結局、鬼塚中尉が
「空挺なら奇襲ができるな。」
その一言で、中隊長の案である「飛行機による殴り込み」が決定され、辻さんの「ジープによる殴り込み」、神城作戦参謀の「戦車による殴り込み」は廃案になった。そこからの作戦立案は早かった。
「では、第一小隊の諸君。今回の作戦を発表する。神城作戦参謀、説明を。」
「はっ!!では作戦を説明いたします!!今回、敵研究者たちは国家安全保障科学館に立てこもっています。そこで、我々はC-1で高度10m以下から接近し、2キロ圏内になってから上昇。水平飛行になった瞬間に国家安全保障科学館の屋上へ空挺を慣行。その後、国家安全保障科学館に潜入、被験者の子供、研究者たちのデータをなるべく多く保護し、首魁の研究者4人を殺害。その後、第一小隊は脱出します。第一小隊脱出後、米軍からの攻撃により、国家安全保障科学館は破壊されます。
質問はありますか。」
「ハイ!!」
俺は手を挙げた。
「村田少尉、発言を許す。」
「二つあります。一つ目、政府転覆を狙う計画に反対、もしくは無関係の研究者たちはどうなっていますか?」
無関係な民間人を殺したくないからな。
「この希信が答えましょう!!彼らはすでにロスアラモスから、データのバックアップを取り、避難している!!国家安全保障科学館は被験者以外は全員敵だ!!。」
なるほど、避難は完了してる。会ったやつは基本ぶっ放していいんだな。
「ではもう一つ、なぜ、辻少佐と神城大尉が武装してるんですか?」
これが一番不思議だった。参謀でしょ?後方で待機じゃないの?
「参謀が前線視察をしないとは!!それでは現場と本部の意識の差が出る!!この希信が一緒についていき!!現場の有無を確認しましょう!!」
「私も一緒です。」
「納得したかい?村田少尉。」
うん、なんとなくこんな性格だってわかっていたけどな。
「はっ!!了解いたしました!!」
そういって俺は、席に座った。
「他には質問はないようだね。よし!!全員C-1に搭乗せよ!!」
「「「「「「「了解」」」」」」」
そうして、我ら第一小隊と参謀二人がC-1に乗り込み、敵陣に向かって殴り込みをかけた!!
「そういえば、辻さん、神城大尉。二人はパラシュートなしで大丈夫なんですか?」
「この希信も、この部隊に来たときは落下傘がないと空挺ができないと思っていたがね。」
「あの鬼塚中尉からパラシュートは飾りだと知りましてね。いやぁ、常識に囚われていましたなぁ、参謀長?」
「そうですな、作戦参謀?」
あぁ・・・この二人もこっち側なんだ。
え?俺だって?パラシュートは持ってないぞ。だって、「パラシュートはただの飾り」だからね(白目)
出発して数分後
「おい、敵陣から何か来てるぞ!!レーダーが反応してる!!」
C-1は鬼塚中尉が操縦していた。ってもう気づかれたのかよ!?
「この感じからすると無人機だな。動きが直線的だ。」
すげぇ・・・鬼塚中尉ってそんなことわかるんだ。敵が目視できるようになった。敵は2機か。すると、岩下さんがドアを開け、そこからライフルを構えた。
「まぁ、ここは俺の出番ッスね。」
そうして岩下さんがライフルを2発撃つと、その2機は煙を上げて落ちていった。
「まぁ、このくらい朝飯前っす。」
訓練中、狙撃がうまいなぁって感じていたけど、まさかたった2発で、でかい無人機を打ち落とすとは。
「おい、今度はミサイルが来やがった!!」
「さ、さすがにミサイルすべて落とすのは無理ッスよ!!」
「手伝いますよ!!」
「手伝うぞ!!」
俺と田中さんは別のドアから身を乗り出し、ミサイルの迎撃を始めた。
「俺、近距離が専門なんですけどねぇ!!」
俺は38式を連射して迎撃する。俺はほとんどを拳銃か銃剣、刀で戦うから長距離戦はきつい。
「俺なんて、爆弾、爆薬が専門だぞ!?」
田中さんは40ミリ自動擲弾筒を撃ち出した。よくあんな重い物持ってきてたなぁ・・・。
「何とかミサイルにハックしてますけど、目標誤認できるのはよくて3割です。」
メガネさんは持ってるタブレットをすごい勢いでたたいていた。
5分経ってもミサイルの雨は止まない。
「神城作戦参謀!!これ敵に感づかれてますよ!?作戦中止はしないんですか?」
バレてるのに突っ込むのはどうかと思うぞ。
「戦闘において、失敗するのは勇気が足りないせいだ!!勇気さえあれば敵が優勢であっても不可能でない!!!!」
ダメだ、こりゃ。
「辻さん!?」
「なぁに、我が大和民族に不可能はない!!!」
ウソだろ!?
「上昇地点だ!!全員つかまれ!!」
鬼塚中尉がそう言って、C-1を急上昇させた瞬間
ドカーーーーーン
右エンジンに被弾。よかった、俺は破片浴びたけど致命傷はない。
「ボウズ、大丈夫かァ!!」
「俺は大丈夫です中尉、しかし右エンジン被弾!!」
「なぁに、C-1はエンジン一つでもなんとかなるんだよ!!」
「もうすぐ降下地点だ、降りる準備をしろ!!」
鬼塚中尉はそういって、コックピットから出てきた。すると、第一小隊員の三人はパラシュートの準備をしだした。
「あれ?なんでパラシュート持ってきたんですか?」
「バカヤロウ!!パラシュート無しじゃ死んじまうだろうが!!」
おかしいな「パラシュートはただの飾り」なのに・・・。
「お待ちかねのパーティーの時間だ!!手厚い歓迎をされてるぜ!!俺らは泣く子も黙るHS部隊の第2中隊第1小隊だ!!その誇りを忘れるな!!!!」
そういって、鬼塚中尉はC-1から飛び降りた!!それに続き、俺たちも飛び降りた!!!「うわぁああああああああああああああ!!!!」
パラシュート無しの空挺は慣れてきたけど、いい思いがしないな・・・。まだ師匠とエルの修行のほうがいいかな・・・・。すいません嘘つきました。生身の空挺のほうが何倍もいいです。
「辻少佐、神城大尉、ボウズ、あいつらが到着するまで待機だ。」
そう言って、鬼塚中尉は一服しだした。ほんと「パラシュートはただの飾り」だし、着陸するのも時間かかるから、むしろ邪魔じゃないかなぁ・・・。
あの3人が到着した後、辻さんと神城作戦参謀がどういう風に動くか指示を出した。
「敵は地下にいるでしょう。おそらく被験者とメインコンピューターもそこです。地下を目指して進んでください。」
「しかし、敵は傭兵を雇ったようだ!!それに被験者をも戦わせると考えられる!!この希信!!被験者の子供無理やり戦わせるとは!!・・・」
「辻さん、落ち着いて落ち着いて、その子たちを助けるためにいるんでしょ。」
「・・・そうだったな、イブキ少尉。」
また辻さんが熱くなった。この人はすぐに熱くなるな・・・。
辻さんが落ち着いた瞬間、屋上のドアが開き、そこから銃を持った男たちが5,6人出てきた。
ダダダダダダダダダダ!!!!!!
その男たちは、俺たちに向かって一斉に撃ち始めた。急いで物陰に隠れた。
「ボウズ、奴らを始末してこい!!俺らは援護だ!!」
そう言って鬼塚中尉は銃を撃ち始めた。それに続き、他の隊員も撃ちはじめ・・・って辻さんと神城作戦参謀も撃つのかよ・・・
俺は「影を薄くする技」を使い敵に近づいた。敵は向こうに集中している。こっちには違和感を持たないな・・・。俺は刀を抜刀し一閃!!
ザシュ!!
一気に敵兵三人の首を落とした。そのまま返す刀でもう一人を真っ二つ。
「なっ!!」
慌てて、残り二人がこっちに気づいたが遅い、俺はもう一人を刀で胸に刺し、もう一人をワルサーで射殺。
「おらぁ!!」
なんだ、もう一人いたのか。でも遅すぎるんだよ。刀を抜き、ワルサーをそいつに構えた。
ダァン
弾は一発で十分だ。俺はマクレーのおっさんのようにバカスカ撃たない。
「処理、終わりました。」
これで中に入れるな。
中に入りしばらくすると、大きな部屋があり、大きな機械とゴーグルをし、手にガトリングを持った子供が一人そこにいた。どう考えてもおかしい。
「ここ、通らないといけませんかね?どう見ても怪しいんですけど・・・。」
「この部屋を通らないとだめです。地下には行けません。」
そうですか、神城大尉。
「子供を無理やり戦わせるとは!!これが人間のやることか!!!!!」
辻さん落ち着いて・・・。あ、やべ、こっち向いたし。
「あ、あそこにケーブル菅があります。あれからこの施設の情報を取ります。運が良ければセキュリティシステムと研究データを奪いますから、時間を稼いでください。」
メガネさんが言った。
「ボウズはあいつの相手。岩下はボウズの援護だ。田中、ケーブルを切らないようにケーブル菅を壊せ。少佐と大尉はメガネからの情報を見てください。始めろ!!」
ショウガナイ、俺は近接戦だしな・・・。室内戦の中で一番こき使われるのはわかってたよ・・・。
「影を薄くする技」を使い、ガトリングを持った子供の射線に出た瞬間
ダーーーーーーーーーーーーーーー!!!!
あいつなんでわかった!?もしかしてあのゴーグル、サーモグラフィー積んでるのか!?それならどんなに頑張ったってバレるぞ!!イテッ今かすったぞ!!
俺は刀を抜き、銃口の向きから直撃するであろう弾を予測し、弾をはじいていた。
「おい、お前は操られているのか!!!」
今回の作戦はデータ奪取と被験者である子供の救出だ。この子がもし被験者なら、救出対象になる。
「・・・・・・・・・・・・」
そいつは無言のままガトリングを撃ち続けている。クソッ、埒が明かねぇ・・・。俺はその子供接近し、そいつの首に峰で殴った。師匠たちの修行でさんざんやられたからな。どうやれば気絶するかわかる。
そして、その子が倒れようとした瞬間、俺の勘は「そいつに急いで離れろ!!」といった。俺が離れようとした瞬間
ドカーーーーーーーーン
その子は爆発してしまった。俺は爆風をもろにくらい音が聞こえなくなった。
「・・・・・・・・ズ、・・・・・・・・・・・・・じょか。ボ・・・・・」
なんだ?
「ボウズ!!大丈夫か!!」
「ハイ大丈夫です!!」
あぁ、鬼塚中尉が言っていたのか。
「ボウズ、爆発をもろに食らったが大丈夫か!!」
「ハイ!!致命傷はありません!!」
致命傷はないけど、満身創痍だ。ケーブル菅のほうを見ると、辻さんと神城作戦参謀、メガネさんが神妙な顔をしていた。・・・辻さんと神城作戦参謀に話しかけると面倒なことになりそうだ。
「メガネさんどうかしたんですか。」
「あぁ、イブキ君。一応セキュリティーシステムを奪って、データも奪ったんですけど・・・。」
すごいな、メガネさん、この短時間でそこまでやるとは・・・。
「各階に脳に無理やり機械を埋め、体に爆弾を埋め込まれた子供たちが待機しているようです。」
マジかよ・・・。
「これが!!!!人間のやることかっ!!!!!この希信!!!怒りでいっぱいだっ!!!改造もそうだが!!!子供に銃を撃ちストレスを発散し!!!それを訓練だと!!!廃棄個体で遊ぶだと!!!!ふざけているのか!!!!!」
やべぇ・・・辻さんが怒り心頭だ・・・。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・(何か言ってるが聞こえない)。」
神城作戦参謀も何かすごいことになっちゃうし。ハァ・・・・正気に戻させるか。
「辻さん、神城作戦参謀落ち着いてください!!」
「落ち着いていられるかっ!!!」
「(ギロッ!!)」
うわぁ・・・・なんか二人とも、狂気に取りつかれたような顔だよ・・・。
「俺らはその子たちを保護するために来たんですよ!!落ち着いて対処しないと、救える子ですら救えなくなりますよ!!」
「・・・そうだな、確かにイブキ少尉の言うとおりだ。この希信、礼を言おう。」
「・・・そうでしたね。そうだ、落ち着かなければ・・・。」
何とか辻さんと神城作戦参謀は落ち着いたようだ。第一小隊のみんな、なんで俺を神様のように見るんだ?
「その改造された子は助かるんですか?」
「ダメなようですね・・・。もうほとんどが人間じゃない・・・・。」
神城作戦参謀は悔しそうな顔をしていった。
「武士の情けだ・・・。この希信、悔しいが、せめて楽にさせよう。・・・堀二等兵曹、彼らを自爆させることはできるか?」
「できますよ。」
「彼らを・・・自爆させろ・・・。」
辻さんは俯いて言った。
「了解しました。」
メガネさんは強く唇をかみながら、タブレット叩いた。爆発音が連続でした。
「もう一つ、報告があります。なぜか地下で戦闘が起こっています。仲間割れですかね?」
は?なんで戦闘が?
「わからねぇが、助けに行くしかねぇだろ。全員で残敵掃討。一階に着いたら俺と岩下、メガネで脱出用の車を鹵獲。残りで地下へ行って子供たちを助ける。これでいいですか?辻少佐、神城大尉。」
そういって鬼塚中尉は二人を見た。二人はうなづいた。
「おい、田中、‘‘あれ’’持ってきてるか?」
「はいはい、ちゃんと持ってきてますよ。」
そういって普通の手榴弾より一回り大きい物体を出した。もしかして「あれ」か・・・。
そこからの掃討は簡単だった。「あれ」とは田中さんお手製の手榴弾で、ちょっと大きな部屋ぐらいは一発で木端微塵にできるほどの威力だ。田中さんは敵のいるところにそいつを投げ込み、ほとんどの敵をそいつで処理してしまった。また、トラップにも鼻が利き、仕掛けられていた罠を彼一人で解除してしまった。
田中さんの手榴弾の威力はヤバい・・・。爆炎が部屋の外にまで出るとか、映画かアニメでしか見たことなかったぞ。
そうして一階までたどり着き、鹵獲組と別れ、俺と田中さん、辻さん、神城作戦参謀は地下に潜った。地下に潜り、研究者と被験者の子供たちがいる部屋にたどり着いた。その部屋はでかい扉があり、その扉は閉まっている。
「ここは俺がやるか。」
そういって田中さんは扉に爆薬をくっ付けようとしたが、
「待ってください田中さん、俺のほうが早いです。」
そういって俺は刀を抜いた。
「おぉ、そうだったな。じゃ、よろしくな。辻少佐、神城大尉、すこしイブキから離れてください。」
田中さんは辻さんと神城作戦参謀を下がらせた。ありがたい。
「しっ!!」
そういって俺は刀を振るった。その瞬間、扉は音をたて、崩れ落ちた。家族のみんなで「ルパン三世」を見ていた時、石川五ェ門の切るシーンを見たせいか、師匠がこの技を俺に無理やり教えたんだっけ・・・。だいぶきつかったなぁ・・・。なぜか牛若とネロも影響したのか、この技二人も覚えちまったし・・・。
そうして俺は、敵の首謀者と被験者の子供たちに会った。
今回は室内戦なので、岩下一等兵曹の活躍はあまりありません。
ロスアラモスと言えばあの二人ですが、二人は次で登場します。