ホムえもんと愉快な魔法少女たち   作:Mr.モノクマ

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この話はすこし長いので何パートかに分けて投稿します。
今後も何話かの話はこの形式になると思います。



第3話 「連想式推理虫メガネ パート1」

2013年6月6日

杏子は初めて自らバイトを経験してその給料をもらう日であった。

そのバカ力を利用して、工事現場で荷物を運ぶ仕事をやっていたのだ。

雨のも、風の日も、ずっと頑張ってきたのだ。

そして今日。

やっと1か月の短期アルバイトが終わって給料が支払われる日がやってきたのだ。

 

「佐倉さん。君はよく頑張ったな」

「よせよ、照れるじゃねえか」

「はいこれ」

「おおっ!!!」

 

杏子の手に握られたのは20枚の諭吉様が入っている封筒であった。

初めて見る大金に委縮してしまう。

 

「いいのかよ。こんなにもらっちまって」

「ああ。頑張ってくれたからな特別ボーナスも込みだ」

 

感激のあまり涙が出てくる杏子。

 

「ありがとな、大切に使うよ」

「おお、それでなんでも好きなもの買え」

 

短い期間だが仲間であった工事現場の人たちに手を振るとその場を立ち去る。

 

「さやかのやつ驚くだろうな。あたしが一人で稼いだお金」

 

さやかの驚愕する顔が目に浮かぶ。

そう考えると自然に顔がほころんでいき、一刻も早く見せてやりたいと早足になる。

その時であった。

 

「なんだあれ?」

 

本屋の看板に奇妙な売出し広告が書かれてあるのを見つけた。

それは『これであなたもシャーロックホームズ!』というやつだった。

中に入ってみてみるとどうやらそれは探偵のハウツー本のようであった。

だけど中身のクオリティは高く、なおかつ杏子でもわかりやすいものだ。

 

「そういえば、昔よくホームズの本読んでくれたな。そのたびに将来の夢は探偵になるって考えたな」

 

昔の夢。

探偵になる小さいころの夢。

心なしか光輝いて見えるその本。

 

「よし!」

 

杏子はその本を手に取り・・・

 

 

 

 

 

    〇

 

 

 

 

 

それから2週間と少しが経過した。

日曜日、さやかは休日を利用して昼寝を満喫していた。

 

「さやか!さやか!電話よ」

 

さやかのママがリビングから呼びに来た。

 

「えっ?」

「電話よ。佐倉さんっていう人から」

「佐倉・・・杏子!?あいつ電話持ってたっけ」

 

せっかくのお昼寝を邪魔されて、残念だが、それでも電話を取る。

 

「もしもし」

「おうさやか」

「杏子。あんた電話買ったの?」

「メールと電話機能だけの携帯電話買ったんだよ」

「いまどきそんなのあるんだ」

「それよりも、ちょっとマミの家に来てみろよ」

「マミさんの家に」

「面白いことがあるんだ。すぐ来てくれ」

 

そういうと電話は切れてしまった。

仕方がないので、さやかは着替えてマミの家に向かうことにした。

 

「気持ちよく寝てたのに」

 

ぶつぶつ文句を言っているさやかは、前を見ていなかったので『板井歯科医』の近くでやっている工事に気付かず、下の水たまりを踏んでしまった。

しかも急にぬかるみに足を踏み入れビックリしたため、目の前の犬のしっぽを踏んづけてしまったのだ。

 

「ガルルルルルル!!」

「うわああああ、なんであたしばっかり~」

 

 

 

 

    〇

 

 

 

 

「やあさやか、早かったな」

「ヒーヒー・・・で、で、面白いことって・・・なに?」

「まああがれよ。マミのお菓子もあるぜ」

「なんで、そんな我が物顔なのさ」

 

中に入ってお菓子をほおばりながら杏子の話を聞く。

家には杏子とマミと、まどかがいた。

ほむらは武器の調達に忙しいらしいので来てはいない。

どうやら杏子はここに来るまでのさやかの様子を推理するという。

 

「でも杏子ちゃん。本当にそんなことできるの」

「まあ見てろって。さやか、ジー」

 

さやかの目をじっと見つめる杏子。

 

「な、何よ・・恥ずかしいじゃな・・」

「分かったぞ!さやか、今まで昼寝してただろ」

「どうしてそれを!?」

「さらに板井歯科医の前で水たまりを踏んで、さらに犬に追いかけられた」

 

すべて当たっている。

まさか見ていたのか。

 

「佐倉さん!どうしてわかったの」

 

マミもまどかも目を丸くして驚いている。

 

「じゃあ種明かししてやるよ。まずさやかの顔にシーツの痕がついてるだろ。いままで寝てた証拠」

 

確かによくよく見てみると、顔にシーツの痕がかすかに残ってる。

 

「さらに靴についた水たまりの泥。このあたりで水たまりといえばあたしの知っている限りだと板井歯科医しかない。最後に、さやかは息を弾ませながら入ってきた」

「そ、それがどうかしたの」

「さやかが走るのは何かろくでもないことがあった時に決まってるのさ」

「そんなこと・・・!」

 

あった。

確かにこの前のおかしな傘事件といい、さやかが走るときはろくでもないことばっかりだ。

 

「杏子ちゃんすごーい!」

「すごいわ。それにしてもどうしてそんな推理ができるようになったの」

「じゃーん、この本を読んだんだよ」

 

それは2週間ちょっと前に杏子が初給料で買った推理本であった。

 

「あたしには探偵の才能があるかもしれないんだ。そこでマミの家をあたしの探偵事務所にする」

「ええっ!!」

 

だがもうすでにマミの玄関には釘で『杏子探偵事務所』という看板が打ちつけられていた。

 

「もう勝手なことして」

「でも杏子ちゃん凄いし」

「ま、まあそうだけど」

「なーマミー頼むよー。ちょっとだけだから」

「分かったわ」

「よっしゃあ」

「・・・・・」

 

さやかは帰り道に珍しく黙り込んでいた。

 

杏子が探偵事務所を開いた。

学校にも行っていない杏子が探偵事務所を。

何か悔しい。

何か。

何か。

 

「ほむらー!私も探偵事務所を開きたーい!」

 

ほむらの家に走って向かうさやかであった。

 

 

 

 

 

 

「連想式推理虫メガネ」To Be Continued

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