もんむす・くえすと!ぱらどっくす×ゼノバース!   作:jokered
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超サイヤ人、再臨!!

魔女狩りの村、マギステア。

そこで起こった戦いを止めるべく、ヴィクトリーは単身でリリィの所へ行く。

しかし、戦慄の記憶を流し込まれたヴィクトリーは、リリィ達に攻撃出来ずに倒れてしまうのだった……

「はぁっ……はぁっ……」

「……」

リリィは、触手をヴィクトリーに突きつける。

「最後に言い残す事は無いかしら?」

「ぐっ……!」

ヴィクトリーは拳を握り、床を殴る。

「くそぉおお……!!俺は、また救えねぇのか……!!」

「……また?」

ヴィクトリーには、救いたい命が二つあった。

一つはまっすぐな瞳をした、ラダイト村の少年。

しかし、自分が無力ゆえに救う事は出来なかった。

一つは目の前に居る、リリィ。

この戦慄の記憶と虐殺の罪悪感を蝕魔導で押さえつけ、今にも心が破綻しそうな女の人。

今度も、自分が弱い故に手を伸ばせない……

「な、情けねぇ……!!俺が、弱いばっかりに……!!」

「……」

震えるヴィクトリーを、リリィはただ見ているだけだった。

自分の情けなさと弱さに、ヴィクトリーは怒りを湧かせている。

「これが……限界なのかよ……!!こんなんじゃ……誰も、救えやしねぇ……!!」

強くなりたい。

本当の力を、リリィに見せるためにも。

リリィに救いの手を伸ばすためにも。

そして、こんな悲劇をもう二度と繰り返させないために……

「ぐっ……ぐぐぐぐ……!!!」

「……!!」

ヴィクトリーの髪が揺らぎ、金色に光り始める。

ただならぬ気を感じて、リリィは構えた。

「俺が……俺が終わらせてやる……!!」

バチバチと気がスパークして、どんどん大きくなっていく。

ゆっくりと立ち上がり、リリィを見た。

「な、なんなの……この気の上がりようは……!?」

リリィの顔と、助けを求める女達の顔が被る。

それを見て、ヴィクトリーは目を見開いた!

「うぁあああああーーーッッッ!!!!」

想いが極まり、ヴィクトリーは超サイヤ人へと変身した!

凄まじい気が轟き、辺りに嵐のような旋風が吹き荒ぶ!

「な……!?」

「金色に……!?」

「あ、あなた……一体……」

狼狽える三人を、ヴィクトリーの碧い瞳が捉えた。

「……俺は、ただのサイヤ人だ……」

超サイヤ人になり終え、気が安定する。

あの記憶は完全に吹き飛び、迷う要素はもう無い。

「……ちゃっ!!」

ヴィクトリーはその場に踏ん張り、正拳突きを二発放った!

拳圧が飛んで、村娘達をぶっ飛ばす。

「!!?」

「がはっ……!!」

「な……!!?」

さっきの攻撃だけで、村娘達は戦闘不能になったようだ。

「……リリィ……今から見せんのが、本当の力だ!!」

「へぇ……!!」

リリィは気を全開放して、ヴィクトリーに向く。

ヴィクトリーも構え、気を解放した!

「はぁああああああ……!!!」

「ぁああああああ……!!!」

二人は走り、一撃をぶつけ合った!

衝撃が巻き起こり、部屋中のあらゆるものが吹き飛ぶ。

「だりゃあああっ!!」

ヴィクトリーが、リリィのこめかみに蹴りを入れる。

「ぐっ!?」

「あだだだだだだだだっ!!」

そのまんま、リリィに猛攻した!

「ぐ……ぐぐ……!!」

「だりゃぁあーっ!!」

リリィの腹に、思いっきり蹴りを入れる。

「うぐっ……!?」

「どりゃあっ!!」

アッパーして、顎をカチ上げる。

「だぁあーっ!!」

トドメに、顔面をぶん殴った!

「っぐぅううっ!!」

リリィは、踏ん張りながら後退する。

そして両腕の触手を振ってヴィクトリーに振り下ろした!

「ふっ!」

それを避けて、接近する。

その足に、触手が巻きついた。

「なっ!?」

「しゃあっ!!」

ヴィクトリーが振り回され、壁に叩きつけられる。

「ぐっ!!」

「ほぁあっ!!」

今度は、本棚に叩きつけられそうになる。

「だっ!!」

ヴィクトリーは剣で触手を切断し、抜け出す。

「だだだっ!」

そしてリリィに手を向けて、気弾を連射した。

「ふんっ!」

リリィは弾きながら接近し、ヴィクトリーの眼前まで迫る。

「だりゃあっ!」

ヴィクトリーの攻撃は、リリィをすり抜ける。

「残像っ……!?」

「はぁあっ!!」

その背中に蹴り上げが入り、ヴィクトリーはぶっ飛んだ!

「ぐはぁっ!」

「ふっ!!」

リリィは触手を伸ばし、ヴィクトリーに連打する。

「ちっ!あだだだだだだだっ!!」

触手の連打を全てガードして、壁に足をつく。

「波ぁあっ!!」

その状態でかめはめ波を放ち、触手を吹き飛ばした!

かめはめ波は、リリィに迫る。

「電圧過剰負荷、電子放出……真空放電!!」

魔導科学で真空放電を巻き起こし、かめはめ波を相殺した!

「こっちだぁ!!」

ヴィクトリーは瞬間移動でリリィの背後に回っており、後ろ廻し蹴りを放つ。

しかし、リリィも瞬間移動で背後にまわり込んで来た。

「なにっ!?」

「ふんっ!!」

触手で猛攻して、ヴィクトリーに迫る。

「おめぇも瞬間移動が出来るんだな……!!」

猛攻を防ぎながら、ヴィクトリーはリリィの顔を見る。

「魔導の心得、舐めないことね……!!」

加速していく触手に、ヴィクトリーは押されていた。

「くらいなさいっ!」

強烈な一撃が叩き込まれ、ヴィクトリーはぶっ飛んだ!

「ぐ……!!」

「攻撃する気なんて与えないわ……!!」

リリィが触手を伸ばすと、ヴィクトリーの体をグルグルと巻き付けた!

「うわっ!?」

「動けないでしょう……このまま、搾られるのよ……」

「させるかよ!!ビクトリーキャノン!!」

ヴィクトリーは口を開けて、そこからエネルギー波を放った!

「っ!!?」

リリィに直撃して、爆発する。

触手の拘束も解け、体が自由になった。

「うぐ……ぐ……!!」

「ちぇいっ!!」

揺らぐリリィの顎に、蹴り上げが入った!

「ぐはぁっ!」

「あだだだだだだだっ!!」

ダメ押しに、拳が体に連打される。

とてつもない力のパンチの連打は、確実にリリィの体力を削っていった。

「ぐっ……!!」

リリィの触手が、スパァンッとヴィクトリーの顔を叩いた!

「ぐはっ!」

「しゃああああああっ!!」

よろめいたヴィクトリーに、容赦なく触手が連打される。

速い上に重い一撃を連打され、ヴィクトリーは揺らぐ。

「ぐっは……!!」

「砕け散りなさい……!!」

リリィは触手を束ね、渾身の一撃をヴィクトリーの顔面に叩き込んだ!

ヴィクトリーはぶっ飛んで壁に叩きつけられ、その壁も粉砕する。

瓦礫に埋もれ、ヴィクトリーは倒れた……

「……あははっ!あはははっ!所詮は男ね……」

リリィは笑いながら、ヴィクトリーに歩み寄る。

束ねた触手を今度はドリルのようにして、ヴィクトリーに向けた。

「何かとてつもない変身をしたみたいだけど、残念ね……やはり、ここで散る運命なのよ……さようなら。」

その触手を、ヴィクトリーに放った……

次の瞬間、リリィの触手が切断された!

「ッッッ……!!?」

ボトリと触手が落ちて、動かなくなる。

腕を押さえながら、斬撃が飛んできた方を向いた。

「……あなたはっ!!」

「……」

居たのは、ルカだった。

ルカが、単身でここに来たのだ。

「起きろ、ヴィクトリー……そんな程度じゃない筈だ。」

「バレた?」

ヴィクトリーは立ち上がり、首をゴキゴキ鳴らす。

どうやら、そこまで大したダメージにはなっていないようだ。

「な……!?」

「ルカ、他の奴は?」

「僕に先に行かせて、敵の群れを押し留めてる……」

ルカは、改めてヴィクトリーを見た。

とてつもない怒気、金髪になって逆立った髪、碧い瞳……

「あの時の覚醒状態か……モノにできたのか?」

「たぶんな……」

ヴィクトリーは上半身のアンダースーツを破き捨て、上半身裸になった。

指をボキボキ鳴らし、リリィの方を見る。

「悔しいけど……俺一人じゃ、リリィの心の闇は晴らせねぇようだ。」

「どうやら、そうみたいだね……」

彼女の心の闇は、思っていたより深いようだ。

二人で、協力して戦うしかない……

「どうあっても、私を倒したいようね……」

リリィはそう言いながら腕に力を入れ、触手を再生させた。

再生した触手が粘液を垂らしながら、じゅるじゅるとうねる。

「いいわ、来なさい!」

「ああ……決着をつけてやる!!」

「終わらせるぞ!!」

ヴィクトリーとルカは踏み込んで、リリィに突進した!

「あだだだだだ!」

「はぁああああ!」

「ふふふ……」

リリィと攻防しながら、二人は気を高めていく。

リリィもまた、気を高めていた。

「だぁあ!!」

ヴィクトリーのパンチが、リリィの顔面に迫る。

しかしリリィはその拳を受け流し、後ろ回し蹴りした!

「うぉおおっ!」

ルカが体に風を纏いながら、リリィに斬りかかる。

「ふんっ!」

剣の一撃を触手で止め、別の触手でルカを打ちにかかる。

しかしルカはそれを避けて、リリィの股を蹴り上げた!

「!!」

「リリィーーーっ!!!」

リリィの背後から、ヴィクトリーの声が響く。

振り向いた瞬間には、既にかめはめ波が迫っていた。

「ふっ!」

リリィは瞬間移動でそれを避け、ヴィクトリーの背後に現れる。

「なにっ!?」

「はぁあっ!」

そして、渾身の蹴りを放った!

「させるかっ!!」

ルカが前に現れ、その蹴りを剣で止める。

風の動きがルカを加速させ、土手っ腹に蹴りの一撃を叩き込んだ!

「っ!?」

「いくぞっ!!」

ルカは剣にエネルギーを込め、発火させる。

発火した剣は燃え盛り、紅蓮の刃と化す。

「烈火天翔閃!!」

その剣で、リリィを切り上げた!

「っぐはぁあっ……!!?」

見事に会心の一撃が入り、リリィに大ダメージを与えたようだ。

その体はぶっ飛ぶが、リリィは倒れる寸前に留まった。

「まだよ……まだ……弱者の声を消さない限り……!!」

リリィの目の前に、ヴィクトリーが瞬間移動してくる。

「……」

二本指でリリィの腹を指して、そこを見据えた。

「消えなさいっ!!」

リリィはすかさず触手を振り、ヴィクトリーに叩きつけようとする。

「超龍閃撃……!!」

しかしそれより早く、気を練り込んだワンインチパンチでリリィの腹を打ち抜いた!

「ッッッ!!!」

触手が静止し、リリィは吐血する。

全身に響くような衝撃が駆け巡り、悶絶した。

そんな衝撃が腹に叩き込まれ、ようやくリリィはダウンする。

「うっ……ぐぐぐ……!!」

しかしリリィはその状態から腕を向け、二人に触手攻撃をする。

「はぁあああっ!!」

「だーーーっ!!」

ルカとヴィクトリーは剣を構え、迫り来る触手を全て切り落とす。

「な……!!?ちぃいっ!!」

リリィはすぐさま触手を再生させて立ち上がり、両腕の触手でで戦士達に猛攻した!

「くっ!」

「任せろぉおっ!!」

たじろぐヴィクトリーの前に、ルカが躍り出る。

ルカの気が爆発し、その姿を消す。

無数の触手とリリィを通り抜け、ルカは着地して剣を納める。

「っ!!?」

「死剣・乱れ星……!!」

次の瞬間、触手とリリィに無数の斬撃が叩き込まれた!

「っきゃあああああああっ!!」

リリィは大ダメージを受け、膝をついてしまう。

「これで終わりだ……!!」

ヴィクトリーは両手に気を溜めて、フルパワーになる。

両手に溜まったエネルギーから、閃光が迸っていた。

「くらぇえっ!!超かめはめ波ーーーっ!!!」

そのまんま、渾身の超かめはめ波をリリィに撃ち放った!

「!!!」

リリィは避ける事もままならず、超かめはめ波に直撃してしまう。

そして、大爆発を巻き起こした!

「はぁ……はぁ……!!」

「……そん……な……」

リリィはフラフラとよろめき、そのまんま倒れた。

どうやら、これで戦闘不能になったようだ。

「……結局……私は……踏みにじられる……の……ね………」

リリィは、その言葉を最後に気を失った……

「はぁ……はぁ……」

ヴィクトリーは息を切らし、気を鎮める。

そうすると、金髪から黒髪へと戻ってしまった……

それを確認したルカは、ヴィクトリーの肩を叩く。

「やったな……」

「……ああ。」

二人は、リリィを見る。

「……丁度、終わったようだな。」

アリスが、背後から声をかけてきた。

ルカ達は、そっちに向く。

アリスだけではなく、ソニア達も居た。

「みんな。」

「これだけ消耗させれば、当分触魔導は使えまい。ルシアとの取引は、これで成立だな……」

「いろいろ難しかったみたいね……」

「……ああ。」

ヴィクトリーはソニアに返事しながら、リリィの顔を見た。

そして、微妙な表情を浮かべる。

「リリィは、きっと強い人だから……触魔導から解き放たれて、自分の心と向き合うと信じるよ。」

ルカはそう言いながら、みんなを見る。

「さぁ、ルシアさんの所に報告に行こう!」

ルカの言葉に皆は応じ、この部屋から出ていく。

ヴィクトリーはというと、まだリリィの顔を見ていた。

「……ごめん。」

そう言った後、少し遅れて仲間達に続いた……








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