「…ここは、どこだ」
メカメカしい機械なんてものはどこにもなく、レンガや木材で作られた建物がズラリ。
歩く人々の姿もスネークには見慣れないもので、少々時代が遡ったかのような服装。
街は人々の活気に満ち溢れていて、欧州の中世の街並みといえばいいのか。
そういえばオタコンの好きなSF小説の中にもこんな街があると言っていたなぁ、とスネークは記憶を辿っていた。
《ピロロッピロロッ》
突然、無線を知らせる音が鳴ったのですぐに応答する。
《カチャッ》
「…こちらスネーク。どうやら無線は上手くいったみたいだな」
「あぁ、そうみたいだね。上手くいって良かったよ。まあ、君と僕の無線をMk-IIに橋渡しさせてるだけだからそんなに難しいものでも無いんだけどね」
「そうか…それよりもこの場所だ。なんだか欧州の街のようにも見えるが、なんだか少し古くみえる」
「あぁ、たしかにMk-IIからの映像を見ても今の欧州の景色とはちょっと違うみたいだ。それにどうやら使われている言語も違うらしい」
「言語が違う?…確かに聞いたことがないな」
「少し調べてみたんだけど、この言語と同じものは見つからなかったんだ。そんなことがあるのはこの言語が極秘にされたものであるか、そもそもこの地域が世界に発見されていない未開の地だったていうくらいしかないけど…」
「まさか!この街の風景を見る限りここはオープンすぎる。極秘の言語をわざわざおおっぴらに使うはずがない」
「そうだね、それに建築物を見る限り俺たちの知る文明と全く違うわけじゃないみたいだ。もしここが誰にも知られぬ土地ならば、ここまで似かよった建築技術があるわけがないだろうしね。」
「…しかし、未知の言語なんてどうしたらいい?このままだとちょっとした情報を得るのさえままならんぞ」
「おっと、悲観するのはまだ早いよスネーク」
「どういうことだ」
「ちょっと前にサニーが開発したアプリがあるんだ」
「サニーが?」
「そうさ!その名も【
「随分とストレートなネーミングだな」
「なんせ調べたい言語の法則性を見つけ出して使いたい言語に変換する優れもののアプリだからね。そのまんまで分かりやすいだろう?」
「まぁ、確かに」
「ちょっと使ってみたんだけど、これがびっくり!この
言語も変換出来たんだよ!」
「そんなまさか!?」
「僕も正直驚いたよ。おかげで言語の問題もこんなに早々に解決できたしね。いやぁ、サニーには頭が上がらないよ」
「待て、オタコン。言語が変換出来るのはいいが俺はそいつを喋れんぞ」
「実はそれも大丈夫なんだよ。今サニーと協力して作ってるんだけど…ちょっと待っててくれ」
「あ、あぁ…」
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「…よし、出来たよスネーク!君の無線で音を拾って言語を変換しイヤホンへ、そして君が喋った言葉をマイクが拾って言語を変換しスピーカーへ送る、っていうシステムがね!」
「サニーに不可能ことはないのか…」
「正直、運動と料理をのぞけば出来ないことはないんじゃないかと思ってるよ」
「…」
「…取り敢えずこのシステムを使おうにも、まずはLCをインストールしなきゃ始まらないんだ。この前渡した端末はもっているかい?」
「…あぁ、この【Meta-phone】ってやつか」
「そう、それだ。操作の仕方は分かるかい?まずはコントローラのL2ボタンを押してITEM選択画面を開いて…」
「…?オタコン、言ってることがわからないんだが…」
「おっと、すまないこれは【MGS4】じゃなかったね」
「MGS4?」
「あぁ、それはいいんだ。それよりインストールの仕方だけど、まずは電源をつけてくれ。ボタンは端末本体の右側にあるはずだ」
「おぉ、これか…ついたぞオタコン」
「よし、それじゃあ【Meta Play】というアプリを開いてくれ。そこに僕らが開発したアプリの一覧があるはずだ」
「ほぉ…この【MGS1 REMAKE】ってアプリはなんだ?」
「それはMGSシリーズの初代MGS1をスマートフォンでも…ってそれは今使う必要がないからいいんだ。とにかく今はLCを入れてくれ」
「ハァ…分かった」
「…インストール出来たぞ」
「よし、それでもうさっき作ったシステムも自動的に適応されているはずだ。どうだい?」
「…おぉ…!ちゃんと言葉が分かるぞ…!」
「成功だね。こっちに聞こえる音声も無事に変換されてるよ」
「あっちのマダム同士の会話もわかる…!あのカップルらしき二人組は…女のほうが男に鬼畜の所業を乞うているように聞こえるが…」
「そんなことをこんな往来で堂々と話すなんて、それほんとにただのカップルなのかい?…まぁ、とにかくスネークは情報を集めてくれ。僕の方もMk-IIで色々探ってみるよ」
「Mk-IIは怪しまれないか?」
「大丈夫だよ。ステルス機能をオンにしておくさ」
「分かった。じゃあ取り敢えず民間人に話しを聞いてみる」
「あぁ、頼んだよスネーク」
《ピィーウン》
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「ふぅ…」
状況はあまり変わっていないが、強力なバックアップがあるのは心強い、と少し安堵したスネークは息を吐いた。
まずはこの土地について詳しくしってそうな人を探そうと歩き始めたとき、背後に人が近づく気配を感じ、愛銃─オペレーターに手をかける。
「なぁ、あんた見ない顔だなぁ」
振り返ると、そこにいたのは人の良さそうな笑みを浮かべた50代くらいと思わしき男性。
エプロンをつけているのを見る限り、どうやらそこの果物屋の店主のようだ。
スネークは銃から手を離した。
「あぁ、俺は…そう、旅行に来たんだ」
取り敢えず無難な返しにしたが、この店主は驚いた顔をする。
「この街に旅行とは珍しいねぇ!」
「何故?」
疑問に思って聞いてみると、店主は得意げに話し始めた。
「何故って、ここは駆け出し冒険者の集う街。どっちかっていうと人に出ていかれる街だからさ」
「冒険者?そりゃあまた随分SF小説のような話だな」
「えすえふ?…まぁ、いいや。見るようなところもない街だが、楽しんできな」
「あぁ、そうさせてもらう」
多少なりとも情報を得られたことに満足したスネークはその場をさろうとしたが、店主が待ったをかける。
「あ、そうだ!ちょっと待ってて…」
そういうと自分の店に走っていき…それから見たことのない果物を手に戻ってきた。
「こいつはここの名産品なんだが、買っていかないかい?まけてやるから」
「悪いが今持ち合わせがない」
そう言うと一瞬悲しげな顔をして、それからすぐに大きな笑みを浮かべた。
「なら、こいつはただでやるよ」
「…いいのか?」
「いいんだよぅ、ここに来てこいつを食わないのはもったいないからな!」
「すまない、恩に切る」
そう告げると店主はニコリと笑って店へと戻っていった。
スネークは気前のいいオヤジもいるもんだ、なんて思いながらそれを見届け、果実をシャクリ、とかじったのでした。
「…!」
「旨すぎるっ…!!もっとくれ!!!」
「ひぇ〜!!まだ食べるのかぁ!?」
…異世界生活はまだ始まったばかりである。
なるべく無理のない設定にしようと思ってたけど無理でした。
なんかいい方法はないものか…