ホムえもんと愉快な魔法少女たち   作:Mr.モノクマ

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第6話 「どこでも風船 パート1」

本日は春真っ盛り。

暖かなポカポカした陽気が立ち込め、気持ちの良い風が吹く。

桜も開花し始め、群馬県南部の自然公園では花見の観光客でにぎわっていた。

まどかとさやかとほむらは学校帰りにそんな雰囲気をしみじみと感じていた。

 

「いいお天気だね」

「そうね。ピクニックにでも行きたい気分ね」

「ほむらでもそんな気分になることあるんだ」

「失礼ね美樹さやか。あなたは年がら年中食べ物のことしか考えてないんでしょうけど」

「そんなことないぞ!」

「じゃあ去年の花見のことを思い出してみて」

 

さやかは去年にまどかと一緒に行ったお花見を思い出す。

花のことを思い出そうとするが、団子、から揚げ、おにぎり、ジュース。

 

「・・・・・」

「やっぱり花より団子じゃない」

「うるさい!じゃあほむらはどうなんだ」

「私は・・・・」

 

ずっと入院続きだったので花見なんて一度もしたいことないことを思い出した。

一度も、あったとしてももう記憶にないほどの昔の話。

 

「・・・・・」

「な、なんかゴメン」

 

なにやら暗い雰囲気になってきたのをまどか察知し。

 

「じゃ、じゃあさ、今からお花見にいこう」

「お花見?」

「うん。見滝原が丘の桜がとっても綺麗なんだって」

「知ってる。今日あたりが見ごろだってニュースでやってた」

 

桜。

ほむらは興味があった。

先ほど言った通り一度も花見なるものに行ったことないので、一度行ってみたいと思っていたのだ。

さらにそれがまどか(とゆかいな仲間)と一緒ならなおさらだ。

 

「ま、まどか。私も行ってみたいわ」

「ほむらちゃんも!やったあ。さやかちゃんは」

「いいよ」

 

そういうことで三人は見滝原が丘にお花見に行くことに決定した。

 

「じゃあまたあとでね」

「うん」

「遅刻しないことね、特に美樹さやか」

 

クールに装っていたが内心はウキウキでしょうがなかった。

まどかとお花見。

まどかとお花見。

まどかとお花見。

さやかはおまけ。

でもさやかも大切な友達。

 

「よっしゃあああああああああああ!」

 

柄にもなく道端でガッツポーズをとる。

 

「あれ?」

「あっ、あけみさ~ん!」

 

振り向くとそこにいたのはいつもほむらを喫茶店にさそうクラスメイトだった。

紫色のセミロングの子と、茶髪のツインテールの子。

名前もうる覚えで完全には覚えていないが、いつもいう決め台詞があった。

それは・・・

 

「今日こそ帰りに喫茶店よってこ♪」

(まいかい同じセリフね)

 

転校当初から定期的に誘ってくる。

 

「ごめんなさい。今日は用事があるのよ」

「え~~~そんな~」

「いけないの~?」

「ごめんさい!今日は駄目なの」

「やだやだ~今日こそ喫茶店に暁美さんと行くの~」

「よ~し、強引に連れて行っちゃうもん」

 

ジリジリと近寄ってくる喫茶店コンビーズ(ほむら命名)。

このままだと捕まってしまう。

 

「ここは三十六計逃げるにしかずよ!」

 

家まで猛スピードで逃げ込むほむら。

捕まらないように後ろを振り向かず。

ようやく振り切ったが、まだ近くにいる気がしてならない。

 

(なんでそこまでして喫茶店に行きたいのかしら)

 

あの執念。

どっかの淫獣そっくりだ。

そう考えるとゾッとする。

 

「だけど私はまどかと一緒にお花見に行く」

 

ほむらとしても喫茶店よりまどかとお花見に行ったほうがずっといい。

だがまどかたちと出会う途中で喫茶店コンビーズにあったら、今度こそ羽交い絞めにされて、口にガムテープ貼り付けて連行されそうだ。

 

「無事にまどかたちと合流できるかどうか、しかたない・・・どこでもドア!」

 

楯からどこでもドアを取り出す。

これでとりあえずまどかの家に直行・・・のはずだったが。

 

「あれ?おかしいわね。開かないわ」

 

どうやら鍵がかかっているみたいだ。

必死で楯の中から鍵を探そうとするが見つからない。

 

「こんなことならちゃんと楯の中整理しとけばよかったわ。しょうがない、タケコプター!」

 

今度は大丈夫だろうと、窓からタケコプターを頭につけて飛び出した。

だが・・・

 

「電池切れだったの思い出したわ!」

 

窓から庭に真っ逆さま落ちていく。

運よく怪我をしなかったが。

 

「もうっ!なんで充電しておかないのよ!」

 

自分自身に猛烈に腹が立ってくる。

どこでもドアもタケコプターも使えない今、どうやってまどかたちのところに向かうか。

まともなもの、ちゃんと使えるもの。

 

「これがあったわ、どこでも風船!」

 

取っ手の部分にボタン、風船の吹くところには栓が取り付けてある道具だった。

ボタンを押すと瞬時に風船が膨らんだ。

そして、楯から取り出した普通のネームペンで「まどかの家」と書く。

 

「あとは栓を抜くだけよ」

 

栓を抜いた瞬間、風船から吹き出す空気の勢いでまどかの家まで飛んで行った。

 

 

 

 

 

その頃、まどかの家では。

花見の準備をしていると、父親の鹿目知久が部屋に入ってきた。

知久はまどかの父で専業主夫。

優しく穏やかな性格で、妻の鹿目詢子を心から尊敬して陰から支えていくことに誇りを持っている。

まどかもそんな知久のことが大好きなので、多少部屋に入ったぐらいじゃ怒ったりしない。

 

「どうしたの?」

「頼みたいことあるんだけど、いいかな?」

「何?」

「となりまちの虚淵さんに料理の本を借りたんだけど、今日これからタツヤの予防接種なんだ。今から虚淵さんの家に届けてくれるかな?」

「虚淵さんの家に?」

 

虚淵さんの家は確かに隣町だが、見滝原とはまるで違う街。

まるで辺境の田舎であたりには何もないところで、あんまり行きたくはない。

 

「今日はちょっと忙しくて」

「ダメかな?困ったな」

 

パパが困ってしまう。

どうにかしなければ。

そこはさすがまどかで、良心が勝って。

 

「だ、大丈夫だよ。虚淵さんの家に行ってくるね」

「そう。ありがとうまどか」

「う、うん」

 

笑顔だが実際はほむら、さやかとのダブルブッキングで真っ青状態であった。

 

 

 

 

 

 

「どこでも風船 パート1」To Be Continued

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