この幸薄い聖杯少女に祝福を!   作:影使い

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第3話

異世界に転生してきた一日が過ぎた。

私は朝早くに起きてギルドに赴き、お姉さんに紹介されたジャイアント・トード討伐の依頼を受ける。

これは三日間のうちに計五体のジャイアント・トードを討伐すれば依頼達成と言う依頼だ。

そして、その報酬は10万エリス。私が泊まっている宿に一週間宿で暮らせる額だ。

そして私は現在、依頼達成のためにアクセルの町から少しばかり離れた草原でジャイアント・トードを探していた。

 

 

 

 

「さてと……トードって言う位だから蛙のモンスターよねー……ってナニアレ?」

 

 

 

 

そんな事を呟いていたら近場の地面が盛り上がり……牛よりも大きい蛙がのっそりと這い出てきた。

 

 

 

「えー……ジャイアント・トードって言うぐらいだから大きい蛙ってのは想像してたけどこれは予想以上ねー……」

 

 

 

そして、ジャイアント・トードは獲物として私をロックオンしたのか、その巨体を普通の蛙の様にジャンプしながら私に向かってくる。

割りと怖いがギルガメッシュに感じた恐怖が凄すぎたのかこの程度じゃ怯むことはない。

 

 

 

「さてと……悪いけど私の生活の為に死んでもらうわね。《ファイヤーボール》!」

 

 

 

ジャイアント・トードに向けて手をかざし、呪文を唱える。すると、手から放たれた炎の塊が勢い良く空を駆け、ジャイアント・トードに当たる。

そして、当たった部分を焦がしながらジャイアント・トードを吹き飛ばす。

 

 

 

「ふーん……この世界のまじゅ……魔法も割りと使えるのね」

 

 

 

昨日のうちに私はこの世界の魔術……いえ魔法ね。

魔術師としては私の世界の魔法と同一視されるみたいであんまり使いたくないのだけど今の私は魔術師兼この世界の魔法使い。

豪に従えと言う言葉に従い魔法と言いましょうか。

昨晩はその魔法の使用に必要なスキル、上級魔法、中級魔法、初級魔法を取り、それでもスキルポイントが残ったので魔力上昇スキルや威力増加スキルなどをとっておいた。

 

 

 

 

そして、ジャイアント・トードの吹き飛ばした際の振動が地面に伝わり寝ていた他の個体が一斉に起きたらしく、10体ものジャイアント・トードが地面から這い出てきた。

 

 

 

 

「魔法の練習には丁度良いかな。さてと……。《インフェルノ》!《カースド・クリスタルプリズン》!!」

 

 

 

 

私が放った左右に放った2つの上級魔法はジャイアント・トードを焼き付くし、そして氷像へと変えた。

流石に上級魔法と呼ばれるほどあって膨大な魔力を持つ私でもかなりの魔力を持っていかれた。

まぁ、魔術回路を開いて生成しておけば一時間もすれば全快するので大した問題ではない。

 

 

 

 

「ふぅ……これで依頼事態は完遂できたけど、エリス様から貰った特典のこの礼装を試してみないと……」

 

 

 

 

私はエリス様に貰ったクラスカードを胸に抱き、魔術回路を開きクラスカードに魔力を流し込む。

すると、クラスカードが膨大な魔力が溢れだしてくる。その溢れた魔力はある模様を私を中心に描く。

 

 

 

「この陣は……」

 

 

 

私を中心に展開されたその模様。

それは私がサーヴァント召喚した際に使用した魔法陣に多少アレンジを加えた物だった。

 

 

 

「―――告げる。」

 

 

 

そして、何故か私は無意識のうちに口が動き始める。

 

 

 

「汝の身は我に!

汝の剣は我が手に!

 

聖杯のよるべに従い

この意この理に従うならば応えよ!

 

誓いを此処に!

 

我は常世総ての善と成る者!

我は常世総ての悪を敷く者――!

 

汝 三大の言霊を纏う七天!

抑止の輪より来たれ 天秤の守り手―――! 」

 

 

 

私の口が紡ぐのはサーヴァント召喚の呪文。

本来ならば無詠唱でも召喚できるが成功率や魔力の消費を抑えるためには必ず必要なのだ。

 

 

 

夢幻召喚(インストール)!! 」

 

 

 

 

もしかして、これはある特定の英霊を聖杯の補助なしで召喚出来るものかと推測していた。

だが、最後の一小節だけが本来の詠唱とは全く違う物だったし、私も初めて聞く物だった。

その後変化は如実に現れる。私は溢れだした魔力に包まれる。

そして、魔力が実体化していき私の姿はあの赤いアーチャーの格好を私に合うように仕立て直した様な格好になっていた。

まぁ、ヘソだしルックで、足もほぼ生足だと言うことを除いてだが。

 

 

 

そして、変化が終わると一気に私に記憶や感情が流れ込んでくる。

そして、私は直ぐ様この礼装の持つ力を理解した。

 

 

 

 

それはーーー自分自身の霊基を英霊の物に置換し、擬似的にサーヴァント化する。

文や言葉では簡単な事のように見えるが実際はほぼ不可能な技術だ。

 

 

 

 

そして、私はこのクラスカードに対応する英霊の正体に驚愕する。

その英霊は……エリス様に聞いた士郎の成れの果て、英霊エミヤだった。

未来の士郎の記憶、感情が流れ込みどうして士郎が英霊エミヤになったのかを知った私はやるせない気持ちになる。

 

 

 

 

「バカな士郎ね……別に切嗣(お父さん)の理想なんか捨てて幸せになれば良かったのに……。士郎は本当に……バカだよ……」

 

 

 

私はサーヴァント化した状態で泣いてしまった。だって、これじゃあ英霊エミヤになった士郎が余りにも報われない。

そして、しばらく泣き続けて感情に整理がつく。

 

 

 

 

「……ほんとっ、バカよ。

だけどね、私はそんな士郎が居たから今ここに居るのよ。

だからね、私は生きるよ。士郎の分も幸せになってやるんだから……。

英霊の座から見て、精精悔しがりなさい!」

 

 

 

 

と、聞こえるはずも無いのに私は空に向かって叫んでしまった。

 

 

=====

 

 

とある英霊の座。

そこは黄昏の剣の墓標の様に剣が突き刺さる丘に消えることの無い炎が燃え続け、空には巨大な歯車が空回りしている。

そんな空間にただ一人佇む男が居た。

ふと、その男はその表情を弛ませる。それはまるで年の離れた妹を見ている兄の様に。

 

 

「ははは、流石イリヤだ。さてと……仕事か……。オレも頑張らないとイリヤに笑われるな……」

 

 

 

そして男は眩い光に包まれ、無数に存在する平行世界の何処かに召喚されたのだった。

 

 

====

 

 

英霊の座に居る士郎に誓いを立てた私は英霊化を解いてアクセルの町に向かって歩き始める。

いくら私が上級職であるアークウィザードでもお金がないと暮らしていけないのだ。そして、今は大分脱線したが任務完遂したばかり。

つまり、本当に一文無しなのだ。

報告して報酬を貰うまでが仕事だと昨日のおじさんが言っていた。なので、報酬を受け取るべく私はアクセルへ急ぐ。

あとジャイアント・トードの死骸もとい氷像はギルドが回収してくれるらしい。

 

 

 

 

「早く帰ってまたなにか依頼を受注しなければ……っ?この魔力……」

 

 

 

アクセルになるべく急ぎながら戻っていると、近くで膨大な魔力が膨れ上がるのを感じる。

そして、次の瞬間大爆発がこれまた近くで起こった。

 

 

 

「えぇ……。なにあの物騒な魔法は……。威力だけなら宝具レベルじゃない……。気になるし行ってみますか。《夢幻召喚(インストール)》」

 

 

 

私は再び英霊化をする。今回は色々と過程をすっ飛ばせば貰った。

最初の英霊化を行使した時点で魔術理論は理解できた。ならば、あとは私の小聖杯の力で過程をすっ飛ばし、結果を導き出せば良いだけなのだ。

そして英霊化によって強化された身体能力で人の限界を超えた速度で移動し、現場が確認出来る高台に向かう。

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