関銃を‘‘四次元倉庫’’から取り出し、ミサイルが来る方向に向けた。

 

「12本のうち3本がレーダーから消えました!!9本が来ます!!」

 

西住さんがレーダーの状況を俺に報告する。

 

「了解!!Roseliaのみんな(お嬢さん方)に揺れるから気をつけろよ!!」

 

俺はその9本のミサイルを視認した。ミサイルの速さは……マッハ3ほどのようだ。

 

 ……クソッ!!本当に撃ち落とせるのか!?

 

 

25ミリ機関銃の弾倉は15発しか入らない。単純計算で、約1.5発の弾丸でミサイル1本を破壊しなければならない。

 しかも‘‘マッハ3=秒速約1000m’’、25ミリ機関銃の最大射程は8000mで有効射程は3500m。なので、最大射程では8秒以内、有効射程からでは3.5秒で撃ち落とさなければならない。

 

 

 ……大丈夫だ。俺ならできる………はず。

 

そんなことを考えていれば、ミサイルが最大射程圏内(8キロ圏内)に入った。その時、ミサイル9本のうち4本が進路を変え、フレアの方へ突っ込んで行く。

 

 ……5本、5本ならいける!!

 

ミサイルが有効射程圏内(3キロ圏内)に入る直前から、俺は発砲を開始した。

 

  ダンダンダンダン!!!チュドーン!!

 

 俺は一本ずつ、確実にミサイルを破壊していく。

 1本目はエンジン部分をやったのか、落下していく。2本目は索敵装置が破損したのか、急に進路を変更して爆散。3本目は4本目を巻き込んで爆発。

 

 ……残りはあの1本だけだ!!

 

しかし、その最後に残ったミサイルは中々しぶとい様で……数発ほど弾を当てているが、それでも止まらずにこの輸送機へ突っ込んでくる。

 

 ……クソッ!!他のミサイルは(もろ)かったのに、なんでこいつだけ頑丈なんだよ!!

 

 その最後の一本との距離が800mを切った。時間的にも、25ミリ機関銃が撃てる弾数はあと1発。その一発で確実に破壊しなければならない。

 

 ……クソッ!!あのミサイルは‘‘サイモンの怨念’’でも()いているのか!?

 

俺は血が足りないせいで、幻覚が見えるのだろうか。25ミリ機関銃の照準器越しに見える最後のミサイルに、‘‘サイモンの怨念’’が見えた。

 

‘‘『死ネェエエエエ!!!!』’’

 

 ……誰が死んでやるかってんだ

 

「イピカイエー・〇ザーファッカー!!」

 

  ダァン!!

 

発射された弾丸は‘‘サイモンの怨念’’を引き裂き、ミサイルの弾頭に着弾した。着弾した弾丸はミサイルの弾頭を貫き、中で爆発した。

 

  チュドーーーン!!!

 

 

 

 

 

 

 何とかミサイルを撃破できたが、そのミサイルの爆発に伴う爆風と破片が俺を襲ってくる。

 

「グアァアア!!」

 

破片が俺の上半身や顔を引き裂く。爆風が肌を焼き、耳を一時的に使えなくする。

 

「む、村田さん!!大丈夫ですか!?……って血が!!」

 

西住さんが何か言っているが……聞こえないため、何を言っているのか分からない。

 

 ……それよりも、次は戦闘機が来るぞ?

 

俺は25ミリ機関銃の弾倉を交換した。目の前には、マッハ2程度で近づいてくる戦闘機6機が視認できる。

 

 ……ミサイルでも手こずったのに、今度は戦闘機か。

 

 

 ミサイルは戦闘機よりも断然速いが、動きは直線的である。そのため、速度さえ気を付ければミサイルは比較的落としやすい。

 しかし、戦闘機は人が操縦しているために回避行動を取り、死角から攻撃することができる。また、‘‘戦闘’’機であるため、ちょっとやそっとの被弾ではビクともしない。なので戦闘機を落とす難易度は高いのだ。

 

 

 ……とにかく、何とかしないと。

 

俺は顔の血を腕で拭き、機関銃を構えた。照準器から見える豆粒ほどの戦闘機がだんだんと大きくなっていく。

 

  ウゥ~!!ウゥ~!!

 

「(英語)左、内側のエンジンが炎上!?お前、そのスイッチを……違う!!そっちのボタンじゃない!!逆!!」

「(英語)だったら嬢ちゃん、テメェがこっちの席に座るか!?……それにこっちでいいんだよ!!外を見てみろ!!」

 

耳が回復してくると、ジョニー・マクレー(おっさん)とかなめの怒鳴り声が聞こえた。二人は機内で言い争いをしているらしい。

 

「後方、7時方向から新たに2機が接近中です!!」

 

西住さんが叫ぶように俺へ伝えた。

 前方から6機、後方から2機。どうやら敵に囲まれたようだ。

 

 ……チクショウ!!ここで死んでたまるか!!

 

  ダンダンダンダン!!!

 

俺は25ミリ機関銃の最大射程距離(8キロ圏内)から発砲を始めた。前方6機の戦闘機は編隊を崩し、回避運動を取りながら接近してくる。

 

  ダンダン!!!カチン!!

 

 元々弾倉の装弾数が少ないため、25ミリ機関銃を連射すれば数秒も立たない内に弾切れを起こす。俺は急いで25ミリ機関銃の弾倉を交換するが、その間にも戦闘機はさらに近づいてくる。

 

「後方2機、ミサイル発射!!4発が来ます!!」

 

  ダダダダダダダ!!

 

弾倉を交換し、照準器を覗き込むと……そこには照準器からはみ出るほどまでに接近した戦闘機がいた。その戦闘機は発砲を始め、弾が俺のそばに着弾する。

 

  ダンダンダンダン!!!ペキッ!!

 

俺は慌てて反撃を始めた。

 すると、俺の放った弾丸の一発がその戦闘機のキャノピー(コックピットのガラスの部分)を貫き、中で‘‘真っ赤な花’’を咲かせた。

 ‘‘真っ赤な花’’を咲かせた戦闘機は明後日の方向へ飛んでいく。俺はその戦闘機を尻目に、他の獲物(戦闘機)を照準器の中に入れた時だった。

 

  シューーーチュドーーーン!!!

 

照準器に映った敵戦闘機にミサイルが命中し、翼が折れて錐揉み状態になって暗い海へ落ちて行った。

 

 ……は?どういうことだ?どこからミサイルが?

 

俺は照準器から目を離した。その時、‘‘日の丸’’が描かれたF-15が 俺の目の前を横切った。そのF-15は俺達を襲っていた戦闘機をバタバタと、まるで訓練用の的を落とすかのように撃破していく。

 そんな圧倒的で一方的な空戦を繰り広げている時、俺はF-15の垂直尾翼に『343』という文字か描かれているのを発見した。

 

 ……343空!?やっと味方が助けに来てくれたのか!!

 

 

 

 343空……『第343空軍特別飛行隊(通称:343空)』は選りすぐりのエースパイロットを集めた、正真正銘の‘‘空軍最強の戦闘機部隊’’だ。

 同じように、エースパイロットを集めた『空軍飛行教導隊(通称:教導隊)』がいる。その『教導隊』は‘‘指導力’’などの能力も求められるのだが……『343空』は違い、ただひたすら技術を磨き、‘‘最強であること’’を求められる部隊なのだ。

 ついでに、『有能な人間は癖がある……』で登場したイブキの後輩:笹井純少尉はこの部隊に所属している。

 

 

 

 味方が来て俺がホッとしている間にも、F-15は敵を落としていった。

 そして最後の1機を落とした後、2機のF-15は俺達が乗る大型輸送機に並走し始める。その時、2機のうちの1機のパイロットの顔が見えた。あの顔は……

 

 ……さ、笹井!!あいつ、来てくれたのか!!……もうちょっと早く来て欲しかったけど、それは我儘(わがまま)か?

 

 俺は安堵のため息をついた後、ヨロヨロと機内へ戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺が機内へ戻ると、Roselia(彼女達)が俺を見て悲鳴をあげた。

 

 ……なんだ?俺がなんかやったか?

 

「血が……大丈夫なの?」

 

Roseliaの一人、銀髪長髪の少女が俺に近づき、俺の(ひたい)に手をやった。彼女のスラッとした綺麗な手が血でべったりと汚れる。

 俺はハンカチを取り出し、顔を(ぬぐ)うと……白いハンカチは赤に染められた。どうも、頭を切って血がドバドバ流れていたらしい。

 

 ……あぁ~、傷を認識したら激痛が……

 

俺がハンカチで頭を押さえ、出血を押さえようとした時、機内に無線が流れ始めた。

 

『先輩、まだ生きてます?……まぁ、先輩の事ですから無事だと思いますが。』

 

この声色、生意気な言葉遣い……これは間違いなく、後輩の笹井だ。

 俺は並走するF-15を窓越しに見た。そのF-15のパイロットの一人がこちらに手を振っている。その仕草にしても、やはり笹井に違いない。

俺は副操縦席に掛けてあったヘッドセットを頭に付け、通信を始めた。

 

「まだ生きてるぞ。……なんだ笹井、助けに来てくれたのか?」

『藤原先輩が色々と駆けずり回ったみたいですよ?おかげで343空(うち)に命令が来て……、赤松中佐と一緒に抜け出して、新宿の‘‘冴羽の兄さん’’も加えて一緒にナンパの予定がオジャンですよ!!』

「そいつぁよかった。流石は藤原さんだ」

 

 笹井 純(この馬鹿野郎)は女好きであり、しかもよく警察に厄介になっている問題児でもある。時々、俺や藤原さんが笹井 純(この馬鹿野郎)を迎えに行くことがあるほどだ。

 

『…………そんなこといいです。それよりも早く旋回してください。このままだと国境越えますよ?』

 

 笹井は自分の予定が狂ったことを思い出し、不機嫌になったのだろう。明らかに声のトーンが低くなった。

 

『……ほぉ?笹井、外出届が出てないがどういうことだ?それにお前は2週間の外出禁止だったはずだが?』

『ハハハッ……な、何言ってるんですか坂井隊長。この場を和ませるジョークに決まってるじゃないですかぁ』

 

 ドスの効いた低い声(笹井の上官らしい)が聞こえた後、その言葉を笹井は飄々(ひょうひょう)と受け流す。

 

 ……いや、若干笹井の声が震えている。あの野郎、マジでやる気だったのか?

 

いや、そんな事はどうでもいい。それよりも、この輸送機の状態を知らせないといけない。

 

「あの、笹井への追及は後でやってもらっていいですか。……笹井、旋回したいのは山々(やまやま)なんだが、この機体の操縦桿とラダーペダル(フットバー)が折れて旋回できない。」

『『……………は?』』

 

パイロットの二人が絶句した。流石に優秀なパイロットでも『操縦桿とラダーペダル(フットバー)が使えない』何てことは前代未聞なのだろう。

 

『……や、やだなぁ先輩。こんな時に冗談とk……』

「冗談じゃない。事実だ。現実に起こっているんだ。しかもこの機体には9人いて、脱出用のパラシュートはない。……なぁ笹井、こんな状況でどうすればいい?一応お前もパイロット端くれなら、どうすればいいか分かるだろう?」

『先輩!!あんた‘‘パイロットにはできないことはない’’とか思ってません!?普通そんな状態になったらパイロットは脱出ですよ!?』

 

藁にも(すが)る思いで笹井に聞いたが……やはり笹井も知らないらしい。

 

 ……ほんと、どうしようかなぁ。俺が全員を抱えて飛び降りるか?

 

 東京スカイツリーが伐採(破壊)された時、俺は理子・ワトソン・リサを抱えて飛び降りたことがあった。

 

 ……おっさんとかなめは多分大丈夫だから除外して……6人を抱えて飛び降りるなんてできるかなぁ

 

俺は最悪の場合を想定し、この輸送機からの脱出方法を考え出した。その時だった。

 

『……本当にダメな時の方法があると言えばありますけど……』

 

流石は343空(最強パイロット集団)に所属する笹井だ。この状況から何とか出来る方法を知っているようだ。

 

「それは何だ、笹井!!早く教えろ!!」

『……先輩。本当に、本当に!!最期の時の方法ですからね?…………………酒はあります?なるべくなら度数が高いのを』

 

「………?あぁ、今持ってくる。」

 

 

 

 結構昔の話であるが、与圧に防寒もない機体だと、冬季では泡盛や焼酎が常備されていたらしい(飲んで体を温めないと冗談抜きで凍死の可能性があるため)。そのため、当時の事を笹井が聞き、その事を思い出したのかもしれない。

 

 

 ……確か、俺達がこの機体に侵入したとき、Roselia(人質)を見張っていた敵は酒盛りをやっていたらしく、近くに酒瓶が転がっていたはずだ。だから酒はすぐに手に入るはずだ。

 

俺はヨロヨロと壁に手をつきながら、その酒瓶を回収するために歩き始める。

 

  グラッ!!

 

歩き始めてすぐ、乱気流にでもぶつかったのだろう。機体が大きく揺れ、俺は冷たい鉄の床に叩きつけられた。

 

「村田さん!?」

「……だ、大丈夫ですか!?」

 

すると、西住さんとRoseliaの一人(長髪黒髪巨乳少女)(血まみれの男)に駆け寄ってきた。そして西住さんは俺を膝枕し、Roseliaの一人(長髪黒髪巨乳少女)は己のハンカチで俺の血を拭う。

 

「村田さん!!そこで休んでいてください!!お酒は私が取ってきます!!」

「あ、あたしも!!」

 

そしてRoseliaの氷川紗夜さんと‘‘茶髪のギャル風少女’’が貨物室へ飛び出ていった。

 

 

 

 

 

「村田さん!!何でそこまで無茶をするんですか!?死んじゃいますよ!?」

 

西住さんは目に涙を浮かばせながら、俺に説教をするかの様に言う。そして、Roseliaの一人(長髪黒髪巨乳少女)もコクコクと頷く。

 ところで、Roseliaの一人(長髪黒髪巨乳少女)が頷くと、その‘‘とても大きな物’’が大きく揺れる。

 

 ……しかし、それに比べて西住さんは……

 

悲しいかな、‘‘胸のせいで天井が見えない’’なんて事は一切ない。『よく見れば胸による曲線があるかなぁ~』程度であr……

 

「フン!!」

 

  ベキッ!!

 

「……!?」

「ゴフッ!!」

 

いきなり西住さんが‘‘汚らわしい物を見るような目’’になり、俺の顔面を思いっきり殴った。せっかくRoseliaの一人(長髪黒髪巨乳少女)に顔を拭いてもらったのに、新たな傷ができて血が流れる。

 

「な、何しやがる!!」

「いいですか!!日本人の平均はB~Cなんです!!これが普通、むしろ大きいくらい!!」

「何の話だよ!!」

「……!?……???」

 

理由は分からないが、急に西住さんは怒りだし、そのことに対しRoseliaの一人(長髪黒髪巨乳少女)が慌てだす。

 西住さんが再び拳を振り上げたため、俺はボロボロの体を振り絞り、急いで西住さんの膝枕から脱出した。

 

「「持ってきました!!(持ってきたよ!!)」」

 

それと同時に『酒回収班』が戻ってきた。俺は彼女達から酒を受け取ると、ヘッドセットを拾い上げ、逃げ出すように操縦席近くへ向かった。

 

 

 

 

 

「笹井、酒を持ってきたぞ!!これは……テキーラか?これでも大丈夫か!?」

 

今、気が付いたのだが……氷川紗夜さんと‘‘茶髪のギャル風少女’’が持ってきたのは ‘‘南米にありそうな石造の顔’’と『OL●ECA』と書かれたラベルが付いたゴールドテキーラだったようだ。

 

『大丈夫大丈夫。むしろテキーラが適役かもしれません。…………じゃぁ先輩、ググっとやってください、一気に!!』

「いや、流石にそんな事をすれば酔うぞ?」

『一気に!!』

「………分かった。」

 

俺はテキーラの封を切ると、俺は瓶に口をつけて飲み始めた。

 

 ……ヤバい!!いつもよりも酔いが回るぞ!?

 

 それもそのはず、俺は今日一日何も食べていない。せいぜい少量の水を口にした程度だ。そんな『お腹ペコペコ・喉カラカラ』の状態でテキーラ(40度)を飲んだら……一気に酔いが回る。

 

「ゴフッ!!ゴホッ!!カハッ……。さ、笹井ぃ~これでいいかぁ~……オエッ

 

輸送機の振動が頭に響き、さらに気持ち悪くなる。三半規管がメチャクチャになり、立っている事が(つら)い。

 

クククク……せ、先輩……』

「……なんだよ。」

 

俺は、笹井が笑いを必死に隠そうとしている事がすぐに分かったが……俺は(ひど)い酔いのせいで、笹井が何を(たくら)んでいるのか一切分からない。

 

『……後は(こいつ)で忘れてください(笑)』

「おい、笹井(この野郎)……表に出やがれ……!!!」

 

これが酔いのせいか、怒りなのか判断できないが、俺は頭に血が上った。

 

『あれぇ~先輩?俺達パイロットに飲酒が許されるなんてありえないじゃないですかぁ~』

 

 そもそも、 ‘‘与圧に防寒もない機体……’’など第二次世界大戦前(しかも風防無し)の事であり、現在では飲酒運転(飲酒操縦?)など言語道断である。

 

 ……クソッ!!何でそのことに気づかなかった。ただ笹井が揶揄っていただけじゃねぇか。それにこれだけ引っ張って、こんなオチなんて……

 

俺は‘‘その事に気づかなかった己’’にも、‘‘揶揄(からか)った笹井’’にも苛立つ。

 

『それに俺はF-15……しかも単座に乗っているんですよ?表に出れるわけないじゃないですか~』

 

  プチン!!

 

「そうか。じゃぁテメェの機体に乗り移ってやる」

『……へ?』

 

俺は怒りで酔いが覚めたようで、スタスタと歩いてコクピットを出ると、機体前方の側面扉を蹴破った。

 そして‘‘四次元倉庫’’から(かぎ)づめが付いたロープ(made by 平賀)を取り出し、笹井(クソ後輩)の乗るF-15へ投げて引っかけ、そのロープを引いて輸送機から飛び移れる距離まで近づける。

 

『何やってるんですか先輩!!落ちる、落ちるから!!それを離してください!!』 

「何言ってんだだ笹井ぃ~?テメェをボコすために乗り移るって言っただろぉ!!!」

 

俺は力任せにロープを引っ張り、F-15との距離を10m弱まで近づかせる。

 

『嘘ぉ!!出力上げても離れないんですけど!?……先輩待って!!落ちる、落ちるから!!……先輩、俺が悪かったです!!だから離して!!100億円弱の機体をこんな事で損失させないで!!』

「あぁ?!?」

 

俺はさらに力を入れ、F-15を手繰り寄せる。

 F-15はアフターバーナーでも点火したのか、機体の尻からガスバーナーの様な火を吹き出している。

 

「イブキにぃ!!落ち着いて!!その怒りをアタシの体にぶつけてもいいから!!と言うかむしろ強引に……」←かなめ

「村田さん!!そんな事よりも脱出方法ですから!!」←西住みほ

「村田さん!!落ち着いてください!!」←氷川紗夜

「気持ちは分かるけど、あたし達は大丈夫だから……ね。」←茶髪ギャル少女

 

 彼女達が俺を羽交い絞めにするせいで、上手く力をロープに伝達できなくなった。このままでは彼女達と一緒に機外に出てしまう(空中で宙ぶらりん)ため、俺は舌打ちをしながらロープを離した。

 

『あ、危ねぇ……もう少しで翼が折れるところだった。……いつも思うんですが、先輩って本当に人間ですか?』

「あぁ!?」

『…………スンマセン』

 

笹井がやっと大人しくなり、俺はため息をついた。

 もめたところで、‘‘俺達がこの機体からの脱出方法がない’’という条件は変わることがないのだ。

 

 ……そんな現状を忘れさせるために、ワザと笹井は揶揄(からか)ったのか?……いや、ないな。

 

俺はため息をついた。

 

 

 

 

俺はトボトボとコクピットに戻った。そして投げ捨てたテキーラを拾い、一口飲んだ。

 

 ……クソッ!!本当に飲んで現実から逃げるしかないのか?

 

アルコールが喉を焼き、腹で熱を持つ。ボーっとする頭をアルコールで無理やり覚醒させ、全員が助かる方法を探すが、いくら考えても出てこない。

 

 ……あれか?F-15の翼に掴まれば全員助かるかなぁ~

 

そんな危ないことを考えついた時だった。

 

『村田大尉、そんなに悲観的にならなくていい。東京武偵高校(おたくの学校)の航空機が救助に来るそうだ。時間は……あと5分ぐらいだな。』 

「……はぁ?」

 

笹井ではないほう(確か……坂井中佐だったか?)から衝撃の事実が伝えられた。

 

「何でそれを先に伝えないんですか!?」

『速度的に追いつくかどうかが微妙だった。……それに笹井が「その事は言うな、その方が面白い」と言われてな。すまん』

 

坂井中佐が高圧的に伝えるが……そんなことなどどうでもいい。この笹井(クソ後輩)に制裁を加えるべきだろうか。

 

「……おい」

『いやいやいや!!確かに言いましたけど、先輩のためを思っていったんですよ!?不確かな情報を伝えて下手に希望を持った後に‘‘やっぱり無理でした’’なんてことになったら嫌でしょう!?』

「…………チッ」

 

 ……確かに、笹井の言う事に一理はある。一理はあるが……釈然としない。

 

俺は気を紛らわせるため、テキーラを煽った。しかし、テキーラは俺の怒りを消火することができず、むしろ増幅させる。

 

 

 

 

 

 そんな時、俺の服をチョイチョイと引っ張られた。俺はその引っ張られた方向に振り向くと……そこにはRoseliaのメンバー5人がいた。

 

「あこ達、助かるの?」

 

そのRoseliaのメンバーのうち、最も幼い紫の髪の少女(ボンドを渡してきた子)が目に涙を浮かべながら聞いてきた。おそらく、彼女は中学生だろうか。

 

「あぁ、大丈夫。今度は確実に助かるよ。…………まぁ、さっきまでも助かる可能性があったけどな。」

 

俺は重い空気に耐え切れず、茶化しながらその幼い少女の頭を撫でた。その少女はストンと地面に割座(女の子座り)をした。目に涙を浮かべ、嗚咽を必死に抑えながら俺の足に抱き着く。

 

 ……俺達の様な‘‘軍や武偵・警察の特殊な訓練’’を受けていない、ごく一般な中学生が‘‘死’’を、しかも『数時間後には死ぬ(かもしれない)』と言う運命に向き合っていたのだ。それに耐えていた彼女の緊張が今、切れてしまったのかもしれない。だから………………かなめ、(にら)むな、座席を噛むな、ナイフを研ぐな。西住さん、‘‘汚らわしい物を見るような目’’で俺を見るな。おっさんは『またか』みたいな表情で溜息をつくな、二人を止めろ。

 

俺はため息をついた。

 無情にも、こんな少女を足から引き離すことなど俺にはできない。泣き止むまでは放置しかないだろう。

 

「……あこ、離れなって。お兄さんも困ってるからさ。」

「リサ姉ぇ……」

 

Roseliaの茶髪ギャル少女が‘‘俺の足にしがみ付いた少女’’の背を擦り、やっと俺の足は解放された。

 しかし、残念なことに……その彼女の声は俺のヘッドセットのマイクに伝わってしまった。マイクに伝わった音は電子信号に変換され、外部に発信される。そのため……

 

『……え!?先輩!!今の声は!?なんか女子高生の声が聞こえたんですけど!!』

 

この笹井(バカ後輩)にも伝わることになる。

 笹井はまるで俺を脅すかのように、威圧しながら聞き出す。その威圧は……辻・神城・鬼塚(化物三人組)クラスであったため、俺は思わず情報を口に出してしまった。

 

「……知らなかったのか?人質にされたのは『女子高生と女子中学生』だ。それと別に、女子高生二人(西住さんとかなめ)がこの機体に潜入して救出に来たんだ。」

 

俺は情報を口にした後、手に持っていたテキーラを一口飲んだ。

 

 ……はぁ、なんで言っちまったんだ。

 

『先輩!!何でそのことを先に言わないんですか!?……ゴホン!!こんにちは、お嬢さん方。僕は笹井純、空軍戦闘機部隊・F-15のパイロットです。お嬢さん方を助けに来ました。(キラーン)』

 

笹井は‘‘乙女ゲー’’で出てきそうなイケメン風な声を出し、F-15のコクピットから女子受けがよさそうな笑顔をこちらに向けた。

 もしここにいる女性陣が笹井(このバカ)に初対面なら、きっと惚れないにせよ、多少はときめいたはずだ。しかし、笹井(このバカ)の蛮行を今まで見ていたため……

 

「「「「「「「……………」」」」」」」」

 

女性陣は‘‘汚らわしいものを見るような目’’で笹井の乗るF-15を睨んだ。俺は思わず背筋が凍り、漏らすところだった。

 

 ……やっぱり、女って怖ぇ~

 

『あれ?返事が聞こえないな。……もしも~し、聞こえます?』

 

 ……笹井、お前はきっと大物になるよ。調子に乗るから口にはしないだろうけど。

 

俺は現実を忘れるため、テキーラを一口飲んだ。

 

「(英語)坊主、その酒を分けてくれ。」

「(英語)ほら、いくらでも飲んでくれ。」

 

俺はテキーラの瓶をジョニー・マクレー(おっさん)に投げ渡した。そして俺とジョニー・マクレー(おっさん)は酒で現実(女の恐ろしさ)を忘れようとした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お嬢さん方、もう僕が来たからには大丈夫です。安心してください(キラーン)」

「「「「「「「……………」」」」」」」」

 

 ……笹井、もうやめろよ……

 

 

 

 

 




 航空機の横滑りとは、機首の方向とは違う方向へ進むことです。
 簡単に言うと、車でドリフトをすると、運転手から見ると車が横に滑っているように見えますよね。そんな状態です(分かりづらい……かな?)


 マクレーがスイッチをいじりまくった結果、無線の受信は機内放送に乗って全員が聞こえる状態になっています。


 新宿にいる‘‘冴羽の兄さん’’……どこの『シ〇ィーハンター』何でしょうか……。
 悲しいことに、この小説では‘‘冴羽の兄さん’’は年を取り、中年になっているとか……(イケてるダンディなオジサンに変化)。


 西住みほはCカップほどだそうで……



  Next Ibuki's HINT!! 「人工呼吸」
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