Jack the Ripper ~解体聖母~   作:-Msk-

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どうも、森のクマSUN改め、kmkkmです。
改名したけど活動します。
「吾輩は使徒である」も執筆中ですが、こっちのアイデアがあふれ出しすぎて執筆どころではなかったのでかき上げちゃいました。
よろしくお願いします。

そしてなにより3月9日はミクの日。
この素晴らしい日に投稿せずにはいられない。


GGO:01

 ガンゲイル・オンライン――通称GGO。

 

 それは血と硝煙の香りが世界に漂う銃の世界。プレイヤーは銃を装備して互いに殺しあうPK推奨の戦争ゲームだ。

 

 そのGGOに一人、奇妙なプレイヤーが存在する。

 

 プレイヤーネーム――〈Jack〉。

 

 その身に端々が雑に破かれた黒いマントを纏い、腰には六本のナイフを装備し、太股につけられたポーチには黒い医療用ナイフなどが収納されている。しかし、一つも銃を装備していない。

 

 この銃を冠する世界で銃を装備していないプレイヤーは今のところ〈Jack〉ただ一人しかない。

 

 ハンドガン二丁をメインに使用し、二丁拳銃をするプレイヤーはごく稀に存在する。だがそれもいずれは限界を悟り、メインにアサルトライフルやスナイパーライフルなどの大きい銃を使うようになる。

 

 しかし〈Jack〉は違う。

 

 GGOをプレイし始めたその日からナイフ一筋で、今の戦闘スタイルを着々と築き上げていったのだ。

 

 装備がナイフだけだと侮るなかれ、この〈Jack〉は大会に出たことがないが、野良では一切死亡の記録がないのだ。それどころか、銃弾がその身にかすりもしたことがないのだ。

 

 どれだけ離れた弾道予測線(バレッド・ライン)の出ないスナイパーの一発目でも。これでもかと接近した相手からのショットガンの一撃も。一切〈Jack〉の身体に触れることができた銃弾は存在しないのだ。

 

 そんな〈Jack〉と相対した者は、例外なくナイフによる心臓一刺しか、頭と胴体の泣き別れで死んでしまっている。

 

 いつしか〈Jack〉は、GGOでこう呼ばれるようになった。

 

 Jack the Ripper――切り裂きジャックと。

 

 

 

✝ ✝ ✝

 

 

 

 山岳ステージは、その名の通り木と岩で形成された一切人の手が入っていない、自然のステージだ。木は不規則に生えているし、地面に転がる岩々の大きさ、形は何一つ同じものはない。

 

 そんな山岳ステージを、縦横無尽に動き回る影がある。

 

 ソレは端が雑に破かれた黒いマントを纏っていた。

 

 ソレは左右の手に一本ずつ黒いナイフを持っていた。

 

 かろうじて確認できたのはその二つのみ。あとは移動速度が速すぎて視認することができないのだ。

 

 そんな黒い影を狙い撃つ者が五人――いや、六人いた。構えている銃は全員が違い、さらに1km離れた場所にはスナイパーが待機している。いつでも、どんな奴でも殺せるだけの条件は揃っていた。

 

 それなのに、ソレを捉えることができないのだ。

 

 前に出ている五人がフレンドリーファイアを厭わずに銃弾をばら撒き続けても、ソレに銃弾が一向にかする気配はない。挙句の果てには隙を見つけてスナイパーが放った弾道予測線(バレッド・ライン)が出ない狙撃すらよけて見せたのだ。

 

 有り得ない――。

 

 六人全員がそう叫びたくなるのを必死に堪えて一心不乱に引き金を引き続ける。引き続けるのだが……現実は非情だ。

 

 ソレが銃弾の雨をナイフで捌きだしたのだ。

 

 

「「「嘘だッ――!!!」」」

 

 

 今度は叫んでしまった。

 

 毎秒数十発吐き出される銃弾を、それも五方向から向かってくる銃弾をたったの一つも漏らさずナイフで切り落としているのだ。挙句の果てにはスナイパーの狙撃ですら一切視線を向けることなく切り落とした。

 

 銃声が止み、リロードによって地面に空のマガジンが落ちる数秒間――ソレを囲んでいた五人の頭と胴体が泣き別れをした。

 

 そして。

 

 ソレは死んだ者には一切目もくれず、背後に控えていたスナイパーを目指して音もなく走り出した。勿論、スナイパーも自分に向かって来ているのは分かり切っているのだから、どうにかしてソレを仕留めようと愛銃の引き金を何度も引き絞る。

 

 ――弾切れが起こる。

 

 マガジンを変えようと、ほんの一瞬スコープから目を離し、再びスコープを覗いた時には既にソレの姿はスコープからでは確認ができない。

 

 次の瞬間には首と胴体が泣き別れをしていた。

 

 全員仕留めたのを確認したソレは、手早くウィンドウを操作して、運営からのDMを確認し始めた。

 

 

「またBOB参加への招待メールか。運営も二回とも同じ展開だったから飽きたのか?」

 

 

 ソレはクスクスと笑う。

 

 

「まぁ毎回毎回同じ顔触れじゃあつまらないよな」

 

 

 ナイフをくるくると回してもてあそぶ。そして空へ高く放り投げ、落ちてきたナイフを腰についているケースに入れる。

 

 その動作は、もはや芸術と言っても過言ではない程美しく洗練されたものに見える。

 

 

「――狙うか。BoB優勝を」

 

 

 ソレは音を一切立てずに走り出した。

 

 欲しい称号は「最強」ではない。既に浸透してきている自らの名を冠する二つ名。それを我が物にするが為にソレは表舞台へとその身を晒し出す決意をした。

 

 ――■■■■■■■■のお披露目だ。

 

 

 

✝ ✝ ✝

 

 

 

 GGOでは珍しい女性プレイヤーの一人、青い髪が特徴的なシノンはある人物から送られてきたDMに驚愕した。

 

 送り主はシノンとの交流が深い人物で、リアルでも交流があり、普段から一緒にいることの多い――つまりは知人関係にある。……もっと深い関係かもしれないが。

 

 彼女がその人と一緒にGGOをプレイすることは滅多にない。勿論、シノンが誘えば一緒に戦ってくれるし、呼び出せば五分以内に来てくれる。でも滅多に誘わないし、呼び出しもしないのだ。

 

 それには理由がある。

 

 基本的に、GGO内でのプレイヤーネームは重複しないように運営側でプレイヤーネームを決める際に、重複しているか重複していないかを通知され、重複していればもう一度入力をさせ直すのだ。故にGGO内に同一ネームのプレイヤーは存在していないわけで。

 

 簡単に言えば、そいつはGGO内であまりにも有名なのだ。

 

 他のプレイヤーには一切真似のできないプレイスタイル。そのプレイスタイルにこれでもかと言うぐらいにしっくり来てしまうプレイヤーネーム。

 

 シノン自身もGGO内では結構有名であることもあり、そんな二人がパーティーを組もうものなら、他プレイヤーがレイドを組んでも殺しにかかってきてしまう。そうなれば、親友の噂も事実にできないわけで。シノンは親友との共闘はなかなかできないわけだ。

 

 そして本題に戻る。

 

 親友から送られてきたDMの内容は、第三回BoBに出場するというもの。やっとか、という反面、いよいよ厳しい戦いになると焦る。

 

 

「――まぁしょうがないか」

「何がしょうがないんです?」

「えっ!? あー……まぁそのうちわかるわよ」

 

 

 思わず漏らしてしまった呟きを拾われてしまった。

 

 拾った主は、長い黒髪が特徴的な初心者(ニュービー)。名前はキリト。武器屋で困っているところを助け、つい先ほど武器屋にある「カウボーイを触ったら勝ち」のギャンブルを見事に勝ってみせた、()()()()()()()だ。

 

 キリトのせいで第三回BoBの参加申し込み締め切りに間に合わなくなりそうになり、キリトのお陰でギリギリ第三回BoBの参加申し込み締め切りに間に合った。と、まぁ感謝すればいいのか怒ればいいのか、よく分からない状況だった。

 

 そんな彼女と共に、BoB参加者の控え室に向かい、そこで普段着から戦闘着に着替えたのだが……。

 

 

「あんた男だったの!?」

 

 

 なんとキリトは女ではなく男だったのだ。これにはさすがのシノンも怒った。

 

 なんせ彼女は、普段着から戦闘着に着替えるために、普段着をストレージに収納してインナーウェア――つまりは下着姿になっていたのだ。

 

 誰だって意中の相手以外の異性に下着姿を見られれば怒るだろう。

 

 故にシノンも、

 

 

「フンっ!!」

「ぶふっ!?」

 

 

 熱烈なビンタで盛大に歓迎した。

 

 更衣エリアから待機エリアに移動したシノンは、下着姿を見られた怒りを忘れるほど驚いた。つい先程、DMを送ってきた親友が控え室のベンチに堂々と座っていたのだ。

 

 

「やぁ、久しぶり」

 

 

 そんな軽い調子で挨拶をされた。

 

 

「うん、久しぶり」

 

 

 だからシノンも軽い調子で返した。

 

 ゆっくりと歩みより、親友の隣に座る。

 

 

「そこの黒髪は?」

「武器屋であった初心者(ニュービー)よ」

「珍しいな、シノンが面倒見るなんて」

「……女の子だと思ったのよ」

「あー……」

 

 

 なるほど、といった様子でうなずく親友に、シノンは苦笑いを返す。

 

 親友と合流に成功したシノンは、久しぶりに会った親友と会話に花を咲かせているが、取り残された一人――キリトは何とも気まずそうにベンチの端に座っていた。

 

 それを察したのか、シノンの親友はキリトに声をかけた。

 

 

「ねぇ、キミ。キミの名は?」

「えーっと、俺はキリト。こんな見た目でも男だ。よろしく?」

「よろしくキリト。俺の名前は――ジャック。気軽にジャックと呼んでくれ」

「あぁ、わかったよジャック」

 

 

 何気ないやり取りだが、シノンはキリトの対応に少し驚いていた。

 

 ジャックと言えば、GGOでは誰もが知る都市伝説じみたプレイヤーだ。いくら今日コンバート仕立ての初心者(ニュービー)だったとしても――と、考えてみればジャックはBoBに今まで参加していなかったことを思い出す。

 

 流石に初心者(ニュービー)にBoBに出場していないトッププレイヤーを事前に把握することはキツいか、と自己完結をするシノン。

 

 

「――じゃあシノン。俺の出番みたいだから」

「えぇ、油断しないように――と、あなたにはそんな忠告いらないわよね」

「どうだろうな。初めての大会だから緊張して被弾するかも」

「馬鹿言ってないでさっさと勝って私の応援しなさい」

「はいはい」

 

 

 バイバーイ、と手を振りながら親友は待機エリアから出て行った。

 

 相変わらず軽い奴だ、と思いつつ、だからこそのあのプレイスタイルか、と苦笑いする。キリトはジャックが居なくなったことで少しいやすくなったのか、一息ついてシノンの隣に腰を下ろした。

 

 

「シノン、失礼かもしれないけどあの子は強いのかい?」

「……勘違いしてるかもしれないから初めに言っておくけどあいつは男よ。強さに関してはまぁ――」

 

 

 キリトに向いていた顔を上に備え付けられたモニターに移す。

 

 

「――アレを見れば嫌でもわかるわよ」

 

 

 

✝ ✝ ✝

 

 

 

 ジャックが転送されたフィールドは、廃墟エリアだ。

 

 崩壊した石造りの街並みの回りを木々が囲む、とてもシンプルなバトルフィールド。だがシンプル故にプレイヤーの実力が浮き彫りになりやすい場所でもある。

 

 ジャックの対戦相手の名は〈cyclops〉。メインに『P90』、サブに『Five-seveN』を装備し、防具も最低限しか装着していないAGI重視のプレイヤーだ。銃に使用する弾丸を揃えることで、無駄に弾丸を持ち運ぶ必要も無くしているところから、細かいところまで無駄を省いていることがわかる。

 

 対するジャックの装備は腰にナイフを六本、右太もものホルスターに医療用の黒いメスが少々。それらと身を隠すボロボロのマント。

 

 今か今かと闘志を全面に出すジャックにその時が――戦闘開始(コンバット・オープン)の合図がエリアに響き渡った。

 

 まずはマップを見てどこから奇襲をかけるのがいいか、戦いの数手先まで見通して動くのがセオリーだが、ジャックはそんなセオリーを無視して音も無く走り出した。

 

 対するサイクロプスは、セオリー通りにマップを確認し、ジャックを仕留めるための戦略を数秒で組み立てる。

 

 ――その数秒が命取りだった。

 

 ジャックは既に相手を補足し、今にも崩れそうな建物の上から首を狩り取る機会を覗っていた。

 

 なぜこんなにも早くジャックが相手を補足できたのかと問われれば、偶然としか言いようがない。転送された場所が偶然対戦相手の近くだったのだ。

 

 戦闘エリアへの転送がランダム故に起きてしまった偶然。開始数秒で両者が相見えてしまうという偶然。そんな偶然が重なって今に至る。

 

 まぁ、言ってしまえば。サイクロプスはものすごく運に恵まれなかったというわけだ。

 

 音も無く廃屋から飛び降りて着地したジャックは、着地時に衝撃を和らげる為に曲げた膝をバネのようにして勢いよく敵へ跳躍する。

 

 サイクロプスの首にナイフが当たるまで残り3mと少し。早くもこの戦いに終止符が打たれ――

 

 

「――クソがッ!!」

 

 

 ――なかった。

 

 首とナイフの距離が残り1mのところで、僅かに聞こえた砂を潰す音に気づき、背後から接近してきたジャックに向かってP90のトリガーを引き絞ったのだ。

 

 銃口から吐き出される5.7×28mm弾をジャックはナイフで丁寧に捌いていく。まるで忍者のように身体を縦横無尽に捻り回しながらも狙いは敵の首に定める。

 

 ――銃声が止む。

 

 それは弾切れの合図。P90の最大装弾数である50発を打ち切った瞬間、ジャックはその場から弾き飛ばされるように敵へ走り出す。

 

 リロードする時間すら勿体ないと感じたのか、サイクロプスはサブウェポンであるFive-seveNを取り出し、真正面から迫るジャックに向けてトリガーを引き絞りながら、タクティカルベストからナイフを抜いて接近戦に備えた。

 

 ――再び銃声が止む。

 

 ここからは刃物同士の接近戦、ジャックの十八番だ。

 

 

「クソがクソがクソがァ!!」

 

 

 そう悪態を吐きながらも、サイクロプスはジャックの急所を的確にナイフで狙うが、全てナイフで弾かれる。

 

 

「―――っ!」

 

 

 サイクロプスはジャックが無邪気に笑うのを確かに見た次の瞬間、サイクロプスの目の前から姿を消したジャックは背後からサイクロプスの首を狩り取った。

 

 

『勝者 Jack』

 

 

 その文字はジャックの力の一端を見せつけるかのように画面に映し出された。

 

 

 

✝ ✝ ✝

 

 

 

「どう? 彼、凄く強いでしょ?」

「あ、あぁ……。正直、俺以外に刃物をメインにして戦うヤツがいるとは思わなかったよ」

 

 

 待機エリアにてジャックの初戦を観戦していたシノンは隣にいるキリトの様子に違和感を覚えた。

 

 会話のキャッチボールは成立しているのだが、返されたボールが少し軽いような。他のことを考えながら返事をしたように感じた。

 

 

「何を考えてるのか知らないけど、考え事をするなら相手に悟られないようにしなさいよ」

「う……。やっぱりバレてたか」

「バレバレとまではいかないけどね」

「気をつけないとなぁ……」

 

 

 ポリポリと頬を人差し指でかいて苦笑いを漏らすキリト。どうやら過去に同じようなことがあったようだ。

 

 

「……もしかして前にアイツと戦ったことがあるかもな」

「どういうこと?」

「あ、い、いやぁ……。はぁ……」

 

 

 漏れてしまったその一言を聞き逃すシノンではなかった。

 

 観念したキリトは、シノンの目を見て口を開いた。

 

 

「あの戦闘スタイル、GGOにコンバートする二つ前のゲームで見たことがあるような気がする」

「二つ前のって……何やってたの?」

「あー……っと、こればかりは教えられないかな。でもGGO以上に精神磨り減らすゲームかな」

「ここ以上にって……。あなた、結構ゲテモノ好きなのかしら?」

「あ、あはは……」

 

 

 またも苦笑いを返すキリト。だがシノンはこれ以上突っ込もうとはしなかった。なぜなら丁度つい先ほど一回戦を勝ち抜いたジャックが待機エリアに戻ってきたからだ。

 

 戻ってきたジャックの表情――というよりも身に纏っている雰囲気は、どこか荒々しかった。殺気立っていると言ってもいいぐらいにだ。

 

 

「ヤバい。ヤバいなシノン」

「ど、どうしたの?」

「この大会楽しすぎる。だって一回戦であれほどの相手だぜ? これから先にどんな馬鹿野郎共がいるか楽しみで愉しみで仕方がない。考えても見ろ? 俺のスニーキングがバレたんだぞ? ()()()()()()()()()()()有り得ない……有り得ないだろ!? これは適当に手を抜いて相手してる場合じゃない。これは俺も本気でやらざるを得ないぜ――っ!!」

「「……………」」

 

 

 シノンもキリトもジャックの様子に固まる。

 

 ジャックのことを他のプレイヤーよりもよく知っているシノンでさえ固まっているのだ。今日初めて知ったキリトが固まらないわけがない。だが逆にシノンはジャックのことを良く知っているからこそ固まっていた。

 

 普段は物静か――とまではいかないが、落ち着いていて、とても大人っぽい。だがそれがどうだ?

 

 ――まるで無邪気な少年のようにはしゃいでいるではないか。

 

 まぁシノンからしてみればそんな些細な事はどうでもいいと、すぐに硬直が解ける。

 

 

「そう。よかったじゃない、ジャック。普段はできない戦いができて」

「あぁ!」

 

 

 くるりとその場で一周回ったジャックは、パン!! と、柏手を一つ打つ。

 

 

「というわけで、決勝ではよろしく頼む。シノン、キリト」

「まだ決まったわけじゃないけどね……。まぁ負ける気もないし」

「よ、よろしく……」

 

 

 シノンはくすっと笑い、キリトは苦笑いを返した。

 

 

 

✝ ✝ ✝

 

 

 

 一回戦から無事に勝利して待機エリアに戻ってきたジャックとシノン、キリトの三人の会話を三人から見えない場所から監視している者がいた。

 

 

「クソッ!! なんなんだあのジャックって奴は!! キリトって奴は!!」

 

 

 顔を歪めて吐き出されるのは憎悪だ。その歪んだ表情も相まって、誰もそのプレイヤーには近づこうともしない。

 

 

「シノンを理解できるのは僕ただ一人なのに。誰だよジャックって。そこらへんの雑魚が騒いでる都市伝説のプレイヤーか? マテ、そんなはずはない。そんな奴いてたまるか。百歩譲っていたとしても何でシノンとあんなに仲がいい? シノンと交友があるのは()()()()()()()僕だけのはずだろ!?」

 

 

 彼はシノンというプレイヤーに酔ってしまっていた。

 

 彼女を神格化し、彼女を至上とし、彼女を手に入れたいという欲望で頭が満たされていた。

 

 

「それになんだあの長髪のキリトとかいう奴は。さっき()()()()()でビンタされてすごく怒られていたのに何で近くにいれる? なんでシノンと会話してる? なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんだよ!?」

 

 

 顔を右手で覆い、右手ゆっくりと顔の皮膚を下に引っ張りながら降ろしていく。

 

 

「――まぁいいや。彼女を芯まで理解できるのはこの世界で僕だけだ。どうせアレを聞けばあの二人だって離れていく」

 

 

 歪んでいた顔は無に変わり、感情的だった声音も平坦なものへと戻る。

 

 

「最後に彼女が寄り添うのはこの僕だ」

 

 

 彼は待機エリアを一瞥して離れていった。

 




劇場版SAO皆さんは見ましたか?
自分は3周終了して、土曜日に4週目を見に行きます。
前売り特典はコンプしましたが、入場者特典のコンプは4周目にして不可能になりそうです。
ランダム4種色紙はずっちーよ。
どうせ2日目には特典なくなるんだからコンプはオク待ちになるじゃん。

あと前売り券がWeb予約で使えないのはマジで困る。
どうあがいてもWeb予約より一日遅れるし、劇場窓口まで行かないといけないとか……。
3回見に行ってるけどまだ一回も真正面から見てないからね。

見に行っていない人がいたらぜひ見にいくことをお勧めします。
最後は「おぉ!」という感嘆符が出ると思いますよ。

前書きでも触れましたが、本日3月9日はミクの日。
ミクはバーチャルアイドルとしての側面があると個人的には思ってます。
バーチャルアイドル……劇場版SAOにもいますよね?
ユナ……ミク……おっ?
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