ホムえもんと愉快な魔法少女たち   作:Mr.モノクマ

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第15話 「杏子UFO大作戦 パート2」

「えええええええええ~~~嘘だろ~~~~!!!」

 

ほむらからUFOはさやかの嘘だと聞かされた杏子は激しく動揺する。

悔しさと、騙された自分への惨めさで風邪をひいてる余裕なんてない。

 

「だから言ったじゃない」

「畜生さやかめっ!」

 

ポケットに入ったロッキーをがむしゃらにむさぼる。

悔しさを紛らわせるには食べるしかないのだ。

どうにかしてさやかに仕返しをしてやりたい。

 

「さやかをギャフンと言わせてやる。ほむらもそう思うだろ?」

「別に私がだまされたわけじゃないし」

「じゃあこのままあたしが騙されたままでいいっていうのか?」

「そういうこと言ってないわよ。ていうか普通騙されないわ」

「うるさいっ!あたしにこのまま引き下がってろっていうのか!?」

「仕方ないわね・・・」

 

確かにあのままさやかを調子に乗らせておくのもなんだかいけ好かない。

楯から何かを探し出して取り出す。

 

「組み立てUFOセット!」

「UFOセット?」

 

プラモデルのような組み立て式の円盤だった。

玩具のようで、空を飛んだりして遊ぶことができるようだ。

人が乗れるほどのサイズで、実際に乗って操縦することもできる

大きさは人が乗れるだけあって一般的なプラモデルより一回りも二回りも大きかった。

 

「なるほど。これでさやかをビックリさせるわけか」

「そういうこと」

「よし!さっそく組み立ててさやかを腰抜かせてやる!」

「精々頑張りなさい」

「あとさほむら」

「ん?」

「腹減った。何か飯」

「あらららら」ズコッー!

 

 

 

 

    ○

 

 

 

 

それから杏子の組み立て作業が始まった。

仕組みは一般的なプラモデルと同じで、切ったり、くっ付けたりして作ることができる。

さやかと違い手先が器用なので思いのほかスムーズに作業が進む。

そして作り始めてから2時間。ようやく完成した。

 

「できたぞっ!」

 

備え付けのリモコンを押すと中央のコップビット部分が開く。

中は玩具とは思えないほどしっかりしていて、それだけでモチベーションが上がる。

 

「じゃあ行ってくるぞ」

「はいはい」

「待ってろよさやか。杏子スペシャル号発進!」

 

青いスイッチを押すとUFOが半重力で上昇していく。

そしてコントローラーを前に引くとものすごい速さで前に進んでいく。

あっという間にUFOは見えなくなった。

 

「本当に行っちゃったわ。それにしてもネーミングセンスないわね」

 

 

 

 

    ○

 

 

 

 

時はすでに夕方。

さやかは見滝原湖で恐竜の玩具を利用したネッシーの悪戯写真を撮っていた。

トイザンスで買ったネッシーそっくりの玩具を湖に浮かべて一眼レフで写真を撮る。

 

「本物そっくりだ。さすがさやかちゃん。これから杏子また驚くだろうな」

 

杏子が驚いて興味津々で話を聞く姿を思い浮かべると今から楽しみで仕方がない。

 

「そろそろ帰らないと。じゃああと一枚」

 

その時だ。

さやかの背後からキル○キルのような光が差し込む。

 

「な、なに鬼龍院?」

 

んなわけない。

さやかが振り向いたその先にはなんとUFOが。

 

「そ、そんな。なんでいるの?!」

 

しかし目の前のアレは誰がどう考えても、火を見るよりも明らかにUFOだった。

だが皆さんお察しの通りそのUFOに乗っているのは杏子である。

 

「ビックリしてるぜあいつ。ん?この黄色スイッチは」

 

ためしに黄色スイッチを押してみる。するとUFOから光線が出てきてさやかを襲う。

 

「うわっ!」

「レーザー光線だ。大丈夫か・・・あっそっか。元々おもちゃだし大丈夫か」

 

子供が遊ぶ用の玩具で怪我をするなんてまずない。

それが分かった杏子はレーザー光線を発射しまくる。

 

「危ない危ない。ちょ・・助けて!」

「逃がさねえぞ!」

 

さやかが逃げる先に先回りする。

今度は赤いスイッチを押してみる。そしたら目の前にマイクが現れた。

これで喋れば本物の宇宙人っぽくなるってわけだ。

 

「愚かな地球人めよく聞くのだ」

「しゃ、喋った!?」

「貴様たちは偽物のUFOを使って罪もない乙女をだましたな。おかげで我々宇宙人のイメージが悪くなり大変迷惑をしている。だからその迷惑の根源であるこの地球を滅亡させに来たのだ」

「ご、ごめんなさい。本物の宇宙人がいるなて知らなかっ・・・た・・・んです・・・」

 

知らないとなると嘘になる。

何故ならこの街にはキュゥべえという宇宙生命体がいるからだ。

しかしここで知っていたなんて言ったらなお問題。知っていたうえでやったことになるのだから。

 

「もうしないから許してください」

 

頭を下げて許しを請うさやかの格好は非常に滑稽だった。

杏子は笑いをこらえるのに必死。

 

「あー、もちろん我々にも話し合うつもりはある。できればこの地球を滅亡させたくない」

「大賛成です」

「それでは総理大臣を連れてこい」

「総理大臣?ここにですか?」

「その通りだ。二度も言わすな」

 

そんなこと一般中学生のさやかには無理に決まっている。

携帯電話を手に持ってみるものの、そもそも総理大臣の電話番号など知るはずもない。

 

「ならば宇宙戦争だ」

「宇宙戦争!?」

「そうだ。10を数えるうちに連れてこい」

 

ここでさやかにある案が浮かぶ。

この際自分が戦って地球を守るしかないのでは。

 

(そうだ。私は魔法少女。もしかしたらこのUFOにも勝てるかもしれない)

 

今まで数々の恐ろしい魔女と戦ってきた。

それに比べちゃこんなUFO。

悩んでいる暇などない。意を決したさやかは立ち上がる。

 

「私はお前たちなんかに屈しない!」

「何っ!?」

「この地球を守るため最後まで戦う!」

 

ソウルジェムを使い魔法少女に変身する。

これは予想外だった。

魔法少女状態では勝てる可能性は低い。玩具のレーザーでは対抗できない。

 

「やっぱり魔法少女相手じゃ全然当たらない」

 

身体能力が上がったさやかにレーザー光線など皆無に等しかった。

仮にあたったとしても剣で弾かれてしまうだろう。

 

「これでもくらえっ!」

 

剣を使いUFOを上から真っ二つに切り裂く。

コントロールシステムを破壊されたUFOは右往左往したのち地面に墜落する。

 

「やばいっ!」

「さぁ正体を見せろ!」

 

コックピットを壊しそこにいた宇宙人の正体に驚愕する。

 

「杏子!?」

「しまった!」

「そうか、これは杏子の仕業だったんだな」

「いやそれは。その・・・」

「イタズラにしても度が過ぎるぞ!」

「アハハ・・・怖がったさやかおもしろかったぞ」

「もうっっっっっ////!絶対許さないんだから!!!」

 

杏子に向かって剣を振り上げたその瞬間。

それ全体が光に包まれる。

思わず目を覆い隠し、その後ゆっくりを目を開ける二人。

するとそこにあったのは。

 

「「UFO?」」

 

先ほどまで杏子が乗っていたUFOとはまた別の全体が光の膜で覆われた機体。

 

「これも杏子の悪戯?」

「ち、違うこれは」

 

さやかが剣を光のUFOに突き刺そうとするが。

 

「うわあああぁぁぁああああっ!」

 

衝撃波のようなもので吹き飛ばされてしまう。

何度向かっても近づくことさえできない。まさに無敵。

 

「すげえ・・・」

 

光が強くなるとUFOから何かヒトらしき物体が降りてくる。

目と頭が大きく、手が小さく、細長く、背が高く、そして何よりも本当的にそれが地球人じゃないことが分かる。

まさに宇宙人そのものだった。

 

「ま、まさか本物の?」

「sじゃねxjsねうvkじぇsjるlt。ヴぇ」

 

謎の言葉でさやかに話しかける。

恐ろしさのあまり気を失ってしまう。

 

「さやかのやつ。気絶しちまった。それにしてもお前たちのおかげで助かった」

「tjぐvjsぇpび9v;dじぇ」

「それにしても良くできてるな。ていうか最初からこれを出してくれよ」

「えlvkちcw2:dl40@かんq」

「何言ってるか全然分かんねえけどな。じゃあたしはさやかを送らなきゃいけねえから。じゃあな」

 

握手するとさやかをおぶって帰る。

宇宙人たちは首をかしげながら杏子のほうをじっと見ていた。

 

 

 

 

    ○

 

 

 

 

その夜。ほむらに礼を言うためにうめえ棒10本を家に持って行く。

 

「おかげでさやかをギャフンと言わせられたよ」

「それは良かったわね」

「それにあのUFO良く出来てるな。宇宙人ロボットが出来てた時にはさすがに驚いたよ」

「宇宙人?何それ?」

「とぼけちまって。とにかく今回は礼を言うぜ」

「一体何のこと?」

 

同時刻、地球から何光年か離れた銀河系。

光の機体が多く集まっている。

その中の一つが遅れてやって来た。

 

『コラァ!勝手に変な星に降りてはいかん!団体行動できないやつは星に帰還させるぞ!』

「は~い。ごめんなさい先生」

 

宇宙人たちの遠足はまだ続くのだった。




原案:ニセ宇宙人(ドラえもん10巻所収)

アニメ:2002年9月20日放送
脚本:川辺美奈子
絵コンテ・演出:平井峰太郎
作画監督:中村英一
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