少年士官と緋弾のアリア   作:関東の酒飲

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 6月はずっとテストだし……7月は期末テストに向けて勉強しなきゃいけない。……あれ?書いてる暇ないような気が……。

 
 さて、今回は粉雪の予言した変態が出てきます。



 caution!!
今回はキャラ崩壊があります(これまでもあったけど)。


誰かこいつらを引き取ってくれないか……

 俺は3分程度気絶していたようだ。その間に平賀さんが別の新幹線から乗り移ってきて、気体爆弾の気体を回収していたらしい。

  ギィイイイイイイ!!

耳を劈く音とともに、新幹線が急ブレーキをかけた。

「ッ~~~!!」

俺はとっさに理子を抱えた。慣性力のせいで傷口が圧迫される。これがめちゃくちゃ痛い。

 今までで最も激しい衝撃が、新幹線を襲った。

  バスン!!

爆発音がした。音の方向を見れば、洗面室の窓が吹き飛んでいる。しかし、気体爆弾は爆発しない。

 ……本当に速度落としたら爆発してたんだな。

平賀さんが使ったであろうボンベが壁際まで勢いよく転がって行く。そのボンベが爆発しないようにと祈りながら……

「うぅ………。」

俺はこの強烈な慣性力に耐えていた。

 窓の外では、車輪とレールから上がる火花が美しく舞っていた。まるでドラゴン花火のように……

「ククッ……。」

「……どうしたの?」

俺が急に笑いだしたので、理子が心配したようだ。

「いや、昔こんなことやったなぁって……。」

 

 俺がまだHS部隊に入りたての頃、山形の田舎で訓練をしていた。その時、地元の高校生の兄ちゃん達と仲良くなった。

 その兄ちゃん達は、地元の駐在さんとイタズラ戦争をしていた。まぁ、俺は軍人であったから、あまり実行犯はできなかったけど。

 しかし、数少ない実行犯として参加したイタズラに、カーチェイスならぬチャリチェイスで、駐在さんに向けてロケット花火を発射するというものがあった。最初は順調に進んだものの、花火を調達した人が‘‘花火大会をする’’と勘違いしていたためロケット花火をあまり買っておらず、すぐ無くなってしまった。結局、最終的にはドラゴン花火を駐在さんに向けて噴射していた。

 

「……なんてことがあってさ、あの時のドラゴン花火に似ているなぁって。」

「ククク……。」

理子も笑いを抑えるので精一杯のようだ。

「ついでに、イ・ウーの時の異臭は、そのイタズラ戦争の産物だ。」

「ッ!!あっはははは!!」

 

 

 そんな風に理子と馬鹿話をして笑いあっていると

  ギィィィィィィィィィ……ギィ……

という重厚な音と共に――窓の外に、JRの駅名表示板が見えた。

 

――東京――

 

車体の下からモクモクと上がる白煙の向こう。そこにあるJRの駅名表示板は止まって見える。

 ……停車、できたのか。

俺は額を腕で拭った。…べったりとした血が薄くなっている。汗もかいていたようだ。

 ……って、ヤベェ!! 

俺は慌てて理子を離した。理子の服や肌には血が付いている。おそらく、俺の血が付いたのだろう。

「理子すまん!!クリーニング代は出す!!」

俺は頭を下げた。血は簡単に落ちないんだ。それは散々理解している。理子は自分の服や体を確認した後、下から俺の顔を除いた。

「イブイブ、クリーニング代はいらない。けれど……」

……タダより高い物はない。何を言うんだ?

「いつか、理子のお願い、何でも聞いてくれる?」

「……クリーニング代を払います。」

こういうお願いは……何があるか分からねぇ……。

「イブイブ~……これ理子の自作なんだぁ……。ここまで血がついちゃうと落とせないよぉ~?捨てるしかないなぁ~。」

……脅してきたな。でも、何もできねぇ。

「……ワカリマシタ。」

「くふふっ!!言質は取ったからね!!」

理子の見惚れるような笑みが、悪魔の笑みに見えた。

 

 

 

 

 

 

 

東京駅の新幹線ホームには、前もって人払いがされて、無人だった。

 爆発した際の盾にするつもりだったのか、駅には無人の車両が多数密集して停められていた。

 さらに停止標識の周囲には土嚢が積まれており、駅の壁という壁には補強用のシャッターが設置され、駅のいたる所にバリケードが展開している。

 ……念には念をってところか。

 

 

アリアとキンジが新幹線から降りた後、俺は漏らした二人を引きずりながら理子と一緒に降りた。

「……東京~東京~っと。」

俺はそう言ってココ二人をホームに転がす。

 ……この二人の目が潤んでいるのはなんでだろう。

「「アッ……」」

「お降りの際はお忘れ物のないようにお願いしますっと。」

後から降りてきた武藤も、もう一人のココ(漏らしてない)を同じ場所に転がした。

 ……こっちは近づいたらかみつきそうな目で見てる。

「あはっ!作業料として、これはもらっていくのだー!あややがイタダキなのだ!」

後ろから平賀さんが、泡爆(パオパオ)の詰まったボンベを無邪気に抱きかかえて出きた。

「……火遊びは程々にな」

キンジが苦笑いしながら、商魂逞しい平賀さんの頭に手を置いた。

「……」

次にドラグノフを肩に担いだレキが下りてきた。そして……

「ぼかぁ今回、生きた気がしなかったよ!!なんだってロケで襲われて、新幹線でジャックに合わなきゃならないんだい!?」

例の二人が降りてきた。

「まぁまぁ……とりあえず明日の公演に間に合ってよかったじゃない(パンツ一丁)。」

安浦さんが和泉さんをなだめる。

「その代わり僕の寿命は縮んだよ!!ぼかぁ拉致や命の危機をあの3人のせいで経験してきたけれど、ここまでじゃなかったよ!!」

「拉致や命の危機を感じるテレビって……どんな企画ですか……。」

俺は思わず聞いてしまった。

「ぼかぁね、ラジオ番組中にアメフト部に拉致されたり、カブでウィリーしたんだ。企画でねぇ!!」

……あぁ、一般人ってそれで命の危機を感じるのか。確かに、前世だったらそうだろうなぁ。

「何、懐かしそうな顔してるんだい?」

「いやぁ……パラシュート無しで空挺とか、弾幕の中の突撃とか、上司に拉致されてそのまま敵潜水艦に乗り込んだりとか……。一般人からすれば、自殺モノなんだなぁ…と思って……。」

俺は、HS部隊の無茶ぶりを思い出した。

「君こそ何があったんだい!?」

「それは……ご愁傷様……(パンツ一丁)。」

俺は和泉さんと安浦さんを見て思い出した。

「安浦さん、そろそろ着てもらわないと、逮捕案件になるんで。」

「あ、そうだった。」

安浦さんは抱えた自分の衣服をイソイソと着始めた。

 

 

 

 

 

 

「武藤くん!こっちから出られるのだ!」

「後は任せたぜ!そいつらは尋問科(ダギュラ)にでも引き渡してこってり搾ってもらえ!」

一刻も早くパオパオを分析したい平賀さんと、駅弁目当ての武藤がホームから小走りで出ていった。

 ……このような状況で駅弁なんて売ってんのか?

 アリアは炮娘(パオニャン)の袖から鈎爪やら、ナイフやら、スモークやら……様々な武器を取り出して回収している。キンジはアリアが取り上げた道具に興味を持っているようだ。

 俺は近くにあったベンチに座り、体重をあずけた。連戦や血の流しすぎで疲労困憊だ。

「ハァ……。」

俺は大きな溜息をついた。その瞬間

  ドカーーン!!ベキベキベキ!!

俺の真横の壁から装輪装甲車が出てきた。

 ……は?装甲車!?なんで!?

装甲車は俺の真横に止まり、そこから誰かが出てきた。それは……新しいココだった。

 ……ココはあと何人出てくるんだろう。

「姉ちゃん!!撤退するヨ!!香港戻るネ!!!」

メガネをかけたココが車体から上半身を出して言う。それと同時に装甲車の砲塔が俺達の方へ向く。

 ……ってこれはM1128 ストライカーMGSじゃねぇか!!

 こいつの主砲はロイヤルオードナンス系の105ミリ砲が付いている。この主砲は第2世代主力戦車に使われている砲だ。

「「「機娘(ジーニャン)!!」」」

  カチャ!!!」」

「レキ動くダメネ!」

ドラグノフを構えようとしたレキに機娘(ジーニャン)が拳銃を構えて警告をした。レキはピタリと動きを止め、ジッと機娘(ジーニャン)を見ている。

「「機娘(ジーニャン)!!(ウオ)は帰らないネ!!日本(リーベン)に残るヨ!!」」

 ……え?

「イブキ先生(シエンション)に殴られた時、(ウオ)はこの方に仕えるべきだと気がついたネ!」

「イブキ先生(シエンション)に殴られた時、ここまで気持ちいいことはなかったネ。」

 …………ゑ?俺の拳には矯正する力があったと?

「「だから香港に戻らないネ!!」」

二人(狙姐(ジュジュ)猛妹(メイメイ)だったか?)が芋虫の様にノソノソと俺の足元までやってくると

「イブキ先生(シエンション)请踩着我(私を踏んでください)!!」

「イブキ先生(シエンション)请踢我。(私を蹴ってください)!!」

 ……俺は理子に目で助けを求めた。理子は目を背けた。

 ……今度はキンジに目で助けを求めた。キンジは目を背け、ため息をついた。

 ……俺はまだ正常な方のココ(炮娘(パオニャン)だったよな?)に目で助けを求めた。彼女はブツブツと独り言を言っていた。

 ……蝦夷テレビの二人に目で助けを求めた。二人は開いた口が塞がず、こっちに気が付いてない。

 ……アリアに目で助けをm……いや、アリアは真っ赤になってるし無理か。

「イブキ!!姉ちゃんに何したネ!!!」

「俺が聞きたいよ!!」

「「ハァ…ハァ……」」

おかしい方のココ二人は俺の足に顔をこすりつけ、息が荒くなっている。

「俺も変態だけど……上には上がいるんだねぇ……。」

安浦さんが真っ黄色の被り物を被りながら言った。

「そうだねぇ……。ぼかぁ、安浦以上の変態がいたのは驚k……なんで簡易0u(レイウ)ちゃんつけてんだよ!!」

「いや……さっきまで裸だったから、体が冷えちゃったみたいで……。」

「なんでそんなになるまで裸になってんだよ!!」

「このままじゃ明日の公演きついかも……。」

  シュボッ

安浦さんはその真っ黄色の被り物をつけたまま、タバコに火をつけた。

「安浦タバコ吸ってんじゃねぇよお前!!0u(レイウ)ちゃんのイメージ悪いだろ!!」

「いやね、俺だって吸いたくて吸ってるわけじゃねぇんだよ。この意味わからない現実から逃げたいんだよ。」

  グイッ

 そして、安浦さんは日本酒の瓶をラッパ飲みした。

「テメェだけ現実から逃げるなんて許さねぇぞ!!俺にも寄越せ!!」

 ……和泉さんと安浦さんはまた漫才をしているようだ。

 

 

 

 

「「アッハッハッハ!!」」

「次は何呑む!?」

「ぼかぁやっぱり‘‘大法螺’’だ。……ってなんで北海道の地酒があるんだい!?」

「まぁまぁ、いいじゃない。」

「「アッハッハッハ!!」」

「……俺にも一杯くれませんか?」

俺も現実から逃げたい。

 

 

 

 

 

 

 

「……風、レキをよく躾けた。人間の心、失わせてる。この戦いでよぉーく分かたヨ。お前、使えない女ネ。だからもう、お前、いらない」

「……」

レキはギロリとココ(装甲車に乗っている方)を見る。

「仕切り直そうと思っているのは有難いけど……この姉ちゃんたち何とかしてくれよ!!」

俺の足元には二人の変態がまだ(うごめ)いている。

「ハァ……ハァ……ウッ!!」

「ハァハァ…‥アッ…アッ…アァーー!!」

ついでに、離れたところでは北海道のおっさん二人が酒盛りをしている。

「「アッハッハッハ!!」」

「レキ……お前、まだ弾を持ってるはずネ。それで死ね。今、ここで。」

「無視かよぉおおおお!!」

装甲車に乗ったココを倒そうと思っても、この足元にいる二人のせいで何もできない。ある意味詰んでる。

「お前死ねば、キンチは殺さないネ。キンチは使える駒ヨ、ココも殺したくない。でもイブキは殺ス。」

ギーっと装甲車の砲塔を微調整して、砲身を俺に合わした。

機娘(ジーニャン)止めるネ!!イブキ先生(シエンション)(ウオ)を躾けてくれるご主人様ね!!」

機娘(ジーニャン)止めるネ!!イブキ先生(シエンション)(ウオ)をイジメてくれるご主人様ね!!」

(かば)ってくれるのは嬉しいけど、靴舐めるの止めてくれません?

「ココ。あなたが言う通り……私はあと2発、銃弾を持っています。私が自分を撃てば、キンジさんを殺さないのですか」

「待って、それだと俺殺されちゃうんだけど!!」

「よせレキ!どうせアイツは俺を……」

俺とキンジが焦って言うと……

「キンチ、イブキ喋るな!!……レキ、今の話は曹操(ココ)の名にかけて誓ってやるネ」

キンジの声に、ジュジュが声を被せてくる。

「……ココ、藍幇(ランパン)の姫。」

レキはそう言って、自分の足元にドラグノフのストックを置いた。

「ウルスの蕾姫(レキ)が問います。今の誓い……キンジさんを殺さない事、守れますか?」

「バカにする良くないネ。ココ、誇り高き魏の姫ヨ」

「だったら誇り高き魏の姫の姉ちゃんたちを何とかしてくれよ!!誇りのかけらもねぇぞ!!あとレキさん、俺はどうなってもいいの!?」

「……誓いを破ればウルスの46女が全員であなたを滅ぼす。かつて世界を席巻したその総身を以て、あなたの命を確実に貰う。分かりましたね?……村田さん。」

「何?」

「村田さんは……死なないと信じていますから。後は、お願いします。」

そう言いながら笑みを浮かべたレキが、背を伸ばし、銃口を自らの顎の下につける。

「よせ……レキ!」

「レキ止めろ!!」

俺とキンジは叫んだ。

「「ハァハァ…‥ハァ……イブキ先生(シエンション)…。」」

「こいつらのせいで空気が台無しだよ!!」

俺はこの変態のココ達を足蹴にし、何とか離そうと……

「イブキ先生(シエンション)……もっと…。」

「もっと……蹴ってほしいネ…。」

ゾンビの様に俺にすり寄ってくる。

「て、てやんでぃ!!近づくんじゃねぇ!!」

俺はさらに蹴って離そうとしても、近寄ってくる。

「ですが、コレは造反には当たらないことを理解して下さい。なぜなら……」

レキが言った。クソッ……そろそろマズいぞ!!

 俺は思いっきり足元の変態を蹴り、距離を取った。

「「アッ!!」」

「……よせ……」

「レキ!!止めろ!!!」

そして、俺はレキに走り寄った。

「イブキ!!動くナ!!」

ダンダンダン!!

装甲車に乗っているココが拳銃を撃ってきたが構うものか!!

「…‥私は、一発の銃弾……」

素足になった足の指を、ドラグノフの引き金に掛ける。

「お前は銃弾なんかじゃない!」

キンジと同時に叫ぶが、その叫びも虚しく、レキはドラグノフの引き金を……

「間に合え!!」

  

バキッ!!タァーーン!!

 

銃声が、東京駅に響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……!」

レキの目が、再び見開かれた。その瞳はハッキリと、驚きに見開かれていた。

「……今日何発目の被弾だチクショウ。」

間に合ったのだ。俺はレキが撃つ寸前にドラグノフを蹴り上げ、照準を狂わせた。

 ……でも銃口が俺を向いたせいで、俺に銃弾が飛んで被弾したけど。

「今度は肩に被弾かぁ?このやろう……。」

  ダンダンダンダン!!カチンカチン!!

 

 

 

 俺はいつの間にか倒れていた。

「た、弾ガ!!」

ココの慌てた声が聞こえた。

 俺の目の前にはドラグノフの弾倉が見える。俺がドラグノフを蹴り上げた時に外れたのだろう。

「イブキ!!」

キンジは俺に近寄るが

「俺はいい!!それよりレキだ!!」

俺はレキの弾倉をキンジに渡し、‘‘影の薄くなる技’’を使い、姿をくらました。

 ……レキの弾以外にも何発か被弾している。もう、そんなに長い時間戦えないな。

「……キンチ!」

機娘(ジーニャン)は一瞬で、この状況の変化を把握したようだ。彼女は基本前線に出ないのだろう。彼女は拳銃の弾倉の替えを必死に探している。また、もし彼女が装甲車についている主砲や機関銃を撃ってしまえば、姉たちに被害が出る。

 ……要は、ココ達は詰んだ。

 

 

「……レキ。二度と自分を撃つな」

キンジはそう言いながら、レキの目の前で弾倉から弾を取り出し、両手でぎゅっと握りしめた。

 そして、キンジはレキを睨んだ。

「これは命令だ。お前、俺の命令を聞くって言ったろ?」

「……」

 ……さっさと襲って終わりにしたいが、今回の手柄はキンジとレキに譲ろう。

俺は機娘(ジーニャン)に近寄り、何が怒ってもいいように待機した。

「……さぁ、生まれ変わるぞ!!」

キンジはレキにそう告げ、弾倉をドラグノフに差し込み、装填した。

「……レキ。撃つべき相手は、あの敵だ。もう一度、俺を信じろ。」

キンジはレキにそう告げると、振り返ってレキを庇う様にジュジュを睨む。

「キンチ!」

機娘(ジーニャン)はやっと拳銃の弾倉を交換し、キンジ目掛けてトリガーを引いた。

  ダァン⁉

すると、キンジは、両手を前に押し出して、人差し指と中指だけを重ね、♯のようにしていた。

 ……おい、もしかして銃弾を掴む気か!?

ココの発砲した銃弾はキンジの指の四角形の中に吸い込まれるように入っていった。

「………ッ!」

  バシュッ!

銃弾は軌道が逸れ、キンジの頬を掠めるように通っていった。

  ガシャンッ!

銃弾は後ろの自販機に着弾したようだ。

 ……あいつ、本当に人間辞めてるな。銃弾を掴むってあり得ないだろ。

「き、キンジ……あんた、今……」

アリアも装甲車の上のココも唖然としている。

「……ここは暗闇の中、」

その声はレキだった。レキがドラグノフを機娘(ジーニャン)に向かって構えていた。

「一筋の、光の道がある……光の外には何も見えず、何も無い。私は……」

レキの狙撃の詩が変わっている。まさに、生まれ変わったか。

「……光の中を駆ける者。」

タァン!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レキの銃弾は、機娘(ジーニャン)の頭部を掠めた。

「キヒッ!」

 ……あのレキが外したのか!?

惚けていた機娘(ジーニャン)は我に返ったようだ。

 ……ショウガナイやるか。

俺は機娘(ジーニャン)の前に出た。

「イブキ!?」

「あらよっと!!」

俺はリーさん直伝の拳銃奪いをし、ココから拳銃を奪った。その瞬間、

「……? ? !?」

よろよろっと機娘(ジーニャン)はよろけ、自分に何が起こったのか分からないという様な表情で、ころんと倒れた。

  ダッ!! 

すぐさま、ホーム下の線路に隠れていたのであろう理子が飛び出し、機娘(ジーニャン)の背中に張りついた。

「みっ、峰理子ッ!」

「ツァオ・ツァオ!!?あれもツァオ、これもツァオ。くふふ、4人もいたんだねぇ!!くふふふっ!!」

理子は両足でジュジュの胴体にしがみ付き、両手で両腕を羽交い絞めにし、二つの髪束で機娘(ジーニャン)の首を絞めつける。

 この技は、ワイヤー上で猛妹(メイメイ)が使っていたっけ。理子も使えたのか。

「ツァオ・ツァオ!!あたしにこの技を教えたのが仇になったな!!姉の技で眠りな!!」

「……ッ!!」

機娘(ジーニャン)は何とか理子の拘束から逃れようと、羽交い絞めにされた両腕をなんとか動かすが、意味がない。

 俺は機娘(ジーニャン)の真正面に近づき

「「イピカイエー・マザーファッカー!!!」」

 俺は機娘(ジーニャン)の腹に拳をぶつけた。

「ゴフッ!」 

機娘(ジーニャン)は、装甲車の上で気絶した。

 

 

 

 

 

 

 

 アリアが理子を機娘(ジーニャン)から引き剥がし、グルグルと縛り上げていく様子にキンジは苦笑している。

 その間、俺は装甲車から降りると、そのタイヤを背もたれにして地べたに座り込んだ。

「あ~……きっつ……。」

緊張が解けたせいか、意識が朦朧としてきた。血を流しすぎたしなぁ。

「もう……聞こえないのです。」

レキの声が聞こえた。

「何がだ?」

「風の声が……もう、聞こえない。風はもう、何も言いません。」

 ……そういえば、今回のレキとキンジの騒動は‘‘風’’の命令だったんだっけ?

「風はもう何も言わない……か。それは‘‘自分で考えろ’’ってことじゃないのか?」

キンジがレキに言った。

「私には、分かりません。これからどうすればいいのか。これから、一人で……」

「いいさ。風は気ままに吹くもんだろ?それに……一人じゃない。俺が一緒だ。なんたって、お前が学校にチーム登録を提出しちまったからな。この間、勝手に」

 

 東京駅に、一陣の風が吹いた。

 

「anu urus wenui..., 永遠」

この歌声は……レキの声か?

「――Celare claia ol tu plute ire, urus claia... 天空――」

レキの声は、声量こそ慎ましいが、音階はピタリと一致しているのだろう。レキの美しい歌声は一切の不快感を与える事無く、俺の朦朧としている頭にすっと入っていく。

「――Raios Zalo Ado... Ясни,яснинанебезвёды――」

 ……ロシア語だろうか?朦朧とした意識の中では訳せないが……別れの曲の感じがする

「――Celare claia ol... tu plute ire, urus claia 天空――」

歌がリフレインするパートで、キンジがどこからか見つけてきた花束を吹き流し、宙へ放った。それらの花は風によって花びらになり……まるでレキを祝福するかのように舞っている。

「――anu urus wenuia... 永遠」

……これは、いい夢が見られそうだ。

俺は静かに目を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ブラボー!!すごいよ!!これはもう歌手デビューしても問題ないよ!!」

「あれだね、この子が‘‘今日の汁物’’なんて歌っちゃったら陽ちゃんのCD売れなくなるね。」

「何で綺麗に終わろうとしてるのに出てきちゃうの!?酔っ払いの二人!!」

「「イブキ先生(シエンション)……」」

「何でこうなるんだよ!!」

俺はそう言った後からの記憶が一切ない。

「え?イブイブ?イブイブーー!!き、救急車早く!!」

「理子なに慌てて……ってすごい血じゃない!!」

 

 

 

 




 
 ココ(一部)が思いっきりキャラ崩壊をしました。ついでに先生(シエンション)は中国語で、男性の敬称(年上&目上)だそうです。

 和泉さんの言った、アメフト部による拉致・カブでウイリーは‘‘とある俳優(?)’’によるある番組内で起こった事をモデルにしています(あくまでもモデル)。

 また、安浦さんの簡易0u(レイウ)ちゃんを着けてタバコを吸うのは、ある番組のクリスマス企画でやったことをモデルにしています。

 ‘‘今日の汁物’’も‘‘ある俳優(?)’’の歌った歌をモデルにしています。


 モデルはあくまでもモデルです。実在の人物とは一切関係ありません。



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