俺は進められるままリビングへ行き、ソファーに座った。
「イブキ様、お茶です。」
「あ、ありがとう。」
俺はそしてお茶をグイッと
「あつつ。」
「大丈夫ですか!?」
「あぁ、大丈夫だから。」
ってこんな事してる場合じゃないな。
「リサ、単刀直入なんだが、なんでここに?」
なんとなく理由はわからんでもないけど、一応・・・。
「はい、リサの・・・いえ、私のご主人様になってください!!」
・・・某武偵さんの「ドレイに・・・」よりは断然いいと思うんだけど、真逆だねぇ。
「パーティーに入れてくださいっていう意味じゃないよね。」
「はい。リサをメイドとしてお傍においてください。」
マジか・・・。でも会ったのって潜水艦だよね。たった一回だけど・・・なんで?
「俺と一回しか会ってないよね。なんで俺なの?」
「はい。イ・ウーで運命の勇者様に出会えずに悩んでいた私は、シャーロック卿に御助言をいただいたことがあるんです。そこで卿は言われました。私がお仕えするお方は東からくる。ちょっと目つきが悪くて、しゃべり方はぶっきらぼうで女たらし・・・。」
ちょっと待て、目つきが悪いとぶっきらぼうはショウガナイにせよ、女たらしはないだろ・・・。それはキンジだ。
「そのお方と運命の時を迎える際の光景も、卿は予知しました。渡り蝶を空に見るとき、と。それはあの時の潜水艦で会った時です!!私は運命の勇者様に巡り会ったのです!!」
うん、あの技出さなきゃよかった。うーん人違いですって言おうにも、感動でリサの翡翠の瞳に涙が・・・。
「ですからイブキ様。どうかリサのご主人様になってください。どうぞリサをメイドとしておそばにおいてください。」
・・・誠にどうしましょう。確か原作だと、この子はあのキンジに仕えようとしたんだっけ?あのキンジに仕えようとするってことは、ひどい言い方をすると自分を確実に守ってくれる強い奴に仕えたいってところか?
「リサって何ができるんだ?」
「はい。お料理、お洗濯、お掃除、リサは何でもします。ご主人様が望むことなら何でもいたします。その代り・・戦いたくない、傷つきたくないリサに代わって、その御手に銃を、剣を持ってください。そうして、リサを苦しめるものから救ってください。」
「なぁ、もし断られたらリサはどうする?」
「え?リサはシャーロック卿にお別れをしてしまいました・・・。帰る場所がありません・・・。」
リサが泣きそう・・・。はぁ、かなめだけ拾ってリサは捨てるってできないよな。
「わかった。でもご主人様にはなれない。」
「え?」
「形式上はなるけど家に帰ってまで上下関係があるのは嫌だな。家では主人とメイドじゃなくて家族としてなら・・・。まぁ、仕事中に上下関係で苦労するのに家でも上下関係とか・・・ねぇ。」
ただでさえ鬼塚大尉に辻さん神城さんで苦労しそうなのに・・・。家でも畏まられたら・・・。するとリサは泣いてしまった。え?マジ?ご主人様じゃないと嫌なの!?
「え・・・いや・・・リサの主人になるのがイヤってわけじゃないんだよ。ほら、主人とメイドって固い関係より、こうフランクなね、家族のような・・・」
「いえ、嫌じゃないんです。うれしいんです。」
そう言ってリサは泣きながら笑顔を作り、
「村田イブキ様。リサのご主人様。リサはイブキ様を元気づける妹になります。慈しむ姉になります。お母様にもなれるよう努めます。イブキ様の身の回りのお世話はみんなリサがして差し上げます。イブキ様の家族の一員になれるよう頑張ります。だから、どうかリサと一緒の時は家族と一緒にいるように、寛いでおすごしくださいませ。今からこの身は全て、頭から爪先までイブキ様の所有物です。」
リサは跪き、胸の前に手の平を組んだ。うん、待とうか。いまサラリとすごいこと言わなかった?こう、リサの体は俺の物みたいな。
「「「「「「ただいまー」」」」」」
キンジ、白雪、サーヴァント4人が帰ったきた。そしてこっちをガン見・・・。あ、泣いている美少女が俺に跪いている。
「ちょっと待とうか。」
ジャラジャラジャラジャラ、チャキ、
「浮気だね!わかるとも!!」
「決まっておろう。浮気者には、この世の地獄を味わわせるのみだ!」
「同盟者とあろうものが女を泣かせるとは・・・どういうことですか!!」
「主殿のお客様ですか?」
そう言ってエルは鎖で俺を拘束し、ネロは原初の火を俺へ構え、ニトの後ろにはメジェド様が・・・。牛若はただの客と思っているようだ、流石天才よくわかってらっしゃる。
「ちょっと待って!!落ち着いて!!」
「イ、イブキ様!?」
俺はまだ怪我が癒えてないのにも関わらず、リサは俺の知り合い、最近家族になったという事を何とか肉体言語で説得した。
「こう・・・胸が締め付けられるような・・・これはどう言うのだろう・・・どう、言うのだろうね。」
「うん、わからないからって感情で動いて、鎖で拘束しないでください。」
未だに瞳孔開いたまんまだけど、もういいや。
「そのことを余に早く伝えよ。そなた、なかなか美しいよな。」
「ネロ様、伝える間もなく抜きましたよね、後ナンパしない。」
ネロはリサを口説きに・・・。
「わ、私は最初からわかっていましたよ。」
「違うよね、メジェド様けしかけた後気づいたよね。メジェド様けしかけた後気づいた素振りしてたけど攻撃したよね。」
ニトは謝ってくれたけど、最初からわかってたはないでしょ・・・。
「主殿のお客様でしたか。牛若丸と覚えてください。」
「イブキ様!すでにメイドがいたのですか!?」
「牛若、間違えないとは偉いな。あと、リサ牛若はメイドじゃないから呼び方訂正してもこのままだから諦めただけだから。」
なんかリサも大きな勘違いしたようだけど、何とか訂正・・・。
「えっと、とりあえずあんたの名前は?」
そう言ってキンジはリサに尋ねた。
「はい、イブキ様の新しい家族であり、メイドであるリサ・アヴェ・リュ・アンクと申します。あなたはキンジ様ですね。えっとそちらは・・・キンジ様の奥さまですか?」
リサが盛大な間違いを犯した。
「キンちゃんの奥さんの遠山白雪です!」
「違う!!こいつは星伽白雪!!ボディーガードの対象者なんだ。」
キンジは訂正したものの、白雪は「奥さん・・・奥さん・・・お嫁さん、キャー」などと呟きながらだいぶ浮かれている様子。
「とりあえず飯にでもするか・・・。今日の当番俺だっけ。
そう言って俺は台所へ行こうとすると、
「イブキ様!!リサにお料理をさせてください。」
そういえば料理ができるんだっけ?
「そうだな、お願いできるか?」
「はい!!」
リサは肉団子やコロッケのようなもの、豆のスープ、そしてご飯を作った。とても楽しそうに作っていたな、きっと家事が好きなのだろう。なるほど、メイドは天職だな。玉藻のキャラを取られたような気がするけど、戦闘ができるかできないかで居場所の分別ができるし大丈夫だろう。実際今も玉藻が家にいるのって家の防衛も兼ねてるし。
「イブキ様どうですか?」
「うまい!!ありがとう!!」
「はい!!」
チクショウ、うますぎるんだよ!!こんなの食ったら戦闘糧食なんて食えなくなるだろ!!戦闘糧食は一定の時期になったら消費し、新しい糧食に変えておくんだけど、消費する日のテンションダダ下がりになるぞ!!
「ほう!これはうまい!!リサよ、余の専属料理人にならぬか?」
「うん、この味を・・・おいしいというんだね。」
「リサ殿!!美味しいです!!」
「このスープ、懐かしいですね。」
「これはうまいな。」
「リサさん、洋食を教えて!!私、和食得意だから教えるよ!!」
みんなにも大好評のようだ。
「これからもよろしくなリサ。」
「はい!!」
夕食を食べた後、デザートのフルーツとお茶を飲みながらリサの今後をどうするかという話になった。
「リサはカバン一つもってここまで来たと・・・。泊まるとこどうしよう・・・。こっちか、女子寮のほうか・・・。」
「リサはイブキ様のおそばにいたいです。」
だろうと思ったけどさ・・・。
「ずるいぞ!!余もここに泊まる!!」
「主殿のそばにいたいです!!」
「あなたの世話をするのは私の役割。私が泊まるのは当然です!!」
「僕は・・・いらないのかい?」
リサをこっちに泊めると、4人に不満が・・・。さてどうしよう。まて、逆に考えるんだ。今はボディーガード中・・・。泊めるんじゃない、ボディーガードとして雇うんだ。
「キンジ、泊めても大丈夫か?」
「いや、それはさすがに・・・。」
キンジは反対か。
「でも、お前。アリア泊めてたんだっけ?しかも俺のいない間に?自分はよくて俺はダメか。わかった。」
そうすると5人はキンジを非難するような目で見た。
「いや、あのな・・・。」
「ボディーガードとして雇う。それならいいだろ?寝るところは白雪のところ。寝る時の守りは薄いからもってこいだろ?」
「・・・わかったよ。でもベットが足りないぞ。」
「俺のを使わせればギリギリ足りるだろ。俺は軍のお下がりのハンモック使うから何とかなる。」
ずっと昔に在庫整理と言われてハンモックをもらったことがあった。よくもまぁ、あんな骨董品を今まで保管していたなぁと思うくらいの古さだけど。
「泊まるならボディーガードをタダですることが条件。いいか?」
4人は急いで部屋を出ていった。荷物を取りに行ったようだ。
4人が荷物を取りに行き、リサが夕食の後片付けをしている時、キンジと白雪はPCを覗いていた。白雪はすごく喜んでいる。
「おう、お二人さん。何見てるんだ。」
そうしてPCを覗くとあるサイトが表示されていた。
「東京ウォルトランドの花火大会?」
「あぁ、白雪と行こうと思ってな。葛西臨海公園から見ようと思って。」
こいつボディーガードだよな。
「ボディーガードをして花火大会ってお前大丈夫か?」
「葛西臨海公園ならそんなに人いない。それにずっと引きこもってばっかりじゃストレスたまるだろ。」
「はぁ・・・ちゃんと考えているんならいいけどよ。気をつけろよ。」
「わかってる。」
キンジと白雪の二人の時間は邪魔したくないけど、たった二人って言うのもなぁ・・・。俺がついていけばリサにサーヴァント4人は付いてくるし・・・。うん、レキに頼んで見張っていてもらおう。俺はレキにメールでキンジと白雪の監視を頼んだ。とすると、明日暇だな。リサの件を話すにしても急に家に帰れないだろうしどうしよう。
「「「「ただいまー」」」」
4人が帰ってきたようだ。まぁ、リサと家族にあいさつ回りでもいいかな。
「おかえりー」
「ちょっと待って。ネロにニト。その異常な量の荷物は何?」
二人は荷物が異常に多く、メジェド様などにも持たせている。
「何を驚くことがある。余は皇帝だぞ。これでも荷物を少なくしたのだ。」
「私はファラオですよ。それに、あなたの世話をするのは私の役割。荷物が多くなって当然でしょう?」
結局俺のほうが折れて、荷物は俺たちの部屋の物置き場に保管されることとなった。
流石にバイト四日連続はきつかった。ゆっくり進めていたけど、大分難産でした。