少年士官と緋弾のアリア   作:関東の酒飲

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 熱燗が飲みたい季節ですね。

 こう……火鉢でつまみを炙ったりして、キュッと……。できたらいいなぁ。
 火鉢が欲しいです。(換気とか臭いの関係で無理だとか)


寒さは恐ろしい……

 度重なる神輿のせいで瀕死になったGⅢは、どこからか出てきた‘‘GⅢの仲間たち’’によって救出された。

 その間にキンジが到着し……GⅢとキンジは互いに(にら)み合う構図になった。

 

「……カナ!!何でそこにいる!!」

 

キンジは周りを見て……クレーンの上で座っているカナ(金一)を見つけた。

 

「私は極東戦役(FEW)の一つの可能性を見に来ただけ。それに……私は‘‘無所属’’。自衛はともかく、誰とも戦う義理はないわ」

 

カナはそう言ってキンジから目をそらし……GⅢを見た。いや……『観察を始めた』のほうが正確だろうか。

 

「でもGⅢ。あなたは‘‘バスカービル’’と敵対し、‘‘日本軍’’を挑発した。戦役に参加した者は‘‘死ぬか、敵の配下になる’’。それを見にk……」

「そんなの構わねぇ!!!」

 

GⅢは威勢よく言うが……戦化粧は海水で溶けてドロドロ、自慢の武装は廃棄(東京湾に違法投棄)し、見るに堪えない姿だ。

 

「とうとうこれで‘‘Gの血族’’が(そろ)ったなぁ!!……だが使えねぇ奴は切る。今はキンジとフォースが怪しいところだ。」

 

GⅢはそう言って……海上を歩いてキンジとかなめの方へ来る。GⅢの桁外れの威圧感と溶けた戦化粧が狂気を(かも)し出す。

 

「おい、フォース。何故殺さない!?これは戦争だ!!」

「かなめ!!かなめは利用されているだけだ!!命の恩義だか知らないが……『かなめを‘‘GⅢが’’助けた』のは自分の道具にするだけだろ!?」

 

GⅢとキンジの言葉に……かなめは覚悟を決めた様な、ギロッとした目をし、柄に手を置いた。

 

「……フォース、‘‘かなめ’’と言われていい気になったのかは知らn……」

 

かなめは回れ右をしながら抜刀し、GⅢへ突撃した。

 

「あたしは……あたしは‘‘かなめ’’だぁああああ!!!

「フォース、やっぱり使えなかったか……」

 

特攻するかなめを……GⅢは『失望した』とでも言いそうな表情で見た。GⅢはその表情のままゴツゴツした大型拳銃をかなめに向けた。

 

  ブォン!!!

 

「かなめ!!!!」

 

キンジは思わず叫んだ。GⅢの大型拳銃から‘‘光の線’’が伸び、かなめの(のど)を貫いたからだ。

 

「フォース……その短い命、無駄に散らすか」

 

GⅢはその大型拳銃を海に捨て、腰から‘‘光る剣’’投げ……かなめの腹に刺さった。かなめは崩れ落ちるように倒れ……なかった。

 

「……!!!」

 

かなめは目をカッと見開きながら足を踏ん張った。そして姿勢を低くし、刀を構える。

 

「うぉああああああああ!!!!」

「「……!?」」

 

姿勢を低くした状態で再び突撃を始め、GⅢに刀を振るう。

 

  ビュン……

 

「散らしてみろぉおおお!!!」

「ぐ……!?」

 

GⅢは慌ててナイフで応戦しようとしたが間に合わず、かなめに右手を斬られる。

 

「散らしてみろぉおおおおおおお!!!」

 

かなめは再び刀を振るい……GⅢは来ていたマントで刀を巻き込んで何とか防ぐ。

 

  ザバァ……

 

「あたしは不死身(イブキにぃ)の妹だぁあああ!!!

 

かなめは刀を捨て、腰のナイフを抜いてGⅢを刺したが……同時にGⅢの鉄拳を喰らった。

 かなめは何回もバウンドし……キンジのもとに転がった。キンジは慌ててかなめを抱き上げる。

 

「何でこうやったかわかるか!?」

 

GⅢは肩で息をしながら大声で言った。それと同時に、キンジの雰囲気が変わっていく……

 

「オメェがそうなるのを待ってたんだよ!!俺は!!」

「……俺はもう優しくないぞ」

 

キンジはまだ無事だった白雪にかなめを預け、GⅢをギロリと見た。その時…‥

 

  ベキッ!!

 

「……死ねよ、テメェ」

 

やっと……ゴーグル・小型酸素ボンベに褌一丁の変態(イブキ)が現れた。海から上がった変態(イブキ)はその恰好のままGⅢを後ろから殴った。

 

「……え?あれ……イブキ君?」←白雪

「……イブキにぃは……あ、あんな変態じゃな…‥ウッ……(白雪の胸の中で気絶)」←かなめ

「か、かなめちゃん?……かなめちゃん!?」←白雪

「テメェ……よくもかなめを……!!!」←イブキ

「……俺が言うのもなんだけど、とどめ刺したのお前だぞ!?」←GⅢ

 

 

 

 

 

 かなめを白雪が搬送した後……

 

「……来いよ。キンジ、イブキ!!」

 

GⅢは濡れたマントを(ひるがえ)そうと左腕を振り(濡れてるせいで出来なかった)、そのまま歩き出した。

 

 ……あそこまで重症を負っているのに、なぜあんなに隙を作っている?

 

俺は警戒しながらゆっくり歩きだす。東京湾の風が……‘‘西部劇の決闘’’のように強く吹いている。

 

 ……いいか、俺。落ち着け。‘‘身内がやられた’’からって冷静さを失えば自分自身が死ぬんだぞ?冷静沈着……沈着冷静に。

 

 

「……イブキ、行くぞ」

 

アリアと一言二言交わしたキンジが俺のもとへ来た。

 

「わかってらぁ……。久しぶりに二人で大暴れしy……ビエックシ!!

「…………イブキと組むと何処か締まらないんだよなぁ」

「ビエックシ!!……ビエックシ!!!」

 

キンジの溜息とイブキのくしゃみ、それと遠くから響く祭りの掛け声が東京湾に響き渡った。

 

 

 

 

 

 

 

 俺は寒さを無視し、‘‘四次元倉庫’’から出したタオルで体を拭きながら……キンジと一緒にGⅢを追った。

 

 海上の透明な謎の物体の上……ポツンとマンホール(透明でない)の様な穴が開いており、その周りでGⅢとその仲間達が言い争っていた。

 

 俺達が近づくと……その仲間達はGⅢに敬礼し、陸地へ向かっていった。GⅢはそれを見送った後、

 

「……来いよ」

 

GⅢはそう言って、マンホールの様な穴に入って行った。誘っているのだろうが……行くほかない。

 俺とキンジはその穴に潜った。

 

「飛んで火にいる夏の虫だ!!!突撃ぃいいい!!!」

「「「「だ、誰だ……!!!」」」」

「アハハ!!!40センチ噴進砲は気持ちいいですねぇ!!!」

「もうちょっと骨を見せろぉおお!!!」

「練習にもならねぇな」

「敵狙撃兵もいない狙撃なんて、ただの的ッス」

「もうちょっとサイバー攻撃の対策したらどうですか?(カタカタカタ)」

 

 ……第2中隊の面々が血祭りをしている音を聞きこえてくる。相変わらず血の気が多いな。

 

マンホールの穴に俺が潜り、その後キンジが潜るころ……悲鳴が聞こえなくなった。辻さん達がGⅢの仲間を……1分もたたずに捕縛したのだろう。

 

 ……ほんと、化け物ばかりだな。‘‘グリーンベレー’’やら‘‘ネイビー・シールズ’’に所属していた奴らもいたのに。

 

 俺がそう思った時……乗り物が揺れ、体中に何かの力(慣性力?)がかかる。窓がないから詳細が分からないが、まさか……

 

「飛んでるのか!?」

「……そうみたいだな」

 

キンジはドロッとした目でうなずいた。俺は銃剣で壁に無理やり穴をあけ、外を見ると……すでに高度100mは超えていた。

 

「米軍のおもちゃか……」

「次世代ステルス機の試作機さ。暗号名(コードネーム)は‘‘ガリオン(Galleon)’’。低探知性能じゃ世界一だろうよ。……つっても製造コストのせいで量産は出来ねぇらしいぜ」

 

キンジの言葉にGⅢはスラスラと答えた。

 

 

 

 

「……っと重量オーバーだ。」

 

GⅢは急にドアを蹴破(けやぶ)り、そんなことを言い始めた。

 

「なんだよ、俺たちに降りろっていうのか?」

「たった三人で重量オーバーってどう考えても欠陥機じゃねぇか。世界最初の飛行機(ライト・フライヤー号)じゃねぇんだぞ?」

 

俺たちの言葉を無視し、GⅢは‘‘一抱えはあるビニールの梱包物’’を次々に投げ捨て始めた。その‘‘ビニールの梱包物’’は……『‘‘ベンジャミン・フランクリン’’と‘‘独立記念館’’が印刷されている紙束』が透けて見える。

 

 ……‘‘ベンジャミン・フランクリン’’に‘‘独立記念館’’って、100ドル札じゃねぇか!?なんてもったいない!?

 

日本の一億円(一万円札×1万枚)は約32㎝×38㎝×10㎝……GⅢが投げ捨てている‘‘ビニールの梱包物’’もそのぐらいの大きさがある。

 

 ……という事は、100ドル札が1万枚ってことだから、約100万ドル!?

 

俺は慌てて‘‘四次元倉庫’’を開き、次々と落下する‘‘ビニールの梱包物’’を回収する。

 

「……まだ重いな」

 

‘‘ビニールの梱包物’’を数個投げ捨て終わったGⅢはそんなことを言い、今度は金塊を投げ捨て始めた。

 

 ……なんという事でしょう!?俺の懐が温かいどころか真っ赤に燃え上がって!!!

 

「……イブキ、何やってんだ?」

「いや、あんなにくれるなんて……なぁ」

 

キンジは‘‘GⅢを拝むイブキ’’を白い目で見た。

 

 

 

 

 

 

 

 なお、もちろん辻さんはこのことを知っており、GⅢの贈り物(あぶく銭)は翌日に没収され……残ったのは『‘‘フランクリン’’3人』と『‘‘100兆ジンバブエドル(=約20円)’’5枚』だけだった。

 

 ……なんだってGⅢはジンバブエドルなんて持ってたんだよ。

 

俺は『ハハハッ、ざまぁ!!』という視線を送ってくる‘‘フランクリン’’を、すぐに‘‘諭吉’’に変換した。

 

 

 

 

 

 

 さて、‘‘寄付’’が終わったGⅢに案内され……俺達は機内の美術室を通り、機外に出た(その時、GⅢは‘‘芸術’’で性的興奮するという事を知った)。

 高度は約1000m。約150キロの速さで進む機体は米軍のB2の様な全翼機で、光学迷彩のおかげで翼には‘‘東京の夜景’’が映し出されている。

 

「ここなら広いだろ?」

「いや……これでも狭い。ご退場願おうか、GⅢ。……ところで、お前って意外と優しいんだな」

「なんだとぉ……!!」

 

さて、キンジとGⅢが何やら話しているが……俺には一切頭には入らなかった。

 

 

 

 さて、急に話が変わるが……高度が上がれば上がるほど温度が低くなるというのは知っているだろうか。100m上がると気温は約0.6℃下がると言われる。

 地上の温度は約10℃ほど、それで高度1000mなので……現在の気温は4℃。

 それに時速150キロの物体の上に乗っているので……時速150キロ(約42m/s)の風が当たる。そのため、体感温度は余裕でマイナスを下回る。

 そんな体感温度がマイナスの場所で……褌一丁の人間はどうなるか。

 

 

 

 ……メチャクチャ寒い!!

 

 俺は慌てて‘‘四次元倉庫’’から着れる物を探したのだが……あったのは‘‘制服の上着’’・‘‘軍手’’・‘‘靴下’’・‘‘白のマフラー’’しかない。

 急いでそれらを身に着けるが……それでも寒い。

 

 ……ヤバい!!このままだと凍死する!!!

 

敵と戦って戦死はともかく、戦う前に凍死なんてごめんだ。

 

……何か、何か温かい物が無いと死ぬ!!!そ、そうだ火だ!!

 

俺は‘‘四次元倉庫’’からマッチを出して火をつけようとするが……もちろんつかない。

 

 

 

 寒さは思考力を奪う……。例え、普通に考えれば当たり前な事でも思いつかないこともあり得る。また…‥馬鹿なことをしでかす可能性もある。

 

 

 

 ……そ、そうだ!!発煙筒はあったはず!!

 

‘‘四次元倉庫’’から発煙筒を出し、着火すると……真っ赤な火が体を温めていく。俺は足元を銃剣で穴をあけ、4~5本の発煙筒をぶっ刺して着火した。

 

 ……あぁ、あったけぇ。

 

 俺は‘‘四次元倉庫’’の中になぜかあった‘‘灯油’’やら‘‘サラダ油’’やら‘‘ごま油’’を火に突っ込み、ウォッカを飲んで体を温め始めた。

 

「「……ってお前何やってんだよ!!」」

 

 ウォッカ2本目を開けた時、キンジとGⅢが目をひん剥いて言ってきた。

 

「いや、寒いから火で温まってたんd……」

「これ木材も使ってんだぞ!!燃え移ったらどうすんだ!!!」

「「も、木材!?」」

 

 

 木材はレーダーを反射しにくく、『F-117 ナイトホーク(世界初の実用的なステルス機)にも使われている。

 そのため、この機体にも一部使われていても不思議ではない。

 

 

さて、火は……油を入れた時の数倍の大きさで、飛行機の翼の上で燃えている。きっと火が木材に移ってしまったのだろう。

 

 ……チクショウ!!なんだって木材使うなら不燃処理しねぇんだよ!!

 

  『ふざけんな!!燃料タンクはともかく、翼でキャンプファイヤーを想定して設計はしねぇよ!!』by設計者一同

 

 ヤバい、幻聴が聞こえてきた。だいぶ酔っているようだ。

 

「しょ、消火しないと!!」

 

俺は慌てて持っている瓶の中身(ウォッカ)を火にかけ……

 

  ボン……!!!プツン……

 

さらに火が大きくなった。すると何かが切れた音がし、光学迷彩が機能しなくなった。そのせいで……真っ黒な機体が(あら)わになった。

 

「イブキ!!それウォッカだろ!?」

「……あ、やっべ」

 

俺達は慌てて消火しようとし……GⅢはそれを見て笑った。

 

「いいじゃねぇかこのままで!!‘‘燃え落ちる姿’’……これも芸術じゃねぇか!!」

 

 ……あれ?そう言えばGⅢは‘‘芸術で性的興奮する’’っていってたよな。うわぁ、敵に塩送ってるじゃん

 

俺は消火を諦め、千鳥足でGⅢに向き合った。

 

 ……空きっ腹にウォッカを一気に流し込んだら流石に酔うか。

 

 

 

 

 

 

 

「話を戻すが……お前は勝てないと思ったから仲間を置き去りにし、生活を送れるように金を落とした。」

 

キンジは座った眼をしながら……GⅢに言い放った。

 

「誤解も甚だしいぜ。俺はっ……」

「誰もお前の真意に気づいてないさ。俺以外はな……」

 

GⅢは次第に顔が赤くなっていき、真っ赤な頬を掻き始めた。

 

 ……え?そうだったの!?

 

「ゴメンGⅢ。本当にごめん」

「いや、急にどうしt……」

「あの……GⅢの仲間は多分第二中隊(辻さん達)が血祭にあげていると思う。それはともかく……ほら」

 

俺はそう言って‘‘四次元倉庫’’からGⅢが投げ捨てた金塊を出して見せた。

 

「「……」」

「いや……こんなもの捨てるなんてもったいないから、回収したんだ。うん……そんな真意があって捨てたなんて気が付かなかった」

 

俺はそう言って10mほど先に‘‘四次元倉庫’’の入り口を作って、そこに金塊を投げ入れた。そして今度は手前に入り口を作り、投げ入れた金塊を出して手に持った。

 

「「「………………」」」

 

三人の間に静寂が占拠した。

 

「……‘‘不死の英霊(イモータルスピリット)’’の他に‘‘Plan Crusher(計画潰し)’’と呼ばれるだけあるぜ!!」

 

GⅢはそう言って‘‘H&K USP’’を出した。

 

「時間がねぇ、早く来いよ」

「「……後悔すんなよ!!!」」

 

キンジはナイフと拳銃を抜き、俺は銃剣を握った。

 

 

 

 

 

 

 キンジとGⅢは銃撃戦をしている間、俺は‘‘影の薄くなる技’’を使い接近しようと……

 

「……丸見えなんだよ!!」

 

首を落とそうとした一撃を……GⅢは当たり前のように防いだ。

 

「幽霊のように殺しに来るって噂は嘘のようだな!!!」

 

GⅢは俺の攻撃をナイフで防ぎ、キンジに発砲していく。

 

 ……どういうことだ!?‘‘影の薄くなる技’’が効かない!?

 

確かに……赤外線カメラ等によって‘‘影の薄くなる技’’を無効化することはできる。しかし、GⅢは裸眼……赤外線が見えるなんて情報もない。

 俺はもう一度‘‘影の薄くなる技’’を使い接近してみるが……まるで普通の攻撃のように対応される。

 そこでやっと……原因に気が付いた。酔っているせいで……‘‘影の薄くなる技’’が未完成になり、逆に目立ってしまっている。

 

 ……うわぁ、完全にやらかした。

 

 

 

 

 

 俺が心で頭を抱えた時、キンジとGⅢは弾切れになったのだろう。キンジも俺と一緒に接近戦をするが……どうにも倒せない。

 

「こいつはどうだ!!」

 

GⅢの足元から……やけにでかい鉄の筒が4本出てきた。その筒はケツから炎を吹き出し、明後日の方向へ飛んでいき……大きく旋回してキンジに1本、俺に3本突っ込んできた。

 

 ……嘘だろ!?短距離空対空ミサイル(SR-AAM)、サイドワインダー!?

 

 俺は急いで‘‘四次元倉庫’‘から銃を出そうとするが……間に合いそうもない。

 

 ……クソッ!!銃剣一本でやるっきゃないのか!?

 

 俺は覚悟を決め、銃剣を構えたその時……3本のうち2本が急上昇を始め、爆発四散した。

 

「村田君!!遅いから助けに来ましたよぉおおお!!!」

「希信達が迎えに来たぞぉおお!!!」

「ボウズ!!何やってんだ!!!」

 

なんと、辻さんと神城さん、鬼塚少佐が降ってきた。

 俺達が戦っている‘‘ガリオン(Galleon)’’よりも2000m上空、高度3000mにはC-1輸送機が飛んでいる。きっとあれから空挺(落下傘なし)をやったのだろう。

 ミサイルの爆発の原因は……辻さんと神城さんの手には軍刀が握られており、それでミサイルを叩き切ったようだ。

 

 ……1本ぐらいなら、余裕だ!!

 

俺は銃剣に多少の魔力を乗せ、ミサイルに投げた。銃剣はミサイルに当たり、ミサイルは蛇行し始め……俺から5mほど離れたところで爆発した。ミサイルの破片が俺の体を切り裂いていく。

 

 ……多少破片をもらうがが、問題はねぇ!!!」

 

「「「助けに来たぞぉおおおおお!!!」」」←辻・神城・鬼塚

 

 ……心強い援軍の到着か、これは勝ったな。

 

辻さんと神城さんはスタッと‘‘ガリオン(Galleon)’’の上に立っt……

 

  ベキベキベキ!!

 

立たなかった。辻さんと神城さんは‘‘ガリオン(Galleon)’’の翼に穴をあけ、そのまま海へ落ちて行った。

 

 ………………さて、鬼塚少佐はどうなったんd…

 

 俺は辻さんと神城さんのことをすっぱり忘れ、鬼塚少佐を探し…………ケツを‘‘ガリオン(Galleon)’’の先端にぶち抜かれ、全身紫色の人間っぽい物があった。

 

「………………GⅢ!!よくも辻さん、神城さん、それに鬼塚少佐を!!!!!」

「……自滅だよな、あれ。」

 

 

 

 

キンジも何とかミサイルを何とか攻略したようだ。

 

「時間がねぇからな……『流星(メテオ)』で千切らせてもらうぜ」

 

そう言ってGⅢは体をひねり、両手を突き出す動きを始めた。

 

 ……ヤバい、何か来る!?

 

俺は無理やり体勢を崩し、その拳の射線から逃げようと……。

 

  ズドン!!

 

 ……拳が音速を超えるだと!?

 

GⅢの左手には円錐水蒸気(ベイパーコーン)(マッハ0.8~1.3程度で起こる現象)が見えたと同時に……俺の左わき腹がえぐり取られた。

 

「……ッ!?」

 

 ……クソ!?酔っぱらった状態でどうやって戦う!?酔う……そうだ、‘‘酔拳’’!!

 

 俺はロサンゼルスで会った‘‘香港の刑事:リーさん(高校生活夏休み編 ラッシュ〇ワー)’’を思い出した。後で知ったのだが……彼は中国でも5本指には入る拳法家だそうだ。

 ロサンゼルスで共闘し、事件を解決した後……リーさんに中国語と共に‘‘酔拳’’を軽く教えてもらった。

 

 ……出血量がマズい。クソッ!!イチかバチか‘‘酔拳’’をやってやる!!!

 

俺は朦朧(もうろう)とする意識の中……‘‘四次元倉庫’’から日本酒の一升瓶を出した。

 

 ……‘‘景虎’’って銘柄か。‘‘上杉謙信’’の初名が‘‘長尾景虎’’だったよな。こいつぁ縁起がいいじゃねぇか。どうか‘‘毘沙門天’’のご加護がありますように。

 

俺は瓶に口をつけ、日本酒を胃に流し込む。一口飲むたびに……‘‘思考速度’’は速くなるが、‘‘思考の理論’’がメチャクチャになっていく。

 

 

 

 

 

 

『……呼んだか?』←山口多門丸少将

 

  ……‘‘毘沙門天’’を‘‘多聞天’’と呼ぶことがあるけど、そっちじゃねぇよ!!

 

俺は日本酒を飲みながら、そんな幻覚を見た。

 

 

 

 

 

 一升瓶の半分ほど飲んだ頃……GⅢは俺の雰囲気が変わったのを気が付き、突撃してきた。GⅢは拳を振るうが……その姿がまるでスローモーションのように見える。

 俺は一升瓶をGⅢの目の前で割り、‘‘猫騙し’’をしたあと、眉間に一発拳を入れた。

 

「……おう、GⅢォ~~まるで子供のお遊びだぜぇええ??……ウェへへへ!!」

 

俺はGⅢの拳や蹴りを受け流し、逆に向こうの腹に蹴りを入れて強制的に距離を取らせた。

 

「さぁ~見せてやりやしょ、この‘‘酔拳’’!!飲めば飲むほど怪力にぃ~~!!拝観料はかなめの敵討ちだ!!!……オエッ」

 

 俺は胃からこみ上げた来た物を火の中に吐き、‘‘酔拳’’の人差し指と親指でお猪口を持つ様な独特の構えをした。

 

 ……キンジがいない、落ちたか。

 

 俺は心の中で黙祷(もくとう)する。

 

「コイツッ……!!!」

 

GⅢは足元からトイレットペーパーの芯ほどの大きさの筒を蹴り上げて手で握り、その筒から光の刃(ビームの刃)を出した。そしてそれを持って俺に向かって突撃する。

 

「ゑへへへへ……」

 

俺は千鳥足で体を左右に振ってその刃を躱し、GⅢの手首を殴りその武器を海へ落した。そのまま流れるように高速で7~8発殴った後、股間に蹴りを入れた。

 

「グォオオオ………!!!」

「金的拳……ルール無用のぉ~~戦いには必須でぇえい!!……ゲプッ」

 

GⅢは股間を押さえてしばらく(うずくま)っていた。少し待つと、GⅢは苦悶の表情を浮かべ、股間を押さえて立ち上がった。

 

「来いよぉGⅢ、武器なんて捨ててぇかかってこい。」

 

俺はそう言って‘‘四次元倉庫’’から新しい酒を出し、目の前で飲んだ。もちろん、空いている手の指をクイクイとさせ、挑発するのも忘れない。

 

「……こいよぉGⅢ。怖ぇのか?」

「……へ?」

 

GⅢは一瞬呆けた後、憤怒の表情に変わっていく。

 

「この俺が、完璧な人間兵器(ヒューム・アモ)がテメェを怖がるだと?誰がテメェなんか……テメェなんか恐かねぇ!!」

 

GⅢは腰に巻いてある帯をナイフごと捨てた。

 

「野郎、ぶっ殺してやらぁ!!!」

 

 

 

 

 

 GⅢが再び殴りかかってきた。俺は体の力を抜き、倒れるようにしゃがんでGⅢの拳を避けた。俺はそのまま回転する。2回転目で立ち上がり、回転の勢いをつけてGⅢを蹴った。

 

「千鳥足拳!!!ただの酔っぱらいと見せての回転蹴りぃいい!!!」

 

今度はその場で何度も側転し、逆立ちの時に顔面に蹴りを入れる。

 

「泥酔拳!!目にもとまらぬ高速回転蹴りぃいい!!!」

 

GⅢは顔面を蹴られ、数mほど転がった。

 

 ……やっぱり付け焼刃じゃうまくいかねぇな。

 

GⅢはヨロヨロと再び立ち上がる。この付け焼刃の‘‘酔拳’’、リーさんには初歩しか教わっていないため……確実に仕留められるほどの決定力が無いのだ。

 

 ……これがチンピラ程度なら何とかなったんだが。

 

まともに通用したのは『金的への一撃』ぐらいか。

 

 

 

 

俺の後ろで気配を感じた。この気配……キンジだろう。

 

 ……全く、落っこちたのにどうやってまた戻ってきたんだよ。相変わらず化け物だな、キンジは。

 

「いよぉ~~~キンジくぅ~ん!!遅いじゃねぇか~~。おい!!」

「……酒臭いぞ。何やったんだよ」

 

キンジはボロボロの状態で……白い目で俺を見てきた。

 

「なぁに、お前の『性的興奮』代わりに、俺は飲んだだけさぁ!!」

「知ったのか。……それと臭いから近寄るな」

「そいつぁ~酷ぇじゃねぇかぁ~?キンジくぅ~ん!!」

「…………」

「……分かりました」

 

キンジは本気で言っているようなので、俺は大人しく離れた。

 

 ……そんなに臭いか?

 

俺は自分の腕を鼻に当てて嗅いでみるが……よくわからない。

 

「なぁイブキ……」

「どうした。」

「……あとは俺にやらせてくれ。」

 

俺はキンジの目を見た。キンジは冗談を言っていない。

 確かに、かなめの仇を取りたい。だけれど……酔っている状態の俺だと、GⅢを倒すには時間がかかる。GⅢを倒す前に炎が広がり、‘‘ガリオン(Galleon)’’が爆発するだろう。

 

「分かった。」

 

  パチン

 

俺はキンジとハイタッチをし、下がった。

 

 ……キンジ、見せてもらうぜ!!

 

その時だった。急に横風が吹き、‘‘ガリオン(Galleon)’’が大きく揺れた。

 流石に最新鋭の飛行機とはいえ……翼が炎上し、辻さんと神城さん(第二中隊の化け物)に大穴を開けられたら、体勢の維持は難しいだろう。

 

酔っぱらって千鳥足だった俺は‘‘ガリオン(Galleon)’’から転げ落ち、ジェットエンジンで一瞬焦がされた後、東京湾に落ちた。

 

 ……さ、寒さ対策で酒なんて飲むんじゃなかった!?

 

 今頃後悔しても遅い。‘‘大量出血’’に‘‘酒の一気飲み’’……俺は着水と同時に意識を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「や、矢常呂先生!!!患者の息と心臓が止まってます!!」

 

 私は救護科(アンビュラス)のとある生徒だ。ちょうど中学生のインターンの子が患者の状態を見てパニックを起こしている。

 確かに、私も最初は驚いたが……今ではもう慣れてしまった。経験則から……どうせ彼は復活する。

 未だに矢常呂先生は疑問を持っているみたいだけど……悟ればストレスをためないで済むのに。

 

「あ、とりあえず傷塞いで、ベッドに放置しとけばいいから。」

「い、いやでも……AEDとか心臓マッサージとか……」

「まぁまぁ、落ち着いて。どうせ明日にはピンピンしてるんだから」

「……はぁ!?」

 

 

インターンの子は……翌日、その患者が褌一丁で走り、中間テストを受けに行く姿を見て卒倒した。

 

 

 

 




 日本銀行では『一億円の模擬券パック』を持てるらしいです。

 『100兆ジンバブエドル』は今使えないらしいですが……逆にプレミアがついているそうで……。

 なぜ、辻さん達が‘‘ガリオン(Galleon)’’を見つけられたか……。流石に機外でキャンプファイヤーなんてすれば、目視でわかる。

 実は米軍が監視衛星でこの戦闘を観察していたが……キャンプファイヤーの炎のせいで観察が不可能になったそうで。

 ラッシュ・〇ワーの‘‘あの中国人刑事’’が教えたなら……未完成とはいえGⅢとタメは張れるはず。

 ‘‘酔拳2’’をモデルに技を使ってます。

 
 酒の一気飲みはやめましょう……。いや、マジで。



 次回は文字数が圧倒的に少ないです(本来は今回と合わせて一話だったが、文字数の関係で分けた)
 もう、仕上がってるので明日には投稿できる……はず。

   Next Ibuki's HINT!! 「護衛対象」 
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