生徒会室
それは青春の舞台の一つであり様々な作品に取り上げられる場所でもある。ここ、IS学園も特殊な学校ではあるが勿論生徒会は存在するし他の学校よりも生徒会の権限というものは大きい。そのためか生徒会室の設備も高級感溢れるものばかりだ。そんな一室で頭を抱え唸る空色の髪を持つ少女が居た。
彼女の名前は更識 楯無
由緒ある更識家の長女であり暗部である更識家の当主を務め17代目の”楯無”を襲名した少女だ。他にもロシアの国家代表やIS学園生徒会長などの肩書きを持つ少女でもある。
そんな彼女をソファから眺めているのは生徒会副会長を務める僕である。いろいろあってISを動かしてしまった僕はIS学園に入学する事となり今では生徒会に所属していたりする。
ぼくの話はまぁ、良いだろう。何故いつもなら余裕しゃくしゃくな笑みを浮かべている楯無さんがあんなに頭を抱えているのか。それは二人目の男性操縦者が現れ来年度入学する事になったからだ。学園の警備なども受け持つ生徒会はもう一人の男子、織斑 一夏君のために仕事が増えたのだ。そして増えすぎた仕事を楯無さん、虚さん、僕で分担してやっていたのだが容量を遥かに超えた楯無さんは泣き出した。
「ねえ」
「なんですか会長?」
未だに涙目の楯無さんが顔を上げ話しかけてくる。泣いていたのが嘘のように笑みを浮かべている楯無さん、何か企んでいるのだろうかと勘ぐってしまうのはこの一年間の学校生活が原因だろう。僕は悪くない……はずだ。
「虚ちゃんが居ないうちに逃げない?」
「はぁ……また怒られますよ?」
いつだったか仕事を放っぽり出し逃げ出した楯無さんを探す羽目になった事がある。虚さんや織斑先生と捜索する事になったか。
そんな事をわかっていてやっているのかソファの後ろに回り込み囁いてくる。
「良いじゃないちょっとくらい……ね?」
スルリと白い手が伸びてくると僕に抱きついてくる。首には楯無さんの豊満な胸が押し当てられドキッとする。
「そんな事してもダメですよ。虚さんに合わせる顔がありません。それに書類が大変なのはみんな変わらないんですから」
「もう、仕事と恋人とどっちが大事なのよ」
痛いところを突いてくるな。そう言われてしまうと強くは出れないのを楯無さんは知っている。
「ちょっとだけですよ”刀奈”さん」
楯無の本当の名前で話しかける。これは僕たち恋人同士の合図だ。生徒会の仕事がある時や誰かがいる時は会長や楯無さんと呼ぶ。だけどプライベートの時は刀奈さんと僕は呼ぶからだ。
「うふふ……はぁーい。わかったわ」
プライベートに切り替ったのが分かったのかさっきよりも強く抱きしめてくる。刀奈さんの息遣いが……身体の熱が伝わってくる。確かにそこに居るのだとわかり安心する。首元から回された腕を触ると少し暖かい感触が却ってくる。
「っと、名残惜しいけど虚ちゃんが帰って来ちゃうわね」
そう言って笑う彼女が夕日に照らされる。もうそんな時間かと思うがそんな考えは一瞬にして消え去る。夕日に照らされた空色の髪が揺れカメリア色の綺麗な瞳が僕を見つめていたからだ。
「それじゃあもう少しだけ頑張りましょうか! ね? 私の彼氏さん♪」
更識刀奈は可愛いと思う僕だった。