この異世界転生者に祝福を!   作:白城

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 皆さんこんにちは白城です!

 誤字報告ありがとうございます。すごく助かります!

 今回は短くなりました。デュラハン戦まで書くとかなり長くなりそうだったので


第十二話 『この女神に収集を』

    白奈side

 

 「何でよおおおおお!」

 

 冒険者にアクアの声が響き渡る。

 

 「アクアの声ですね。一体何があったのでしょうか」

 

 「……はあ」

 

 隣に座っているめぐみんがそんな呑気な事を言っている。

 

 …………嫌だなあ。アクアは必ず何か問題を起こさないといけない病気なの? それとも水じゃなくて問題児の神様なの? ………はあ、早くカズマ帰って来てくれないかなあ……。

 

 声のする方向を見るとアクアが職員に掴みかかっていた。

 カズマは馬を返すついでに戦利品である魔剣を手にある所に寄ってから来ると言っていた。

 

 「帰ってきたぞー。クエスト完了の報告は……………はあ」

 「だから何で私が弁償しなきゃいけないのよ! このオリを壊したのはミツルギって人が勝手に壊したんだってば!」

 

 カズマがギルドの入り口から入って来ると、何が起きたのか瞬時に理解したらしい。関わりたくないのか真っ直ぐ私達のテーブルにやって来る。

 

 ……なるほどね。そう言えばあの人、勝手にオリを曲げて、アクアを助けようとしたんだよね。

 

 それをアクアが、請求を受けているらしい。

 しばらく粘ってきたが、やがて諦め報酬を貰ってアクアは私達がいるテーブルにトボトボとやって来る。

 

 「…………今回の報酬、壊したオリを代金を引いて、十万エリスだって……。あのオリ、特別な金属で作られているから二十万エリスもするんだってさ……。うう……私が壊したんじゃないのに……」

 

 しょんぼりしているアクアに、凄く同情する。

 ミツルギのせいで、アクアは完全にませぞえだ。

 

 ……アクア、可哀相。

 

 「あの男、今度会ったら絶対ゴットブローを食らわせてやるんだからっ!」

 

 アクアが、席について涙目でメニューをギリギリと握りしめていた。

 

 ………私としては、もう関わりたくないんだけどね。

 

 ……と、アクアが未だ悔しげに喚く中に。

 

 

 「探したそ! 佐藤和真!」

 

 …サトウ……カズマ?

 

 ギルドの入り口に、今話題のミツルギさんが、取巻き二人を連れて立っていた。

 

 そう言えばカズマの本名って聞いた事ないなあ。サトウカズマって、カズマの本名なのかな?

 

 カズマの顔を見る限りそうらしい。

 カズマのフルネームを呼んだミツルギは、私達のいるテーブルにツカツカと歩み寄って、バンとテーブルを叩いた。

 

 「君の事はある盗賊の少女に教えて貰ったよ。ぱんつ脱がせ魔だってね! その他にも、女の子を粘液まみれにするのが趣味だとか、噂になっているそうじゃないか。鬼畜のカズマだってね!」

 

 「おい、待てっ! その情報を広めたのが誰なのか詳しく!」

 

 カズマが慌てて叫ぶ。カズマの慌てかたを見るに知らない所でどんどん噂が広まっているらしい。

 

 盗賊の少女? あの人かな? それに鬼畜のカズマか。う~ん、ぱんつ取られた時もすぐに謝ってくれたし鬼畜では無いと思うだけど。

 

 カズマの慌てる顔を前にアクアがゆらりと席から立ち上がる。

 

 「……アクア様。僕は必ず魔剣を取り戻し、魔王を倒すと誓います。ですから、この僕と、同じパーティーに「ゴットブロー!!」ぐえふっ!?」

 

 「「ああっ!? キョウヤ!」」

 

 アクアに突然殴られ、ミツルギが吹っ飛んだ。

 床に転がるミツルギに、慌てて仲間の少女達が駆け寄る。

 なぜ殴られたのか分からないといった表情をしているミツルギに、アクアは詰め寄りその胸ぐらを掴み上げると。

 

 「ちょっとあんたオリの壊した代金払いなさいよ! 三十万よ! 三十万!」

 

 「えっ? あ、はい」

 

 ……あれっ? さっき二十万エリスって言ってなかったっけ?

 

 カズマの表情見るに間違いではないようだ。

 ミツルギは殴られ、尻もちをついた体勢で、アクアに気圧されながら素直に三十万を渡す。

 アクアはミツルギからお金を貰い、嬉しそうに再びメニューを取った。

 

 「すみませーん! 冷えたシュワシュワ一つー!」

 

 私は嬉しそうに再びメニューを取るアクアをチラチラみながら、ミツルギに気になる事を聞いた。

 

 「………所で、ミツルギさん。何で私には何も言わないの? ………怒ってイライラしていたとはいえ、結構ひどい事したと思ったんだけど……」

 

 ミツルギもアクアを気にしながら悔しそうに言う。

 

 「…あんな負けかたでも、勝負の詳細まで決めなかったのは僕の責任だからね。あれは僕の負けさ。……そして、佐藤和真。何でも言う事を聞くと言った手前、こんな事を頼むのは虫がいいと言うのも理解している。だが頼む! 魔剣を返してくれないか? あれは君達が持っていても役には立たない物だ。………どうだろう? 良い剣が欲しいなら、店で一番良い剣を買ってあげてもいいから。……だからどうか返してくれないか?」

 

 ………許してくれるのは嬉しい。けど、随分虫のいい話だ。……そもそも、アクアが魔剣くらい今のところ役に立っているのか怪しい所だけど。

 

 「勝手に私を賭けの対象にしておいて、負けたら何? 良い剣を買ってあげるから魔剣を返してって、虫が良いとは思わないの? それとも、私の価値は一番高い剣と同じって言いたいの? この無礼者! 無礼者! 仮にも女神を賭けの対象にするって何考えてるんですか? 顔も見たくないので、早くあっちに行って。あっちに行って!」

 

 メニューを片手にシッシと手を振るアクアにミツルギの顔が青ざめた。

 

 ……まあ、確かに勝手に話を進められた挙げ句にこれではアクアが怒るのも無理はないかな。

 

 「ままま、待ってくださいアクア様! 僕は別にあなたを安く見ていた訳では無………んっ? なにかな、お嬢ちゃん?」

 

 慌てるミツルギの袖をめぐみんがクイクイと引く。ミツルギの注意を引くのに成功しためぐみんは、そのまま俺を指差した。

 

 「まず、この男が既に魔剣を持っていない件について」

 

 「っ!?」

 

 言われてようやくミツルギは気づいたらしい。

 そう言えば私も気になっていた。

 

 「サ、サトウカズマ! 魔剣は!? ぼ、僕の魔剣は何処へ行った!?」

 

 顔中に脂汗を浮かべてカズマにすがりつく。

 

 「カズマ。結局魔剣どうしたの?」

 

 カズマは一言。

 

 「んっ? 売った」

 

 「ちっくしょおおおおおお!」

 

 「「ああ、キョウヤ!」」

 

 ミツルギは泣きながら、その仲間達はミツルギを追いかける様にギルドを飛び出した。

 

 

 

     カズマside

 

 「一体何だったんだあいつは。……ところで。先程からアクアが女神だとか呼ばれていたが一体何の話だ? そう言えばクエスト前にも女神だとか言っていたしな」

 

 ミツルギ達がギルドを飛び出した後。

 先程の騒ぎで冒険者達の好奇の視線を浴びながら、そんな事をダクネスが言ってきた。

 

 ……まあ、あれほど女神女神言っていればこうなるのも当たり前か。いや、この際だ。めぐみんとダクネスに言っても言いか?

 

 俺がアクアに視線をやると、分かったとばかりにアクアがこくりと頷く。

 そして、アクアは俺が見る事の少ない真剣な表情で、めぐみんとダクネスに向き直る。

 

 「あなた達には言っておくわ。……私はアクア。アクシズ教団が崇拝する、水の女神。そう、私が水の女神その人なのよ!」

 

 「「って言う、夢を見たのか」」

 

 「ちっがうわよ! 何で二人ともハモってんのよ!」

 

 ……まあ、こうなるよな。シロナが例外だっただけなんだ。

 

 

 その時だった。

 

 『緊急! 緊急! 全冒険者の皆さんは、直ちに武装し、戦闘態勢で街の正門に集まってくださいっ!』

 

 もはやお馴染みのアナウンスが街に響き渡った。

 

 「またかよ………?」

 

 「最近多いよね。なんか多すぎて緊急って感じ無くなってきたかも。今度は一体何があったんだろう?」

 

 シロナの言う通り本当に多いだよ。なあ、行かなきゃ駄目なのか? いや駄目だろうなあ。ああ、でもミツルギとあんな騒ぎがあった後だし面倒臭いなああ……。

 

 と、俺とシロナが気怠げにアナウンスを聞いていると。

 

 『特に冒険者サトウカズマさんのパーティーは、大至急でお願いしますっ!』

 

 「「……えっ?」」

 

 今何て言った?

 

 

 

 

 

 俺達は急いで正門に駆けつけた。

 軽装の俺を筆頭に、アクアやめぐみん、シロナも門の 前に着くが、重装備のダクネスだけが到着が遅れていた。

 

 「おお、予想通り。またあいつか」

 

 「そんな呑気な事言ってていいのかな?」

 

 俺達が街の正門前に着くと既に多数の冒険者が集まっている。

 そして駆けだし冒険者達が遠巻きに見ている中、街の正門前の前と同じ所に奴はいた。

 

 そう、魔王軍の幹部のデュラハンだ。

 

 俺達より先についていた冒険者達の顔色が悪いのが気に掛かっていたが、デュラハンの後ろを見て納得した。

 先日とは違い、今日は背後に多くのモンスターをつれていた。

 

 ボロボロになり、朽ちた鎧を装備した騎士達。

 鎧や兜の隙間から見える体は、しばらくご飯が食べられ無くなりそうなものだ。

 その騎士達は、一目でアンデットだと分かった。

 

 成る程。ボスがアンデットなら、取巻きもアンデットって事か。こう言う所はゲームで有りそうな。

 

 

 デュラハンは俺とめぐみんを見つけると、開口一番に叫び声を上げた。

 

 「なぜ城に来ないのだ! この、人でなしどもがああああああっ!!」

 

 「えっ?」

 




 次回はデュラハン戦です! 他の作品とかぶらないような感じにしたいです!
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