ホムえもんと愉快な魔法少女たち   作:Mr.モノクマ

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第13話 「さやかを止めるさやか パート2」

「どこ行っちゃったのかな?」

 

見滝原模型。ここには見滝原のみならず、日本中のありとあらゆ模型&ジオラマが取り揃えてある。

先ほど買おうとしていたのは鉄道ジオラマ。

かなりのお値段だが、完成した際の出来は保証していい。

 

「いないな・・・」

「さ、さやか!?」

 

驚きの声を上げているのはいつものリンゴを持った杏子であった。

 

「お前、さっきのさやかか?」

「何言ってるの?あっ、そのリンゴ」

「こ、これはちゃんと買ったやつだよ。それより」

「ん?」

「さっき模型屋に入ろうとしたさやかのところに別のさやかが来たんだ」

「そ、それで?」

「暫く二人で言い合いしてたけど、結局スーパーに向かったんだ。そしたらそこにまたさやかが来て・・・」

「何がどうなってるの?」

 

何だかカオスな展開になってきた。

とりあえず訳が分からないままスーパーに走り出す。

 

「こっちが訳が分かんねえよ」

 

 

 

 

 

スーパーには確かに二人のさやかがいた。

一見するとまるで双子のように見える。そこにまた新たなさやかが来たのだから今度は三つ子だ。

もう紛らわしいので台詞前に番号をつけることにする。

 

さやか1「ジオラマはどうした?」

さやか3「うるさい引っ込んでて」

さやか1「誰よあんたは」

さやか3「誰ってさやかよ。美樹さやか」

さやか1「あそっか。えーと・・・いつのさやか?」

さやか3「あんたよりさらに一時間後のさやか」

さやか1「どうしてジオラマを買わないの」

さやか3「買ったわよ。そしたらどうなったと思う?もうムッチャクチャのシッチャカメッチャカの大失敗」

さやか1「そんなのいい加減に作るから」

さやか3「私みたいなブキッチョには無理なのよ」

さやか2「あのさ・・・」

さやか1「あんたはさっきのさやか?」

さやか2「そうだよ」

さやか1「じゃあ早くジオラマを買って」

さやか3「もう何もわかってない。カップラーメンなら閉まっておけばまた食べたい時に」

さやか1「そんなの!まとまったお金を使う意味ないじゃん!こういう時こそ普段買えないようなものを買って」

さやか3「それで結局無駄遣いになるんでしょ」

さやか1「だからそうならないように気を付けて」

さやか3「だからカップラーメンがいいのよ」

さやか1「分からず屋!」

さやか3「どっちが分からず屋よ!」

 

もう何が何だか分からなくなる

三人のさやかの言い争いはカオスを通り越してマジキチの範囲になってきた。

 

さやか2「いい加減にして!私はどうしたらいいの!」

 

最終的に導かれた結論。それは・・・

決闘。

見滝原郊外で魔法少女として変身し、闘い勝ったほうがさやか2の買う品物を決める。

死人に口なし。

勝ったほうこそ未来を手に入れるのだ。

 

さやか2「やめなよ。こんなことで自分同士で争うなんておかしいよ」

さやか3「栄光あるカップラーメンの未来を手に入れるには多少の犠牲は仕方がない」

さやか1「こっちは栄光ある鉄道ジオラマの未来」

 

剣を取り出して始まる決闘。

お互い自分が回復系の能力を使えることは分かっている。だから思う存分やれる。たとえそれが相手を殺すことになっても。

 

さやか2「やめて誰か・・・こうなったら私が二人を倒す!」

 

もう何が何だか分からないさやか2はついに決闘に参加してしまう。

一糸乱れぬ攻防。

これが未来をかけた魔法少女の殺し合いだというのか。

カップラーメンと鉄道ジオラマの未来をかけた。

 

 

 

 

 

「「「やめて・・・」」」

 

 

 

 

 

声が聞こえる。

何処かで聞いたことあるような弱弱しい声。三人がいったん戦いを中断させて振り返る。

そこにはボロボロで血だらけの三人のさやかがいた。

 

「「「あ、あんたたちは?」」」

 

さやか1α「戦いの後の私たちさ」

さやか2α「いつまでやっても勝負はつかないんだよ」

さやか3α「同じさやか同士だからね」

 

「「「えーーーーーーーーっ」」」

 

仕方がないのでいったん勝負中断。

とりあえず家に戻ってもう一度話し合ってみることにした。もしかしたらほむらが何とかしてくれるかもしれないし。

 

さやか1「ただいま」

「お帰りなさいさやか」

さやか2「ただいま」

「お帰りなさいさやか・・・ん?」

さやか3「ただいま」

「ええっ!?私ったら、疲れてるのかしら」

 

「うわっ、なになに!?」

 

急に現れた三人のさやかに驚愕するほむら。

さらにそこに現れたもう一人のほむら。さらなる驚愕である。

 

さやか3「一時間後のほむらだ(ほむら1)」

さやか2「じゃあこっちは」

さやか1「一時間前のほむら(ほむら2)」

「インキュベータ―じゃないけど、訳が分からないわ」

 

何とか話を聞いて理解することができた。

一番いいのは最初から最後まで何もなかったことにすることであるが、そう簡単にはいかない。

 

ほむら1「これだけもつれると」

ほむら2「完全に元に戻すのは不可能ね」

ほむら1「!?」

ほむら2「!?」

 

二人同時に何かをひらめくほむらコンビーズ。

どうやら二人して同じことを考えたようだ。

 

ほむら2「じゃあ頼むわ」

ほむら1「うまくやっておくわ」

 

先にほむら1が帰ってある仕事をしに行った。

 

さやか2がここに残って、残りのさやかがそれぞれの世界に戻る。

 

「ねえいったいどういうこと?」

「一時間後の私が上手くやってくれるはずよ」

「上手くってどういうこと?」

「それは帰ってみればわかるわ」

 

 

 

 

 

「えーーーーっ!なにこれ!」

 

部屋に置いてあったあるものに先ほどのほむら以上の驚愕がさやかを襲う。

 

「どの美樹さやかの望みを叶えるとなるとこれしかないのよ」

 

そう、目の前に置いてあったのは・・・

 

「カップラーメンのジオラマなんてイヤーーーーッ」

「もう過去を変えようなんて考えないことね」

 

 

 

 

『さやかを止めるさやか』END




原案:ボクを止めるのび太(ドラえもんプラス1巻所収)

アニメ:1997年11月14日放送
脚本:小松崎康弘
絵コンテ・演出:平井峰太郎
作画監督:渡辺歩
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