ホムえもんと愉快な魔法少女たち   作:Mr.モノクマ

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数か月ぶりの新作です。
放置になってしまい大変申し訳ありませんです。


第12話 「さやかを止めるさやか パート1」

さやかには三つの夢があった。

一つは上条恭介とイチャイチャしながら楽しく暮らすこと。恋する乙女らしい可愛い夢である。

二つは、魔法少女として自分の力でみんなを幸せにすること。これも正義の味方のさやからしい夢である。

そして三つ。

それは、今、目の前にかなえられたのだ。

 

「ついに夢がかなったぞ」

 

机の上に置かれた某有名企業のカップラーメンが10個置かれていた。

そう。さやかの三つ目の夢とはカップめんをおなかいっぱい食べることだったのだ。

 

「一度でいいから10個いっぺんに食べて見たかったんだよね」

 

まず一つ目。カップラーメンの一番オーソドックスなやつ。

醤油だ。

 

「さぁて。いっただっきまーす」

 

カップラーメンを口いっぱいに頬張るさやか。

その顔は非常に幸せそうである。

誰かが言った、“われ思う 故にわれあり”。

さやかはそれをもじって“われラーメン 故にわれあり”と自分の中で掲げてさえいるのだ。

 

「幸せだな。こんなに幸せいいんだな。それもさやかちゃんの日ごろの行いがいいからかな~」

 

だがそんな幸せも長くは続かなかった。

カップラーメン一個はおいしく食べられた。

二個目も同様においしく食べられた。

三個目になるとちょっと苦しくなってきたが、まだ食べられた。

四個目になるとそろそろ苦しさが襲ってくる。

五個目になると・・・もうためだ!

 

「美樹さやか。魔女のパトロールに出る・・・なにこれっ?」

 

何の脈略もなしに部屋の窓を開けてやって来たのは暁美ほむらだった。

魔法少女で、しかも自身が持っている楯からひみつ道具という名のトンデモを出す女の子だ。

10個のカップラーメンを見て驚愕する。

 

「う、うわあああああああああ」

 

急に叫びだして自分の頭をグーで殴るさやか。

普段からおバカな奴だと思っていたが、ついに精神までやられてしまったか。

南無・・・・

 

「どんなに好きだからって10個もラーメン食べられるわけないじゃない」

「美樹さやか?」

「だから鉄道ジオラマにしておけばよかったんだ~」

「いったい何があったのよ」

「実はさっきね・・・臨時収入があったの」

 

さやかは自分の愚かさをひしひしと語り始めた。

 

 

 

 ~数十分前~

東京に住んでいるさやかのおじさんが見滝原市に遊びに来た。

東京に住んでいると言う事だけあって、非常にお金持ち。

さやかもおじさんが来たときはお小遣いがもらえると言うことを知っていたので早速ごますりし始めた。

その結果、気分を良くしたおじさんからなんと一万円のお小遣いがもらえたのだ。

 

「ありがとうおじさん。さやかちゃん大事に使うね」

「おうおう。大事に使いなさい」

 

だがそこは美樹さやか。

なんとおバカなことに今ある貯金とともに一気に使ってやろうと考え始めたのだ。

 

「さっきの一万円と合わせて、今の貯金は一万五千円。これはすごい。あたしったらおっかねもっち~」

 

さっそく一万五千円を財布に入れて街をぶらぶらする。

 

「何にしようかな~」

 

そして考えた挙句二つに絞ったのが・・・

 

「鉄道ジオラマっていうの恭介が好きなんだよね。作ってあげたら驚くだろうな~。それとも見滝原特製超高級カップラーメン10個、税込1個700円にしようかな~」

 

最後まで悩んだ挙句・・・カップラーメン10個にしたわけだ。

 

「あとのことを考えないからよ。美樹さやかの“み”は“あほ”の“み”よ」

「“あ”ないじゃん」

「あほよあなたは。後のこと何が得ないし。ま、澄んだことは仕方がないわ。早くパトロールを終わらせてまどかのところに遊びに行きましょう」

「なんちゃってね。この私がそんなにマヌケに見えるかな?」

「見えるわ」

 

ズコッー。

即答で言うのでずっこけてしまう。

 

「ちゃんと考えてあるのよ。失敗立って何度でもやり直せるんだから。何しろ私にはほむらっていう強―い味方があるんだから」

「どういうこと?」

「ほむらの楯。つまりタイムマシンがあるのよ」

「なるほどタイム・・・なんですってええええええ」

 

流石のほむらもこれは大声を出さざるを得なかった。以前のティーカップ騒動(3話~5話参照)でタイムマシンを使うというさやかの発想に驚いたが、今回はその斜め上を向かった。

一時間前の自分に鉄道ジオラマを買わせて来ようと楯の中に入ろうとするさやか。

そんなさやかをグイッと首根っこをつかんで持ち上げる。

 

「痛い痛い。力強いって」

「過去を変えるのはいけないことなのよ」

「どうして?」

「みんなが都合よく過去を変えたりしたら、歴史がこんがらがって滅茶苦茶になるじゃない」

「・・・・・」

 

お前がそれを言うかって。

今でこそだが、お前がこの世界に来た理由だって底を辿ってみれば歴史改変のためじゃないか。

しかも今までだって多から少なかれ歴史は変えているような気がする。

だがタイムマシンを貸してもらえなくなるかもしれないのであえてここでは言わなかった。

 

「大げさだなほむらは。ラーメンと歴史と何の関係があるのさ。それに歴史から言わせてみれば私がカップラーメン10個食おうがおもちゃ買おうが、どうでも良い歴史じゃん」

「しょうがないわね。じゃあ行きましょう」

「そう来なくっちゃ」

「だけど歴史の流れには勢いがあってそう簡単には変えられないのよ」

「いいからいいから」

 

二人はさやかがおじさんかにお小遣いをもらう場面にタイムスリップした。

玄関ではお小遣いをもらってウハウハ状態のさやかがいた。

 

「ちょうどいいタイミングだ」

「おっと来た来た」

 

玄関から部屋に戻ってお金の使い道を計算するさやか。

 

『恭介に見せたかった鉄道ジオラマが買える。カップラーメン10個だって食べられる。どうしようかな~。ジオラマはまた今度で良いかな。よしさやかちゃんはカップラーメンに決定!』

 

その様子を陰から見守る二人。

 

「あんなこと言ってる」

「過去に戻ってもあなたはバカなのね」

「うるさい。よし、突入だ。ジオラマにしなさい!」

 

突然現れた未来のさやかにビビる過去のさやか。

 

『うわっ。えっ?私?』

「そう。一時間後のわたしだよ。カップラーメンなんかやめてジオラマにしなさい」

『なんでよ。私の指図なんか受けないね』

「私は実際に食べたのよ。5個でもう見るのも嫌になった」

『そうなの!?確かに言われてみれば10個も食べられるわけないよね』

「分かってくれた」

 

同じ自分同士。なんやかんやで話が進んで二人はジオラマを買うことで合意がついた。

これで現実の世界に戻ってくればすべてがうまくいく。

 

「過去が変われば、未来も変わるはず」

「そう上手くいくかしらね」

「そうさ元の世界に戻ったら、カップラーメンが変わってジオラマが現れるはず」

 

だが何故か変わらない。

目の前にあるのは冷めて伸びきったラーメン。

一時間前のさやかがジオラマを買ったなら今ここにはそれがあるはずなのに。

 

「だから言ったでしょ。歴史は簡単には変えられないって」

「そんなこと言ったって。よし、もう一度見てくる」

「懲りないわね」

 

またタイムマシンであの時間帯に戻る。

だが部屋には誰もない。

 

「ママ」

「何さやか?」

「私どこ行った?」

「何言ってるの、買い物行くってさっき出て行ったじゃない」

「あっそっか」

 

外に出ていくさやか。

 

「あれ?」

 

何か違和感を感じるさやかママ。

 

 

 

 

『さやかを止めるさやか』to be continued

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