俺は鬼塚中尉と辻さんを連れ戻すために潜水艦の中に入った。なんなのここ?剥製とか骨格の標本とか沢山あるんだけど・・・。下手な博物館よりすごいぞ・・・。最初は海水の跡を追っていたんだけど、途中でなくなってる・・・。ショウガナイ、すべての部屋探すか・・・。俺は近くにあったドアを開けた。
「フフフ・・・・。ッ!!誰かいたような・・・・。」
銀髪のかわいい女の子がフリフリのドレスを着て、鏡見て笑ってたよ・・・。俺は何も見なかった・・・。
ほかの部屋を見て回り、変装用具一式とナイフ、銃が置いてある部屋を見つけ、そこから色々と拝借した。ただ、そこにあった服は小さくて着れなかった。だから俺は「名も無きブイ」から「海パン一丁にカツラとサングラスをつけ、銃とナイフを持った変質者」にジョブチェンジしてしまった。・・・泣きそう。
人間堂々とすれば意外とバレないもんだな。
「どうもー新入りでーす。相棒のタコとイカのコスプレした人見ませんでしたか?」
ずっとこれ言ってるんだけど、全然不審がられてない。時々、名前聞かれるけど
「ジョニー・マクレーです。」
そう言ったらそれ以上質問されなかった。海パン一丁の武装しているやつを平気でスルーするって、この組織、変人奇人が沢山いるのか?あとマクレーのおっさん、有名人になるよ。やったね!!
潜水艦を探索していると、ある一室から声が聞こえてきた。あそこか?
「どうもー新入りでーす。相棒のタコとイカのコスプレした人見ませんでしたか・・・。」
そこには、二本足で立っている獣と銀髪(?)に近い髪をしたメイドさんがいた。なぜかメイドさんは泣いてた。・・・これ、ブラドとリサだよな。
「あぁ?新入りなんて聞いてないぞ?」
「最近入ったんですよ。ジョニー・マクレーって言うんです。お嬢さん、あなたの名前は?」
「え?私はリサ。リサ・アヴェ・デュ・アンクです。」
やっぱりなぁ・・・。どう思った瞬間、殺気!?慌てて避けたら、俺がいたところにはでっかい槍が刺さっていた。
「新入りなんて聞いてねぇ。それにな、俺は本物のジョニー・マクレーを知ってるんだよ。テメェはここで死ねぇ!!!!」
そういってブラドは腕を振るった。って、あのままだとリサに攻撃が当たる!?俺は慌ててリサを抱え避けた。
「リサ!!危ないから隠れろ!!この野郎!!こんなかわいい子泣かせやがって!!まるで勇者と魔王だな・・・。」
前世は中高ともに男子校なんでね、かわいい子を泣かすのはすごく頭にくる。それにこのシチュエーション、まるで攫われたお姫様を助けに来た勇者だな。・・・勇者が海パンだけなのが笑えるが・・・。まぁいい、騒ぎを起こすのは厄介だ。あと、こいつ殺しても問題は起きないんだっけ?ならこの技で仕留める!俺はその場にルーンとヒエログリフを刻んだ。
「‘‘反魂蝶’’!!!」
その場から大量の光る蝶が出てきてブラドを襲った。こいつは魔術の時間にニトから教えてもらった物だ。本当は苦しんだ顔をした人魂もどきが出てきて、敵を即死させる、という魔術だった。でも、さすがにそんな人魂もどきを使いたくないじゃん・・・。祟られそうだしさ・・・。そこで師匠がその人魂を蝶の姿にするMOD・・・間違えた、ルーンを作ってくれ、さらに師匠はその術自体も簡略化してくれた。ほんと師匠様様です。
しかし、効いてるようだがブラドは死なない・・・。FGO風に言うと、即死は入ってるんだけど、連続してガッツで耐えてるから一向に死なないって感じ。そういえば、リサが俺を驚いた顔をして見てるんだが・・・。
「ゲバババババ!!俺は魔臓がある限り不死身だァ!!!」
そうか、魔臓の場所なんて忘れちまったしな・・・。原作読んだのももう10年以上前だし・・・。ショウガナイ、師匠直伝「不死殺し」をやるか!!俺は持っていたナイフに力を入れた。
よかった。ブラドの肉体は哺乳類に近い。これなら何とかなりそうだ。
「テメェの首はいらねぇ!!べらんめぇ!!命置いてけよ!!命置いてけよ!!なぁ!?なぁ!?」
「わ・・・悪か・・・ヤメテ・・・」
そう!師匠直伝「不死殺し」とは、「相手の精神が死ぬまで痛めつける」です。肉体は不死身でも、精神は不死身じゃないやつが多いからな。
「なんだ、まだしゃべれるのか。足りねぇようだな!!」
・・・なんか、客観的に見ると俺のほうが悪者だな。って、そういえば俺は鬼塚中尉と辻さんを追いかけに来たんだった!!急がないと!!俺は治癒を抑えるルーンと体内時間を遅くするヒエログリフをブラドに刻んだ。そして
「イピカイエー・マザーファッカー!!」
とどめにナイフを頭に刺し、リサのほうを向いた。なんかこの子、すごく目を輝かせてるんだけど・・・。
「リサさん、タコとイカのコスプレした男二人組知らない?」
「リサとお呼びください。勇者様。」
・・・やっちまった。
「リサ、タコとイカのコスプレした男二人組知らないか?」
「はい、教授の部屋のところに行きましたよ。リサが案内します。勇者様。」
そうして、リサは俺の手を取り、案内してくれた。あの、リサさん?俺は勇者じゃないですからね。それに俺の手、血と肉片がついてるから汚れるぞ。
リサが案内してくれた部屋に入った。すると、オールバックの青年と鬼塚中尉と辻さんが戦っていた。というか、押されてるとはいえ、鬼塚中尉と辻さんが素手でシャーロックと互角の勝負してるってマジかよ!?
「君たちは誰なんだい!?僕の推理でもわからないよ!?」
「‘‘通りすがりのタコ’’よ!」
「‘‘偶々いたイカ’’だぁ!!」
・・・まだその設定続けてたんだね。
「「テメェ(貴様)!!どこのもんじゃぁ(だぁ)!!!!」」
「イギリス出身だね」
教授さんよ、律儀に答えなくていいから。
「鬼畜米英だオラァ!!」
「イギリスが我が領海に入り挑発だと!!このイカ!!憤慨だ!!!」
・・・帰る準備するか。
「リサ、この潜水艦から脱出できて、日本まで送ってくれるっていう便利な乗り物とかある?」
確か原作だと、魚雷を改造した乗り物があったような・・・。
「はい、ありますよ。案内しますか?」
「うん、ちょっと待って。」
はぁ、あの二人を止めなきゃ・・・。
「イカさん!!タコ中尉!!撤退するので戦いを辞めてください!!」
「「ふざけるなぁ!!祖国を蹂躙するが如く!!なめ腐った挑発行為を!!見逃せというのか!!」」
・・・聞いてくれないか。ショウガナイ、嘘も方便だしな。
「このままだと敵の思うつぼです!!囲まれてしまいます!戦略的撤退!転進です!!」
「なんだと!逃げるぞ!!ボウズ!!」
「この希信!一生の不覚!!危うく敵の策謀にはまるなんて!!」
そうして、鬼塚中尉と辻さんは俺のほうへ急いで逃げてきた。
「君も僕の推理にない!!君は一体誰なんだ!?」
「ただの‘‘名も無きブイ’’だよ!!べらんめぇ!!リサ!!案内してくれ!!」
「はい!!」
俺たちは走った。
騒ぎを聞いたのか、道中でいろんな人が妨害しようとしていたが、先頭を走る鬼塚中尉と辻さんの手によって難なく障害を突破していた。あの二人、すごいな・・・。
「ってそっちじゃないです!!右です!!」
「早く言え!!ボウズ!!」
あんたらが先頭突っ走るからだろ・・・。
リサは俺たちをたくさんの柱があるところへ案内した。え?これってもしかして・・・。
「これに乗れば日本に帰れますよ、勇者様。」
「う、うん。ありがとう。」
その柱の中にハッチがあって、そこに乗れといった。これICBMを改造した奴だよね・・・。
「勇者様、勇者様の本当の名前はなんていうんですか?」
・・・どうしよう。言わなきゃいけないかな。でも、案内してくれたんだよな・・・。
「村田維吹、イブキって呼んでくれ。」
「はい!!イブキ様!!」
「ボウズ!!早く乗れ!!」
「ブイ少尉!!早く!!」
まだその設定生きてるのかよ!!
「じゃあね、リサ」
「はい!!」
そうしてハッチを閉めた。リサがその時なんか言っていたような気がするが気のせいだろう。
そして、ICBMはゆっくりと宇宙空間へ飛んで行った。
「イタイイタイ!!鬼塚中尉!!辻さん押さないで!!」
「狭いんだからしょうがねぇだろ。」
「イブキ少尉!!この希信も我慢している!!」
二人乗りであろうものに、ガタイがいい3人が乗り込めば狭っ苦しい・・・。そうして俺たちは宇宙空間へ行った後、駐屯地の演習場へほぼ直角のまま落ちていった。
あとで聞いた話だが俺が寝ている時、部屋にガスを流し、完全に寝たところを拉致ったらしい。そこまでして領海守ろうとするのかよ・・・。
俺たちが宇宙空間にいる頃、第2中隊兵舎の一室で田中さん、岩下さん、メガネさんは一つのPCを見ていた。そこには「三角諸島の真実」という題の動画があった。
「深夜0時ごろアップロードされたみたいですよ。」
その動画には、某国漁船が海保の船に体当たりした様子が映されていた。
「流出とはな・・・中尉はこの動画見たのか?」
そう田中さんが聞いたら、岩下さんが
「さぁ・・・知らないッスけど。」
と答えた。
「こんなもん見たら、相当ブチギレるぜ、あのおっさん。」
「いきり立って、現地に乗り込みそうッスよね。」
「そこまで馬鹿じゃねぇだろ。」
「「っはっはっは」」
田中さんと岩下さんがそう言って笑っていた時、メガネさんは動画にある物を見つけた。そこにはタコのコスプレをした鬼塚中尉、イカのコスプレをした辻少佐、諦めた顔をして水泳帽をかぶるイブキが漁船を追い回していたのだ。
「ちょっと!!これを見てください!!」
流石にメガネさんも驚いた。そしてメガネさんはその写っている部分を田中さんと岩下さんに見せた!!
「タコとイカとブイだろ?」
「タコとイカとブイ、ッスよね?」
「・・・タコと・・・イカと・・・ブイ・・・ですか・・・。」
演習場にICBMが落ち、そこからイブキ、鬼塚中尉、辻中佐が出てきて驚いた数時間後、メガネさんは一人でパソコンをいじっていた。メガネさんは動画のタコとイカとブイに疑問を持ち、その部分を何度も見ていた。そういえば中尉のブログはどうなってるんだろう。急にメガネさんはそう思い、中尉のブログを覗いた。そこには海パン姿の中尉と辻少佐、海で浮かんでいるイブキ、そして大きな潜水艦の写真があった。
「部下と上司で一緒に南の島に行ってきました。
だいぶ日に焼けました★
場所は秘密です(爆)」
メガネさんは考えるのを止めた。
「自由な人だなぁ・・・。」
次の日のニュースでは
「総理は本日記者会見を開き、記者団の前で国内法に基づき、粛々と餃子を食べました。」
「えー、今回輸入に踏み切ったこの餃子は安心して食べてもらって大丈夫です。レアアースより餃子のほうがいいですね、ええ。だってレアアース食えないですしね。」
・・・あぁ、天国のお父様お母様、家にいる家族のみんな、かなめ、今日も日本は平和です・・・。
そして、俺と鬼塚中尉、辻さん、神城さんは中隊長の部屋に呼び出された。
なぜ二人でとはいえ、シャーロックと互角に戦えたのか。生身で空挺して無事な人に攻撃なんて効かないでしょ。という理由です。あれ?ということはイブキも・・・。
不死?そんなの精神を殺せば終わりでしょ?