少年士官と緋弾のアリア   作:関東の酒飲

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 何とかもう一つストックができたので、来週も同じ時間に投稿できると思います。
 これで…‥試験に集中できる……はず。


 来週の土日はセンター試験、受験生の皆さん、頑張ってください!!(英語は鉛筆転がしで答案を決めた作者)




‘‘HSS’’ってなんだよ……

 俺はワトソンとの‘‘リハビリ’’を終え、心身共に疲れた状態で寮の扉を開けた。

 

「ただいまぁ……」

 

 ……今日も奥からスパイスの香りが漂ってくる。またカレーか。

 

ここ数日間、俺達の夕飯はずっとカレーだ。

 確かに、かなめのカレーは日々進歩していて、昨日なんか海軍カレー(ガチ勢のカレー)にあと一歩まで迫っていた。

 

 ……でもなぁ、それでも毎日は飽きるんだよ。

 

俺はため息をつきながらリビングへ入ると……かなめが一人、キッチンでカレーを作ってた。

 

「あ、イブキにぃ!!おかえりなさい!!」

「おう、ただいま」

 

俺はそのままソファーへ直行し、深々と座った。

 

 ……やっぱり‘‘リハビリ’’は精神的に来る。

 

俺はボケーっと天井を見ていると……正面のソファーにかなめが座り、ジッと俺を見てきた。

 

「……どうした?」

「イブキにぃ、おしゃべりしよ!!可愛い妹とのおしゃべりタイムだよ!!」

「……自分で‘‘可愛い妹’’ですか」

 

そういうのは理子で腹がいっぱいなのだが。

 

「この前……イブキにぃの部屋覗いたんだけど、エッチな本とか持ってないの?全然見つからないんだけど。」

「な、なに言ってやがんだ!!」

「あ、軍関係のは触れてないよ?」

「あぁ、ならよかった……ってなるか!!!」

 

ついでに、今時は紙媒体よりも電子である。なにを言いたいのかというと……とある物は、メガネさん特製の秘密フォルダの中に入っている。メガネさん曰く『自分で作って何ですが……コレをどうやって破るのか見てみたいです』だそうで。

 

 

 

「とにかく!!イブキにぃはエッチな本とか持ってないの?」

「も、持ってましぇん!!」

 

 

 ……嘘はついていません。嘘は……

 

「そんなのおかしいよ!!・・・・・・それにイブキにぃ、目が泳いでる!!」

「そ、それは・・・・・・あ、あれだ!!最近視力が落ちてきたから、遠近体操やって視力回復しようとしてるんだよ!!」

 

かなめジトーっと俺を見てくる。

 

「・・・・・・手が震えてるよ?」

「こ、これは・・・・・・疲れのせいで筋肉が痙攣してるんだ!!いやぁ~今日は疲れたなぁあああ!!!」

 

かなめは諦めたのか、ひとつため息をついた。な、何とかごまかせたのか?

 

「まぁいいや・・・・・・ところでイブキにぃの好みって何?見たところ・・・・・・女の好みに統一性がないから・・・・・・」

「・・・・・・はぁ!?」

 

 ・・・・・・落ち着け、俺。さっきから爆弾発言ばっかりで処理し切れなかったが・・・・・・ここは落ち着いて、ゆっくり対処するんだ。

 

「・・・・・・そんなのどうだっていいだろ?」

「イブキにぃがどういう事で興奮するか把握しておきたい。それでイブキにぃ好みの妹になりたいんだよぅ……」

 

ロスアラモスでかなめを保護して半年間、俺達とかなめは同じ家に住んでいた。だが……その時、かなめは確かに俺にべったりくっついてきていたが……今は、どこか焦っているような気がする。

 俺はかなめと目をしっかり見据えて言った。

 

「何だってそんなことするんだ?」

「……‘‘双極兄弟(アルカナム・デュオ)’’。理論上存在するとされる最強の兄妹。兄妹が相互にHSSににできる関係になれば……地上最強の相棒(パートナー)になる。……だけど、私は‘‘お兄ちゃん’’より‘‘イブキにぃ’’の方がHSSになりやすそうだし、あたしもその方がいいから……イブキにぃを相棒(パートナー)に選んだ。」

 

かなめは俺から目を離さずに……ゆっくりと説明する。

 

「だから……厳密に言うと‘‘双極兄弟(アルカナム・デュオ)’’にはならないけど……‘‘辻希信(SSS級危険人物)の切り札’‘で‘‘FBI・USA(米国陸軍)に泥を塗った少年’’、‘‘不死の英霊(イモータル・スピリット)’’と呼ばれるイブキにぃと、HSSによって最強になるあたしが組めば……どんな相手にも負けない!!もう……イブキにぃが‘‘あんな男’’と一緒に戦って死にそうになるなんてことも無くなるの!!!」

 

最後は叫ぶようにかなめは説明した。

 

 ……なんとなくだが理解した。毎回……俺は‘‘三途の川でコサックダンスしている’’ような事をしてるから、かなめは心配だったのだろう。だから……その『HSS』になって、俺の負担を軽くさせようと……。

 

 そこで一つ疑問が生まれた。これはとても重要な話だ。

 

「なぁ、かなめ。一つ聞いていいか?」

「……うん」

「『HSS』って……なに?」

「え?」

「……え?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 HSS(ヒステリア・サヴァン・シンドローム)とは!!性的興奮をすると中枢神経が劇的に活発化し、戦闘能力が向上する状態である!!この能力は遠山家だけに伝わる能力である!!

 

 ……うん、初めて知った。キンジがエロ本やら何やらを見ると、『白馬の王子様モード』になると強くなるのはそのせいだったのか。

 

『性的興奮』とあることから……『子孫繁栄の本能の異常体質』と仮説を立てれば、キンジが『白馬の王子様モード』の時に性格が変わるってのも説明がつく。

 

「なるほど、遠山家ってのはそんな体質があったのか。」

「うん……」

 

 ……しっかしまぁ、そんなチート能力があったなんて。俺の一族なんて、何の能力もないってのに。

 

強いて言うなら‘‘ツイてない’’事と‘‘負けん気’’ぐらいか……と思いながら、かなめの説明を聞く。

 

「HSSは戦闘では強者になる代わりに……恋愛では弱者になるから。HSSになると性格が変わるなんて……こんな体質は普通理解なんてされないし、己でも嫌悪する……。で、でも……」

 

かなめは俺に近づき手を取り、顔をギリギリまで近づけ、すがるような目で俺を見てきた。

 

「でも……イブキにぃならきっと受け入れてくれると思って……。あたしを最初に受け入れてくれて……こんなワガママ言っても、こんなに迷惑かけてるのに許してくれて……だから、だからあたしは!!!」

 

 ……迷惑かけてる自覚はあったのか。

 

「……ちょっと考える時間をくれないか。一辺整理したい。」

「分かったよ。……急でごめんね。」

 

かなめはそう言って俺から離れ……

 

「……ところでイブキにぃ。あたしとの‘‘約束’’破ってない?」

「……え?」

 

……‘‘約束’’?確か『家族以外の女に近寄らない』だったっけ?

 

「いや、だから……無理だって言ってるだr……ッ!?」

 

  ガキッ!!

 

かなめは焦点が定まらない目のまま、包丁で切りかかってきた。俺は慌てて‘‘四次元倉庫’’から銃剣を取り出し、その斬撃を何とか逸らす。

 

「な、何しやがる!!」

「ねぇ、イブキにぃ?何回約束破ったの?正直に言えば……破った数だけ刺すだけで許すけど。でも隠したら……隠した分の10倍刺s……」

 

  プルルルル……

 

俺とかなめの間に……携帯電話の着信音とバイブ音が響く。

 

「「……」」

「電話……出てもいいか?」

「うん……」

 

かなめもさすがに興が冷めたようだ。

 

 

 

 

 

 

 

「はい……もしもし……」

「イブキさん、ごきげんよう。‘‘木箱’’を送ってくださり感謝していますわ。」

「あ、あぁ……代金は貰ってるしな……」

 

 ……なんでこんな時にダージリンから電話が来るんだよ!!

 

 田尻凛(ダージリン)とは……『閑話:高校生活2学期編  BOKO Hard 2.5』で知り合った聖グロリア―ナ女学院の次期戦車道隊長である。

 俺は彼女から金をもらい……聖グロリア―ナ女学院の学園艦へ『木箱(‘‘スナック菓子やカップ麺の入った箱’’という暗号)』を密輸(仕送り)している。

 

 ……そのお礼の電話は嬉しいが……なんでこのタイミングで電話してくるんだよ!!

 

「そのお礼と言っては何ですが……再来週、学園艦が横浜に寄港するの。その時お茶会でもどうかしら?」

「え、えぇ!?そ、そいつぁ嬉しいけど、断r……」

「では楽しみに待ってますわ。詳細な日程はまた後日。」

 

  ツー……ツー……ツー……

 

俺は……背筋が凍った。後ろには……般若がいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ……イブキにぃ?今の電話、女の人からだよね?なんですぐに約束を破るの?」

「いや!!だからそもそも約束してねぇだr……!!」

 

  ギィイイン!!

 

 かなめが握っている包丁は、白雪の私物の包丁で……どこかの有名な刀工が作った物らしい。そのせいで、包丁は見事なくらい『折れず、曲がらず、よく切れる』を体現しており、刃こぼれはほとんどない。

 

 ……そのせいで命の危機なんだけどな!!

 

 刃こぼれする銃剣を持ちながら……俺はかなめを睨む。

 

「あたしは約束を守ってるんだよ?なのにイブキにぃは約束を守らないなんて非合理的だよ?」

「だからって!!かなめの言っていることは無理なんだよ!!」

「どうして……ッ!!」

 

  ギィイイン!!

 

「……ドウシテ、分カッテクレナイノ!!!」

 

  ベキッ!!ザシュッ!!

 

「ッ……!!」

 

 とうとう銃剣は折れてしまい、包丁は俺の右腕を切り裂いた。

 

 ……表面を切り裂いただけだ。そこまで重症じゃない。

 

 かなめは包丁に付いた血を指で拭い、それを美味そうに舐めた。

 

「ねぇ……イブキにぃ。あたし、全部見てたんだよ?アクア・エデンの4人、エル・ワトソンに……今の女。エル・ワトソンって、女だったんだねぇ……。非合理的ィ!」

「……」

 

 ……かなめが俺をつけていた?いや……監視カメラなどで俺を監視していたのだろう。美術準備室の前で見つけた監視カメラは……かなめが設置したに違いない。

 

俺は新しい銃剣を左手に持ち、右手を背中でかなめから隠した。

 

 ……今のままはマズい。とりあえず逃げないと。

 

 俺は隠した右手を皿にし、そこへ滴り落ちる血をためる。

 

「イブキにぃの手足を壊して……部屋に閉じ込めて……。うん、そうだね。それが合理的だね。あたしがイブキにぃの全てをお世話して……」

 

かなめは両手で真っ赤になった頬を押さえながら興奮気味にしゃべり、その後包丁を構えた。

 

「イブキにぃ……ごめんね。でも……約束を破ったイブキにぃがいけないんだよ?」

 

かなめは再度俺を切りつけてきた。

 

 ガキッ!!ベチャッ……

 

俺はかなめの包丁を銃剣で受け止め、それと同時に右手の血をかなめの目に向かって放った。

 

「うぁああああ!!!」

 

俺はかなめの視界を奪い、‘‘影の薄くなる技’’を使って部屋から脱出した。

 

 ……チクショウ!!俺達から別れた後何があったんだよ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺はかなめから逃げ、第二中隊の隊舎に駆け込んだ。

 

「なるほど、そっちも色々と大変なんですね」

「すいません……いきなり来て、しかも手当てまでしてもらって」

 

駆け込んできた俺を見て第二中隊の面々は驚いたが……温かく受け入れてくれた。神城さんにいたっては、第二中隊参謀長かつ中隊長代理で忙しいのに……わざわざ手当てまでしてもらった。

 

「なるほど……その‘‘HSS’’というのは、『生殖本能の異常体質』であると仮説ができますね」

「やっぱり神城さんもそう思いますか?」

「まぁ……性的興奮でなくても‘‘何かしらの興奮’’によって能力や士気が向上するって例は身近にありますし。第二中隊(うち)の辻大佐とか………あ、これオフレコでお願いしますよ。」

「わかってますって」

 

 ……ほかにも、大砲や大型ロケット砲に‘‘興奮’’し、頭のキレが良くなる参謀長(神城さん)とかいるしな。

 

「村田君の友人であるキンジ君がそのせいで‘‘キザな性格’’になると言うのは理解できますが……かなめさんは本当に強くなるんでしょうか?……あ、処置終わりましたよ」

 

神城さんは包帯を巻いた俺の腕をポンとたたき、包帯やガーゼなどを戻し始めた。

 

「イテテ、ありがとうございます。……で、それってどういうことですか?」

 

‘‘HSS’’によって思考力、視力、聴力などが劇的に向上するらしい。それなのに強くならない?どういうことだ?

 

「あくまで仮説なんですが……結局は『生殖本能』が強いだけじゃないでしょうか?キンジ君が‘‘キザな性格’’になるのも、『オスがメスを囲もう』とする本能の表れだと思うんです」

「……ライオンの群れのように『自分の子孫を多く残そうとメスを囲む』ってことですか?」

 

 

ライオンの群れ(プライドと言う)には5~6頭のメスにオスが1頭だそうだ。

 ついでに、そのプライドを奪おうと他のオスが狙っており、奪われたオスは放浪するか死しかないそうで……閑話休題

 

 

「例えとして合ってるかどうか微妙ですが……そういうことです。‘‘HSS’’という本能によって、自分の(メス)を守るために(オス)は好戦的になりますが……(メス)は果たして好戦的になるでしょうか?」

 

 神城さんは救急セットを片付け、自慢のちょび髭をなでながら言った。

 

「私は動物に詳しくはないですが……オスがメスを奪い合うのは知っていますが、メスがオスを奪い合う動物を知りません」

「思考能力やその他が劇的に上がるが……性格が変わり、そのせいで戦闘以外にその能力が使われる可能性がある……」

「そういうことです」

 

 ……なるほど。かなめが‘‘HSS’’に目覚めても、強くなる可能性は低い……という事か。

 

「‘‘HSS’’については分かったんですが……義妹(かなめ)との関係修復はどうすれば……」

「そんなの簡単ですよ」

「……え?」

 

 俺がぼやいた瞬間、神城さんの雰囲気ががらりと変わった。

 

「突撃あるのみ!!!殴り込んで落とせばいいんです!!」

「……はい?」

「壁ドンでもキスでもやり!!かなめさんを興奮させればいいんですよ!!」

「い、いや……!!何言ってるんd……」

「殴り込み、しおらしくなればそれでよし!!もし肉食になったら誘惑に耐えて逃げればいいんです!!」

「……あ、あの」

「当たって砕けろ!!Go for broke!!!」

「イヤイヤイヤ!!砕けちゃだめでしょ!?」

 

 ……でも、確かにありだ。(オス)は‘‘(メス)を守る性格’’になるのなら……(メス)は‘‘(オス)が守りたくなるような性格’’になるはず。そんな(メス)が肉食系なわけがない。

 

 その仮説が正しければ……かなめが興奮すれば、大人しく引くだろう。ただし、男を誘惑する様な性格(意識・無意識問わず)になるという危険性はあるが……。

 

「……まぁいいや、すいません相談に乗ってもらって」

「頑張ってくださいよぉおおお!!!」

 

 ……暑い

 

 

 

 

 

 

 

 

「そう言えば神城さん。こう……使い捨てができて、威力の高いロケット砲や無反動砲とかありませんか?」

 

俺が話を変えた瞬間……神城さんの目がギラリと光ったような気がする。

 

「ほう…………。村田君もやっと大砲の魅力が分かる様になりましたか!!」

「いえ……そう言うわけじゃなくて……」

「では来てください!!」

 

神城さんは俺の腕を取り、走り始めた。

 

 ……美少女ならともかく、おっさんが手を引くなんて

 

「何を!?まだ私は30代ですよ!?」

「……10代の俺にしたら十分おっさんですよ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 第二武器庫についた。ここは最新・運用中の武器庫ではなく、旧式の武器や第二中隊第一小隊の隊員が個人で使う武器が保管されている倉庫だ。

 

「いやぁ~さすがは村田君!!いえ、村田大尉!!大砲……しかも巨砲のロマンが分かるなんて!!」

「いや、そういう意味じゃないんですけど……」

 

神城さんは鼻歌を歌いながら扉を開け、ズンズンと倉庫内を歩いて行った。

 

「やっぱり初心者にはこれでしょう!!『8.8cm FlaK 18』です!!!」

 

俺と神城さんの前には……一つの高射砲が堂々と置いてあった。

 

「……冗談ですよね」

「……騙されませんでしたか」

 

 

 

 

 

「これが無難じゃないですか?」

 

神城さんが見せてきたのは……3mほどのミサイルを見せてきた。

 

「……なんですこれ?」

「超高速で飛翔する、炸薬ではなく運動エネルギーで戦車を破壊するミサイル『LOSAT』です!!!」

 

 『LOSAT』とは……簡単に言うと『戦車の砲弾をミサイルで超音速で飛ばしたら、砲身とか必要無いじゃん!!』を体現したミサイル(Made in USA)。無論、個人運用の兵器ではない。

 

「……こう、小型で汎用性の高い奴がいいんですが」

 

俺の言葉に……神城さんの口はへの字に曲がった。

 

 

 

 

 

「……これがいいんじゃないですか?」

「ちょっと大きいですね」

 

神城さんがぶっきらぼうに言って説明したのは……パンツァーファウストを二回り大きくしたようなものだった。

 

「デイビー・クロケットです」

「で、デイビー・クロケット!?なんでここにあるんですか!?」

 

 

‘‘M388 デイビー・クロケット’’とは……戦術核兵器だ。無論『made in USA』

 

 

「ロスアラモスの時に鹵獲してそのままですね」

「さっさと廃棄しましょうよ!!!こんな物騒なもの!!」

「……どうやって廃棄するんですか?日本には核兵器がないことになっているんですよ?」

「…………なんで鹵獲したんですか?」

 

 

 

 

「冗談はさておき……無難なのはこれでしょう」

 

そう言って出したのは……パンツァーファウスト、パンツァーファウスト3、そしてバカ

でかいロケット砲の計3種類だった。

 

「この二つは知っていると思うので説明は省きますが……これは四式20センチ噴進砲です。」

 

 神城さんはバカでかいロケット砲を指さしながら答えた。

 

「……どう考えても250キロは越えますよね」

「227.6キロです。25ミリ機関銃を担いでいるならこれくらい簡単でしょう?」

「……それ以前に博物館行きの武器ですよ?弾薬費もかかるだろうし……」

「それは大丈夫です!!今私が独断でやっている計画がありまして、20センチ砲弾の大量生産が始まってます!!それにですね……」

 

その後……神城さんの説得によってパンツァーファウストと20センチ噴進砲を所持させられることになった。

 

 

 

 

 

 

「あと少し……この実験が成功すれば、晴れて『技術実験艦』として戦艦が建造できるように……」

 

村田大尉を隊舎へ送った後……私は自室へ向かい、そこにある戦艦の図面と試製大型艦砲の図面を見ながら言った。

 

 

 

 

 

 

 俺は用意された部屋のベッドメイクを済ましたあと、携帯を取り出し、平賀さんに電話をかけた。

 

「あ、平賀さん?パンツァーファウストと四式20センチ噴進砲を銃検に通してほしいんだけど」

「…………村田君、さすがにそれは無いのだ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌日、俺は隊舎から学校へコソコソ向かった。

 そして、上履きに履き替えるために自分の下駄箱をを開けると……ハートのシールが貼られた手紙が入ってあった。

 

 ……これは、まさかのラブレターか!?

 

俺は慌ててその手紙を上着のポケットにねじ込んだ。

 

 ……ラブレターなんて、生まれて初めてもらったぞ!?

 

俺は軽いステップで教室へ向かった

 

 

 

 

 

「おう!!おはよう!!」

「……」

 

クラスメイト全員が‘‘変質者を見るような目’’で俺を見てきた。

 

 ……え?俺なんかした?

 

俺は大人しく席に着くと……武藤と不知火がやって来た。

 

「なんだなんだ?そんなにテンション高いなんて珍しいな」

「村田君、何かあったのかい?」

 

俺は手をちょいちょいと動かし、二人を近づけた。

 

「まぁ……二人とも見てくれ。こいつが下駄箱に入ってたんだ」

 

俺はあの手紙を机の上に置いた。

 

「ラブレターなんて初めてもらったぜ」

「い、イブキテメェ!!お前だけは俺と仲間だと思ってたのに!!!」

「村田君、おめでとう」

 

武藤の歪んだ顔が……いやはやここまで心地がいいとは……。これが‘‘愉悦’’という物か……。

 

「残念だったな武藤、俺はお前より先に大人の階段を登るわ」

「く、くそぉおおおお!!」

 

俺はそんな武藤を尻目に封筒を開けると…‥和紙に近い手触りの便せんが出てきた。太い字で、しかも‘‘裏抜け’’してしまっている

 

 ……さて、生まれて初めてのラブレター。なんて書いてあるんだ?

 

俺はワクワクしながら便せんを開くと……

 

『村田維吹殿

 本日昼休ミ、体育館裏ニテ待ツ。武装シテ来ルベシ』

 

 達筆な文字で……大きく書かれてあった。

 

「……」←俺

「ゴフッ……お、‘‘大人の階段’’ね……。ククッ」←武藤

「ッーーー!!!(必死に口を押える)」←不知火

 

「「アッハッハッハ!!!」」←武藤&不知火

「べらんめぇ、てめぇら!!表に出やがれ!!!」

 

それでも二人の笑いが止まらなかったので……とりあえず二人に拳を一発ずつ入れておいた。

 

 

 

 

 

 

 

「……お前ら何があったんだ?」←キンジ

「「うぅ……ククッ……」」←苦悶の表情を浮かべつつも、目は笑っている二人

「…………」←机に肘をつけ、頭を抱えるイブキ

 

 

 




 遠近体操とは……近くの物を5~10秒、次に遠くのものを5~10秒見るというのを繰り返し、視力を上げるという物。確かに、自分は1ヵ月やって0.1は上がりました(個人差があります)


 かなめが言った『あんな男』とは誰でしょうか……。

「……あ?」←酒と映画で停職を楽しむニューヨーク市警の刑事

もうそろそろ出番なので、アップを始めてくれると嬉しいんですが……

「うるっせぇな。こっちは停職を楽しんでいるんだ。邪魔すんな!!」



 血で、目くらましをする技は、『ゴールデンカムイ』での『犬童VS土方』をモデルにしています。『ゴールデンカムイ 3期』待ってますよ!!


 ‘‘30代はおっさん’’……これは、最終章への布石(そこまで書けるといいなぁ)にでき……るかな?何年後になるんだろ。

 
 日本には核兵器はありません……。いいね?


 ‘‘裏抜け’’とは……紙の裏までインクが染みてしまう事。ついでに‘‘裏移り’’という事も……(小中高は‘‘裏移り’’でした)。



Next Ibuki's HINT!! 「Queen」

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