レポートや課題があったのは事実なんですが……大分難産でした。
難産の時って……違う話を考えちゃうんですよ。13巻の話どうするか、とか……だから余計に進まない。悪い癖ですね。
誠にすいませんでした
俺は病院から逃げるように去り、寮の自室に戻った。
……なんか今日は逃げてばっかりだなぁ。
「ただいまぁ……」
俺は心身ともに疲れ切った体でドアを乱暴に開けた。
靴を脱いでそろえ終えた時、リビングからパタパタと足音がした。
……この足音だとリサだな。
我が家の
ガチャッ
「あ、イブキ様!!おかえりなさいませ!!」
そこには、我らが可愛いメイドさんが……
……え?
リサはエプロンをしていた。料理をしていたのだろう。
奥からスパイスのいい香りがするので、今晩の夕飯はカレー系統のものだという事が推察されるのだが……問題が一つあった。
リサのエプロンは血まみれだった。
しかも、リサの可愛い顔にまで返り血が付いている。
「イブキ様?どうされました?」
……かなめに理子に、今度はリサか。
俺の意識は段々と薄れていき、体に力が入らなくなっていった。
「え?イブキ様!?イブキ様――――!!!」
「ほう、これが‘‘ちきんかれぇ’’か。……うむ、美味である!!かなめよ、よくやった!!」←ネロ
「えぇ、少し老いた鶏のようですがちゃんと処理してありますね。煮込みも完璧です。」←ニト
「……(ガツガツ)」←牛若&エルキドゥ
我らが『COMPOTO』の面々に大好評のチキンカレー。何と、これを作ったのはかなめだったのだ!!
「
「えへへ……。リサお姉ちゃんが付きっ切りで教えてくれたから」←かなめ
リサがべた褒めし、かなめは顔を真っ赤にして頬を掻いた。
経緯はこうだ。
リサが懇意にしていた鶏卵農家から卵を産まなくなった鶏4羽をもらってきたらしい。
この鶏をもらってきて今晩の夕飯を考えている時にかなめが到着。かなめの提案によってチキンカレーに決定。リサはチキンカレーの足りない食材を買いに行き、かなめは鶏を
その後リサの指導の下、かなめは本日使う残りの分の鶏を絞めて解体し、チキンカレーを作ったそうだ。
チキンカレーが出来上がったのでかなめは俺を探しに行き、その間にリサは残りの鶏を絞めていた時に俺が帰り、気絶したそうだ。
……良かった、本当によかった。リサが人を殺したのかと思った。
俺はこのくそ美味いチキンカレーを口にしながら、ホッとしていた。
「そう言えばイブキ」
「なんでぃ……」
キンジはため息を吐きながら言った。
「俺に妹がいるっていうの……今まで冗談だろうなぁって思ってたら、本当にいたんだな。」
「おう……俺が今まで嘘を言ったことがあるかぁ~」
「何度もあるな」
「「……」」
……いやぁ、このカレーは美味いなぁ。
若鶏と違い、古い鳥は肉が硬く少ないのだが……旨味が段違いだ。その肉を圧力鍋で一気に煮込んだおかげで鶏肉はホロホロと崩れ、鶏の旨味がカレーに染み込んでいる。
しかも俺の味覚をピンポイントに攻めてくる。これがマズいはずがない。
「‘‘イブキにぃ’’、‘‘お兄ちゃん’’、美味しい?」
かなめはニコニコと笑顔で聞いてきた。
旨い、確かに旨いのだが……素直に認めたくない気持ちも少しある。
「旨いけど……少し塩分が多いのか?ご飯が進むから良いけど」←キンジ
「ちょっと煮込みが少ないな。短時間でここまで旨いものを作れたのはすごいけど……
するとかなめの口は‘‘への字’’に曲がった。俺はその表情を見て罪悪感が
その時、リサがかなめの肩にポンッと手を置いた。
「かなめ様、次で挽回しましょう!!」
「ッ……!!!うん!!!」
かなめはスッと姿勢を正し、リサと熱い握手を交わした。
……あぁ、美しきかな姉妹愛
俺はそう思いながらカレーを頬張り続けた。
夕飯の後、もちろん‘‘かなめ帰還の酒宴’’で俺達は大いに盛り上がった。
その酒宴がお開きになった後、『初めて会った兄妹どうし、積もる話もあるだろう』という事でキンジにかなめを擦り付け、俺はそのまま寝ようと……
プルプルプルプル……
俺の携帯が鳴り始めた。俺は携帯を手に取り、発信者を見ると……蝦夷テレビの藤崎さん!?
「はい、もしもsh……」
『あ、村田君ですか!!いやぁ~この前はありがとうございました!!』
電話から特徴的なでかい声が聞こえてきて、俺は思わず携帯を耳から離した。
『あの時の視聴率がいい具合でして!!また一緒にやってもらおうと思ってます!!』
彼の興奮度合いはすさまじく、ただでさえ声は大きいのにさらに声が大きく聞こえる。
俺は思わず音量を確認したところ……通常通りの音だ。
次に、スピーカーモードになってないか確認し……なってない。
……藤崎さん、あんたの声帯はどうなってんだよ。
『12月の上旬になると思うんでお願いしますね!!こっちでチケットの方は手配しておくんで!!』
「ちょ、藤崎さん待ってください!!いくら何でも急すg……」
『
ピッ……プー、プー、プー……
……まるで嵐のような男だな
俺はため息を吐きながら携帯の通話をオフにした。
「いやぁ……君も悪い男だねぇ~」←インキ―
「和泉君じゃないんですから、女子高生二人の相手なんて俺達にできる分けないですしねぇ~」←藤崎
蝦夷テレビの会議室で藤崎はそう言い、ため息をついた。
やっと『和泉シェフの料理対決』と『絵はがきによる旅』の編集が終わり、一息ついていたところで……蝦夷テレビの部長に無理難題を押し付けられのだ。
『あ、藤崎?12月の上旬は暇か?』
『……今のところ予定はないですよ?』
『なんでも副社長の知人の子がお前の番組の大ファンらしくてなぁ……』
『……はぁ?』
『12月の上旬に一緒にロケに行きたいそうだ。』
『え……?』
『女子高生二人、よろしくな。じゃぁがんばれよ~』
『ちょちょちょちょっと待ってくださs……』
このことを音野・鈴藤に相談すると……
『あの子達も呼んじゃえばいいんじゃない?』←インキ―
『そう言えば‘‘絵はがきによる旅’’の最終夜がクリスマス特番のせいで遅くなるんだったよね?』←カメラ
『『それだ!!』』
「まぁ、なんとかなるでしょ」
「はぁ……ほんとあの人とは縁があるな」
俺はため息を吐いた後、携帯のアラームをセットし、寝ようと……
「イ~ブキにぃっ!!?」
「ひゃ、ひゃい!!!」
かなめの声で飛び起きた。
俺は声がした方向を急いでみると……ピンクのパジャマを着たかなめがベットの近くに立っていた。
「いぶきにぃ、一緒に寝よ!!」
「て、てやんでぃ馬鹿野郎!!何言ってやがるんだ!!」
「……?でも兄弟は一緒に寝るんじゃないの?」
「何言ってるの!?」
かなめは緋色のサングラス(?)をかけており、そこからコードが伸びている。コードの先にはピンセットのようなものがあり、そのピンセットは理子の私物『
「ぶりっ子から奪った
「創作物と現実は違うからな!?」
「な~んだ、使えない」
かなめはそのDVD-RAMをピンセットから外し、ゴミ箱へ投げた。フリスビーのように飛ぶDVD-RAMは綺麗な軌道を描き、ゴミ箱へ……
ドスッ……カランカラン
ゴミ箱のふちに当たり、そのまま床に落ちた。
「「…………」」
静寂が俺とかなめの間を支配する。
「……かなめ、そう言えばなんだって人様の物を勝手に処分したんだ?」
俺はその静寂を切り捨て、疑問に思っていた事を口にした。
「だってイブキにぃに近づくメス豚共だよ?イブキにぃの近くにあんなメス豚共の臭いがする物を置いておけないよ?」
かなめは常識を問われたかのように、不思議そうに答えた。
「はぁ……」
俺は大きなため息をついた。
かなめは俺達と1年ほどいたのだが……それまで研究所暮らし、俺達と別れてからはサードのところにいたそうだ。研究所やサードのところでは常識を身に着けることはできないだろう。たった1年で常識を身に付けろって言うのが厳しいか……?
「流石に本人不在の時に私物を捨てる様な盗人まがいなことはやめろ。」
「……?」
かなめは理解できていないのか首をかしげている。
「人の物を盗るのはいけないって分かるだろ?」
「……うん」
「かなめは人の物を盗み、それを壊したんだ。お前の大事なものを同じようにされたら……嫌だろう?」
「……………うん」
かなめはやっと己のしでかした事を理解したのか……シュンとした表情のまま俯いた。
「あいつらの事が気に入らないってんならそれでもいい。だけど悪いことはするな。かなめだけじゃなくて他の人にも迷惑がかかるからな。」
俺はそう言ってかなめの頭を撫でた。するとかなめはしょんぼりした表情から一転、気持ちよさそうに目を細めた。
……こんな説教してる自分の胸が痛い。
俺はその心の痛みをかき消そうと、かなめの頭を力強く撫で続けた。
「ふにゃぁ~~~」
「……ハァ」
俺はかなめの頭から手を離した。
「……あ」
かなめは名残惜しそうに俺の手を見るが……俺はあえてそれを無視した。
「とにかくだ。悪いことはするな。いいな?」
「う、うん……」
かなめはコクリと……何かをひどく恐れるようにうなづいた。
……何をそんなに恐れてるんだ?まさか嫌われるとか思っているのか?
「わかったよ。何が悪いことか勉強して……もう悪いことはしないようにする。」
俺はかなめの言葉で頭が痛くなった。
かなめは……常識を知らないのか。GⅢのところで常識は身につかなかったのかよ。
「で、でも!!」
その時、かなめは俺の手をとり、意志の強そうな瞳で俺の目を見た。
「イブキにぃの女の趣味は悪いよ!!ぶりっ子にチビ、カマトト、ダンマリ……あんな色物ばかり飼ってるなんて!!」
「飼ってないからね!?それにその4人はキンジのほうだからな!?」
「……え?」
「え?」
俺はあの4人が男子寮に来た経緯や、キンジにご縁があることを詳細に説明した。
「チビにカマトト、ダンマリはともかく……ぶりっ子が危険か」
「あ、あの……かなめさん?」
説明した後、かなめがブツブツと独り言をしだした。しかも
「……とりあえずぶりっ子は警戒sh……どうしたの?」
「あの……大丈夫ですか?」
「えっと……とにかく、イブキにぃ!!」
「は、はい!!」
かなめは俺の目の前に人差し指を立て、プリプリと怒り出した。
「イブキにぃは世界一素敵なおにいちゃんなの!!なのにイブキにぃはその自覚がありません!!あんな女達は釣り合いまーせーん!!非・合・理・的!!!」
「……はぁ?」
俺はそこまで尊敬される人間でないことは自分自身がよくわかっている。そのせいでさらに胸が痛くなる。
「とにかく!!あんなのがイブキにぃの彼女とかありえないから!!!だから約束して!!」
「何をd……」
「あたし以外の女子と、触ったり抱きしめたりしないって約束して!!」
「あの……『COMPOTO』は俺以外女ばかりなんだけど……」
するとかなめはグイッと自分の顔を近づけた。
「‘‘お姉ちゃん達’’は例外だけど……それ以外の女に近づかないって誓って!!!」
かなめの
「いや……それに平賀さんに頼んだ弾薬も貰いに行かないと……」
平賀さんに頼んだ200発のうち、まだ100発分の金しか払っていない。なので平賀さんには絶対に会う必要があるのだが……
……ここでかなめに誓ってみろ、色々と詰むことになるぞ!?
すると……かなめはとある酒瓶を取り出し、俺に見せてきた。
「イブキにぃ……これな~んだ?」
「か、かなめ……お前ぇ……!!」
かなめは俺の秘蔵のラム酒『ハバナクラブ RITUAL』が握られていた。
『ハバナクラブ RITUAL』とは、キューバで作られているラム酒の銘柄の一つで、キューバとスペインでしか売られていない貴重なラム酒だ。
俺はこの酒を近所に住む吉田の爺様から貰った時、飛び上がるほど喜び、よっぽどの良いことが無いと飲まないと誓った。
そんな大変に貴重なものがかなめに握られていた。
「イブキにぃ……?誓ってくれないと……」
かなめはそう言って『ハバナクラブ RITUAL』の酒瓶を思いっきり振り上げた。
「誓います、誓いますから!!!それだけは勘弁を……!!!」
俺は思わずベッドから飛び起き、土下座をして叫んでしまった。
……そんな
チクショウ!!あれを取られて誓わない人間なんていねぇぞ!?
「万一イブキにぃとベタベタしている女がいたら、メッタ刺しにして殺してやるから」
「て、てやんでぃ!!軽々しく殺すなんて言うなってんだ、べらんめぇ!!人様に迷惑かけるなってんだ!!」
俺がスクッと立ちながらそう言うと……かなめは意外なことに、素直に頷いた。
「……い、イブキにぃ」
「何だよ」
俺はジト目でかなめを見下ろすと……彼女の頬が真っ赤に染まった。
「ヤバい」
かなめは絞り出すようにその言葉を発した。
「……なにがd」
「かっこいい……かっこいいよイブキにぃ!!その鋭い目が……イイ!!濡れちゃう!!これが二人っきりだと思うと……ダメ、
かなめは自分の頬を両手で押さえながら興奮気味に言った。
……あれ?
かなめの手には酒瓶が……ない。おい、もしかして……
「イブキにぃ、好き、好き、大すk……」
……バリィイイイン!!!
「「…………」」
寝室に
視線を下方に移すと……床に琥珀色の海が広がっていた。その琥珀色の海の中に尖った水晶がキラキラと光を反射している。
大きく鼻で息を吸った。あぁ……強いアルコール臭にラム酒の甘い香りとバニラの様な香りが鼻いっぱいに広がり、脳味噌がとろけそうな幸福感に包まれる。
心地よい香りに包まれた俺はしゃがみ、琥珀色の海に指をつけてそれを舐めた。さっき鼻で感じた香りが口いっぱいに広がり、思わず頬が緩む。もう一回琥珀の海に指先を浸すと……
「痛っ……」
人差し指の腹に……ガラス片が刺さっていた。指先からは緋色の血がスーッと流れ出てくる。
「……おい、マジかよ。」
指先の痛みで……俺はやっと
「ゴメンナサイッ!!ゴメンナサイッ!!ゴメンナサイッ!!」
俺が現実に戻った時、かなめが額を床に擦り付け謝っていることに気が付いた。
長時間謝っていたのだろう。かなめの声は
「かなめ、もういいから」
俺は無理やりかなめの顔を上げた。整った顔はグシャグシャ、顔中から
「そ、そんなつもりなくて……ただパフォーマンスの為で……」
「……なぁ、かなめ」
俺が呼びかけると……かなめはビクリと体を緊張させ、一言もしゃべらなくなった。
「……人の物を盗っちゃいけないって言ったよな?」
「……ご、ごめんなさい!!お、同じの買って……」
「これなぁ……価格はそこまで高くはないんだ。だけど……キューバとスペインでしか売られていない貴重な物なんだ」
その一言で、かなめの顔は真っ青から黄土色に変わった。
「形あるものいつか壊れる……俺はなぁ、かなめ?」
俺はできる限り、優しい笑顔を作り、かなめと目を合わせた。
かなめは怯えた顔から
「そりゃぁ俺だって人間だ。大事にしていた酒を台無しにされたら怒りも湧く。だけどなぁ……まさか叱ってすぐに、人の物盗るってのが許せねぇ。」
俺は
「かなめ、人呼んで来い。そうだな……リサがいいな。まずはコレを処分してからだ。」
かなめは寝室からすっ飛んで出て行った。
かなめの
「な、なぁ……」
「あ?」
割れた酒瓶を片付けた後、俺達はリビングへ移動した。
そして移動してすぐ、ソファーに座る俺にキンジが声をかけてきた。
「たかが酒だろ?それでかなめを殺s……」
「なんだって?」
「い、いや……なんでもないです」
キンジはスゴスゴと下がった。
……流石に殺しはしねぇよ、殺しはよ。
流石に酒瓶を片付け終わる頃には怒りも収まっていた。しかし……かなめは常識が欠如してるとは言え、人の物を盗むのはやっぱり許せない。
言ってダメなら……体で覚えさせるしかない。
「かなめ、来い。」
かなめは何かを
俺の前に来るとかなめは正座し、青色に光る短刀を俺に差し出してきた。
……あれ?この刀、見覚えがあるぞ?
「イブキにぃ……いえ、イブキお兄様。あたし……私のした事、お詫びの言葉もございません。ですが……一思いに、お願いします。」
……なんか誤解してねぇか?
「本当にやるのか?」
キンジは心配そうに俺に聞いてきた。
「これは
「そうだっけ?」
「そうだ」
俺は……もうほとんど覚えていないが、前世(?)の両親を思い出した。
小っちゃい頃は殴られてばっかりだった。しかし、それは虐待とかではなく、子の成長を願っての
その前世(?)の両親のおかげで常識や善悪を知り、今世(?)の両親(故)にはあまり殴られずに済んだ。
「キンジ、お前も親やキンイチさんに殴られた覚えはあるだろ?……でもな、かなめは殴ってくれる親はいなかったんだ。居たのは己の欲のために虐待する研究者ぐらいだ。」
俺はキンジの目をしっかり
「かなめが俺達といた一年間……俺達はかなめを可愛がっていたさ。だけど……そこで俺達はほとんど叱らなかった。そのツケがここで来たんだ。だから……責任は取らなきゃいけねぇんだ」
「わかったよ。」
キンジはそう言った後……かなめから目をそらした。他のメンバーはかなめを凝視している。
「やるか……」
「ッ……!!!」
俺は膝の上で腹ばいになるかなめのパンツとスカートを握り、一気にひん剥いた。
バシッ!!バシッ!!バシッ!!……
「ご、ごめんな…ごめんなs……」
俺は……泣いて謝るかなめを見て心を痛めつつ、彼女の尻を叩いた。
……前世の両親には散々やられたなぁ。
これは……やる方も胸が痛い。『某春日部の嵐を呼ぶ幼稚園児の母』は改めて尊敬する。
「あ……あ……アッ!!!」
俺は手に魔力強化などをかけず、素手でかなめの尻を叩いた。そのせいでかなめの尻と俺の手は互いに腫れていく。
「かなめ……もう人の物は盗むな!」
「アッ…‥アッ……」
……なんか、俺の太ももが濡れている感触がするんだけど。
バシッ!!バシッ!!バシッ!!……
「アッ……も、もう盗らn、アヒィ……!!!」
俺は無心のまま……ひたすらかなめの尻を叩き続けた。
「イブキにぃ、ゴメンナサイ……」
「……もう人の物盗るんじゃなぇぞ。」
「……うん」
俺はかなめを背負い、ベッドへ運んでいた。どうも尻を叩きすぎて腰が抜けたらしい。
「イブキにぃ……」
「……なんだ?」
「……ちゃんと弁償するから……嫌わないで」
背中からかなめが怯えているのが伝わってくる。
「あんなことぐらいで嫌いになるかってんだ。」
「……うん。……同じの、買ってくるから」
「期待しないで待ってる」
アメリカに飼われている組織が、キューバの物を簡単に手に入れられるはずがない。複数個、少なくても1つは他国を介さないと手に入らないはずだ。
……あぁ、飲みたかったなぁ。
今は亡き酒の味を思いつつ……ベッドにかなめを置いた。
「イブキにぃに立てなくなるほど激しくされて、ベッドまで運んでもらえるなんて……」
かなめはそう言って真っ赤にした顔を頬で抑え、イヤンイヤンと顔を横に振る。その仕草が
「てやんでぇ、べらんめぇ……反省してねぇのか?」
「ごめんなさーい!!」
かなめは不利を
……やっぱり、妹には勝てねぇわ。はやてに同じことされても嫌えないだろうしなぁ。
「……ハァ、おやすみ」
「おやすみ~!!」
俺は寝室のドアをゆっくり閉めた。
俺はその後、酒蔵部屋から『ハバナクラブ3年』(ラム酒)を持ってリビングに来た。
かなめの前では格好つけたが……『ハバナクラブ RITUAL』を台無しにされたのは
飲んで今日の事は忘れよう……違う銘柄ではあるが、ハバナクラブでも飲んで気持ちよくなろうと思っていた。
「……ったく、今日はなんて日だ」
朝までGⅢを追いかけ、午後はファミレスでハニトラをすることになり、夜に大事な酒が台無し……か。
「……ハァ」
俺は大きな溜息をつきながらグラスに酒を注ごうと……
「イブキ様、飲み過ぎは体に毒ですよ」
リサが俺の酒瓶を取った。リサの顔は……プリプリと怒り、頬を膨らましていた。
「今日ぐらいは深酒したいんだ。許してよ」
するとリサは俺のグラスを奪い、酒を注いで一気に飲み干した。
「私も付き合いますから、あまり飲まないでくださいね」
「……あぁ!!」
ラジオからは‘‘さだまさし’’の『関白宣言』が流れていた。
「かなめ様を呼ぶのは良いんです。ですが、人が増えれば御飯の計算が狂うんですよ!?」
「ハイ……スイマセン……」
リサはそう言うと再び酒をグラスに注ぎ、一気に飲み干した。
「ほかにも!!ズボンに薬莢を入れっぱなしにしないでください!!洗濯機が壊れます!!」
「……ゴメンナサイ」
リサは自分の握っている酒瓶を見た。酒は瓶の4分の1ほど残っている。それを確認したリサは酒瓶に口をつけ、一本空けてしまった。
「俺、ほとんど飲んでないんだけd……」
「イブキ様!!ちゃんと聞いているんですか!?」
「……聞イテイマス」
部屋には、‘‘さだまさし’’の『関白失脚』が寂しげに響いていた。
海軍のカレーが美味しいのは……みんなも知ってるよね(美味かったです)。
自衛隊のカレーのレシピがホームページに上がっているので、興味ある方は検索を!!
‘‘絵はがきによる旅’’の最終夜を押しのけた’’クリスマス企画’’とは!?
そして‘‘女子高生二人’’とは誰なのか!!こうご期待!!
「ノンナ、カチューシャの出番はまだなの?」←金髪幼女
「12月はまだ先ですよ」←黒髪美女
胸が痛いです。
キューバ旅行の時に『ハバナクラブ RITUAL』を買ってきました!!値段は5~8CUC(1CUC≒1米ドル)だと思います。
……味?恐れ多くてまだ空けてません。何かめでたいことがあったら開けようと思っています。
もし自分のを割られたら?……多分許さないと思います。
子供の教育に叩く・殴るは必要か否か……。
自分は、『虐待はいけないが、ある程度は必要』だと思っています(あくまでも自分の意見です)。
だって幼子に理屈言っても理解できないでしょ?(あくまでも、自分はそうだった)なので言ってダメなら体でわからせ、理屈は大きくなってから考えろ……が家の教育でした。
あくまでも自分の意見です。
Next Ibuki's HINT!! 「来訪者の予言」