少年士官と緋弾のアリア   作:関東の酒飲

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 前もって言います。今回登場する人物たちは架空の人物です。実際に存在する人物ではありません。
 もう一回言います。今回登場する人物たちは架空の人物です。実際に存在する人物ではありません。(死ぬほど大事なので2回言いました。)

 また、未成年の飲酒、公文書偽装を推奨する小説、SSではありません。
 もう一回言います。未成年の飲酒、公文書偽装を推奨する小説、SSではありません。(メチャクチャ重要なので2回言いました。)


では、どうぞ!!




なんでこいつらがいるんだよ……

 さて、秋山の爺ちゃんのところで飲んだ後、実家で一泊してから俺は寮へ戻った。

 

 

 そして9月14日、俺は新幹線のぞみ101号に乗っていた。この2週間の間に護衛の依頼があり、ボロボロになったのは割愛しよう。

 ……なんで新型戦車導入するだけでドンパチするんだよ。それに、その抗争中にほかの組織が来てシージャックするし……。戦車道なんてもう絶対関わらねぇからな!!

 俺はカバンから‘‘旅のしおり’’と書かれたプリントを出した。

『場所 京阪神(現地集合・現地解散)

1日目  京都にて社寺見学(最低3ヶ所見学し、後程レポート提出) 

2日目・3日目  自由行動(大坂か神戸の都市部を見学しておく事)』

……さすがは武偵高、適当すぎだろ。それはともかく、京都の社寺見学か。‘‘絶景かな絶景かな’’で有名な南禅寺の三門は見学に行きたいな。それと社寺と関係ないけど月桂冠大倉記念館、黄桜伏水蔵の見学は外せねぇ。

「というわけだから、この3つだけは見学させてくれ。……黄桜伏水蔵の見学は予約が必要だからもうやっておいたぞ。」

「……もっぱら酒ばっかだな。」

キンジは呆れながら言った。

「秋山の爺ちゃんに土産に酒買ってくるって言っちゃったし。」

「おい、公務員。法律破っていいのかよ。」

「まぁ、俺が買って飲むってわけでもない。買ったら近くの郵便局で送るよ。……上司も秋山の爺ちゃんと吉田の爺様にお土産買うのは許してるし。」

何故か法律にうるさい辻さんがこの二人のために、酒や煙草を買うのを許しているのだ。

「……まぁ、バレるなよ。武偵3倍刑に公務員の法律破りはだいぶ刑が重くなるぞ。」

「だから俺は今私服なんだろ。バレやしないさ。」

俺はTシャツにスラックス姿だ。それに偽造免許書(理子製)もある。……良い子は真似をしちゃいけない。

「俺も一緒に行く条件として‘‘3つ行きたい場所に行かせろ’’ってのキンジが呑んだんだから行かせてくれよ。」

「分かってる。」

「……」

俺とキンジの話をレキはジー……ッとみている。

 そう、俺はこのキンジとレキのチームに入って今回の京都旅行に行くことになった。アリアとの復縁のため、そしてチーム編成としても自分とレキ二人だけでは難しいとキンジは考え、俺に泣いて頼んできた。

「なんで俺に頼むんだよ!?」

「イブキが‘‘修学旅行Ⅰ(キャラバン・ワン)で何とかしろ’’って言っただろ!?俺一人じゃ何もできそうにないんだ!!頼む!!」

「……いやね、キンジ君。お前さんの気持ちはわかるよ。だけど俺も機嫌を損ねたくない子がいるんだよ。」

「俺がイブキのチームに謝りに行くから!!頼む!!」

「ショウガナイ……。」

その後、チーム予定のネロ・エル・牛若・ニト・リサにキンジが謝りに行った。

 そのようなことがあり、俺はこのチームに入れさせられることになった。

「イブイブ、お茶ちょーだい!!」

「……ほら。」

俺は理子のコップに水筒のお茶を注いだ。理子は旨そうにそのお茶を飲むと

「プハァ!!やっぱりリサのお茶は美味しいよ!!」

「……そうか。ところで、」

「どうしたの?」

「なんで理子がいる!?」

なんで理子がいるんだろう……とか考えてたら、こいつもチームの一員だったらしい。

「私が頼みました。」

レキがぽつりと言った。……ハイ!?

「レキが頼んだのか!?」

キンジも驚きを隠しきれない様子だ。

「はい。‘‘風’’の命令です。村田さんは不幸を呼ぶ。なので村田さんともう一人で不幸に対処せよと言われました。」

「……不幸を呼ぶのは置いとくとしても、何かあったら理子とどうにかしろ…と?」

「はい。」

うん、別に理子と一緒に戦うのは構わない。イ・ウー戦の時も理子と一緒だと戦いやすかった。そっちは問題がないが……レキの淡々とした口調で不幸を呼ぶって言われるのは、大分傷つく……。いやね、分かってるさ。俺が不幸を呼ぶくらい。

「なぁ理子。」

「どうしたの?」

「俺ってそんなに不幸を呼ぶかなぁ……。」

理子は目をそらした。俺はキンジを見た……こいつも目をそらした。

「チクショウ!!それだったら特大の不幸を呼んでやる!!」

「それだけはやめろ!!」

キンジは焦って言った。

 

 

 

 

 

 京都駅に着いた。キンジは自分の荷物を持って降り、その後ろからレキがハイマキと一緒に付いてきた。本当にキンジからレキは離れないんだな。そして、その姿を他の生徒に見られてヒソヒソと何か小声で喋ってる。

「とりあえず見に行こう!!南禅寺、無鄰菴、知恩院、八坂神社のルートで行けばだいぶ楽しめるぞ!」

俺はそう言ってタウンガイドを出した。

「……準備良いな。」

「てやんでぃ!!こっちは旅行行ったら絶対事件に巻き込まれて観光できないんだ!!楽しみじゃないわけないだろ!!」

「お、おう……。」

キンジが引いてるが、なぜなのだろう。

「イブイブ隊長!!タクシー乗り場はこっちです!!」

理子がそう言って俺に敬礼した。

「良くやった理子曹長!!ではタクシー乗り場へ出発だ!!」

「ちょっと待て!!タクシーは高いんじゃないか!?」

キンジが俺に聞いてきた。

「タクシーだと一番早くて、料金は一台1500円~2500円だ。それを四人で割ると意外と高くないぞ。2400円だとすると、一人600円。そこまで高くないだろ?」

「た、確かに……。」

「それにほかの生徒に移動中は会わなくていい。……というか、南禅寺から八坂神社のルートだとあまり人はいないんじゃないか?」

せっかく京都に来たんだ。定番の清水寺に金閣銀閣を生徒たちは見るんじゃないのか?

「タクシー乗り場は何処だ?」

キンジはタクシーでの移動を選択したようだ。

「よし!!理子曹長!!」

「はっ!!」

「タクシー乗り場へ案内せよ!!」

「アイアイサー!!」

 

 

 

 

 

 

 南禅寺は臨済宗南禅寺派大本山の寺院で、日本の全ての禅寺のなかで最も高い格式をもつそうだ。そして、ここの三門は歌舞伎の‘‘楼門五三桐(さんもんごさんのきり)’’の二幕目返しで石川五右衛門が「絶景かな!絶景かな!」というセリフで有名だ。(でも石川五右衛門の死後に再建されている)

「確かに絶景だな。」

キンジが思わず声に出した。俺は京都を一望できる景色に圧倒された。

「絶景かな、絶景かな!春の眺めは値一億たぁ小せぇ、小せぇ!このイブキには値一兆!最早 陽も昇り、誠に秋の真昼に花の盛りもまた一層……。全く、綺麗な眺めだなぁ。」

俺は石川五右衛門のセリフを真似て、言ってみた。これで紅葉だったら、夜景だったら一兆なんて安いもんだろう。

「よっ!!村田屋!!」

理子が俺に向けて言った。

「……。」

レキは三門楼上内の仏像を見ている。……心なしか目が輝いているようにも思える。やっぱり、来て正解だ。

 

 

 

 さて、そのまま南禅寺から無鄰菴・知恩院・八坂神社を回り、今度は京阪本線で祇園四条駅から中書島駅へ行き、月桂冠大倉記念館・黄桜伏水蔵の見学(たんまり買った酒は郵便局で郵送、アルコール以外の土産は‘‘四次元倉庫’’へ)が2時半前に終わってしまった。

「……どうしようか?」

「ああ、ノルマの社寺3カ所に月桂冠と黄桜の見学もあったのにまだ2時半か。」

伏水蔵のエントランスホールのソファーにキンジとレキ、もう一方に俺と理子が座って休んでいる。

「イブイブたくさん買ったね~。」

「まぁね。吉田の爺様はともかく、秋山の爺ちゃんはたくさん飲むからなぁ。」

「秋山の爺ちゃん?」

「実家のはす向かいに住んでいる爺ちゃんで、色々世話焼いてもらったんだ。ついでに爺ちゃんは最低でも毎日5合は飲む。」

「「…‥‥。」」

キンジと理子がジーッと俺を見た。……な、なんだよ!‘‘その爺さんいてこの孫あり’’みたいな目は!!

すると、レキがキンジの方をギロリと向いた。……こぇえ。

「キンジさん。私と歩きながら、他の女子のことを考えていましたね。」

「おぉ~!!修羅場だぁ~!!」

「理子、今回だけは止めとけ。」

俺は理子の口を手でふさいだ。キンジは慌てている。

「アリアさんの事ですね?」

「……な、なんで分かるんだ、そんなことぉ!?」

キンジの声が裏返った。

「ムー!!ムー!!」

理子が何か言ってるがそのまま口を塞いでおこう。

「さっきそこの廊下で含み笑いをしていた顔が、アリアさんに見せる笑い方と一緒でしたから。」

さっきの廊下?……あぁ、地ビール醸造所見学のところか。うん、どうやってそこでアリアを思い出したんだろう?

「そっ、それは……まぁ、1学期はあいつと組んでたからちょっと思い出し笑いをしただけだ。」

「アリアさんには近づかないでください」

レキは青白い火の如く怒っているように見えた。……れ、レキが、怒ってるのか?

「ムー!!ムー!!」

まだ理子が何か言ってるが、そのまま口を塞いでおく。

「レキは、怒ってるのか?」

キンジはイライラしているのかレキに強めの口調で言った。確かにキンジの気持ちはわかる……キンジ拉致して勝手にチーム登録、そしてアリアに近づくなとはなぁ……。キンジ、ご愁傷様。

すると、レキは力無さげに首を横に振った。

「私は、怒ることはありません」

レキは静かに言った。……怒ってる奴ほど、‘‘怒ってない’’っていうんですよレキさん。

「ホントかよ。」

「キンジさんも、村田さんも、峰さんも私のあだ名はご存知かと思います。」

レキのあだ名?……あぁ‘‘ロボット・レキ’’だっけか?俺はあまり好きじゃないんだけどなぁ。

「人に陰で言われている通り、私は人並みの感情を抱くことは、ありません。‘‘風’’は、人の‘‘感情’’を好みませんから」

……このままだと、キンジ解放の交渉ができなくなるな。‘‘感情’’を好まない事は否定しなくちゃいけねぇ。

「レキ、俺も‘‘風’’に縁があるが……‘‘感情’’を好まなかった覚えはないぞ。」

あぁ……爆弾による爆風、消化ホースバンジーの風切り音、落下傘なしの空挺の時の風切り音……あれ?‘‘感情’’を好む好まないはともかく、俺を殺しに来てるのか?

「村田さんにも、‘‘風’’の声が聞こえるんですか?」

「……うん、声というか、意思が何となく。今思えば……よく俺生きてたなぁ……。」

「ムー!!ムー!!ムー――――!!」

あ、理子の口押さえたまんまだった。俺は手を離した。

「プハッ!!い、イブイブ!!理子りん死んじゃうところだったよ!!」

「いやぁ、ゴメンゴメン。」

「口はともかく、なんで鼻まで抑えるの!?」

「いや、ほんと悪かったって。」

「理子、そのぐらいにしとけって。レキ…大坂に行くぞ。修学旅行の目的の一部でもあるし、買いたい物もある」

キンジが理子を止めてくれた。

「はい」

レキの眉が少し下がったように見えた。……気のせいか?

「大阪かぁ……。大阪と言えば‘‘天下の台所’’で‘‘食い倒れ’’の町か。たこ焼きやお好み焼き、串カツ、イカ焼きに……。」

俺はタウンガイドを出して大阪の名所を調べだした。

「イブイブ。」

理子が俺の袖を引いた。

「二人行っちゃったよ。」

「キンジ、あの野郎!!」

俺と理子は走ってキンジたちを追いかけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、京都・中書島駅から大阪・心斎橋駅までは1時間弱で着いた。時刻は3時半過ぎ。地下鉄の駅から階段を昇り、心斎橋の地を踏んだ。

 ……街を見てみると若者が大勢歩いている。いや、俺たちも若いんだがな?こう、若者の街みたいな感じがする。東京でいう渋谷とか原宿みたいな雰囲気に近い。周りには、うんざりするくらいある服屋にアクセサリーショップ……。

 まぁ、そんなところに防弾制服に身を包んだ二人、月桂冠大倉記念館のTシャツに着替えた俺、ロリータ制服で秋葉原に居そうな服を着た理子……俺達は浮きまくっていた。

「来たのは、いいが……この街の流行とか、分からないな」

……おい、キンジ。お前はここに来たのにそんなこと言うのか。

「私もです」

……だろうね。

キンジとレキはそのまま黙ってしまった。キンジは目で俺と理子に助けを求めてくる。

「レキュはどんな服を持ってるの?」

理子がレキに聞いた。 

「私服はありません」

「はぁ!?」

「はい!?」

……え?私服がないってことは、制服が一張羅!?

「え、私服ないって……制服しか持ってないのか?」

俺は思わず聞いた。

「はい。」

これ……俺達じゃどうにもならねぇよ。俺とキンジは理子様にすがった。

「よし、理子りん隊長についてきなさーい!!」

俺達は理子様についていくことにした。

……‘‘風’’さん。理子を連れて正解だよ。あれ?でもこいつのせいで問題が起きてるんだよな。

 

 

 

 

 

 

 

 理子の足が止まった。

「ここで選ぼ~!!お~!!」

その店の名前は‘‘シャトンb’’。明らかに女性向けの店だ。

「理子りんは服を探してあげるから、イブイブはどこかで時間潰してて!!」

「おう。」

 

 俺は近くにある絶品たこ焼き屋に行くことにした。なんでもミシュランにも選ばれるほどらしい。俺はそのたこ焼きを堪能していると、ちっこいピンク色の髪が見えた、そのピンク髪は‘‘シャトンb’’の方へ向かっている。

 ……ここでキンジとレキにばったり会ったら…面倒な事になるよなぁ。

俺はたこ焼き片手にアリアに声をかけた。

「よぉアリア。こんな所で何やってんだ?」

「イブキじゃない。……ママの裁判のための機材を取りに来たの。」

アリアのママ……神崎かなえさんだっけか。ジョン・F・ケネディ空港であったなぁ……って裁判!?聞いてねぇぞ!?

「かなえさんが捕まったって俺聞いてないぞ!?」

「え?イブキに言ってなかったっけ?」

「一切全く聞いてないぞ!?」

いつ捕まったんだよ!?

「……イ・ウーの罪をかぶせられたのよ。呉で裁判があるの。」

「……知らんかった。……そうだ、たこ焼きでも食わねぇか。奢るよ。」

俺は思わずそう言った。

「誘ってくれるのは嬉しいわ。でも急いでるの」

そう言ってどこかに行こうと……ってそっちは‘‘シャトンb’’のとこだ!!俺はアリアの腕をつかんだ。

「‘‘急いては事を仕損じる’’。アリア、お前疲れてるだろ?見りゃわかる。……せっかく‘‘食い倒れ街 大阪’’に来たんだ。たこ焼き食いながら一休みして英気を養え。」

すると、アリアは何か思い出したような、懐かしいような顔をした後

「……そうね。少し休憩しましょうか。」

「おう、そうしよう!」

俺は最後の一個のたこ焼きを食った後、アリアと再び列に並びたこ焼きを買った。

 

 

 

「……意外と美味しいじゃない!」

アリアが舌鼓を打った。

「ミシュランにも選ばれたそうだぞ。」

「そうなの……イブキってキンジと違って優しいわね」

アリアの顔に影ができた。……キンジ、後でなんか奢れよ。

「キンジは確かにぶっきらぼうだ。けれども、悪気があってあんな態度取ってるわけじゃねぇと思ってる。」

……キンジの援護射撃をするか。

「そうなの?」

アリアが顔を上げた。

「キンジは、女の子が何故か苦手だ。だからと言って同性愛者でもない。それに小学校の頃までは普通に女の子と話せてた。……ってこたぁ、中学の頃に何かトラウマができたんじゃねぇかと思う。」

キンジは、無理やり‘‘白馬の王子様モード’’にさせるのを嫌がる。サッカーの時もそうだった。中学の頃、無理やり‘‘白馬の王子様モード’’にさせられたか、‘‘白馬の王子様モード’’で黒歴史量産したか……。

「トラウマ……。」

そう言ってアリアは考えだした。

「まぁ、それと……なんだ。アリアのタイミングが悪い時もある。」

「あ、あたし?」

アリアは大きい目をまん丸にして俺を見た。俺はたこ焼きを一つ食った後

「俺が見る限り、問題が起こった時にちょうどアリアが居合わせて、勘違いの後の爆弾発言……。まぁ、どう考えても誤解するような場面が多いから、ショウガナイっちゃショウガナイんだが……。それで向こうもテンパってるからそれに釣られて誘爆するんだ。」

俺はそう言って、またたこ焼きを口にした。うん、うまい。

「……どうすれば、いいかしら。」

アリアは楊枝で皿をいじっている。 

「まぁ、どっしり構えて聞くこと聞いてから判断するっきゃないだろうな。‘‘動かざること山の如し’’ってな。それ以外ないだろ。」

「分かってはいるんだけど……カッって来て……。」

アリアはそう言って、楊枝でたこ焼きをいじりだした。

「気持ちはわかるが……冷静になんないとな。戦闘だってそうだ。カッとしたまんまじゃうまく戦えないだろ?戦闘の練習と思って一旦、起こっている事を他人事と思ってそこから判断してはどうだ?俺はそうしてる。」 

俺はそう言ってたこ焼きを食らう。……なくなっちまった。

「お互い話せれば、互いを多少は理解できるはずだ。……アリアならうまくいくだろ。」

「ほ、本当?」

「まぁ、変わる意識をもって行動すれば何とかなるだろ。Que Sera, Sera(なるようになる)……それにキンジの中でアリアは‘‘特別’’なようだぞ。」

……そろそろ時間的に大丈夫だろう。

「ふぇ!?」

アリアは真っ赤になった。

「そういえばアリア。」

「ななななな、なによ!!」

俺は真剣な顔をした。

「実はな……」

ゴクリ、アリアが唾をのんだ気がした。

「呉に地酒があってだな……買って来てほs…‥。」

「未成年は買えないわよ!!!!」

バシンッ!!

俺はアリアに叩かれた。……まじめな話をして恥ずかしかったのもあるが、呉の地酒が懐かしいってのもあるんだよな。ついでに江田島の酒も買って来てほしかったけど。

 

 

 

 

 

 

 さて、アリアと別れてキンジ達と合流すると、服を変えたレキと理子に驚いた。

「あれだな……レキはともかく、理子が清楚な服って……意外だな。」

そしてすごく似合っている。

「イブイブ!!どういう事!?」

 ちょっとしたイザコザがあったが、そのあと、キンジが予約した民宿に向かった。場所は比叡山の奥の方。レトロな感じがする民宿‘‘はちのこ’’に一泊するようだ。……このレトロな感じは良いな。

 その民宿の前にワンボックスカーが止まってあって、俺達が小型バスから降りると同時に、そのワンボックスカーから男5人組が出てきた。声と体と額の大きい大男、ホームビデオを持った離れ目メガネ、帽子を被ったモジャ男、学生服を着た男2名。……この怪しい集団、見たことあるんだよなぁ。

「さぁ!!今回の宿!!民宿‘‘はちのこ’’に到着です!!」

声と体と額の大きい男がカメラに映らないところから言った。

「おい、藤崎君。君、最初有馬温泉に行くって言ってなかったかい?」

モジャ男が言う。

「実はですね……有馬温泉で部屋が取れませんでした!!」

「ここ、温泉はあるんですよね?」

顔は2枚目雰囲気三枚目の学生服を着た男が聞いた。

「そこは大丈夫です!!ここは温泉と御飯が最高だそうです!!」

「それは楽しみですねぇ~。」

「お、お腹すいた……。」

学生服を着た顔が濃い暗そうな男が付かれてそうに言った。あ……絶対、蝦夷(えぞ)テレビの人たちだ。ロスで会ったぞ。

 ロサンゼルスでスーヤンお嬢さんを誘拐した場所を偶然撮っていたため、FBIにビデオを提出させられたそうだ(その後、感謝状を贈ったとラス捜査官が言っていた)。その時にこの4人組を知ったのだが……なんか一人増えてる。

 俺は一通り撮影が終わった後、ディレクターの藤崎さんの肩を叩いた。

「ん?おぉ!!!!

声でかっ!!

「どうしたんだい藤崎君……ってあぁ!!!」

「いやぁ~、これはこれは……。」

「ん?どうしたの陽ちゃん?」

「……!!!」

ロスで会った人は全員驚いている。

「いや、お久しぶりです。ロス以来ですね。」

「いや君、僕たちは今度何を撮ったって言うんだい!?」

モジャ男の和泉陽司(いずみようじ)さんが驚いて言った。

「いえいえ違いますって。俺達も同じ宿に泊まるんです。」

「えぇ!!じゃぁ何だい!?前の様にFBIとか警察に色々説明とかしなくていいんだね!?」

「まぁ、おそらく……。」

事件が起こらなかったらな。

「い、イブイブ……この人たち……。」

「あぁ、この人たちはロス旅行で知り合ったんだ。えっと、初めまして村田維吹です。軍人で、今は東京武偵高に出向しています。」

俺は初めて会った顔が濃い暗そうな人に自己紹介をした。

「あ、ご丁寧にどうも安浦憲之助(やすうらけんのすけ)です。」

この顔が濃い暗そうな人の名前は安浦さんというのか。

「え……確か北海道で超有名な……。」

「え?そうなの?でもホームビデオで撮影のテレビ番組だぞ?」

ぶっちゃけロスでFBIとこの集団の通訳やって、その時テレビだって初めて知ったぞ。……というか、こんなにディレクターがしゃべる番組あるかよ。

「おい藤崎君、やっぱり言われてるぞ。可笑しいんだよ、やっぱり。こんなちんけなカメラで撮るのはさぁ。」

「じゃぁお前が担げよ!!この‘‘テンパ’’!!」

「なんだと!!この‘‘うどん’’!!」

藤崎さんと和泉さんが喧嘩をする。

「いや、ごめんなさいね。こんな醜いおっさんの喧嘩みせちゃって。」

鈴藤(すずふじ)さんが俺達に謝った。するとガラガラと民宿の玄関が空いた。

「あらあら、おいでやす。」

うるさくて女将さんが出てきちゃったよ。

「あ、えっと…ネットで予約してた遠山です。」

「予約しておいた藤崎ですが。」

キンジと音野さんが言った。和泉さんと藤崎さんはまだ喧嘩している。

「そう言えば村田君。」

「はい?」

鈴藤(すずふじ)さんが俺に声をかけてきた。

「この子は彼女かい?」

そう言って理子を指さした。

「そうで~す!!」

そう言って理子は俺の腕に抱き着いた。腕に心地よい柔らかさを感じるが……

「違います。」

「イブイブ、間髪入れて言うのは酷いよ……。」

「アッハッハッハッハッ!」

 

 

 

 

 

 

 ここは混浴であったため、女達、むさい男たちの順で入った後(ここの温泉は最高だった)、ご飯が運ばれてきた。

「「「「「「「アッハッハッハッ!!!」」」」」」」

キンジとレキは部屋に御膳が送られたのだが、俺の取った部屋と藤崎さん達の部屋は大広間で食べるようになっていた。で、俺と理子は同じ部屋だった(レキが決めた)ため……藤崎さん達と酒盛りが始まったのは必然だろう。

「おう!!村田く~ん、峰ちゃ~ん。君たち未成年じゃないのかい?」

相変わらず藤崎さんの声はバカでかい。

「俺は許可証あるんで、藤崎さんが奢ってくれるんなら大丈夫ですよ!!」

「理子りんも持ってるので~!!いえ~い!!」

「どうせ理子のは偽造だろ!」

「「「「「「「アッハッハッハッ!!!」」」」」」」

こんな風にみんなで酒を飲み、全員が気持ちよくなっているところ……

ガシャャァン!!

窓ガラスが割れた音がした。

タァァアアン!!

じゅ、銃声!?……ゑ!?

ダダダダダダダ!!

そう言って大広間の窓が割れた。

「全員伏せろ!!」

「なんだよ、なんだよ!!どうなってるんだよ!!ここ日本だぞおい!!」

「和泉さん伏せて!!」

俺は急いで和泉さんを伏せさせる。

 

 

 

 

「そう言えば和泉さん!!」

「な、なんだよぉおおお!!」

頭を押さえながら和泉さんが言った。

「また警察に説明しなきゃいけないですね。」

「うるさいわぁああ!!まだ藤木君の拉致のほうがいいわぁぁああ!!」

「アッハッハッハッハッハッ!!」

藤木さんの胆は大きいようだ。




 修学旅行Ⅰ(キャラバン・ワン)までの間に受けた護衛任務は、この章の閑話に書こうと思います。

 南禅寺、無鄰菴、知恩院、八坂神社ルートはおすすめです。自分は無鄰菴の雄大さと小ささに驚きました。
 
 和泉陽司、安浦憲之助、マスターこと鈴藤、ディレクターの藤崎・音野は実在の人物ではありません。多少参考にはしましたが、実在の人物ではありません。空想上、架空の人物です。なので、規約に書いてある
『・芸能人などの実在する人物が登場する作品の投稿』
に触れていません。
 そして、この小説は未成年の飲酒、公文書偽装を示唆する小説ではありません。イイネ?

 
 Next Ibuki's HINT!! 「万能」
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