この日、彼はいつものように任務を終え、就寝していた。
なんてことは無い任務の筈だったのだが、何故かやたらとトラブルに見舞われた。
彼は非常に不機嫌だった。
そのため、精神を回復させようと戦場を共にしてきた相棒─ダンボールの中で寝ることにしたのだが…それがいけなかった。
彼はその箱に書いてある文字に気が付かなかったのだ。
この世界には存在しない、異世界の文字に。
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─音によって目が覚めた。
風が当たる音だ。だがそいつはおかしい。
俺は機内で寝ていたはずだ、だが何故こんなにも音が近い?
外の様子を見たいが、ダンボールに視界を遮られては見れん。
かといって今ダンボールからでれば、近くに敵兵がいて即座に狙撃される危険性もある。
…まずは、オタコンに無線をかけてみるか。
《ザーッザーッ…》
《カチッ》
「…こちらスネーク、聞こえるか?」
「スネーク!君は今一体何処に居るんだい!?」
「それはこっちのセリフだ、オタコン。明らかに俺のいる場所は機内じゃない」
「当たり前だ!だって君はこの機内には居ないじゃないか!」
「お前が俺を外に落としたんじゃないのか?」
「そんなことするもんか!…というか、君が勝手に出掛けたんじゃないのかい?」
「なにを馬鹿な、俺には出掛ける用事なんて無い。そもそも俺の居場所は発信機を辿ればわかるじゃないか」
「それが分からないから聞いてるんじゃないか!」
「分からないだって?」
「今こっちで君の発信データを拾うように操作してるんだけど、どれだけ探しても見当たらないんだ」
「そんな筈は無い。俺が居るのは少なくとも屋外だ、妨害される状況じゃあない」
「だけど実際反応がないし、そもそも屋外でも屋内でも絶対に見つけられるようになってるんだ。宇宙空間に居る場合を除いてね」
「俺に見えているのは一面真っ暗な世界だが、星なんか浮かんじゃいない。なんせダンボールの中だからな」
「ハァ…」
「…とにかく、今情報が欲しい。何かそこにある建物とか地形とかなんでもいい、教えてくれ。そこから憶測を立てるしかない」
「…あぁ、そういえば何故かMk-IIを持っているんだが」
「Mk-IIだって!ちょっと待っててくれ…」
「…繋がったよスネーク!残念ながらマップには表示されないけど、一応操作が効くし映像も見れそうだ」
「そいつは本当か!」
「あぁ、もちろん!それに、無線はこっちからかけられなかったんだけどMk-IIが繋がるなら話は別だ。こちらから無線をかけれるようにやってみるよ」
「分かった。だが、やはり一度外の様子を探るべきだな。名残惜しいが
「どれだけダンボールを気に入ってるんだい、君は…。まぁ、よろしく頼むよ。もちろん敵には気をつけてね」
「分かっている…」
《ピィーウン》
…取り敢えず支援が全く無い、なんて状況にはならずに済んだようだな。
今のところ敵の気配は感じない。
ならば今のうちに外を探ってみるとしよう。
《ガタッ》
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だが、彼らが杞憂していたことなど起こらず、
そこにあったのは…
「…ここは、どこだ」
彼の生きる場所─戦場とは真逆の、それはそれはのどかな街並みであった。
こんな感じでやってきます。
よければ次回も是非読んでみて下さい。