少年士官と緋弾のアリア   作:関東の酒飲

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連続投稿!!・・・ではなく、ホントは前話と一緒だったのですが、あまりに長かったので二つに分けました。(二つに分けると微妙に短くなるけど・・・)

このペースで行くと本編まで行くのにどのくらい時間がかかるやら・・・。





魔法少女リリカル〇のは  誘拐犯弱すぎだろ・・・

「ンなわけあるか!!!!」

俺はなぜか不穏な天啓が来たのでツッコミを入れた。

ガシッ!!

俺はフロントガラスと天井の境目のところに手をかけ、車にしがみついた。頭が裂けるように痛いし、視界が紅い・・・。こりゃ頭切ったな。

 俺は操縦席側のドアへ移動し、体全体に魔力を這わせる。

「おりゃぁあああ!!」

俺は全力でドアを引くと呆気なく開いた。え?ロックかけてなかったの?

 中にいる人はびっくりして固まっている。俺はすぐさま運転手をつかみ外へ投げ飛ばし、運転席に座る。幸いなことに助手席には誰もいない。俺はブレーキをベタ踏みし、サイドブレーキをかけた。

ギャリギャリギャリ!!!!!

ハイエースは嫌な音を出しながら急停止した。俺は急いでキーを抜き、後ろの二人を確認する。シートベルトをしていなかったせいで前に飛ばされているが大きな怪我はないようだ。

「おい!!二人とも大丈夫か!!」

二人の口に貼られているガムテープをはがし、手足を縛っている縄を切る。

「イブキさん!?」

すずかちゃんが驚いている。アリサちゃんは気絶しているようだ。決して急停止したせいで気絶したという事はないはず・・・。

「まさかこんな処で二人にもう会うとは思わなかったよ!!」

俺は二人を担いで外に出た。

「撃て!!撃てぇえええ!!!」

ダダダダダダ・・・!!!

犯人たちが復活し、撃ち始めた。え?ちょっと人質はこっちにいるんだぞ!!人質ごと仕留める気か!?

俺は急いで物陰に隠れた。ここは瀬島中佐に会った公園だ。近くに瀬島中佐達がいるはず・・・。運が良ければ今すぐに駆けつけてくれるか?・・・って、人っ子一人ここにいねぇし来ねぇよ。流石は公務員、もう帰ったのか!?・・・まぁ、民間人に被害でないからいいか。

「そこ動くなよ!!」

「何するんですか!?」

すずかちゃんが聞いてきた。

「ちょっくら懲らしめにね!!」

そう言って俺はシャーロックからもらった紅槍を「四次元倉庫」から出して物陰から飛び出た!!

敵はそこまで上手くないようだ。銃のエイムはガバガバ、これなら「影を薄くする技」を使わなくても余裕だな。俺は一気に近づいて槍を一回転!これで銃を持っていた三人を全員気絶させる。・・・上手くないどころかド素人に毛がほんの少し生えた程度じゃねぇか!!

俺はカシラだと思われる良質なスーツを着た男の首に槍を突きつけた。

「なぜソイツを助ける。」

スーツの男が聞いてきた。

「何故って・・・武偵で軍人だからだけど。誘拐を見逃すのはダメだろ。」

「お前はこいつらの正体を知らないからそんなことを言える!!こいつらは夜の一族だぞ!!」

・・・・・・こいつ大丈夫か?

「吸血鬼は滅ぼすべき存在だ!!それに‘‘夜の一族の吸血鬼’’!!真っ先に殺すべきだ!!」

・・・・・・あ~、こいつ頭逝ってるのか。

「そうだね、とりあえず精神鑑定だね。」

俺はスーツの男に手錠をかけた。その男の胸元には十字架が・・・。偏見持ちたくないけど、こういう関係の人って結構狂信者が多いよね。まぁ、人数が莫大だからそう思ってるだけかもしれないけど。

「この娘は、その一族の娘だ!!‘‘夜の一族’’は滅ぶべきなのになぜわかr」

「うるせぇ!!」

ガツッ!!!

男は静かになった。男のタンコブは逮捕する時にできたっていう事にしよう・・・。しかし、「夜の一族」ねぇ・・・。俺は第二中隊所属だったから国内はそこまで詳しくないけど、「夜の一族」なんて聞いたことがない。この男の頭がもし正常だったとしても、そこまで注目すべき一族ではないのだろう。

 そんなことを考えながら銃を乱射していた犯人たちにも手錠をかけ、一味全員を近くの木に縛り付けた。縛り付けた後、警察と瀬島中佐、辻さんに電話をし、もう一件落着かな。

「おう、終わったぞ。出てきても大丈夫だよ。」

そうすると二人とも物陰から出てきた。アリサちゃん起きたんだ。

「あの・・・聞いちゃいました?‘‘夜の一族’’のこと・・・。」

すずかちゃんが聞いてきた。

「・・・‘‘夜の一族’’ってやつか?あの男の妄言だろ?気にすんな。」

そう言って二人の頭を撫でる。

二人とも怖かったのだろう、撫で始めてしばらくすると二人とも抱いて泣き始めた。小学三年生で誘拐か・・・。むしろよくここまで我慢できたものだ。

しばらくたち、二人が泣き止んだ頃に急に殺気を感じた。

「ッ!!!」

俺はとっさ殺気の感じた方向に紅槍を構えた。・・・そういえば最近師匠に槍を仕込まれていたせいか、刀や銃剣付き小銃でなく槍を出すようになっちまったよ。

ギィイイイ!!

「貴様!!二人を誘拐するために近づいたのか!?」

そこには小太刀二振りを持った恭也さんがいた

「いや、違いますから!!助けたほうですから!!それと銃刀法違反!!」

この人、軍関係でも武偵でもなかったはずだよな!

「恭也さん!!これ以上やるなら公務執行妨害と銃刀法違反と傷害未遂の現行犯で逮捕しますよ!!」

そう俺が言った瞬間

キキーーーー!!

パトカーと装甲車、計10台ちょっとが俺と恭也さんを囲んだ。・・・うわぁ・・・後ろから戦車まで来てるし。

「武器を捨てて手を上げろ!!」

パトカーと装甲車から降りた警察と軍人が銃を構えて俺達に叫んだ。・・・うん、今頃ですか。俺と恭也さんはすぐに武器を捨てた。

 

 

 

 その後、犯人の一味と恭也さんは御用となった。なんかパトカーが来た後にすずかちゃんの姉とメイドさん達が来たが、警察の1人がその3人に対応してる。

「瀬島中佐。」

俺は近くにいた瀬島中佐に声をかけた。

「あぁ、村田大尉、今回はお手柄だな。」

「ありがとうございます。瀬島中佐、少し独り言を言いますがよろしいですか?」

俺は瀬島中佐が何か言う前に独り言をしゃべり始めた。

「これはあくまでも独り言ですが・・・。この海鳴市、M関係(魔術関係という意味の隠語・海軍式)の事件のせいで戒厳一歩手前・・・。いえ、秘密裏に戒厳されていてもおかしくないのではないかと思っています。」

「・・・。」

瀬島中佐の目がギロリと俺を見た。

「そんな都市にこんな犯罪者が入れるとは思えません。」

「マ関(魔術関係という意味の隠語・陸軍式)の事件が発生する前からいたかもしれない。」

「いえ、犯人達の犯行はあまりにもおざなりです。第一中隊の皆さんならすぐに発見、対処をしていたでしょう。しかし、放置されていた。」

俺は瀬島中佐の目を見る。

「ところで、M関係(魔術関係という意味の隠語・海軍式)の事件は高町家が関与している疑いがありますが、物的証拠が見つかってません。そんなときに高町家と親しい人間が誘拐される・・・。高町士郎と高町恭也は不破の一族で裏の家業をやっていた。ならば、親しい人が誘拐されたら自ら解決するはずです。何故なら、自分たちのやってきたことが公になってしまう可能性があるから。」

瀬島中佐はまだギロリと俺を見ている。流石は第一中隊、気迫が違う。

「誘拐犯が武器を持っているなら、解決するためには武装するのは当たり前です。不破は小太刀二刀流が有名、小太刀をもって解決に向かうでしょう。しかし、小太刀なんかを一般人が公の場で持っていたら銃刀法違反で捕まるのは当たり前。」

犯人達と恭也さんを乗せたパトカーが去っていった。

「高町家に誘拐されたことを伝え、高町家が解決しようと現場に来る前に確保し、あわよくば警察や軍人などの公務員を襲わせて捕まえる。事情聴取中にM関係(魔術関係という意味の隠語・海軍式)の事件のことも聞ければ一気に解決する。家宅捜査もテロの可能性があるため、とかの理由でできる。政治家からの猛烈な圧力があっても何日間か確実に拘留できる。」

あ、俺の家族とはやてちゃんが来た。このくらいで終わらせるか。

「瀬島中佐、自分はこの事件、誰かが企んでいたような気がします。そう思いませんか、瀬島中佐。」

「長い独り言だな、村田大尉。」

瀬島中佐はそう言った後、俺から目を離した。

「君の家族が来たようだ。家族は大事にするといい。」

瀬島中佐は軍帽を深く被りなおした。

「これは独り言ではあるが・・・・・・私は国のため、民のため、陛下のためならばどんな犠牲を厭わない。これは嘘偽りのない言葉だ。」

俺はこれを聞いて安心した。瀬島中佐は謀略を得意とし、証拠をほとんど残さない。しかし、この人の国を思う気持ちは本当なのは良く知っている。・・・まぁ、それも演技って言われたら目も当てられないけど。

「ほら、早く家族のもとに行くといい。それとひどい傷だ、海鳴大学病院にすでに連絡はした。治療と検査に行くように。以上だ。」

「はっ!!」

俺は敬礼をした後、心配していたであろう家族のもとに向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「全身打撲に大量出血!!なんでこれで平気なんですか!!!」

家族と一緒に病院に行き、銀髪の可愛い女医さんに診察してもらったらこんな御言葉をいただいた。

「あの・・・旅館にもどりたいんでs」

「ダメに決まってます!!!今日一日は最低でも絶対安静です!!旅館に戻るなんてもってのほかです!!!」

・・・ウソだろ。

「そうですか・・・。はやて、イブキの分の夕食を一緒に食べませんか?」

おい、ニトクリス何言ってやがる。

「そうやね、イブキ兄ちゃんあまり反省しとらんようやし。」

そう言って二人が黒い笑顔を浮かべた。

「イヤイヤ!!!せっかくの旅行なのにうまい飯に温泉が無くなるとか嫌だぞ!!」

「村田さん!!病室に行きますよ!!!」

女医さんが俺の腕をしっかりホールドし、病室に向かって歩き始めた。え?この人すごい力持ってるんですけど!!!

「フィリス先生!!!俺平気ですから!!だからやめてぇええええ!!」

なお、翌日に傷などが全て治っているのを見て驚くフィリス先生がいた。

 




なんか書いてたら高町恭也が逮捕されてびっくりしてます。・・・でも、さすがに公務員に向かって一般人が小太刀で手を上げるとなったらこうなるしかない・・・。


十字架関係の皆様には申し訳ありません。悪意はありません。「隣人を愛せ」いい言葉です。(でも歴史的に考えると、こういう人がいても不思議ではn

戒厳令とは戒厳を定めた法律なので「戒厳令をしく」などの用法は間違いなようです。書いていて初めて知りました。











ネタばれ注意!!(ネタバレが嫌いな方はこれ以上見ないでください)













高町恭也はちゃんと出所します。厳重注意で釈放です。

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