だけど単位から遠のくの~
・・・言ってて悲しくなった。
俺と理子の二人は大分苦戦していた。突っ込んでくるカツェ=某と手下数名、艦橋からその手下達の援護射撃、スツーカからの援護射撃と矢の援護射撃・・・。本来であるならば俺が突撃し、理子が支援するのが一番の理想ではあるのだが・・・理子ではスツーカと矢の対処ができない。そのせいで、理子がフロントを守り、俺が支援するという変則的な戦い方をしていた。
いやぁ・・・どれかを狙わせないようにスツーカ、弓兵、手下の機銃手がうまい具合に連携してやがる。そのおかげで理子のほうへ援護が行ってないのはありがたいが・・・。理子のほうも6、7人いっぺんに来られてるから守るので精いっぱいだ。うん・・・これじゃジリ貧だな。
2キロ離れた弓兵・・・25ミリ機銃だと射程圏内だけど、しっかり狙わないと当たらない。(そんな余裕はない)
スツーカ・・・25ミリ機銃で対処可能。潜水艦ごと俺をヤルことができるので早急な対処を
艦橋の機銃手・・・対処可能。しかし接近しなきゃいけない。その間、弓兵とスツーカに狙われる
カツェ=某の手下たち・・・対処可能。しかし、接近させまいとスツーカと弓兵、機銃手が頑張っている。
一番厄介なのはスツーカか・・・。あのスツーカ乗りは潜水艦ごとヤル、とまで考えてないようだ。俺と理子が潜水艦の甲板に乗ってから、あの巨砲は撃ってないしな。・・・ん?潜水艦?・・・そうか、鬼塚少佐と同じことすれば何とか・・・
「理子!!スツーカをヤったら入るぞ!!」
「イブキ!!正気か!?」
おっと、今は裏理子のようだ。でも何やるかは伝わったようだ。
「各個撃破するしかないだろ!?安心しろ!!今まで2回こういうことやってるからよ!!」
ビルと空港な・・・。それに今度は潜水艦も入るのか・・・。
「わかった!!」
了解したか。
「おらぁああああああああ!!」
俺は一瞬「影の薄くなる技」を使い理子の傍まで行くと、25ミリ機銃を連射しながら理子と戦っていたカツェ=某含む6、7人をふっ飛ばした。俺と理子はそのまま艦橋の元まで走る。今のうちに弾倉交換だ。
タタタタタ・・・ヒュンヒュン
スツーカが超低空で俺たちの後ろから撃ってきた。矢も飛んでくる。
「ッ!!!」
俺に今弾が当たった。そのままスツーカは俺達を追い越そうと腹を見せ・・・ここだ!!弾倉交換が終わった25ミリ機銃をスツーカに向けた。
ドンッドンッドンッドンッドンッドンッドンッドンッ!!
この至近距離、当たらないほうがおかしいぜ!!
ブロロロロロロ・・・ドーーーン!!
スツーカは主翼が折れ、そのまま海へ落ちてしまった。っへ、ざまぁ見やがれってんだ。
ヒュンヒュンヒュン
「ッ!!!」
俺の腿に矢が刺さった。クソッ、矢が当たらないところへ・・・。
俺と理子はタンカーとは逆側の艦橋の根元で小休止をしていた。
「イブイブ、止血した?」
理子は拳銃を撃ちながら俺に聞いてきた。流石は理子、俺が血まみれになっていても驚かない。
「今してる。」
俺は「4次元倉庫」からガーゼと包帯を取り出し、止血を始めた。ありがたいことに銃弾は全部貫通してる。
「ムンッ!!」
そして腿の矢を抜き、ガーゼを当てた。よし・・・これで止血は完了。理子の援護のために立ちあがった瞬間
ガシッ!!
「は?」
俺の足が何かに捕まれたせいで俺は転んでしまった。俺は自分の足を見た。そこにはずぶ濡れの飛行服を着て、長い金髪を後ろで一纏めにした女性がいた。その女性の顔は、まさにヨーロッパ系といった感じに彫りが深く端正な顔だが、鼻に大きく横一線の傷があった。
え?もしかしてスツーカのパイロット!?見た感じ、ケガがない。おい、飛行機ごと海に落ちたんだのに無傷とか鬼塚少佐並の頑丈さだな!?俺は呆気に取られてしまった。
すると彼女は立ち上がり、腰の拳銃を抜いた。そのまま俺に向けようと・・・ヤベェ!!俺は急いで彼女の拳銃をはたき落とし、組み伏せ、彼女の額に14年式を構えた。
「降参だ、降参。降伏する。」
彼女は体の力を抜き、抵抗を辞めた。
「捕虜取れるほど余裕ないぞ。」
こんな時に捕虜取っても逆に負担になる。
「何、お前達の後ろをついて行くさ。」
「お前何言ってるの!?」
捕虜が戦闘中の敵前線部隊について行くなんて聞いたことないぞ!!
「ところでお前、アイチE13Aのパイロットか?」
E13A・・・?あぁ、零式水偵の略語か。この人、話が飛ぶなぁ。
「俺が零式水偵を操縦していた。」
「ほぉ・・・お前か・・・。」
そう言って、彼女は俺を値踏みするようにジロジロと観察し出した。
「イブキ!!何やってる!?・・・って何やってるの!?」
理子がこっちを見て言った。あ、傍目から見れば女性を組み伏せてる危ない人だ・・・。
「理子、チェンジ。この人スツーカのパイロットで俺達に降伏するんだってよ。武装解除お願い。」
「お前がやっても構わないぞ。」
うるせぇ、ややこしくするな。
「え?降伏・・・?って、ハンナ・ウルリーケ・ルーデル!?パイロットってこの人だったの!?」
表理子と裏理子がごちゃ混ぜになってるぞ。
「お前、有名人なのか?」
「そうみたいだな。」
「イブイブ、この人は魔女連隊で最強の飛行機乗りの一人だよ!?」
理子は銃を撃ちながらそう言った。
「その魔女連隊って何だ?」
「今戦ってる敵のことさ。」
ハンナさん?が答えてくれた。
「我々
なるほどなぁ。
「で、お前さん個人の意見は?」
俺はなんとなくだが、こいつは本心を言ってないような気がした。
「何、テロを叩ければそれでいい。特に赤ならもっといい。」
「アンタも大分あぶないな!?」
「そうか?フフン。」
そう言ってハンナさん?が豊かな胸を張った。何か疲れた。でも、嘘は言ってないようだ。
「・・・で、どうする?捕虜にする?」
「・・・イブイブ、チェンジ。」
「了解。」
そう言って、俺と理子の場所をチェンジした。
ダンダンダンダン
敵はうまい具合にハッチから頭を出し、俺達を狙ってくる。有難いことは真上の艦橋から何もしてこないってとこか。上から撃ったら潜水艦にもダメージ行くからな・・・。
「ったく!!野郎!!」
ハッチの方へ行けば艦橋と矢の射線に入るからな・・・。だからといって、艦橋に侵入しようとするとハッチからはいい的だしなぁ・・・。・・・あ。
俺は平賀さん特製のスタングレネードを2つ出した。ピンを抜き、艦橋とハッチへ投げ込んだ。ハッチへ投げたほうはキレイに潜水艦内へ入って行った。
キィイイイイイイン!!
すると敵は撃たなくなった。今だ!!
「理子!!中はいるぞ!!」
「よし、分かった。」
「なんであんたが返事するんだよ!?」
「イブイブ、こういう人なんだよ・・・。」
理子は大分疲れ切っていた。
艦橋を上り、上にいた機銃手をロープで縛りあげた後、ハッチにもう一回スタングレードを投げ込んだ。
潜水艦の中に入ると最初は発令所に出た。周りには呻いている人が10数人いた。そいつらをロープで縛りあげていると・・・。
「イブイブ、この後どうするの?」
「このまま艦首方面まで行って発射管室まで制圧、そのまま魚雷装填して、タンカーに向けて発射。簡単だろ。」
「うむ、実に良い作戦だな。」
ハンナさん?が頷く
「・・・これ大丈夫かな。」
理子が天を仰いだ。
「そういえば自己紹介してないな。俺は村田維吹。あんたは?」
「私はハンナ・ウルリーケ・ルーデルだ。よろしく。」
俺とハンナさんは握手をした。
「ルーデルさん、あんたは陸戦できるか。」
「陸戦は逃げるのは得意だが、本職に負ける。それと、私のことはハンナと呼べ。」
・・・なるほど、地上に落ちても逃げて基地に戻れる、くらいの能力はあるってことか。
「・・・ハンナさん。銃の腕前は?」
「そこそこ程度だな。あと、ハンナと呼べと言っただろう。」
ジロリと俺を睨んだ。
「・・・了解、ハンナ。」
「うむ、それでいい。」
「そういえばイブイブ、艦尾のほうはどうするの?」
理子が焦ったように俺に聞いてきた。
「あぁ、こいつを使う。」
俺はそう言って二つの瓶を取り出した。
俺がまだHS部隊にいた頃、ある時山形の田舎町で訓練をした。その時、現地の高校生のお兄さんたちと仲良くなり、2種類の瓶を大量にもらった。その高校生達は町の駐在さんとイタズラ戦争をしているらしく、その時に使った余りものだそうだ。
一つは化学部を脅して作った世界一臭い液体で化学部曰く「人体にどういう影響があるか保証できない」
もう一つは仲間で自作したものだそうで、牛乳、卵、納豆、クサヤ、ドブの水を材料に作ったものだそうだ。
当時、自分は軍人であったため、駐在さんへの悪戯の実行犯はあまりできなかったけど、楽しかったなぁ・・・。自転車でレーダー測定器の前を車と一緒に走ったりとか。カット
「こいつを艦尾方向に投げ入れれば、そっちにいる奴らは絶対に手を出してこれない。あ、ちゃんと扉閉めといて。閉めないと死ぬ(嗅覚が)。」
そう言うと二人はドン引きした。
「イブイブ・・・化学兵器はまずいんじゃない?」
「・・・ジュネーブ条約違反ではないか?」
「イヤイヤ、これ数年前に普通科の高校通ってたお兄さんたちからもらったやつだから。」
そう言うと二人は安心した。俺は二つの瓶を艦尾方向の扉の向こうへ投げた
パリンパリン
そんな音と共に異臭が・・・
「二人とも急いで閉めて!!!」
キーーーーガッチャン
急いで扉を閉め、ロックをかけた。すると艦尾方向から人が出してはいけないような悲鳴と扉をたたく声が・・・。
「イ、 イブイブ・・・。これほんと大丈夫なの。」
「・・・俺も一回嗅いだけど、死にはしなかった。」
ずいぶん前、部隊のみんなでふざけてこの液体を演習場の一角にまいたら、すごい異臭でメガネさんと田中さん、鬼塚少佐が気絶して緊急搬送されたっけ。命は別状なかったみたいだけど、時々小さな小瓶見ると反応してるな。
艦首方向へ進むと、残りの敵が降伏してきた。艦尾での悲鳴が聞こえたのだろうか。俺は発射管室まで行ったが・・・
「クソッ!!!魚雷がないってあり得ないだろ!!これ潜水艦だぞ!?」
まさか潜水艦なのに魚雷を持っていなかった。正確にはあったけどデコイだった。・・・どうしよう。・・・あ。
「おい、そこの君」
「は、はい!!」
俺は降伏してきた少女の一人に尋ねた。
「この潜水艦の艦砲は使えるかい?」
「つ、使えます!!弾薬は発令所の下に・・・。」
「うん、ありがとう。」
甲板に乗っていた砲(90ミリクラス)は使えるのか。しかし、見た感じあれは大分古いぞ・・・。あそこまで古いのを使ったことない。
「問題は照準か・・・どうしよう。」
「・・・イブイブ、あの機関砲使えばいいんじゃない?」
理子は思い出したように言い出した。え?
俺は魚雷を分解し、盾を作った。それと砲弾を持って俺はハッチから出た。
ガンッガンッガンッ
矢が盾に当たるが、さすがに鉄板は抜けないようだ。俺は盾で身を隠しながら砲のもとへ行き、撃てる状態にセットする。
ガンガンガンガンガン
敵が連射してきた。俺は砲身に対して水平に25ミリ機銃をガムテープでくっ付ける。後でガムテープの跡を取るのは大変だな・・・。
ガンガンガンガンガンガンガンガン
盾が凹んできた。これは急がないとまずいな。俺は「4次元倉庫」から
ガンガンガンガンガンガンガンガンガンガン
もう盾がベコベコだ。急がないと・・・。俺は砲を動かし弓兵を狙う。ここだ!!俺は25ミリ機銃を撃った。
ダァンダァンダァンダァン
ガンガンガンガン・・・ドン!!
「っ!!!」
とうとう盾に穴が空き、そこから矢が出てきて俺の腿に刺さった。その瞬間、25ミリ機銃の弾が弓兵の足もとに穴をあける。銀髪にブレザーの制服(?)、羽のついた帽子をかぶった弓兵の少女が一瞬口元を少し上げ、笑ったような気がした。馬鹿め、ここで逃げなかったお前の負けだ!!
「イピカイエー・マザーファッカー!!!」(本日三回目)
俺は潜水艦の艦砲を撃った。
ズドォオオオオオオン!!!
スポッティングライフル、又はレンジングガンというのを知っているだろうか。無反動砲や戦車砲に同軸、又は直接つけられた銃のことだ。使い方は、そのくっついた銃を撃って狙いを定め、そして本命の無反動砲や戦車砲を撃つ。簡単に言うとレーザー照準器のなかった時代の、レーザー照準器代わりの物って思えばいい。俺はそれを25ミリ機銃をそのスポッティングライフル(レンジングガン)の代わりにしたんだ。
ドガァアアアアアアン!!!
タンカーの一角が爆発した。爆発した後、矢が飛んでくる気配はない。
「敵沈黙・・・。イブイブ、やったよ!!!」
そう言って艦橋で観測していた理子が俺に抱き着いてきた。
「イタイイタイイタイ!!!」
今俺の腿に矢が刺さってるの!!理子の足がその矢にぶつかってグリグリってなってるから!!
「ほぉ・・・羨ましいな・・・。」
俺は理子を離そうとするのに手いっぱいだった。
その後、甲板で気絶してるカツェ=某を含む7人と一匹(カツェ=某を捕縛しようとするとカラスが襲ってきた。カツェ=某に乗っていたカラスだろうか)をロープで縛り上げると。
キー・・・バッタン
機関部のほうのハッチが開き、そこから涙としゃっくりが止まらない少女たちが這う這うの体で出てきた。え?ちょっと待って・・・
「ゴホッ…ゴホッ!!!っちょっと待って!!!なんでここまゴホォ・・・異臭がしてくるんゴホォ!!!」
ちょうどこっちが風下であったせいで異臭がこっちに・・・。
あの後、鼻栓にマスク、ゴーグルを必死(まさに必死)で「4次元倉庫」から探し出し、理子とハンナに渡し、それらを装着して機関部のほうから出てきた子たちを捕縛していった。・・・ここまでやっても匂いがやばい。ママチャリさん・・・これ高校生が作っていいものじゃないぞ・・・。
スツーカと言えばこの人でしょ!!ストライクウィッチーズからハンナ・ウルリーケ・ルーデル(がモデル)です。
「僕たちと駐在さんの700日戦争」からあの薬品が登場です。ブログ版と映画版の劇薬です。なお、回想や閑話以外では「僕たちと駐在さんの700日戦争」のキャラは出ない(予定)です。もう高校卒業してますしね。