少年士官と緋弾のアリア   作:関東の酒飲

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遅れてすいませんでした。

 言い訳としては……出来が良くない。直せば直すほど悪くなる……という状態でして…‥。

 あと、バイトも……(今までバイト中に書ける環境だったのに…‥)




高速の神輿は危険……

 翌日の早朝、俺とキンジ・かなめの三人(キンジは無理やりたたき起こした)はアリア・白雪・レキ・ジャンヌの部屋に突撃し、初手から‘‘玄関前で土下座して謝る’’という最終手段をとった。

 その際、白雪とジャンヌは許してくれたものの……アリアは口を‘‘への字’’に曲げて不機嫌そうに、レキは無表情だった。

 

 

 

 さて、その日の放課後。『デートに行きたい』と言って抱き着いてくるかなめを無理やり離し、『もう一人の兄ちゃんも寂しがっているから偶には構ってやれ』とキンジに預け、俺は兵部省のとある会議室へ向かった。

 本日午後2時から日本陸海空軍が極東戦役(FEW)での戦略・戦術を俺たちに伝える重要な会議があるのだ。

 

「今回、進行役を担当させていただきます兵部省直属特殊部隊第一中隊中佐の瀬島龍二郎です。どうぞよろしく。」

 

瀬島中佐がペコリと挨拶をした。

 

「……。(イライラ)」

 

俺の前の席に座っている辻さんは……後ろからでもわかるほど不機嫌だった。

辻さんと瀬島中佐は‘‘犬猿の仲’’、きっと瀬島中佐が進行役なのが気に食わないのだろう。

 

 挨拶をした後、瀬島中佐はこっちのほうを向き……一瞬ドヤ顔をしてきた。すると、辻さんはさらに不機嫌になり、周囲の空気が歪んで見える。

 

 ……嫌な始まり方だな、おい。

 

「「……ハァ」」

 

俺と通路一つ空けて隣にいる藤原さんは……思わず大きなため息が出た。

 

 

 

 

 

 

 まずは現状報告と今後の展開について説明があった。瀬島中佐曰く……

 

・『欧州戦線は‘‘師団(ディーン)’’が‘‘順調に’’負けている』

・『極東戦線は国内の敵対組織を一網打尽したあと、藍幇(ランパン)の上海・香港・マカオ支部を落とし、放置』

・『その後、欧州戦線へ転戦』

・『北米戦線は放置』

 

だそうだ。

 

 ……欧州で何が起こってるんだ?それに一気に三都市落とす?どうやるんだ?

 

「では質問のある方は挙手し、所属と名前を言ってから質問をお願いします」

 

 俺は勢いよく手を上げた。ほかにも複数人が挙手する。

 

「では、空軍の君」

「第521航空隊の江草少佐です。空軍は支援だけでしょうか?」

 

 神城さんよりも若い、優しそうな人が質問した。

 

「343空が本土に戻ってくるまで、空軍は本土防衛を主軸とします。その後、多少は欧州戦線や対藍幇(ランパン)戦に引き抜かれるかもしれませんが、今は断定できません。」

「……了解しました。」

 

江草少佐は不満そうに椅子に再び座った。

 

 

 

 

「……では、第二中隊の君」

「HS部隊第二中隊の村田大尉です。」

 

やっと俺の番が来た。俺は自分の名前を言うと、周りがざわめいた。

 

 ……何か悪い事でもしたか?

 

「質問は二つです。

  ・『欧州戦線が‘‘順調’’に負けている』とはどういうことか

  ・上海・香港・マカオ攻略はどの部隊が行くのか

の以上です」

 

俺がそう言うと……辻さんが勢いよく立ち上がった。

 

「その質問にはこの希信が説明しよう!!!」

「うるさいんだよ辻、でしゃばるな。」

 

瀬島さんは苛立たしそうに言い放った。

 

「なんだと瀬島!!この件の担当はこの希信だ!!希信ほどの適任者がいるのか!?」

「‘‘会議の邪魔だからでしゃばるな’’って言っている!!分からないのか狂人!?」

「「……あぁ!?」」

 

辻さんと瀬島中佐は互いに近づき、胸元を掴みあった。

 

「つ、辻さん!!ここで喧嘩はマズいですから!!俺が……自分が悪かったんで、止めてください!!」

「せ、瀬島中佐!!中佐殿!!落ち着いてください!!」

 

俺と藤原さんは二人を羽交い絞めにするが……それでも暴れる二人を拘束できない。

 

 

 

 

「二人とも静かにしろ」

「「はっ!!」」

 

山口少将がとうとう頭に来たのか……‘‘人殺しの様な目’’で二人を威圧しながら言い放った。そのおかげで、二人は喧嘩を止めて元の場所に戻った。

 

 ……もしFateの世界で山口多門丸少将が召喚されたら‘‘ルーラー’’のクラスだろうな

 

俺はそんな下らない事をつい考えてしまった。

 

「辻、欧州戦線のことを説明しろ」

「ハッ!!」

「た、隊長!!それは……」

 

辻さんの顔は歓喜に、瀬島中佐の顔は驚愕の表情を浮かべた。

 

「まぁまぁ……いいじゃない。担当が話したほうがいいだろうし」

「し、しかし……」

「そのくらいの度量も無いと将官にはなれないぜ?ほら、落ち着けって」

「……」

 

最近HS部隊第一中隊中隊長に任命された鈴木敬次大佐が瀬島中佐をなだめ、何とか説明できる空気になった。

 

「では!!この希信が説明しよう!!今回の‘‘極東戦役においt……」

 

 

 

 

 

 

 辻さんの説明を要約すると、

『将来、交渉の席に置いて主導権を得るために……‘‘日本が欧州戦線に参加し、それによって勝利した’’という実績が欲しいそうだ。そのために辻さんが工作し、矢原さんが援軍として欧州戦線で撤退戦をやっているそうだ。なお、最終防衛ラインは‘‘ダンケルク’’。』

 

 ……‘‘撤退の柔らか’’こと 矢原嘉太郎(兄者さん)(高校生活夏休み編 ラッシュ〇ワー  海外にはこいつがいる・・・で登場)が撤退戦を指揮しているなら安心だ。兄者さんなら2~3年ぐらいは遅滞戦術で耐えられるんじゃないだろうか。

 

 

 

そして、対藍幇(ランパン)戦は……

 

『上海は第二中隊が、香港は‘‘バスカービル’’と村田大尉()で落とすことになっている。マカオは第一中隊の鶴見中尉が工作をし、派閥争いによって破壊する』

 

と瀬島中佐が説明してくれた。これにより……俺の‘‘修学旅行・Ⅱ(キャラバン・ツー)’’は強制的に‘‘香港’’に決まった。

 

 ところで、‘‘修学旅行・Ⅱ(キャラバン・ツー)’’は上海・香港・台北・ソウル・シンガポール・バンコク・シドニーから選んで好きなところを行けるそうで……

 

 ……嘘だろ!?グレートバリアリーフが、オペラハウスが、カンガルー肉のハンバーガーが遠ざかっていく……。

 

「村田大尉、分かったか?」

「…………了解しました」

 

俺は……自分の椅子に倒れこむように座った。

 

 ……あれ?シドニーってグレートバリアリーフないじゃん

 

「では、第一中隊の君」

「はい、HS部隊第一中隊少尉、小野田です。敵対組織の一網打尽の件ですが……」

 

 ……早く終わんねぇかなぁ。

 

俺はあくびを噛み殺した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 8時間半弱による会議(乱闘有り)をやっと終え、俺は肩のコリをほぐしながら会議室を出た。

 

「おいボウズ!!たまには飲みに行かねぇか!?」

「うわっ」

 

会議場を出てすぐ、俺は鬼塚少佐に肩を組まれ、飲みに誘われた。

 

 ……俺の顔にヒゲがジョリジョリ当たって痛いんですが

 

「い、痛い。痛いですから!!……まず連絡するんで待っててください」

 

俺は携帯の電源を入れると……キンジから何度も電話が来ていた事に気が付いた。

 

 ……なんかあったのか?

 

 

 

 

俺はキンジに電話をかけた。

 

「……キンジ、どうかした?」

『イブキやっとつながったか!?白雪とかなめが‘‘ランバージャック’’をやることになったぞ!?』

「……‘‘ランボー’’ジャック?」

 

 ……え、何?理子のやったチャリジャックは知ってるけど、ヒューマンジャックなんて聞いたことがない。それに……‘‘ラ〇ボー’’をヒューマンジャック?

 

「……映画に出れるなんてよかったじゃねぇか。駄作になりそうだけど」

『違う!?あれだ……決闘だ、決闘!!とにかく急いで戻ってこい!!10時半に始まるからな!?』

 

  ツー、ツー、ツー……

 

時計を見ると……10時半まであと6分。兵部省がある新宿から学園島まで6分で行けるわけがない。

 

「……ん?どうしたんだ?」

「……なんか、かなめが決闘やるみたいで」

「「「ほぉ~、あのかなめちゃんが!!」」」

 

辻さん、神城さん、鬼塚少佐が反応した。そう言えばこの三人、かなめのこと知ってたな(‘‘新人軍人編 休日くらい上司から離れたい・・・’’より)。

 

「あの子が星伽と決闘とは!!この希信、興奮する!!」←辻

「これは良い肴になりますね。早く行きましょうよ!!」←神城

「おう、ボウズさっさと行くぞ!!」←鬼塚

「いやいやいや!!!5分でどうやって学園島まで行くんですか!?」←俺

 

すると辻さんは携帯を出し、タクシーを呼ぶと……

 

「総員走れ!!」

「「ハッ!!」」

「いや、どうやったって間に合わn……ちょ、鬼塚さん襟持たないで!!走れます!!走りますから!!」

 

俺は鬼塚さんに襟首を掴まれ、そのまま引きずられていった。

 

 

 

 

 

「村田君、ご愁傷様……」

「ふ、藤原少佐……彼が‘‘不死の英霊(イモータル・スピリット)’’の村田大尉ですか?」

「そうだぞ、小野田……。彼に近づくと色々と巻き込まれる。気をつけろよ?」

「そう言う割には、少佐は面白がって関わってますよね。」

「まぁね。」

 

 

 

 

 

 

 どんな魔法を使ったのか分からないが……10時27分、学園島に到着した。しかも、かなめと白雪を‘‘バスカービル’’のメンツと理子が囲み、‘‘COMPOTO’’が近くで酒盛りしている目の前にタクシーは止まった。

 

 ……え?何があったの?2分弱……いや、1分ちょっとでどうやってここまで来れるの!?

 

「ジョーンズ殿!!この希信、誠に感謝感激である!!ありがとう!!」

「アリガトゴザマシタ」

 

タクシーの運転手(外人)はそう言って缶コーヒーを開け、チビチビと飲み始めた。チビチビとそれを飲んではいるが……その姿は(さま)になっていて格好いい。

 

 ……何この運転手、渋くてかっこいい。そう言えば、トミー・リー・〇ョーンズに似ているような気が……

 

決闘が始まったので、俺はそんな考えを捨てて、二人の戦いを観察した。

 

 

 

  『この惑星の住人は常に時間に囚われ、急いでいる。急ぐ事などそれほど無いはずだ。』

 

 

 

 

 

 さて、決闘の結果……かなめの長刀は折られ、負けてしまったが……みんなとは和解したようだ。

 和解の祝いとして……相変わらず俺達は酒を飲み交わす(許可証のない人はソフトドリンク)。

 

 ……確かに手に汗を握る決闘、そして感動の和解、確かによかった、よかったんだけど……

 

「うぅ……希信は、今!!猛烈に感動している!!」←辻

「良かったですねぇ、かなめさん……。」←神城

「うぅ……前が見えねぇ……」←鬼塚

 

 ……号泣しながら感動するこの3人が居なければ……断然よかったんだけどな。

 

俺はこの三人を尻目に、グイッと酒を飲み干した。

 

 ……あ、コレ俺の酒じゃね?

 

よく見ると……酒蔵部屋にあった一斗樽がドーンと置かれている。それを確認し……俺はため息をつきながら空を見上げた。居待月(18日ごろの月)が夜空にポツンと浮かんでいた。

 

 

 

  『ただ……この惑星の‘‘仲直り’’は、美しい。』

 

 

 

 

 

 

「あ、イブイブ!!グラスが空いてるよ!!」

「……え?あ、ありがとな」

 

理子はそう言って俺のグラスに酌をしようと……

 

「イブキにぃ!!可愛い妹がお酌してあげるね!!」

 

かなめは理子に体当たりをしたあと、俺のグラスに酒を注いだ。

 

「……へぇ~、カッちゃんはそう言うことするんだ。」

「……あれ?‘‘理子お姉ちゃん’’いたんだ~。ここは家族団らんの場所だよ?さっさと部外者はどいたら?」

「ふ~ん……りこりんはイブイブに告白されて、『一生一緒にいる』 って誓ってくれたから……家族の一員だよ?」

「「……あ?」」

 

 ……あの黒歴史……一生イジられるんだろうな。

 

思わずため息が出た。憎たらしいほど……月は輝き、俺達を眺めていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、その後のかなめは、毒気が抜けたのか……普通の学生生活をしているようだ。

 我が寮内でも甘えては来るが、以前ほどベタベタすることがなくなった(よく理子と喧嘩しているけど)。

 

「……以上で御座る。」

「いや……ほんとありがとう。風魔さん、助かった。……余りは取っておいて。」

 

 俺は風魔さんにかなめの動向を観察してもらった。かなめはちゃんと学生生活を送っているそうだ。

 俺はホッとしながら、風魔さんに封筒を渡した。封筒の中には依頼の2割増しの金額が中に入っている。

 彼女は封筒を開けて金額を確認し……感激したように目をキラキラさせながら俺を見てきた。

 

「む、村田先輩!!こんなに沢山……!!」

「それと……軍の横流し品なんだけど、古々米の玄米いる?カビが生えてないのは確認したk……」

「ぜひっ!!!」

「お、おう……」

 

その後、風魔さんは封筒を胸元に入れた後、米俵2俵(約120キロ)を担ぎ上げ、スキップをしながら帰っていった。

 

 ……風魔さん、どんだけ飢えてんだよ。

 

俺は思わず涙が出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 風魔さんからの報告を受けた翌日……俺はため息をついた。

 

「……チクショウ。俺ばっかり狙いやがって」

「ゴフッ……」

 

俺はボヤキながら……本日23人目の相手を無力化した。

 

 

 

 今日は東京武偵高の体育祭だ。さて、ここの体育祭は……第1部と第2部がある。

 

 第1部は東京都教育委員会の監視があるため……我々生徒達は‘‘美しい青春を生きる、爽やかな高校生’’を演じながら、教務課(マスターズ)の指定した競技を行う。ついでに俺は‘‘水球’’だった。

 

 そして第2部……教育委員会の監視が無くなるために、過激な競技が始まることになる。今年は、男子が『実弾サバゲ―』、女子は『水上騎馬戦』だそうで。

 『実弾サバゲ―』とは、文字通り‘‘実弾’’で‘‘サバゲ―’’をやるのだが……ルールは『完全な無力化』だけ。一応……『地面に背中が付いたら負け』とはあるが、全員それを守っていないため、形骸化している。

 

 

 

 ……っけ、キンジはうまく逃げやがって。

 

俺は乾パンの袋を開けながら、ため息をついた。

 キンジは……女子の『水上騎馬戦』に参加する‘‘バスカービル’’の監督役で難を逃れたらしい。全く……羨ましい限りだ。

 

 ……水着の女の子を見れなんてうらやm……いや、サバゲ―から逃げやがって。

 

ここの生徒達は積極的に参加するため……無論、何人もの生徒が俺を狙ってきた。

 

 ……ゆっくり飯を食えたもんじゃない。

 

俺はため息をつきながら乾パンをかじる。本来は体育祭の後に飯だそうだが……‘‘腹が減っては戦ができぬ’’。食える時に食わねぇと……。

 

 ……半径40m内に3人、敵意アリ。

 

俺は袋に入っていた金平糖をかみ砕いた。

 

 

 

 

 

 

 昨日は体育祭があったため、本日は振り替え休日だ。俺は体中から痛みがするが……それを無視して惰眠を(むさぼ)ろうとする。

 さて、昨日の『実弾サバゲ―』で32人抜きした俺は……その後ベオウルフに当たり、ボコボコにされたのだ。そのせいで体中が痛い。

 

 ……チクショウ、体中が痛くて眠れねぇ。

 

俺は諦めてハンモックから降り、服を脱いで自分の体を確認すると……アザという花が咲き乱れていた。

 

 ……こりゃ眠れねぇはずだ。というかこんなにアザ作るなんて久しぶりだな。……鈍ったか?

 

俺はため息をつきながら着替え始めた。

 

 

 

 

 俺はリサ特製の朝食を食べ、お茶で一服していた時……

 

  バァン!!!

 

悪魔が扉を蹴破ってきた。

 

「村田!!いるかぁ!?」

「りょ、両川さん!?」

 

 扉を蹴破った悪魔は……両川勘吉巡査長。彼は俺を見つけるや否や襟をつかみ、引きずる始めた。

 

「ちょうどよかった!!人数が足りてなくて困ってたんだ!!」

「ちょ……ま、待って!!襟は止めて襟は……」

 

俺は……両川さんに拉致られた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「第5回海上神輿大会!!」

「「「「「「イェー!!!!」」」」」」

 

俺は両川さんに城南島海浜公園に拉致られた後、衣服をはぎ取られ、真っ白な六尺褌一つで神輿の前に立たされた。

 

「…………」

 

 ……和泉さん、『‘‘木曜どうでぃ’’でアメフト部に拉致られた』のを笑ってごめんなさい。『警察官(笑)に拉致られ、褌一丁にさせられる』のも相当恐ろしいです。

 

「今回!!ここ‘‘城南島海浜公園’’から‘‘お台場海浜公園’’までのやk……」

 

城南島海浜公園からお台場海浜公園までの約10キロの海上を、男四人で重さ20キロの御神輿(おみこし)を担いで渡るという競技だそうだ。

 ついでに……1位にはその年の福男という事で賞金1000万円貰えるそうで……

 

「……あの、左近寺さん。なんで俺が呼ばれたんですか?」

 

左近寺さんは葛飾署に勤務する警察官で、筋骨隆々なマッチョな体格の持ち主だ。ついでに、趣味はテレビゲームとフィギュア収集。最近はPCゲームに手をつけたそうで……

 

「本田が風邪で寝込んだ」

「……納得しました」

 

 ……本田さん、ご愁傷様です。できれば今日じゃなくて明日に風邪を引いてほしかった。

 

 俺達の神輿には、両川さん・左近寺さん・ボルボさん・俺の計四人が担ぐ。単純計算して一人当たり約5キロ。‘‘巻き足’’をしたら5キロの重りなんて屁でもないが……それを10キロ先に届けるなんて……流石にキツイ。

 

「では皆さん位置についてください!!!」

 

 ……なんで俺、こんなことやってんだろう?

 

俺は諦め、神輿を担いだ。

 

 

 

 

 

 

 開始から2時間半、トップを独走しているのは『築〇場外市場連合チーム』。しかも前回優勝した強豪チームである。

 第2位はどこかのテレビ局がバックにいる『お祭り男子衆チーム』。黒ぶちメガネの男性が威勢を張って頑張っている。それを撮る船の波が邪魔だ。

 第3位は我が『新葛飾署チーム』。1・2位を必死に追っているが少しずつ離されていく。

 

「クソッ……!!!このままだと離される!!」

 

両川さんは悔しそうに言うが……左近寺さんとボルボさんは肩で息をしていて、スピードが出ない。

 

  ドドドド……

 

 そんな時……小さなボートが近づいてきた。

 

 ……波は体力を奪うんだぞ!?

 

俺は思わず舌打ちをした。

 

「おいボウズ!!奴がやっと現れたぞ!!!」

「……は?」

 

 ……鬼塚少佐!?なんだってここに!?

 

鬼塚少佐はゴムボートの上で腕を組みながら立っていた。

 

「やっとGⅢが出てきた!!そんなことやってないでさっさと準備しろ!!」

「ちょっと待って鬼塚!!」

 

両川さんが反論した。

 

「ただでさえ負けてるってのに、人を抜くだと!?」

「待てって両川、代わりの人員は連れてきた」

 

鬼塚少佐はそう言ってゴムボートの後ろを見て合図をした。俺達も視線をそこへ向けると……

 

「……ヤッホー!!」

 

ゴムボートには鬼塚少佐のほかに、浅黒い肌にアフロのダンディー(笑)なおっさんが居た。

 

「「ジミ!?(ジミさん!?)」」

「軍からの日給に1000万でしょ、やるやる。」

 

 

彼は『ジミさん(又はジミおじさん・ジミなど)』。超有名なギタリスト:‘‘ジミ〇ン’’に似ているためそう言われている。本名は不明。

そして鬼塚少佐の大親友(マブダチ)で、身体能力はバケモノ(辻・鬼塚)以上。両川さん並みだ。

ついでに、ジミさんはよく職が変わる。(職が変わる=ジミる なんて言われたりもする)

 

 

 ジミさんは揺れるゴムボートの上で柔道着を脱ぎ、褌一丁になるとそのまま海に飛び込んだ。そのまま俺の近くまで泳いでくると……

 

「ほら村田!!さっさと変われって!!」

「ゴフッ!!」

 

ジミさんは俺を蹴って無理やりどかし、神輿を担いだ。

 

「ほら両川!!1000万は俺達の物だ!!」

「当たり前だ!!行くぞジミ!!左近寺!!ボルボ!!」

「「「おう!!!」」」

 

すると『新葛飾署チーム』の神輿はスピードをグンと上げ、第2位の『お祭り男子衆チーム』を軽々と抜き去った。

 

「うわぁあああああ!!!」

「うおぉおおおおお!!」

 

 ……あれ?そう言えば『お祭り男子衆チーム』の黒ぶち眼鏡、なんかの番組で見たことある様な……。カット

 

 

 

 

俺はゴムボートに上り、タオルで体を拭き始めた。もう11月の下旬、海の中はともかく……海から上がると途端に寒くなる。

 

「鬼塚少佐、GⅢはどこですか?」

「奴はこの先、‘‘船の科〇館’’近くの海だ。……ほらよ。」

 

鬼塚少佐はそう言って拳ほどの大きさのものを俺に投げてきた。

 

 ……あの神輿の進路上に居るのか。

 

俺はそう考えながらそれを受け取った。手にズシンとくる。

 俺は思わず確認すると……それは超小型の酸素ボンベだった。何故これを渡してきたのか全く理解できない。

 

「……なんです、コレ?」

「見りゃわかるだろ?酸素ボンベだ。それと……これな。」

 

そう言って鬼塚少佐がさらに渡してきたものは……ゴーグルと銃剣。嫌な予感しかしない。

 

「少佐……俺の戦闘服に装備はどこですか?」

「だから…………それだ」

「……は?」

 

 ……おい、ちょっと待て。‘‘名も無きブイ(新人軍人編 私事に部下を巻き込まないで・・・)’’じゃねぇんだぞ?

 

「坊主……俺達は奴らの飛行機に潜入し、奴らの仲間を無力化する。そのために坊主は囮となってGⅢと戦ってもらう。」

「……はい。それでなんでこの装備だけなんですか?」

 

俺はそう言って手に持つ三点セット(酸素ボンベ・ゴーグル・銃剣)を見た。

 

「奴らは水中の警戒は(おこた)ってる。だからだ。」

「いやいやいや!!!だからって褌一つはないd……」

「うるせぇ!!さっさと行け!!!」

 

  バキッ!!!……ポチャッ

 

鬼塚少佐はさっさと行かない俺にイライラしたのか……俺の頬を殴り、海に落とした。

 

 ……クソッ!!この‘‘自走式暴力装置’’め!!

 

俺は痛む頬を無視しながらゴーグルと酸素ボンベ・銃剣を装着し、‘‘船の科〇館’’へ向かって潜水した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 キンジは激怒した。必ず、かの邪知暴虐(じゃちぼうぎゃく)のGⅢを除かなければならぬと決意した。キンジには戦略がわからぬ。

キンジは日本の武偵である。(アリア)の銃弾や、その他の女難から逃げて暮して来た。けれども正義に関しては、人一倍に敏感であった。

 

 

 キンジは『かなめのカレー(睡眠薬入り)』を食べ、戦闘に出遅れてしまった。ワトソンのクラウンで‘‘品川火力〇電所’’に向かいながら、ジャンヌがTV電話によって送られてくる戦場の情報を見ていた。

 アリア・理子・レキを倒したGⅢは不機嫌そうにかなめを見ていた。

 

「サード、殺す必要はない。ば、バスカービルは……師団(ディーン)は敵じゃない」

 

かなめは声を震わせながら……海上に立っているGⅢに意見し、

 

「……フォース、これは命令だ。」

 

  えっさ、ほいさ……

 

GⅢはそれを……威圧しながらかなめの命令を無視した。

 

「でも、サーd……」

「フォース!!!命令を聞けんのか!!!」

 

  えっさ、ほいさ……

 

かなめはスクッと背筋を伸ばし、‘‘回れ右’’をしてジャンヌの方向へ向いた。

 

「あ、あたしは……」

 

かなめの顔は……恐怖の表情で歪む。声と手は震え、息は荒い。

 

「……自分より強い者には、絶対逆らわない……それは、非合理だから……」

 

かなめは震える両手を交差させ、腰の刀に置いた。

 その時だった。海上から高速で‘‘ある物体’’が、威勢よくGⅢに突っ込んできた。

 

 

 

「「「「えっさぁ、ほいさ!!!!」」」」」

「テメェら!!!後ろが追い付いてきたぞ!!!気合を入れろぉ!!!」

「「「おう!!!!」」」

 

  バキッ!!!ヒュ~……ポチャ……

 

GⅢは……神輿に轢かれ、海に落ちた。

 

「「「「……………」」」」

 

 

 

GⅢは重い武装のせいで浮かぶのがやっとのようだった。GⅢは半分(おぼ)れている様な泳ぎをして移動し、目に見えない何かに掴まった。

 

「……海水のせいで壊れた」

 

さっきまでLEDの様な物が光っていた装備は、いまでは何の光も発しない。

 

  ドドドドドドドドドドド!!!

 

GⅢは‘‘どっこいしょ’’と海上にある見えない何かに登った瞬間……

 

バキッ!!!

 

「ボルボ、左近寺、ジミ!!トップに追いつくぞ!!!」

「「「おう!!!!」」」

 

新たな神輿がGⅢを襲った。GⅢは海に落ち……不幸なことに後続の神輿の進路へ落ちてしまったのだろう……。その後も神輿に何度も轢かれ続け、瀕死の状態になってしまった。

 

「……強い、のか?」

 

キンジは……GⅢの強さと今の状態(民間人の神輿でボロボロ)のギャップのせいで、思わずつぶやいた。

 

「君には分からないだろうけど……日本って国は異常だよ。」

「……」

 

ワトソンは遠い目をし、画面越しのかなめは目を背けた。

 

 

 

 

 




 第521航空隊の江草少佐……某‘‘艦爆の神様’’がモデル。今後彼が出てくるかは未定。

 
 「‘‘ルーラー’’……。山口多門丸。……君は寿司が好きか?」
狂戦士(バーサーカー)の辻、瀬島、村田に大ダメージorバフ!!……ネタです。


 HS部隊第一中隊の小野田少尉は……今後出るかどうかは未定です。モデルは…‥某‘‘ルバング島の投降兵’’です。


 もちろん、‘‘神輿を担いで東京湾を泳ぐ’’なんて祭りはありません(……ないよね?)空想上の物です。


 左近寺、ボルボは某‘‘亀有公園前の交番’’の漫画の登場人物がモデル……です。


身体能力表
 両川・ジミ>辻・鬼塚≧神城・キンジ(HSS)>>(越えられない壁)>>アリア・理子・白雪・レキ・ワトソン>キンジ(ノーマル)
イブキですか?両川~辻クラスを行ったり来たりです。


 ‘‘ジミさん’’は『やわらか戦車』のあの人をモデルにしています。
ジミさんが身体能力が以上に強い理由は……(ギャグとはいえ)砲弾の直撃に耐え、首が360度以上周れば……流石にイブキも砲弾の直撃は耐えられません(イブキの場合は回避まで)




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