俺は起きると、ベッドに鎖で繋がれていた。え?
「イブキ、起きたんだね。」
俺の横に瞳孔が開いたエルが座っていた。
「あのエル?なんで俺は鎖で縛られてるの?なんとなく想像はできるけど。」
大怪我したままで家族に何も言わず病院を抜け出し、瀕死の重傷をして帰ってきたわけだしなぁ・・・。でも抜け出すこと伝えれば、絶対だれか来るし、理子を殺そうとするよな・・・。
「イブキ、僕って価値はないのかな。僕は君が使う兵器に過ぎない。兵器をどう扱い、どう思うかは君の自由なんじゃないかな。だけど、僕を連れて行ってくれなかった。そして、イブキは傷ついて帰ってきた。僕に価値はないのかい?無いのなら無いと言ってほしい。廊下に出て自爆するだけだから。」
エルがすごいこと言ってきた!?・・・まじめに話さないとだめだよね。
「まず、エルに価値はないなんて思ってない。俺の掛けがえのない家族だ。それだけは覚えておいてほしい。そして、俺はエルを兵器として見てないし、見たくない。家族を兵器としてみたくないから。それに兵器なら今のようなことは言わないはずだ。兵器とは無感情であり、命令に忠実であり、最低限の思考しかしない。だから、‘‘価値がないなら自爆する’’なんて言わないはずだ。だけど、兵器として壊れているかもしれないけど、俺は今のエルを好ましいと思ってる。だかr・・・。」
「マスター!?起きたのですか!?玉藻心配したんですよ!?」
玉藻が部屋に入り、慌てている。慌てすぎて完全に素が出ている。その後、ネロ、牛若、ニト、師匠、エジソン、ベオウルフが来てみんなからステレオで怒られた。俺はこの世界の両親はいなくなったけど、叱ってくれる家族がいたんだなぁと思うと、うれしかった。
「このぐらいで瀕死とは情けない。怪我が治ったら修行を10倍に増やすか。」
「そのほうがいいな。このぐらいの殴り合いで倒れるのはなぁ。」
「ふむ、特訓用の機械を発明しよう!!」
「流石に10倍はきついよ!!!」
俺は家族からお叱りを受け、みんなはいったん出ていった。流石に授業があるからしょうがないか。
「エルちょっと待って。」
「なんだい?」
エルはこっちに来てくれた。
「俺は例え、兵器として壊れているとしても今のほうがいいと思う。ったく、よくもまぁ、こんな恥ずかしいこと言ったなぁ。それだけ。」
俺はそう言ってベットに包まった。エルの笑い声が聞こえたような気がするが大丈夫だろう。きっと・・・。
その後、矢常呂先生が来て、俺の状態を教えてくれた。
「前回の傷が癒えてないのに、新しく銃創7箇所、火傷に14箇所の金属片の食い込み。あなたは死にに行きたいの?」
そんなありがたい言葉をもらった。
キンジとアリアも見舞いに来てくれた。二人によると、飛行機は角山中隊長のおかげで無事羽田に不時着したらしい。また、もう少しコンビを組んでみようと思っているようだ。。それはよかった。
「そういえば理子のことなんだが・・・。」
「どうしたキンジ。ちゃんと理子は留置所だろ?」
「それがな、護送中に逃走して、そのまま行方不明らしい。」
理子の護送中に護送車が何者かに襲われ、そのまま理子は逃げていったそうだ。俺がここまでして捕まえた意味なかったよね・・・。
「キンジ、俺は疲れた。不貞寝させてもらう。」
「あ、あぁ。お大事にな。」
不貞寝しても、理子が脱走した事実は変わらなかった。
不貞寝して起きた後、携帯が鳴った。この電話番号は・・・。
「もしもs・・・。」
「お兄ちゃん!!死ぬ寸前だったって本当ですか!?」
「えっと、粉雪?落ち着いてほしいんだけど・・・。」
「お兄ちゃんが死んだって聞いた時、私は!私は!!」
そう言って、粉雪は泣いてしまった。悪いことをしたなぁ。
「粉雪、ゴメン。こういうことが無いように海軍に入ったのに・・・研修で武偵高に行っちゃって。危ない真似はしないようにするから。」
その後、俺は粉雪に叱られた。
粉雪からのお叱りを受けた後、俺は嫌な予感がしてパソコンを開いた。するとスカイプでかなめからテレビ電話が来た。
「イブキにぃ!!心配したんだよ!!死んだって聞いてどう思ったかわかる!?」
かなめの目にはクマと涙があった。
「ごめんなさい。」
「イブキにぃが生きてて・・・本当に゛よ゛がっだぁああ!!」
かなめは泣き出してしまった。俺は謝り続けるしかなかった。
かなめが落ち着き、ある程度話してスカイプは切った。メールには27件ほどメヌエットからのメールがあった。俺は最初と最後のメールだけ読んだ後
「心配をかけてしまい、誠にすいませんでした。後悔はしてませんが反省はしています。今後はこのような無茶をしないよう努力してまいります。」
と送った。
俺は一週間後には退院できた。矢常呂先生は驚異の回復力だ、ありえない、みたいなこと言っていたけど気にしない。それで俺は寮の部屋に帰ると、アリアが部屋を要塞化していた。何言っているかわからないと思うけど、俺もこの状況を理解できてない。
「あの?アリアさん?人の部屋に何してるんですか?」
「見てわからないの?部屋を要塞化してるのよ。」
「何でそんなことしてるんだ?」
「ボディーガードをやるからよ。アンタもやるのよ!!」
何それ、初めて知ったんだけど。
「・・・怪我人に仕事しろというのか?」
「あんたには無理しない程度でやってもらうわ。流石に重症の怪我人を前線に出すほどあたしは鬼じゃないわ!!」
怪我人にボディーガードやらせるのは鬼じゃないとでもいうのか?まぁ、体鈍っているだろうし、多少はイイかな。すると、白雪と桐のタンスを運んでいるキンジが来た。
「イブキ、退院したのか?おめでとう。」
「あ、イブキ君。退院おめでとう。」
「あぁ、二人ともありがと。ところでボディーガードやるんだって?俺も参加するみたいでな。対象者って誰だ?」
「それって私のことだよ。」
白雪!?なんで!?
諜報科とSSRから白雪が「魔剣」に狙われている、という情報があったらしい。アリアは「魔剣」の逮捕を狙っているため無償で白雪のボディーガードになった。ついでにキンジとアリアが同棲していたそうなので、白雪もここで一緒に暮らす!!ということになり、急遽この部屋を要塞化しているそうだ。・・・待とうか、キンジが同棲してる?
「おいキンジ。お前同棲してたなんて聞いてないぞ。まさか、俺がいないからってしっぽりやりあってたんじゃないだろうな。」
「そうなの?キンちゃん・・・。」
白雪は刀に手をかけ、瞳孔が開いた。
「そ、そんなわけないだろう!!それに白雪、おまえには説明しただろ!!アリアが部屋から出ていかなかったんだよ!!」
なんだ、やっぱりか。
「とりあえず俺の部屋はいじってないよな?」
「アリアにも釘刺したし大丈夫だろ?入ったらあの時のように怒るぞって言っておいたし。」
俺ってそんなに怖いかねぇ?
部屋の要塞化&白雪の私物運びの手伝いをしていたらキンジがいつの間にか消えていた。あの野郎サボりやがったな。手伝いが終わるとアリアが警護よろしくと言って、キンジを探しに行った。どうせだからと白雪と夕飯を作っているとキンジとアリア、それにサーヴァントの4人が帰ってきた。今日の夕飯はカニチャーハン、エビチリ、酢豚、餃子にミニラーメン、アワビのオイスターソース和え・・・。流石に作り過ぎじゃないですかね。料理の手伝いだって何時もは「これ切って」とか「これ見ておいて」程度なのに、今日にいたっては「これやったら、あれやって、これ見ながらあれもやって!!」みたいな感じでしたよ・・・。
「食べて食べて。全部キンちゃんのために作ったんだよ。」
そう言って白雪はジャスミンティーを人数分持ってきた。みんなで「いただきます」をした後、キンジが箸をつけ
「お、おいしいですか?」
と白雪が聞いた。
「うまいよ」
キンジがそう言ったら白雪はだいぶ舞い上がっていた。あぁ、お熱いことで。でも白雪さん?アリアに何にも出してないのはどうしてですかね?
「で?あたしの席には食器がないのかしら?」
「アリアはこれ。」
そう言って白雪はドンッとアリアの前に割りばしが刺さっているドンブリ飯を出した。
「なんでよ!!」
「文句があるのならボディーガードは解約します!!」
白雪がそう言うと、アリアは諦めて飯を掻き込み始めた。流石に冗談のようで、ある程度たったら取り皿を白雪が渡していたけど。
4人も泊まりたいと言ってきたが、着替えの問題、人数の問題を出して何とか自分たちの部屋へ帰らせた。その後、キンジとアリアがテレビのチャンネルを巡って争い、俺は銃の簡易整備をしていた。すると白雪はお札?みたいなものを持ってきた。
「キンちゃん、あのね、これ・・・巫女占札っていうんだけど。」
「巫女せん・・・?」
「占いの道具じゃないか?」
俺がそう言うと
「うん、キンちゃん将来のことで悩んでいたから、占ってあげようと思って。」
「よかったなキンジ。現役の格式高い神社の巫女さんに占ってもらって。」
「じゃぁ、やってもらおうかな。」
キンジがそう言うと、アリアも一応女の子なのだろうか、占いには興味があるらしく、何々?と言って近寄ってきた。
「キンちゃんはなにがいい?恋占いとか金運占いとか恋愛運、健康運、恋愛占いとかあるけど。」
「数年後の将来について占ってくれないか?」
白雪はそんなに恋に関して占いたかったのかよ・・・。キンジが答えると、白雪はその札を並べ始めた。
「どうなのよ。」
アリアがそう言った時、白雪の表情が曇った。そのあとすぐに顔を戻し、
「総運、幸運です。よかったねキンちゃん」
「おい、それだけかよ。何か具体的な事わからないのか。」
キンジよ、さすがに占いだぞ。そこまで詳しいことはわからないだろ。
「え、えっと。黒髪の女の子と結婚します。なんちゃって。」
明らかに作り笑いな白雪。なんかいい結果じゃなさそうだな。
「はい!!じゃぁあたしを占ってよ!」
アリアが机から身を乗り出して言った。
「生年月日は言わなくていい?私は乙女座よ。」
「へぇ、似合わないね」
白雪はそう言って適当に一枚を引き
「総運ろくでもないの一言に尽きます。」
「白雪、俺を占ってくれ。外国行くと絶対ケガして戻ってきたり、最近も色々あって何かに憑かれてるような気がしてなぁ。何か憑いてるか憑いてないか、あとちょっとした将来でも占ってくれないか?」
喧嘩になる前に俺を占ってもらうことにした。
「わかったよ。」
白雪がそう言って札を並べた瞬間
ダァン
札に弾が着弾した。え?
「ど、どっから飛んできたのよ!?ってイブキの銃から!?あんた弾抜いときなさいよ!?」
弾は俺の整備していた銃の方向から飛んできたようだ。
「いやいや!?俺銃に弾なんて入れてないし、弾倉入れてないぞ!?それに弾倉にすら弾入れてないぞ!?」
俺は銃を組み立てた後、銃本体・弾倉・弾に分けておいたはずだ。
「そうみたいだな。薬莢があんなとこまで飛んで行ってる。暴発か?」
キンジは空薬莢を見つけ、なぜそうなったか推理した。
「「「「・・・・・・」」」」
占いの時に暴発し、札に弾が当たる・・・。俺は得体のしれない恐怖を感じた。
「あ、あたしもう寝るから!!お休み!!」
「そ、そうだな。明日も朝練あるし俺も寝るわ。白雪、イブキお休み。」
「お、俺怪我人だし、早く寝て傷を癒さないと。お休み。」
結局、俺は結果も知らないで早く寝ることにした。
「イブキ!!銃ちゃんとしまっておけよ!!」
「あ、忘れてた。」
リビングに戻って銃を片付け、俺は布団に包まった。
普通、銃弾単体で暴発はしません。よっぽどの特殊な状況下にある限りは暴発はしません。でも、今回は・・・。
ダイ・ハード(第一作)を見て、またダイ・ハード書きたくなりました。でも残ってるのはダイ・ハード3,4,5だしなぁ・・・。とりあえず、4はエリア51の時と関連させるとして、3は香港か欧州かで迷ってます。別に東京でもいいんだけど、ジョニー・マクレーとは海外でばったり、からの事件に巻き込まれる、っていう風にしたいからどうしても国内でやるのは難しい・・・。って香港戦、欧州戦、それにエリア51とかだいぶ先じゃん・・・・・・。頑張らないと・・・。