ホムえもんと愉快な魔法少女たち   作:Mr.モノクマ

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第2話 「おかしなおかしなおかしな傘」

6月はまだまだ続いているため、雨は一層強くなる。

まどか、さやか、マミ、杏子、そしてほむらの5人はそんな日でも魔女を倒すためのパトロールは怠らなかった。

ただ、魔女を探す作業は非常に地味なためイライラは増していく。

 

「ねえ」

「なに杏子ちゃん」

「一つ聞いていいか?」

「いいよ」

「お前らの傘ってどこで買ったやつ」

「私はママに買ってもらったやつ。さやかちゃんは?」

「デパートで買ったんだ。マミさんは?」

「昔からあるやつだけど、結構丈夫なのよ。暁美さんは」

「絶対に壊れない傘」

「そうだよな・・・じゃあなんで私だけレインコートなんだよ!」

 

この5人のメンバーの中で杏子だけが唯一赤色のレインコートを着ていた。

しかも、安物なのか雨水が体の中に入ってくる。

 

「ていうかほむらの絶対に壊れない傘ってなんだよ」

「その名の通り、絶対に壊れない傘よ」

「じゃああたし用の傘ってないか」

 

もうレインコートなんて意味がないぐらいずぶ濡れになった杏子。

 

「そんなのないわよ」

「一つぐらいあるだろ」

「そういわれても・・・あっ、確かこんな傘が」

 

魔法少女姿に変身して、その持ち前の楯から何かを取り出す。

それは普通の傘のようだった。

 

「なんだこれ?普通の傘か」

「まあ開いてみなさいって」

 

なぜか笑いを必死でこらえようとしている様子のほむら。

マミはなにか嫌な予感していたがあえて何も言わなかった。

予感とは裏腹にどんな傘が気になるからだ。

 

「さてこれで濡れなくてす・・・ギャア!!!な、なんじゃこりゃああああああ」

 

一見みると普通のこうもり傘のようだった。

でもなんと、普通の傘なら周りに雨が降っている中で傘の下だけ濡れないのに対し、この道具を開くと傘の下だけ雨が降り始めたのだ。

 

「さすとあめがふるかさ!よ」

「そのまんまね」

「てんめえええ!ふっざけんじぇねえ!!!」

「まあまあ冗談よ」

 

冗談だと本人は言うが、杏子はさらに濡れてしまった。

このままレインコートを着ていても仕方がないので脱ぐことにするが。

 

「す、透けてるよ杏子ちゃん」

「うおっい!」

「//////」

 

驚く杏子となぜか顔を真っ赤にさせてそっぽを向く杏子。

耳まで真っ赤にさせてる。

 

「はやくレインコートを」

「仕方ねえな。ってなんでさやかはあっち向いてるんだ?おーいさやかー」

「な、なによ///」

 

服が透けてかすかに見える杏子のブラジャーが色っぽいなんて口が裂けても言えないさやか。

とりあえずレインコートをまた切るのを確認したら大きく息を吸ってまた、杏子のほうを見る。

 

「???」

「な、なんでもないわよ」

 

 

「そ、そうか。それにしてもとんでもない傘だな」

「じゃあ他の傘を」

「まだあるのか」

 

次にほむらが取り出したのは、星条旗を模した派手な柄が描かれた傘。

杏子のキャラにはあっていない感じもするが、この雨ではあんまり贅沢も言ってられない。

 

「よーし、今度は大丈夫だろ」

 

だが杏子の大丈夫という予感は裏切られることになる。

その傘をさして瞬間、「パンパカパーン!!」というファンファーレとともに、紙テープや紙吹雪が舞いはじめたのだ。

しかも、どこから流れてるのか知らないが大音量のBGMとともに「ワルキューレの騎行  ワーグナー」が流れ始める。

 

「な、なんだなんだ?」

 

道行く人たちもなにがあったんだという表情で見てくる。

 

「おいわい傘!よ」

「もうほむらちゃんったら!とりあえず早く閉じないと」

「そうだな」

 

いそいで傘を閉じるとワルキューレの騎行のBGMは消えた。

さすがの杏子もこれにかんしては顔を真っ赤にさせるしかなかった。

 

「いい加減にしろよほむらぁ。あたしに何の恨みがあるっていうのさ」

「いや、最近手に入れた傘がどんなのか知りたくて」

「じゃあ今度はお前が試してみろい!」

 

楯の中に強引の手を入れた杏子はなにか先ほどの二つとは違う傘を引き当てた。

それは今までの二つとはさらに奇形な形をした傘であった。

取っ手の部分がなんと人間の足を模しているのである。

 

「なんじゃこりゃ」

「あっ、それは」

「とりあえずほら、この傘開いてみろって」

「え、ええ」

 

おそるおそるその傘を開いてみた瞬間、ほむらは勢い良く走り出した。

 

「暁美さん?いったいどうしたの?」

「こ、これはマラソンガサ!疲れずに走ることができるけど、だだ自分の意思で止まることができないのよ」

 

そのままどこかに走り去っていったほむら。

 

「どうする?」

「大丈夫だろ。ほむらのことだからいずれ帰ってくるって」

「それもそうね。じゃあ魔女探し続けましょう」

 

ちなみにほむらが戻ってきたのはその10分後。

自ら傘を手放してヘロヘロになって戻ってきた。

行きは疲れないが、帰りで疲れたといわけだ。

 

「大丈夫、ほむらちゃん?」

「ああ、まどか・・・帰ったらひざまくらして・・・」

「あまえんなって」

 

ペシッ、さやかが軽くツッコむ。

気付いたら雨は止んでいた。

 

「ふぅ~、これでやっと変な傘から解放されるぜ」

「あと一つ、手に入れた傘があるんだけど」

 

楯から取り出したのは“18”とそれだけ書かれたこうもり傘だった。

どうやらこれに関しては何の傘なのかほむらもよくおぼえていないらしい。

 

「あたしはやだよ。もう傘はこりごりだ」

「暁美さん、私も遠慮しとくわ」

「じゃああたしがさしてみる!」

 

立候補したのは、謎の面白傘に興味を示したさやかだった。

 

「じゃあどうぞ。責任は取らないわよ」

「分かってるって」

 

さやかはほむらから貸してもらった傘を意気揚々とさした!

すると!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うわあああああああああああ!!!!」

「なんで台風が!?」

「思い出したわ、それは台風ガサ!よ」

「じゃああの“18”っていうのは」

「おそらく台風18号のことね」

「まじめの解説してんじゃねえ!」

 

傘を持ったままどこかに吹き飛ばされるさやか。

結局その日一日は、さやかを追いかけるだけで手一杯の4人だった。

 

「もう変な傘なんかこりごりよ・・・・」

「お前のせいだろ!」




原案:なし(オリジナル作品)
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