少年士官と緋弾のアリア   作:関東の酒飲

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 明日もテストとレポートがあるのにアップする馬鹿がここにいます。

 今月はバイトが少ないので楽です。でも中間テストががが……

 




宙づりなんて絶対やんねぇ……

俺は15号車に戻ると、妊婦さんを高齢の女医さんが冷静に診察をしていていた。

 ……良かった。HS部隊にいた時、衛生兵の真似ごと程度はできるようにさせられたから、最悪の場合は俺がやると覚悟していた。

「イブキ、武偵は俺達を合わせて10人だけだ。」

武藤が息を切らせながら言った。

「軍人や警察もいないのか?」

「元軍人のおじいちゃんが2人いたよ。戦うから武器寄越せって言っているよ。」

やれやれと不知火が言った。……この国の老人は元気だな。

 すると、キンジとアリアも戻ってきた。

「キンジ、武偵は俺達合わせて10人。軍人・警察は爺様が二人だそうだ。」

俺がそう言うと、通信科(コネクト)の女の子3人が走ってきた。

「爆弾は見当たらないわ。」

「警察にも通報したけど……。」

「犯人も見つかってない。」

なるほど、となると洗面所の爆弾と、俳優(?)二人の席にある爆弾だけか。

「もうどっちも見つけた。こっちで作戦を立てよう。」

キンジはそう言いながら白雪に手を回し、もう片方の手で手招きをした。

 

 

 

 

 

 15号車と16号車の間を簡易作戦会議室にした俺達はキンジがざっと状況説明をした。

「どこからか犯人が車内に戻ってきた場合の事を考えて……鷹根、早川、安根崎の3人は1号車、4号車と5号車の間、11号車と12号車の間、白雪は此処を守ってくれ。不知火は対テロリスト訓練の経験が豊富だから、7号車と8号車の間……中央を守ってほしい。理子は一般人に仕掛けられた爆弾の解除をやっている。それが終わり次第、加勢する。」

キンジは素早く配置を決めていった。

「それと待機中、鷹根たちは武偵高・警視庁・鉄道公安本部に連絡して爆弾の解除方法を模索してくれ。」

「爺様達にも手伝ってもらおう。予備の38式と44式騎銃がある。」

俺が言った。

「一般人にも武装させるのか!?」

武藤が慌てて言った。

「……新幹線は1000人とちょっとが定員なんだろ?ざっと計算しても1000人を10人で守るなんて無茶だ。少しでも人員は欲しい。それになんかの会員証で確認したんだろ?」

「ちゃんと確認した。」

不知火が俺の目を見て言った。

「俺達の命令に従うことを条件に渡す。それに会員証があるなら予備役だ。有事の際は手伝ってもらわなきゃな。」

俺はそう言って予備の38式・44式騎銃そして弾を通信科(コネクト)の子たちに渡す。

「……わかった。それで、俺はどうするよ。」

武藤は理解してくれたようだ。

「もう新幹線の運転士がグロッキーなんだ。武藤、操縦を代わってくれ。3分に10キロの加速だ。……繊細な操作だ、できるか?」

キンジが武藤の配置を言った。

「出来るに決まってんだろ?車輛科(ロジ)なら1年だって出来るぜ。」

「それは安心だ。……武藤、爆弾は運転席の真後ろだ。いいのか?」

俺が武藤に聞く。

「お前なら逃げるか?」

武藤は満面の笑みを浮かべた。

……こいつなら大丈夫だろう。

「よし、始めよう。アリア、イブキ、行くぞ。銃刀法違反と監禁の容疑で、ココを逮捕する。あの子に、子供はもう家に帰る時間だって事を教育してやろう。」

その言葉を聞き、俺は腕時計を確認すると、18時22分を指していた。

……3分に10キロの加速をすると……おおよそ1時間ほどの時間しかないのか

「う、うん!」

アリアはキンジと目が合うと、コクコクと頷いていた。

「さて、それじゃぁ行くか。イピカイエーってな。」 

俺はそう言って立ち上がった。

 

 

 

 

 

 

 

 有難いことに、通信科の3人は片耳に挿すタイプの骨伝導式インカムを複数持っていたようだ。それらを受け取った俺たちは互いに連絡を取れるようにと周波数を合わせた。

 その後、全員が配置についたのを確認していると、不知火から通信が入った。

『遠山君、7号車にどこかのTVスタッフが数人乗ってて、カメラ機材も持ってる。これが事件だと分かってからは、ずっと車両の無線LANを使って放送していたらしいよ』

『この状況で放送を?』

『うん、嬉しそうにしてる。スクープ現場に居合わせることができて』

全員の命が掛かってる状況なのに、実に楽観的な連中だ。

「不知火、それってホームビデオのようなもので撮影してないよな?」

違うとは思うが、蝦夷テレビの残りの3人(藤崎さん、音野さん、鈴藤さん)だったら、冗談抜きで漫才が16号車に響くぞ!?

『え?……そんな人はいないよ?』

良かった。ある意味災害は避けられたわけだ。

『……放っておこう。報道は、自由だ』

キンジはそう言いながらこの車両の先頭へと進んでいく。

 ……マスコミはいつも道理か、面倒な。 

 

 

 

 

 さて、車両の先頭についた。

「キンジ、イブキ、あんた達もヒールフックを使いなさい。」

アリアがそう言いながら白いスニーカーを履き直していた。

 

 不安定な足場に出る場合に備え、武偵は常にチタン合金の鉤爪(かぎづめ)を携帯しているそうだ。ベルトのバックルやホルスターの奥に秘匿されるその金具は、変形ロボットみたいに形状を何種類かに組み替える事が出来る。

……HS部隊でも支給して欲しかったなぁ。

 

 アリアはそれを靴底にセットし、新幹線の上から転落しない為のスパイクにしていた。

「バスジャックの時はルーフに打ちこんでワイヤーの支点にしたけど、今回は白兵戦(CQC)よ。ワイヤーを切断される恐れがあるわ」

「……正しい判断だ」

「……あれ?」

‘‘四次元倉庫’’を探したがどこにもない。俺はポケットを探し、ベルトのバックルやホルスターを探すが……ない。

 ……あ、比叡山の旅館の部屋に置きっぱなしだ!!……落ち着け、俺。今、俺が履いている靴は陸軍が採用した戦闘靴だ。新幹線から落ちることはないはず……。そういえば、ジョン・F・ケネディ空港の時、普通のズックで滑走する飛行機の翼の上で格闘したんだ。しかもあの時は雪が降っていて、コンディションはさらに悪かった。よし、大丈夫だ行ける!!

 俺は靴ひもを結びなおした。

 

 

 

 

「イブキ、終わったか?」

「あぁ、準備万端だ。……理子、あとどのくらいだ?」

『もう少しでできるが……最後が面倒だ。』

「了解。」

理子の後ろで何かの声が聞こえたが……和泉さんがしゃべっているのだろう。

 アリアは自分の両頬を両手でばしばし叩いて気合いを入れている。

「行くわよ。」

「おう。」

さっそく梯子に飛びこんだアリアの手を、キンジが包み込むように握った。。

「なっ何っいきなりっ!!手、手っ手っ……」

赤面したアリアのスカートを、キンジは小指でピン、と弾いた。

「梯子や階段を上る時だけは、レディー・ファーストの例外だよ。」

「……先行かせてもらうぞ。」

キンジとアリアのイチャイチャを見て、さっきまでのやる気が無くなっちまったよ……。しかも、体があちこち痛くなってきた。アスピリンが切れたな。

 

 

 

 

俺が急いで梯子を上ると……

「キヒッ!!!」

……このココは股が濡れている。気絶したほうのココか。キンジも急いで出ると同時にもう一人のココがキンジを襲ってきた。

「小便漏らしてそんな顔できるとは…ね!!」

「う、うるさいネ!!」

14年式で(何とは言わないが)股間が濡れているほうのココを撃つが、青龍刀で弾く。何発も撃っていると……

  カチンカチン

弾が無くなったようだ。

「キヒッ!!」

股間が濡れているココは青龍刀を持ち、待ってましたとばかりに姿勢を低くして突っ込んできた。

()ッ!!」

濡れているココは青龍刀を上段に構え、叩きつける様に振る。

「6時過ぎだ!もうお家に帰りな!!」

俺はシャーロックから貰った紅槍を出し、斬撃を防ぐ。

「キヒッ!!」

ガギィイイイイ!!!

紅槍と青龍刀から火花が出る。

「キンジ!!漏らしてない方は頼んだぞ!!」 

「あぁ!」

「いちいちそう言うナ!!」

俺はいったん後ろに下がり、距離を取ると突撃をする。

 ギィイン!!

ココは青龍刀で突きを受け流すが、俺はその勢いのまま一回転し、再び斬撃をココに喰らわす。

 ギュイィイン!!

『武藤だ!あと10秒で加速する!落っこちるなよ!!!』

『どうなってるのよ!出入り口が開かないわ!』

武藤とアリアは同時に言った。

「敵のそっくりさんが二人だ!!それ以上いる可能性がある!!」

俺はそう言いながら再び突きを連続で喰らわせるが、ココは何とか青龍刀で防ぐ。 

「手加減不要ヨ、猛妹(メイメイ)!!殺すもやむなしネ!!」

(シー)!殺すもやむなしネ!!」

ココはいったん距離を取ると、青龍刀を構えて一直線に突っ込んできた。時速250kmの追い風を受け、普段ではありえない速度で突っ込でくる。

 ……でもなぁ、師匠に比べればそこまででもないんだよなぁ。

 ココの斬撃を槍の柄で受け、俺はその力を利用し後ろに下がる。

「せぃや!!」

俺は再び突撃し突きを放つ。ココは青龍刀で突きを受け流した。

「これでも喰らえっ!!」

俺はその場でクルッと一回転し、石突きでココの手を叩き、穂先で青龍刀を弾き飛ばす。

「アウッ!!」

青龍刀を落としたココは驚愕している。俺はそのまま石突きで薙ぎ、ココを戦闘不能にしようと……

 ダッ!!

ココはとっさに姿勢を低くし、距離を取った。

……仕切り直しなんてさせねぇよ!!

 ベキッ!!

俺は穂先を新幹線の屋根に突き刺し、棒高跳びの要領で一気に近づく。

「おらぁああ!!」

俺は、空中で一回転し頭の上から槍を振りぬく。

「ヤイヤイヤッ!!!」

ココは両袖から大きな扇子を出し、俺の一撃を防いだ。

 ……鉄扇か!!

ココの使っている鉄扇は、檜扇の形をしていて、ふちは刃になっているようだ。

「おらぁああ!!」

俺はさらに力を入れココを押す。

ココがバランスを崩し、転びかけた瞬間……

ガクッ!!

新幹線が加速し、ココが転がり落ち……なかった。ココはクナイのようなナイフを出し、新幹線の屋根にぶっ刺して何とか落ちないようにした。

猛妹(メイメイ)!!!」

 ダダダダダダダ!!

漏らしていない方のココが短機関銃(サブマシンガン)を2丁両手に持ち、俺とキンジへ発砲してきた。

「クソッタレ!!」

俺は槍を回し、銃弾を弾く。

 ……これがなければ漏らしたほうのココを仕留められたのに!!

 キンッキンッキンッ!!

ココの使っている短機関銃(サブマシンガン)にはドラムマガジンが使われているせいで、なかなか弾切れが起きない。

 

 

 シャァアアアアアア

カーブに差し掛かったのだろう。新幹線が左に傾く。

 高速走行をする列車ではカーブの時、遠心力の影響で脱線しないようにするため、車体を斜めに傾むかせてカーブを曲がっていく……。

 

 

 

 ダダダ…カチンカチン

 カーブが終わると、やっとココ(漏らしていないほう)の弾が無くなったようだ。俺はキンジの相手をしていた方のココを潰そうとした瞬間、ココは(漏らしていない方)急にその場にしゃがみ、屋根にへばりついた。

「噂どうり、イブキは計画をぶち壊すネ。オマエ、危険ヨ。ここで……殺すネ!!」

すると、後ろの方から声がした。俺は急いで振り向くと、ココ(漏らしたほう)が立ち上がり、袖から何かをサッと取り出した。

 ……何か嫌な予感がする。

俺は急いでココ(漏らしたほう)に向かって突撃をする。

「花火の時間ネ!!」

ココは泡爆(パオパオ)のシャボン玉を出す小さな小瓶を出した。

 ……あの気体爆弾かよ!?俺は銃弾を弾いたり、避けたりすることはできても、面攻撃のような爆弾や爆風は避けることができねぇぞ!?

泡爆小龍鎖(パオパオシャオロンソ)!!!」

ココ(漏らしたほう)が叫びながら腕を左右に細かく振り、まるで龍が進むが如くシャボン玉の集合体が、俺達に向かって襲ってくる。

 ……うん、こいつぁ逃げられないな。ならば、漏らした方のココ、テメェも道連れだ!!

「キンジ!!後は頼んだぞ!!」

「何を言って……」

俺は自らその竜に突っ込んでいく。

 ザクッ!!

「ウガァアアアア!!」

槍の穂先がココ(漏らしたほう)を捕まえたようだ。俺は急いでベルトのバックルからワイヤーを出し、フックを新幹線に引っかけた。

「一緒に空中デートはどうでぃ?」

 ドッ!!ドドドドドドドドンッ!!

連鎖反応のようにシャボン玉は連続で爆発していく。

「うわぁあああああああ!!!」

俺はココ(漏らしたほう)と一緒に空中へ投げ出され、列車から落ちて行った。

 

 

 

 

 俺は列車から落ち地面に……

「グォオオオ……。」

何とか落ちなかったようだ。しかし、背中と足が地面に掠った。

「イッテェ……。」

アスピリンも切れたのか、昨日の傷も痛いし……。足には生暖かい液体が結構な量、流れている感触がする。

 ガシッ!!

何かが俺に掴まった。俺はそれを見ると……

「……てっめぇ!!」

漏らした方のココが俺にしがみつき、さらに登りだした。

「よくもやったネ。」

 ベキッ!!

ココ(漏らした方)が俺の顔を殴った。

「この野郎!!」

俺は新幹線の壁にココの頭を思いっきりぶつけた。

 グンッ!!

さらに新幹線が加速したようだ。

「「うわぁ!!」」

俺とココはその衝撃で、二人で新幹線の窓にぶつかった。

 ……通信科(コネクト)の子の、安根崎さんだっけか?その子と目が合ったような気がする。なんでここにいるんだ?

双蛇刎頸抱(シャンシーケイケイパー)!!!」

ココは俺の腰に両足でしがみつき、長いツインテールで俺の首を絞めてきた。

「グ……ウオ……。」

ココは俺の背中から首を絞めてくる。

 ……ってコイツ!!ただ首を絞めてるんじゃなくて、首の骨を外しに来てるぞ!?

「キヒヒッ!!イブキ!!初めから中華の姫に勝てるワケなかたネ!!平和ボケの日本人(リーベンレン)!!!」

「ウガァアアアア!!」

俺は何とか左手を首に巻き付いた髪の内側に入れ、締めるのを防ぐのと同時に、右手でココの後頭部の髪を掴み、思いっきり引っ張った。

阿阿阿阿阿阿(アアアアア)!!」

 ブチブチブチッ!!

ココが首を絞めるのをやめた。俺は急いで首を絞めていた髪をほどいた。

 ……右手に結構な量の髪の束を握っていた。女の子は髪が命なんだっけ?すまんな!!

「イブキ!!よくも髪ヲ!!」

ココは拳、肘で俺の顔を滅多打ちにしてきた。

 俺は再びココのツインテールを引っ張り、俺から引き離す。

痛痛痛痛痛痛(イダダダダダ)!!」

俺はココの顔面に頭突きをし、よろけたところで今度はココの頭を掴み、勢いをつけて再び叩きつける。

「このろくでなしめ!!スットコドッコイ!!ちょっとは大人しくしやがれ!!」

 ベキッ!!バキッ!!

俺はココを殴り返す。

()ッ……()ッ…阿阿(アァ)ッーー!!」

「イピカイエー・マザーファッカー!!」

 ドスッ!!!!

 この一発が決まったのだろう。ココはグッタリとしてそのまま落ちて……ってヤバい!!俺は急いでココの腕をつかみ、落ちるのを防いだ。

 ……危なかった。武偵は殺しちゃいけないんだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺は気絶したココの帯と俺のベルトを手錠で外せないようにした。これでこいつが落ちることはないだろう。

 今度はココの服を触り、武器になりそうなものを処分する。決してやましい事はしていない。

「こ…こいつ、どんだけ持ってるんだよ……。」

まぁ出るわ出るわ……。俺はそれを‘‘四次元倉庫’’に仕舞う。

 ……こいつ、また漏らしてやがる。俺のズボンにもついてるし。……傷口に入って化膿しませんように。

「ハァハァハァ……チクショウ。体中がイテェ……。鎮痛剤を……。」

肩で息をしながら、俺は‘‘四次元倉庫’’からアスピリンを出し……

 ドォオオオオオオン!!!

「ぐぉっ!?」

新幹線はトンネルに入ったようだ。その時の風圧のせいで、俺はアスピリンの入ったボトルを落としてしまった。

「チクショウ!!……ハァ…ハァ…とりあえず…連絡するか。」

俺は耳の骨伝導インカムに手を当てた。

「こちらイブキ!!ココを一人確保した!!どうぞ!!」

……何にも聞こえない。

「こちらイブキ!!ココを確保した!!」

インカムからはザーという音もしない。

「べらんめぇ!!壊れやがった!!」

俺はインカムを投げ捨てた。

 

 

 

 

 

 

 

 話が変わるが、シャーロックから貰った紅槍は有難い事に、魔力を込めて戻れと思うと勝手に飛んできて戻ってきてくれる。

 ……これは投げ槍だったのだろうか?

 俺は落とした紅槍を呼び寄せて‘‘四次元倉庫’’に戻し、銃剣を一振り取り出した。

 このワイヤー装置は巻き上げ機能が低い。だから自分で登って戻らなければいけない。しかし、左手でココを抱きかかえているために自由に使えるのは右手だけだ。だから右手で銃剣を新幹線の壁に突き刺し、ゆっくりと前進していく。

「……チクショウ!!レンジャー訓練じゃねぇんだぞ!?」

昨日散々ケガして、今も体中血だらけでこんなことやるなんて……。

「バスジャックにエアジャック、そしてエクスプレスジャック……次はシージャックでも来るんだろうなぁ……。」

俺は何とか16号車と15号車の間に着いた。

「……もう仕事でも!!移動中の列車の外に出てやるか!!」

まぁ……どうせ、必要になったら辻さん、神城さん、鬼塚少佐に強制的にやらされるんだろうけど。

 そう思っていた瞬間、

 ボウッ!!

俺の真横にある、車両と車輛の間の(ほろ)から縦一直線に火が噴き出た。

「ウソだろ!?」

俺は壁を蹴り、ワイヤーを一気に緩めて離れた。

「チクショウ!!どうなってやがるんだ!!」

俺の服にも火が付き、火傷もしたが、激しい風圧のおかげで火がすぐに消えた。

 16号車と15号車が切り離されたようだ。その新幹線の間にある(ほろ)の切り口、15号車側に白雪がいて、驚愕していたが何故だろうか……。

 ……それよりも火を避けるためにワイヤーを伸ばしたせいで、また頑張って戻らなきゃいけない。さっきまでの努力が水の泡になった。しかも、今度はワイヤー渡り……。さっきよりもさらに辛くなった。

「なんてこった……。」

 ドウウウウッ!!!

何かの爆発音とともに、レキが空を飛んでいた。……なんでいるんだ?

 

 

 

 

 

 俺は時間をかけて、やっと16号車にへばりついた。気絶している、2回も漏らしたココがとても重かったのは言うまでもない。

「……帰ったら、浴びるほど飲んでやる!!天下の酒豪もびっくりなくらい飲んでやる!!」

俺がそう言った瞬間、16号車の屋根から桃色の煙がブワァーっと流れていくのと同時に、顔に湿布を張りまくったココが落ちてきた。そして俺にしがみついた。

……こいつ!?比叡山で捕まえたほうのココじゃねぇか!!

「イ、イブキ!?」

「テメェ!!俺が必死に捕まえたのに逃げやがって!!」

俺はココ(比叡山で捕まえた方)の持っていた狙撃銃を蹴落とし、殴り始めた。

「てめぇ!!必死で捕まえて!!ヘリに襲われて、轢かれるのも助けたのに逃げやがって!!」

ガスッ!!バキッ!!ドカッ!!

()ッ……()ッ…阿阿(アァ)ッーー!!」

「これでも食らえ!!」

 ドスン!!

鳩尾を殴るとこっちのココも気絶し、股が濡れ始めた。

 ……もうやだ、こいつら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺は二人のココを両脇に持ち、切られた車両の後端から何とか入った。高速で地面にかすり、二人のココと超近接戦闘をやったせいで、俺はもうぼろぼろだ。

「おぉ~い。」

「「「!!??」」」

理子と和泉さん、安浦さんが俺を見てギョッとしている。

「二人を捕まえてk……」

「おいおいおい!!村田君は新幹線から敵もろとも落っこちたって聞いたよ!?なんだってここに居るんだい!?ここにいるのは幽霊化なんかかい!?」

「…え?イブイブ?」

「………(日本酒のビンを落として固まる)」

和泉さんは俺の脚を触って幽霊でないことを確認し、理子と安浦さんが固まっている。

「む、村田君。僕たちは君が死んだって聞いたよ?」

安浦さんはそういいながら俺の体を触ってくる。

……メチャクチャ痛いんですが。

「……ワイヤーでぶら下がって何とか戻ってきたんです。この二人と戦いながら……。あと体中痛いんで止めてください。」

俺は二人が触るのをやめさせると、抱えていたココ(二人)を地面に降ろし、適当な席に座った。

「イブイブッ!!」

理子がダッと走り出し、俺の腹に思いっきり抱きついた。

「ぎゃぁああああああああ!!!」

全身に激痛が走り回り、俺は意識がなくなった。

「イブイブ!?生きてた!!生きてた!!……うわぁあああん!!!」

「あれだね、青春だね。僕も彼ぐらいのときは散々もてたねぇ。毎日とっかえひっかえでさ、バレンタインデーの時には……」

「それよりも捕まえたこの子達どうするの?(パンツ一丁)」

 

 




 元気な爺様二人は予備役なので、信用できるだろう……という事で武器を貸しています。

 ココとの紅槍VS青龍刀の戦いは、fateのアーチャーVSランサーの戦闘シーンをモデルに書きました。(文才がないのでうまく書けてないが……)
 
 ココ二人は何を漏らしたのでしょうか……

  Next Ibuki's HINT!! 「ドM」
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