テイルズオブザワールド レディアントマイソロジー3 ─そして、僕の伝説─   作:夕影

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今回はレディアント戦です+
色々やっちゃった感あるけど仕方ないよねっ!←


第四十九話

 

 

 

 

 

 

『……………!』

 

 

 

「くっ……!」

 

 

 

――戦闘が始まったと同時に、姿が変化した男性用のレディアントが、二本の刀で僕に切りかかり、僕はそれを背中から抜き取った星晶剣で防ぐ。

女性用のレディアントがメリアの方に向かった事から、どうやらこっちは僕を『敵』と認識したようだ。

 

 

 

 

『…………!』

 

 

「っ……はぁっ!」

 

 

攻撃を防いだままの僕に、力を圧してくるレディアント。

僕はそれに対応するように力で圧し返すと、相手が動いたと同時に一旦下がる。

 

 

「っ…雷よ、ライトニングっ!」

 

『…………!』

 

 

 

レディアントから距離を置き、僕は左手をレディアントに向けると僕の中に居るヴォルトの補助で、無詠唱で雷『ライトニング』をレディアントに落とす。

 

 

『…………』

 

 

「…クソ…やっぱりそう簡単にはいかないか」

 

 

レディアントはライトニングを受けるも傷一つ見せず刀を構え、僕は思わずそう呟く。

 

 

『…………!』

 

 

「…っ……魔神剣っ!」

 

 

 

刀を構え、再び此方に迫って来だしたレディアントに僕は斬撃を飛ばす。

 

 

『…………!』

 

 

「くっ……虎牙破斬っ!」

 

 

レディアントは飛ばされた斬撃を一本の刀で弾くと、その勢いのままもう一本の刀で切りかかり、僕はそれに対応するように切り上げで刀を相殺し、その勢いのまま剣を振り落とす。

 

 

 

 

『…………!』

 

 

「おぐっ…!」

 

 

レディアントは僕の切り落としを身体を瞬時に捻り避けると、そのまま一回転して僕の腹部を蹴り飛ばしてき、僕はそれに対応仕切れず後ろに飛ばされる。

 

 

 

『…………』

 

 

「痛っ……追撃は仕掛けてこないのか…」

 

 

星晶剣を杖代わりになんとか立ち上がり次に来る攻撃にいち早く対応しようとすると、レディアントは追撃する事は無く、此方を見たまま刀を構えていた。

 

『ディセンダーの扱った最強の武具』と呼ばれるだけあって、どうやら不殺の意志は持っているのだろう。

 

 

 

「…だとしても流石レディアント…強敵なのは変わりない、か…」

 

 

『…………』

 

 

刀を構えたまま此方を見るレディアント。先程の蹴りの威力や魔神剣を刀一本で打ち消したのもそうだが、その立ち姿からは明らかに、強者の風格が出ていた。

 

…でも、だからと言って…。

 

 

「…このままただで負けたら…メリアに顔向け出来ないよねっ!」

 

 

『…………!』

 

 

…そう、メリアの力になると言った以上…ただで負けるつもりなんてないんだ!

 

僕は片手で星晶剣を構え直すと、もう片手で木刀を抜いて構える。レディアントも僕の意志が分かったのか僕に向けて二本の刀を構える。

 

さぁ…僕も本気で行くよっ!

 

 

 

 

「ハアァアァァァアっ!」

 

 

 

『…………!』

 

 

僕とレディアントは同時に地を蹴ると僕は星晶剣を、レディアントは刀を同時に奮う。

 

 

「散沙雨っ!」

 

 

『…………!』

 

 

星晶剣と刀が交わった瞬間、僕は木刀で連続突きを放つ。レディアントはそれを一歩退いて避けると、二本の刀を僕に振り落としてくる。

 

 

「なんの……ライトニング・シェルっ!」

 

 

『…………!』

 

 

 

刀が振り落とされる瞬間、僕は紫色の膜を張って攻撃を防ぐ。

レディアントは振り落とした刀をライトニング・シェルで防がれ、驚いた様子を見せる。

 

 

 

 

 

 

その隙を見逃さないっ!

 

 

「このまま…吹っ飛べ、獅子戦吼っ!」

 

 

『…………!?』

 

 

此方に驚いたままのレディアントに向け一気に踏み込むと、僕は星晶剣と木刀を前に突き出す勢いで、獅子の頭を模した闘気を放つ。

レディアントはそれを受け、後方に吹き飛ぶ。

 

 

 

「此処から…決めるっ!行こう、ヴォルトっ!」

 

 

「――準備は出来てます!行きましょう、共にっ!」

 

 

吹き飛んだレディアントを見て、僕は決めるべく限界突破《オーバーリミッツ》を発動すると、自分の隣にヴォルトを出す。

今から使う技は、ヴォルトだけに任せる技ではなく…『僕もヴォルトと共に戦う』と、自分なりに決めた技だ。

 

僕はヴォルトに、自分の木刀を渡すと僕は星晶剣を、ヴォルトは木刀を構え同時に地を蹴りレディアントに接近する。

 

 

「はあぁぁぁぁっ!」

 

 

「えぇぇぇいっ!」

 

 

『…………!?』

 

 

レディアントに接近した直後、僕とヴォルトは同時に前に踏み込みレディアントを斬り、その斬り込んだ位置から電撃がレディアントを襲う。

だけどまだまだっ!

 

 

「まだまだ行くよ、ヴォルトっ!」

 

 

「無論です、主っ!」

 

 

僕の言葉にヴォルトが頷いたのを見ると、僕とヴォルトの攻撃に怯んだままのレディアントに向け、更に僕らは連続して切りかかる。

 

 

一閃、一閃、一閃、一閃と…!

 

レディアントは僕とヴォルトの連続斬りを受け、その身体を雷撃に蹂躙されていく。

その様子に僕とヴォルトは星晶剣と木刀をレディアントに向け、一気に踏み込むっ!

 

 

「トドメだ、レディアントっ!」

 

 

「これが私達の雷の舞ですっ!」

 

 

「「――双雷乱舞っ!」」

 

 

『……!?!?!?!?』

 

 

踏み込みから言い、僕とヴォルトはレディアントに向け最後の斬り込みを入れる。

レディアントは斬られた様々な位置から電撃で蹂躙され、そして…倒れた。

 

 

「……ふぅ…なんとか、なったか…」

 

 

「お疲れ様です、主」

 

 

倒れたレディアントを見て、僕は深呼吸するとヴォルトから木刀を受け取り星晶剣と木刀を納めた。

 

 

「うん…ヴォルトのおかげでなんとかなったよ。ありがとう」

 

 

「いえ…私は、主と共に戦えた事が嬉しいですから」

 

 

僕の言葉に小さく頷いて微笑むヴォルト。

そう言われるとなんだか照れてしまうなー…。

 

 

――ふと、そんな時だった。

 

 

 

『…………』

 

 

「…レディアント…?」

 

 

先程まで倒れていたレディアントが不意にゆっくりと立ち上がり、僕達の方を見てきた。

ただ先程までとは違い、此方に敵意を向けてはいなかった。

一体どうしたんだろう…?

 

 

 

『…………!』

 

 

「な……っ!?」

 

「っ!?」

 

 

僕達がレディアントを見ていると突如、レディアントが光り出し、僕とヴォルトは驚いて目を瞑ってしまう。

 

そのまま僕達は、レディアントの出した光に包まれた…。

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――

 

 

 

 

 

「……ふっ!」

 

 

『…………!』

 

 

――衛司達から離れた位置で、メリアと女性用服のレディアントは周りを俊敏に跳び回りながら交戦していた。

 

メリアが跳びながら苦無を数本投げると、レディアントも同じように苦無を数本投げて相殺する。

 

 

「……はっ!」

 

 

『…………!』

 

 

苦無が相殺されるとメリアは強く踏み込みその場を跳び、レディアントに向けて短刀で斬りかかるが、レディアントも同じように跳び、短刀でそれを防ぐ。

 

 

「……っ……私と同じ…」

 

 

『…………』

 

 

 

 

短刀を交えながら、自分と同じ行動を取るレディアントにメリアは僅かに苦い表情を浮かべる。

 

 

『…………!』

 

 

「……ぅっ!」

 

 

レディアントは短刀を交えながら片手でそのメリアの首元を掴むと、地面に向けメリアを投げる。

メリアはそれに対応出来ず地面に叩き付けられ声を漏らす。

 

 

 

『…………!』

 

 

「……くっ!」

 

 

地面に叩き付けられたメリアに向けレディアントは苦無を投げ、メリアはそれに気付くと瞬時にその場から立ち上がり退く。

 

「…っ…苦無閃―《嵐》―っ!」

 

 

『…………』

 

 

退き、避けたと同時にメリアはレディアントに無数の苦無を同じ勢いで飛ばす。

レディアントは飛ばされた苦無に『当たる』と思った物だけを短刀で払い、メリアに再度接近する。

 

 

『…………!』

 

 

「……くっ……!」

 

 

飛ばされた苦無を弾き、レディアントは短刀でメリアに斬りかかり、メリアはそれに短刀を奮って弾き、退く。

 

 

 

『…………』

 

 

「……っ……ならっ!」

 

 

攻撃を弾かれ、傷一つ負わせれないレディアントにメリアは僅かに舌打ちすると、短刀を逆手に持ち体勢を低く構え限界突破《オーバーリミッツ》する。

 

レディアントはその様子に…『同じように』短刀を逆手に持ち、体勢を低く構えた。

 

 

 

「(っ…まさか…!)……っ…斬…っ!」

 

 

 

レディアントの行動にメリアは一瞬驚くも、その場を一気に踏み出しレディアントへと斬りかかる。

 

 

 

 

 

 

『…………!』

 

 

「……あぅっ!」

 

 

…だがそれはメリアの思った通り…レディアントもメリアと同じように一瞬でその場を跳び、メリアに斬りかかり…そしてその一撃はメリアの攻撃より早く、メリアの身体を切り裂いた。

メリアはその一撃に、声と共に片膝を着いてしまう。

 

 

『…………』

 

 

「……っ…強い……」

 

 

ただ静かに自分の方を見るレディアントに、メリアは片膝を着いたまま声を漏らす。

メリアは再び短刀を持って立ち上がり構えると、レディアントは再度同じように短刀を構える。

 

 

 

「……苦無も届かない…『瞬斬』も届かない……どうしたら……っ」

 

 

自分と同じように構え、自分の攻撃をことごとく無効にするレディアントに思わず俯いてしまうメリア。だがメリアはその後すぐにその考えを切り離すように首を振る。

 

 

「……衛司は私の為に一緒に来てくれた…私が強くなりたいって願いを一緒に叶えてくれる為に来てくれた…。…なのに…こんな所で私が諦めたら…私は…自分の為にも…皆の為にも…衛司の為にも…強くなれないっ…!」

 

 

自分の方を見るレディアントを真っ直ぐと見、自分の想いを言い短刀を逆手に持ち低く構えるメリア。

 

 

「……レディアント…これが私の…本気っ!」

 

 

『…………!』

 

 

言葉と同時に再度限界突破《オーバーリミッツ》するメリアに、レディアントはそれ対応すべくメリアと同じように短刀を逆手に低く構える。

 

その瞬間、メリアは――消えた。

 

 

『…………!?』

 

 

突如目前から消えたメリアに驚き周りを見ますレディアント。

だが周りにメリアの姿は見えず、レディアントは体勢を戻す。

そして……

 

 

 

「……これで…終わり」

 

 

 

『…………!?』

 

 

聞こえた声に自分の後ろを振り返るレディアント。そこには短刀を納めるメリアが立っていた。

メリアの言葉の意味にレディアントは自分の身体を見ると、その身体には腹部に一つの切り傷と、『爆』と書かれた札が貼られていた。

 

 

「……しいなから貰った『起爆札』…たった一枚でも威力は上々……」

 

 

『…………!』

 

 

短刀を納め淡々と言いながらゆっくりと片手を上げるメリア。

その姿にレディアントは貼られた起爆札を剥がそうとするが剥がすことは出来ず、そして……

 

 

「……サヨナラ、レディアント…。……これぞ……『瞬獄』……」

 

 

『……!?!?!?!?』

 

 

言葉と共に、パチンッとメリアが上げた手の指を鳴らすとそれを合図にするかのように……レディアントは爆発に飲み込まれた。

 

 

 

「……これで、勝てた……衛司の方は……っ!?」

 

 

爆発した様子からメリアは一息つき、衛司の方を見ようとした瞬間、突如レディアントが爆発した位置から光が溢れ出し、メリアは思わず目を瞑る。

 

そしてメリアは衛司達同様……光に包まれた。

 

 

 

 

 

 

――――――――――――

 

 

 

 

 

「――ただいまー…」

 

 

「――あら衛司、お帰りなさ……」

 

 

「――衛司、レディアントはどうだっ……」

 

――バンエルティア号のホールにて、僕は扉を開けて入るとアンジュとカノンノが居て、二人は言いながら僕の方を見ると止まった。

まぁそうだよね……何故なら…。

 

 

「……どうしたの、その格好…?」

 

 

「…いや、まぁ…色々ありまして…」

 

 

――今、現在…僕は男性用のレディアントが纏っていた侍のような服を着ているのだから。

あの後…光が収まったと思ったら僕はこの服…『レディアント』を纏っていた。

どういう事か分からなく、先程偶々甲板に居たニアタに聞いてみると……恐らくだが、僕の持っていた『世界樹の木刀』を見て、レディアントが僕も『ディセンダー』と判断してしまったのではないか、との事。

思わず混乱と共に、本当に僕なんかが『レディアント』を纏っていいのか不安になったけど……ニアタは『見る限り異常は無い』って言ってたし、メリアは『衛司とお揃いなら嬉しい』と言っており、結局僕が頂く事になった。

 

 

「へぇ…凄く似合ってるよ、衛司」

 

 

「あ、うん…ありがとう」

 

 

「あらあら…そう言えばメリアは…?」

 

 

僕を見て微笑みながらそう言ってくれるカノンノに思わず照れてしまい頬を掻いていると、アンジュがクスクスと笑いながらふと、いまだにホールに戻ってこないメリアに気付き小さく首を傾げてそう言った。

 

 

「ぁー…メリア…なんだけどね…。…入っておいでよ、メリアー」

 

 

「――…………ぅー」

 

 

 

「「……へ…?」」

 

 

アンジュの言葉に僕は思わず苦笑を浮かべてしまいながらも、いまだに甲板にいるであろうメリアを呼ぶと、メリアは少し俯きながら入ってき、そのメリアの姿にアンジュとカノンノはそんな声を出した。

 

何故なら今、メリアの服装は、女性用レディアントが纏っていた忍者を彷彿とさせる服装…ではなく、しいなのような『忍者』というより、『くの一』を彷彿とさせる服装だった。

以前の『朱雀の衣』とは違い、肌の露出面は少ない筈なのに…着ている事で『頑張って大人びている』という感じを醸し出しており…こういうのはなんだが…可愛い差もありながら、どことなく大人っぽ(エロ)かった。

メリアも初めての違う服に珍しく恥ずかしがっており、こういうのは惚気っぽいけど……今のところもう、ハンパないくらい可愛い。

 

 

これもどういう事か分からずニアタに聞くと、どうにも『レディアント』が着用した彼女に一番適した服装をチョイスしたとかなんとか。

まぁ確かに見た感じ…以前の『朱雀の衣』に比べて動きやすそうだけど。

 

 

「……ぅぅー…なんだか…恥ずかしい…」

 

 

「あはは…大丈夫だよ、メリア。可愛い可愛い」

 

 

 

「……レディアントって…本当、不思議ね」

 

 

「……いいなー、メリア…」

 

 

俯いたまま僕の後ろに隠れるメリアに、僕はとりあえず落ち着かせようと頭を撫でる。

そんな僕達を見て苦笑を浮かべるアンジュと、僕達を羨ましそうに見るカノンノ。

 

 

……色々あったけど……僕達は無事、『レディアント』を入手する事が出来た。

 

 

 

 




以上、第四十九話、如何だったでしょうか?

むしゃくしゃしてやった、後悔はしてない←


『衛司の第二秘奥義』
衛司の第二秘奥義『双雷乱舞』お披露目です+←
この秘奥義は当初は衛司一人でやる技だったのですが、『衛司一人で出来たらチートじゃね?』という事によりヴォルトと一緒で使用出来る事にしました+←

やったね、衛司っ!←←


『メリアの第二秘奥義』
同じくメリアの第二秘奥義『瞬獄』のお披露目です+
名前に厨二言うな←

指パッチンは作者の趣味です←←


『衛司のレディアント』
色々やっちゃった件←
一応衛司の木刀は『世界樹』産なので、レディアントもそこら辺反応すんじゃね?、とか考えたのでやってみた←←

侍のレディアント……『マイソロ4』で出ないかな←←←


『メリアのレディアント』
作者の趣味全開←←
レディアントってディセンダーが着るもんだし、それならディセンダー毎に一番似合った服装がいいんじゃね?、という訳の分からない発想からこうなりました←←

『くの一』っていいよネ☆←←


皆様、感想、ご意見等良ければ宜しくお願いします+

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